うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

記憶の彼方と海の底

突然ですが、2013年の正月にだらだら書き連ねたと思われる日記の一部を抜粋して載せてみる。以下がそれ↓


で、これが書きたかった清盛総集編。清盛がハゲになったあたりから忙しくてろくに見られなかったので楽しく見た。たまこ様が死んで三上博史号泣とか(泣いた)清盛の弟の男色事件とか(マジかNHK)オウムの「ちちうえ…」とか(泣いた)義朝に優しく「泣くでない」って言う為朝と結局切れなくて泣いちゃう義朝とか(このドラマでたぶん一番好きだったシーン)崇徳院妖怪大戦争とか(何のドラマなのか)とか全部カット(だったはず)で残念。見たかったシーンに全然清盛がいないあたりで無理。でも前半の登場人物がみんな濃くて清盛がいない方が面白かったのは事実ですね。そんな清盛が一番言いたかったことは「一緒に天下取ろうって言ったのになんで死んじゃったの義朝のバカ!」でいいでしょうか。なんか変な部分も多かったけど個人的には意外と面白かったよ。なんで視聴率悪かったんだろうね?


抜粋以上。
2012年に放送されていた大河ドラマ平清盛』の総集編の感想を書いた部分のみ載せてみたわけですけど、何故そんなことをしたかと言うと、読み返してみて、「あれ?このドラマ相当面白くない?」って感じたからですね。何だそれ(笑)。
毎週同じ時間にテレビの前に座っているのがすっかり苦痛になってしまった成人してからの私が、諸事情で見なければまずいことになった『平清盛』。成り行きで見始めたものの、歴史の過渡期に巣食う「物の怪」たち、つまりは様々な傑物の、妖しくも泥臭い群像劇が想像以上に面白くて、かなり真剣に見てた記憶があります。
特に崇徳院妖怪大戦争の回は「私は大河ドラマを見ていたはずなのですが」と思わず呟いてしまいそうになったほどの凄まじい話でしたが、ものすごく印象に残ってます。崇徳院の人生を否定しなかったナレーションは今でも忘れられない。とんでもなく濃い人たちばかりでめっちゃドロドロしてるのに、そこには優しさと言うか、人間への愛みたいなものがあったんだよね。下手なごまかしとか逃げのないドラマで、見てる方にも非常にエネルギーを要求される感じがして、見ると疲れちゃうんだけど(笑)、でも楽しく視聴してました。
けれど、周囲にはドロップアウトしてしまう人が多くて、なかなか語り合えず、視聴率も良くなかったと聞いて、何でかなあ、面白いのになあ、私の感覚が変なのかなあ、なんて寂しく思ったそんな記憶。今更発掘した過去の自分の文章を読み返し、その頃の思い出が甦ってきて、これは当時の記憶として今回載せてみたい、でも同意は得られないのかもね、なんて気持ちで、確認がてら清盛について検索してみると、

あれ?なんかこれ再評価されてるみたい?

確かに大河ドラマとしてはキワモノだったけど、面白かったと思うんですよ。日曜の8時という、日本人の心に刷り込まれた枠を取っ払って、先入観なく見られた方が良かったドラマだったのかもしれないですね。
でも、もう一度視聴するのはエネルギーの消費量がでかすぎて無理かもしれない(汗)。「朕を射てみよ!」って言いながら立ち上がったら適切なリアクションを取ってくださるような方と一緒に盛り上がりながら見られるならきっと可能ですが(笑)。呆気にとられたけど(汗)三上博史の怪演が最高でしたよね。だからって遊ぶなよそのネタで(笑)。ドラマ見てない人さっぱりわかんないし!(笑)でも誰か一緒にやって、朕を射てみよごっこ(笑)←そんな奴いねえええええええ

世界選手権2017雑感⑧

男子フリーの放送の最後にフジ恒例のスタッフロールが流れる。エキシビションの後じゃないのか。しかもまだアイスダンスあるんじゃなかったっけ?そうか、放送しないからですね(泣)。ペアもアイスダンスも全然見られなかった…。私の現在の環境では難しいけど、もうちょっと何とかしたい。
このスタッフロールと言うかエンディングと言うか、毎年非常に出来がいいので楽しみにしてる人も多いのでは。爆発する喜び、切ない涙。今シーズンの印象的な場面を散りばめた映像に感慨深い想いを抱きながら、今年も1年終わったな、としみじみと振り返るのが毎年恒例となりつつあります。町田君引退の年のは泣いたなあ…。

しかしエキシビションは生放送してくれないらしい。まあそこまで望むのは贅沢かもしれません。でもエキシビションの放送前にやってた特番の間に、昌磨君と羽生君だけ放送してくれたんだっけ。いや昌磨君は録画だったかな。羽生君は確かに生放送だったと思うんだけど。んでエキシビション終了後にふたりが生出演してくれたんだよね。昌磨君が眠そうで心配になりました←汗

実際のエキシビションは深夜からの放送。連日の素晴らしい演技の連続を見届けるのに集中し過ぎたせいか、途中からうつらうつらしてしまい、放送されたスケーターの中にはほとんど演技を思い出せない人もいます、ごめんなさい(泣)。ゆったりした曲が多かったのも影響したかもしれないですね。タイスの瞑想曲がかぶっとる…。エキシビションでこの曲を使うスケーター、多いような気がするんですけど、つい滑りたくなる音楽なのでしょうかね。確かに私もこの曲好きですしその気持ちはわかる気もしますが、しかし眠気を誘うメロディでもあるんだよなあこれ(汗)

ミーシャは本領発揮って感じでたいへん良かった(笑)。あとステファン振付とアナウンスしてくれたシブタニ兄妹のエキシビションもかっこよかったです。シングルの選手だった彼がアイスダンスの振付をしてるというのも不思議な感じですが普通のことなのかな。

羽生君は相変わらず性別も年齢も超えた美しい生命体でした。このプログラムの羽生君は際立ってそんな気がする。大人になったら少女のドレスのように繊細な衣装の数々はもう似合わないだろうし着ないだろうと思っていたのに、欠片も違和感なく着こなしているどころか困るほど似合っているところがもう…。さらに織り込まれた技のひとつひとつが実にきらびやかで美しい。リンクにデネブの輝きが降るようだ。生で見てみたかったプログラムだけど、おそらくその機会はもうないだろうなあ(泣)。

シングルループを挟んだ4回転と4回転のコンビネーションを跳ぼうとしてたのですかねあれは。失敗して転倒し、照れ笑いしながら起き上がる羽生君の一瞬の仕草や表情を捉えたと思われる写真に衝撃を受ける。なんすかあれ。なんなんすかあれ。あれ見ても自分の方がかわいいとか抜かしてる女いたら豆腐の角に頭ぶつけて死んだ方がいいレベルじゃないですかあれ。中身は完全たる阿修羅であるという事実を知らなければあまりのかわいさに悶絶していたことでしょう。でも羽生結弦よ、君は紛れもなく阿修羅だ。騙されないからなワシは←震える声
しかしあれですね、ちょっと前の話ですけど、朝っぱらから情報番組の男性出演者が「男の子として見られない」なんて困惑とときめきの混ざった表情で思わず呟いてしまうわけですね(汗)。あの出演者は今回の写真を見て何を思うのでしょうか…。そうか、これが魔性か…。

来シーズンのプログラムはどうなるのかな。フリーは衣装といい音楽といい内容といい、羽生君の集大成っぽい感じがしたので、このままオリンピックでも滑るのかななんて思ってたけど、色々話を聞いていると変更されそうですね。オリンピックで勝つための、全世界的にわかりやすいプログラムになるのだろうけど、でも叶うことならば、羽生君の魅力が最大限に引き出せるプログラムであって欲しいと切に願う。ここ2シーズンのフリーに見られるような、和のテイストが入った、神秘性が際立つプログラムこそまさにそれだと思うのだけど、わかりやすいプログラム、ではないんだろうなあそれって。ほかの誰にもできない要素であって、完璧に滑った場合は抗いがたい魔力に溢れ、神が降臨したくなるのも頷けるのだけれど…。オリンピックで確実に勝つことの方が重要ですもんね…。
ショートプログラムも変えちゃうのかな。ここのところショートは2シーズンかけて滑り込んでた印象が強いけど、このプリンスは保守的なオリンピックには向いてないかもしれないですね。ファンが思いっ切りギャーギャー叫べる、俺様ぶりを堪能できる素晴らしいプログラムだと思うのですが。私は「ヴァーティゴ」が大好きなので、これもんのプログラムやってくれてめっちゃ嬉しかったんですよね(笑)。
俺様な羽生君と綺麗な羽生君という豪華二本立ては最高なので、エキシビションを含めてでもいいので是非その方向で行ってもらいたいですけど、予想外の最高を与えてもらえるのならそれでもまったく構わない。とにかくひたすら楽しみです。無の境地で来シーズンを待ちます。その前に国別対抗戦がありますね!またプリンスとホープ&レガシーが見られると思ってなかったので非常に嬉しいです。貧民の私は会場へ行くことは叶わないけど(泣)、テレビの前で必死に応援します。世界選手権のように緊張することもないから、気軽にポテトチップスバリバリ食べながら見ます(笑)←ポテトチップスがないと生きていけない私に品薄の話は大ダメージ←でも田舎にはたぶんあんまり関係ない気がする…

男子フリーの翌日のスポーツ新聞は全紙買いたかったけど、貧乏過ぎて不可能でした(泣)。ソチの男子フリーの翌日のは全部買ったよ、懐かしい。フィギュアスケート関連の新聞記事スクラップしてるのですよ。と言っても今は新聞の届かない環境なのでほぼ過去形なんですけどね(泣)。新聞取りたいんだけど、今の収入じゃ厳しい…。流し読みでもいいから世の中の動きに関心は持っていないと、と焦燥感と危機感があるんですけども。ネットじゃどうしても自分の関心のある箇所しか見ないですからね。
そんなところで、この世界選手権への雑多な感想文を完結とさせていただきます。色々書きそびれたこともあった気がしますが、いい加減長過ぎるのでもういい(汗)。もし万が一最後までお付き合いくださった方がいらっしゃいましたら、誠にありがとうございました。すべての選手たちにとって素晴らしいオリンピックシーズンとなることを願いつつ、次は国別対抗戦でお会いしましょう!たぶんまたなかなか書き終わらないのだろうと思いますけど(泣)

世界選手権2017雑感⑦

続きです。

羽生君の演技がもたらした興奮が、画面を通しても伝わってきていた。そんな中で滑らなければならないネイサン。四大陸では彼に勝利をもたらした要因のひとつとなった滑走順も、この日は彼の味方をしなかった。いや、それは最終グループすべての選手に言える。会場に満ちていたすべてのエネルギーが、羽生君の演技に収束されてしまい、もはや何も残っていないようにすら感じた。いや、残っていないのは神の存在だけで、世界選手権という最高の舞台はまだ続いているのだけれど、神の去った喪失感というものはこれほどまでに大きいのかと、そう思わざるを得なかった。

転倒はあったものの4回転6本に挑戦してきたネイサン。ものすごいことをやっているし、本来もっともっと騒いでも良かったはずである。でも私はまだ涙が止まらず、足にきてるみたいだけど大丈夫かな、と心配しながらも、まだ茫然としていた。
続くボーヤンのパーフェクト演技も通常の状態であればもっと嬉しかったはずなのだが、それでもまだ茫然としていた。でも今シーズン不調だったボーヤンの完全復活に感激して、やっと涙が止まった。ボーヤンありがとう。素晴らしかったよ。
どうにか涙は止まったもののパトリックの演技でもまだどこか茫然としていた。ショートの演技と得点を見て、パトリックはあれがベストなのかなと思った。申し分のないほど素晴らしい選手だけれど、いつも楽しみにしてる選手だけれど、彼は特にパーフェクトに滑らないと勝てなくなってしまった。少し前までならこの程度のミスならばぶっちぎって優勝していたはずなのに。なんていう時代になってしまったんだろう。

昌磨君の演技でやっと茫然自失状態から抜け出せた。完全ではなかったけど。昌磨君のこの演技でも羽生君に届かないのか。ショートもフリーもほぼノーミスだったのに。フリーでは着氷の乱れなどもあったけど、そこまで大きなミスじゃない。ショートの羽生君の失点がかなり致命的なミスだったこともあり、あのルッツのミスがなければ、という話はあまり建設的な意見ではないよな、と思ってはいるが、それでも今大会の彼の演技は十分過ぎるほど優勝に値する演技だったはずだ。それなのに。
神は羽生結弦依代に選び、ほかの誰も勝たせるつもりがないように思えた。少なくともこの日はそうだった。昌磨君の演技が終わった時点では、それでも昌磨君が優勝かなと思ったりはしたけれど、得点を見ると、やはり私の感じた通りだったのか、と思った。
羽生君の演技をモニターで見てからリンクに向かった昌磨君。枠の心配をしなくていいから安心して滑れたとか(枠のことなんて完全に忘れてた人手を挙げて…。ほとんど全員じゃないすか、汗)もう何をやっても勝てないと思ったから開き直れたとか…。素直な言葉だなと感じつつも、羽生君の最大のライバルになるのは昌磨君ではないか、という私の予感は当たったのかなと思った。パトリックとハビエルはほぼ完成されている。ネイサンとボーヤンは発展途上ではあるが完成形の予想はできる。でも昌磨君はそれがまったく見えない。天井がどこにあるのかわからないのだ。どんな風に伸びてくるか予測がつかないという点で、誰よりも恐ろしい存在だと思っていた。ただ、それは羽生君にも言えることだ。まだ天井ではなかったのかと、今大会のフリーを見て多くの人が驚愕したはずだ。同じ国に生まれたふたりの怪物。きっと平昌オリンピックまでの期間は最高のシーズンになるだろう。どうかこの素晴らしいふたりの選手が問題なく最高のシーズンを過ごせるよう、そう祈らずにはいられない。

もし滑走順が逆だったなら、フェルナンデスはのびのびと滑って3連覇を達成していたのかもしれない。逆でなくても、彼が完璧に滑ればショートとの得点差で優勝していたかもしれない。でも、このグループの最初に出てきた羽生君の存在と得点は、あまりにも大きな壁となって彼の前に立ち塞がった。もう後半は足が思い通りに動いていないように見えた。彼らしい明るさも空回りしているかのようで、とても残念だった。それでも300点を超える得点。これで表彰台にも上がれないとは。ほんの少し前までなら考えられない事態である。成績上位者の待機室みたいな場所で、「300点超えて4位かよ!どんだけだよ!」と叫んでいた羽生結弦氏。きっと世界中からツッコミが入ったに違いない。

「お前が言うな」

歴代の総合得点(当然300点超えてる)上から3つまで全部あなたの名前なんですけど!(笑)

こうしてこの熱い、熱い戦いは、羽生君の逆転優勝というこれ以上ないほどの展開で幕を閉じた。私が創作に携わる人間だったなら筆を折ってしまったかもしれない。どんなフィクションも、この物語の前ではすべて色褪せてしまうかのように思えた。
喉から手が出るほどこのメダルが欲しかったはずだ。マシンガンのように喋り倒し(笑)、表彰台に飛び乗る羽生君は、久しぶりにこんな羽生君を見たような気がするほど嬉しそうだった。彼に勝つために、選手たちは皆研究と努力を重ねてきた。その結果が誰もが考えつかなかったほど大きな実を結んだのが今シーズンだった。群雄割拠の世界と化した男子フィギュアスケート界において、羽生結弦絶対王者の矜持を保ち続けられる保証はどこにもなくなっていたように見えた。しかし、そんな群雄たちを、もはや世代交代かとの声を、羽生結弦自らがねじ伏せてしまった。こんな選手が、こんな凄まじい選手が日本から出てくるなんて。有名になるということは数多くのアンチも生み出すということに他ならないが、あの演技を見ても黙らないアンチはフィギュアスケートのファンではないと言い切ってもいい。誰にでも好き嫌いはあるが、そういう問題ではなしに、ああ、ただ誰かをこき下ろしたいだけのクズ様でいらっしゃったんですね、と呆れるばかりである。

どうしようか迷ったが書いてしまおう。実はこの日、ずっと前から買おうと思っていたパワーストーンが届いた。私はパワーストーンのアクセサリーをあり得ないほどの勢いで無くしていた時期があり(たぶん10個以上は無くしてる)、どれだけ何か変なものにまとわりつかれてるんだよと軽く絶望していたのだが、お守りがわりにずっと身に付けていたにも関わらず唯一何年も無くさなかった石があった。あまりスピリチュアルなことは信じていないが、その石は確かに自分に力を貸してくれていたように思う。
そのお守りだった石をとうとう無くしてしまい、ずっと物足りない気持ちでいた。経済的に難しい時期が続き(そんなに高いものではないのにそれすら買えなかった)、やっと少し無理はすることになるが購入できるチャンスが巡ってきた。先延ばしにすることも随分考えたが、やはり今しかないと決断した。
長年お守りにしていた石と同じデザインの、新しい石。届いたばかりの、羽生君のフリーの演技をどことなく彷彿とさせる柔らかな色のその石に、私は祈った。今日だけは自分のことはいい。羽生君を守ってくれ、と。その石を握りしめながら、私は羽生君の演技を見届けたのだった。
…うん、恥ずかしいなこの話(笑)。でも私のようにテレビの前や会場で懸命に祈った人は少なくないのではないか。あの演技に神が降りたのは、見守る人々の祈りの力もあったのではないか。そんな風に思う。このプログラムを完璧に滑る時が来たら、世界は浄化され新たな次元に突入するだの、涙が枯れるまで泣くに違いないだの、冗談半分で過去記事に書いているのですが(暇な人は探してください←おらんわそんなん)、だいたいそんな感じになったので自分でもびっくりしてます。前者はともかく(笑)後者はまさしくその通りに…。かなり緊張していたというのもあったと思うけど、だからってあんなに泣くとは思わなかった。知らない人が見たら「誰か亡くなったんですか」って聞いてきそうなくらい泣いてた。ドン引きだよ自分に(汗)
握りしめてたパワーストーンは、これからも大切にお守りとして持っていようと思います。あの日届いたのは何かの縁だろう。気の持ちようなんだけれど、ささやかでも拠り所があるというのは大事だと思うんだよね…。

そんなわけで、放送終了までずっと衝撃と感激に身を震わせ涙を浮かべながら見ていた私ですが、ある人物のおかげで完全にその涙が引っ込みました。

ステファン
あなたなんで待機部屋にいらっしゃるの
あなたの生徒は表彰台じゃなかったでしょ
それとも実はあなた出場していらっしゃったの?
いやこれ単に記念撮影って言うか映りにきたのか…?

助けてくれ、腹が痛い(爆笑)。何だろうこのデジャヴ。そうだソチの前の全日本だ。あまりに壮絶な代表争いに、辛くて苦しくてずっと泣いていた私の涙を完全に止めたのが、全日本の客席でフリーダムな存在感を放ちまくっていたステファン・ランビエール氏だったのだった…。会場に見に行かれていた方から観戦に来ているという話は聞いていたものの、まさかあんなにも様々な目撃情報がインターネット上を飛び交うとは(笑)。今思い出してもおなか痛い(笑)。彼は素晴らしい才能に溢れたスケーターですが、神出鬼没にネタを振り撒くという才能にも溢れすぎていて、それが何故か今大会でも遺憾無く発揮され、実に感慨深いものがございました…(笑)。

オチもついたところで(笑)、この長い長い男子フリーのテレビ観戦記を終わります。魔強統一戦の覇者はやはり阿修羅様でした。長く長く忘れられない世界選手権となりそうです。選手の皆さん、とても語り尽くせないほどの素晴らしい試合をありがとうございました。
最後にエキシビションについて語って完結の予定です。てなわけで以下次号。いやー、こんなに長くなるとは思わなかった…。

世界選手権2017雑感⑥

さあ、時は来た。泣いても笑っても、この頂上決戦の覇者が決まる。男子フリー、最終グループ。決戦の前に設けられた最後の6分間に、選手たちは強い眼差しとともに滑り出していく。

相変わらず選手紹介が格闘ゲームのキャラセレクト(笑)。それに敬意を表して(笑)せっかくだからこの戦いを「魔強統一戦」と呼ぶことにするか。…だから誰が知ってるんだよ魔強統一戦(笑)。でもプレミアついてて入手困難らしいぞ。確かに面白かったもんな。戸愚呂兄とか←そこから離れろ

再び第一滑走を引いた羽生君。この滑走順が吉と出るのか凶と出るのか。「お守り」を握りしめて祈りながら、6分間練習の終わったリンクにひとり滑り出す羽生君の姿を見守った。
ピアノの旋律が厳かに流れ始める。ループは美しく成功。サルコウも綺麗に決まる。このプログラムによく似合うビールマンスピン。微笑みをたたえて踏むステップ。まるで世界を抱きとめるかのような柔和な微笑み。ここでスケートの神はこのフィンランドのリンクに、羽生結弦の体に降りてきたのだろう。今振り返ってみると、そんな風に思う。
ステップの一部であるかのようなフリップがふわりとした風のように決まると、演技は後半へ。会場のファンも、テレビの前のファンも、千切れる程に祈ったのではないだろうか。サルコウのコンビネーション、すべてはそれにかかっている。頼む、降りてくれ、と。
そしてその時は来た。今シーズンずっと成功のイメージのなかったサルコウトゥループのコンビネーション。降りた。美しく降りた。それは成功した場合はいくらでも加点の付く、羽生君のあの美しい、研ぎ澄まされた美しいジャンプだった。それを、この大一番で決めた。会場を埋め尽くす歓喜の絶叫。私はもうこの時点でたぶん泣いていたような気がするけど、よく覚えてません…。

サルコウのコンビネーションの成功を見て、これはこのまま最後までノーミスでいけるのではないかと思った。トゥループの成功でなおさらそれは確信に変わってきた。アクセルはほとんど心配していない。あとは最後のルッツだけ。
畳み掛けるようなジャンプ、スピン、コレオグラフィックシークエンス。喉から漏れ出す嗚咽を押し止めながら、私は祈りの姿勢を崩さないまま見守った。希望に満ち溢れた、今後多くの人の心の遺産となるであろう、最高の演技が完成する瞬間を。
会場の想いはたったひとつだったろう。その祈りは届いた。舞い上がる羽生君の右足が白い氷を掴む。ルッツ成功。
もはや歓声で音楽が聞こえない。最後のスピンを回り終え、神から受け取ったエネルギーのすべてを差し出すかのように、羽生君は両手を広げた。叩きつけるようなピアノの音とともに、伝説は完成した。

素晴らしい演技に涙したことはこれまでに何度も何度もあった。一生忘れないだろうと思った演技もいくつもあった。けど、テレビの前で嗚咽し続けるほど泣いたのは、これが初めてだった。
なんという、なんという選手なんだろう。完璧な演技を行わなければおそらくは勝てないであろうこの局面でノーミスをやってのけてしまうとは。しかもただのノーミスではない。4分半の間に行われていたすべてが、抜群のクオリティだった。そしてそれ以上に、この演技には「何か」があった。もはやフィギュアスケートという競技の枠を超えた何かが。

古来、人は神に、歌や踊りを捧げてきた。災害や疫病を封じ、日々を生き抜いていくために、神の力を借りることを厭わなかった。羽生君のこの演技は、まさに神へ捧げる祈りの舞だと思った。もちろん本人はそんなことは考えてもいないだろう。これはフィギュアスケートというスポーツの歴史上最も完成された演技のひとつ、ただそれでしかない。けれど、至高の頂にまで登り詰めた技術と舞踊の調和は、神をその身に降ろすのだと、羽生君はまさしくそのような感性の持ち主であり、だからこそ我々は彼の演技にこれほど心を揺さぶられるのだと、ここ数年時々感じるようになっていたぼんやりとした感覚が、はっきりと形になったように思えた。あの時、ヘルシンキのリンクには確かに神がいた。日本的な音楽と、研ぎ澄まされた舞と、羽生結弦という稀有な魂が、神を呼び出したのだ。
世が世ならば、羽生君は世界を変えてしまうような人物になっていたのではないかと時々思う。でも、この現代において羽生君が選んだのが、フィギュアスケートという世界中の人々が目にすることのできる競技であったこと、そこには大きな意味があったのだと思った。そんなことまで考えてしまうほど、この日彼が演じた「ホープ&レガシー」は素晴らしかった。素晴らしいなんてものじゃなかった。フィギュアスケートのファンでいて良かったと、心から思った。

ノーミスの演技さえやってのけてしまえば、羽生君はいくらでも点を出せる。演技構成点は必ず高得点が取れるからだ。あまりの感激に、正直点などどうでも良くなっていたが、圧倒的なスコアになることはもはや予想するまでもないことだった。
キス&クライ。得点が発表される。フリーの世界最高点が更新された瞬間だった。正直もっと出ても良かったと今は思うのだが、第一滑走だったことも影響したのかもしれない。
得点を目にした羽生君が、一瞬だけ浮かべた表情を目にして、まったく止まっていなかった涙がさらに溢れてきた。安堵したような、泣き出しそうな顔。絶対王者だと口にして自分を奮い立たせている青年がどれだけの覚悟を背負って日々鍛練を重ねてきたのか。その努力が結実したことへの万感の思いが、そこにはあった。
羽生君は、泣いてないよ、と強がっていたし、実際に泣いていなかったのかもしれないけれど、彼の左頬を伝う汗は、涙のようにも見えた。

これでまったく展開がわからなくなった。初めてまじまじと技術点の速報カウンターを見ながらこの後の最終グループの選手たちの演技を見守ることになるのだが、もう誰が何をやったとしてもこの点を超えるのは不可能だ、と率直に思った。自分が選手であれば絶望しているかもしれない。生放送で良かったと本当に思った。誰もこの先の展開を知らない。知っているのは、スケートの神ただひとりだ。

あまりにも長くなったので、次回に続けます。

世界選手権2017雑感⑤

さあ、満を持して男子フリー。完璧じゃないけどさっと掃除もしたし風呂に入って禊もしたぞ。あとはもうテレビの前で祈るだけ!

と言っても放送時間の前半は女子フリーの再放送。「コーチとしてこの大会に臨んでいるステファンが映るかもしれない」という期待は残念ながら打ち砕かれてしまったが、私の集中が削がれなかった、という意味ではこれで良かったのかもしれないな。彼が客席にいるのがわかった大会はまったく競技に集中できなかったこともあったので(泣)。そうか、あのフラメンコからもう10年か…。あの頃はステファンにもジェフにも勝って欲しくて、いつも胃の痛い思いで試合を見てた。大好きな選手がたくさんいて、楽しかったけど複雑だった。今も好きな選手たちはたくさんいるけれど、胃の痛い思いもするけれど、あの頃のような気持ちに強く強くさせてくれる選手は、今はひとりだけかもな。ステファンが引退してからは、のんびりと競技としてのフィギュアスケートを見ていこうと思ってたけど、町田君がいて、ケヴィンがいて、そして羽生君がいて…。緊張で死にそうになるけれど、やっぱり楽しい。町田君はもう競技の世界にはいないけど、ケヴィンが怪我から戻ってきてくれた。羽生君はフィギュアスケートのファンで良かったと思わせてくれる。ほかにもたくさんの素晴らしい選手たちがいる。ものすごくゆるいファンだけど、大好きな選手が引退するたびに、もうこんな辛い想いはしたくないから離れたい、なんて思ってきたけれど、なんのかんのと15年、この競技を見てきた。ずっと見てきて良かった。今は心から、そう思う。

第3グループから本格的に生放送に突入しましたが、その前に刑事君とミーシャの演技を録画で。刑事君、サルコウ決まったしいけるかなと思ったけど…。すごくすごく残念だったけど、私は今シーズンの刑事君の活躍がとても嬉しかった。どうかこの経験を来シーズンに活かして、頑張って欲しい。
フジはミーシャのファンなのか?今シーズンでの引退を示唆していたからとは言え、ショートもフリーも流すとは。でも流してくれて良かった。素晴らしい、素晴らしい演技だった。ゆったりとしたテンポの曲で、滑りにくそうにも思えるのだけど、でもフィナーレの盛り上がりは感動的で、話の通りならこれが最後になってしまうのだろう彼の競技人生を締め括るのに最高の選曲だったと思う。ひとつひとつのジャンプが、スピンが、噛みしめるように、白い氷の上に軌跡を描いていく。ショートに続いてのノーミス。ショートもフリーもノーミスの演技を揃えることがどれだけ難しいのか、今大会を見ているだけでも理解できるはずだ。彼の新しい人生への門出を、スケートの神は選手としての最高の名誉で祝福したのだろう。テレビの画面に向かって拍手を送りながら、そう思った。

さてさて、ついに緊張の生放送、第3グループですよ。第一滑走はコフトン。痛めたらしい足は本当に大丈夫だったのだろうか、と思ってしまう演技で少し残念だった。それよりアホの私でもザヤックに気付いたぞ。以前ほど減点されなくなったとは言え、ザヤックだとわかると頭を抱えてしまう癖は抜けそうにない(泣)。
ビチェンコもショートほどの勢いはなかったように思えたが、なかなかの演技だった。選手生命が比較的短いこの競技において、30歳近い彼がこのメンツと互角に戦ってるの、マジですごい。今大会のダークホースはある意味彼か?

はい、しばらく正座で見ますよ、ケヴィン登場。怪我のため全っ然彼の姿を見ることが出来なかった、長い長い年月。このまま引退してしまうのではないかと恐れてすらいた。でも、ケヴィンは帰って来た。世界選手権のリンクに戻ってきた。4本の4回転をひっさげて。これぞケヴィン。回転不足こそあったけれど、ほぼノーミス。涙出そうだった。個人的にはトリプルフリップトリプルループのコンビネーションに痺れました。元祖ジャンプの鬼・ケヴィン、完全復活。こんな嬉しいことがあるだろうか。彼の競技生活があと1年も無いのならば、どうか最後まで健康に駆け抜けていって欲しいと、心から願う。

コリヤダのルッツ、回ってたんだよねあれ?うーん、転倒が残念。彼もショートに比べたらかなり精彩を欠いた。4分半のフリーを滑りきるのはやはり大変なことなのだ。大会期間中にプルシェンコが引退を表明し(またしれっと復帰するのではという思いも拭えないけど(汗)、さすがに今度こそ本当なんだろうな。全盛期の彼がこの時代にいればきっと最高の戦いを見せてくれたのだろうけど、今の彼が戻ってきてももう勝つ見込みはないだろうから…。本当に今までありがとう、あなたは確かに皇帝だった)ロシアの男子の歴史は大きく動いた。あの偉大なる遺産を継ぐ者たちとして、これからも頑張っていって欲しい。

ジェイソンも転倒が残念。でもでも、本当に美しい演技だった。ジャンプも勿論大切だけど、それ以外のフィギュアスケートの要素を、これでもかと言うくらい詰めに詰めて、もしジャンプが1本もなくてもそんなことを忘れてしまいそうな演技ができるジェイソン。4回転に頼ることなくこの順位とは。男子は特に個性が際立つ選手が多く活躍する印象があるけど、フィギュアスケートという競技の多様性を示してくれるという面においても彼等の個性は貴重だと思う。
デニス…。テン君…。一体何があったの(泣)。3月はテン君の季節じゃなかったの…(泣)。スケーターの味方をしてくれるはずの氷が、テン君の足からエネルギーを吸い取ってしまっているように見えた。テン君は第3グループの最終滑走、すぐに最終グループが始まる。このまま波乱の展開になってしまうのか。リンクを離れてどこかへ行ってしまったのであろうスケートの神が早急に戻ってくるよう、私は天に祈った。いよいよ最終グループ。誰も見たことのない世界の扉が、今開かれる。←煽り風

続く。

世界選手権2017雑感④

なんだか思った以上に長くなってきたんですが(汗)、今しばらくお付き合いください。フィギュアスケートの情報を追いかける時間以外は常に激しいストレス状態に晒されて過ごしている昨今、なかなか筆が乗らないのが悩みの種です(泣)。まともに食べられずたとえ周囲に人がいても誰とも会話しない毎日。空腹と孤独は人を壊すのかもしれないね…。

気を取り直して女子フリー。とってもとっても楽しみにしながら帰宅したのに…。疲れをとるために少しだけ横になったつもりが、気が付いたら早朝の光が部屋に射し込んで…。

ああああああああああああああああああああ(絶叫)

疲れてうたた寝したまま朝になってしまうことは実はほぼ毎日だったりするのだけど、でも普通は深夜に何度か目を覚ますわけですよ。たぶん熟睡できてないので、短時間の睡眠を繰り返しながらだらだらといつまでも寝てしまうのだけど、でもそれだと目を覚ます率も高いわけですよ。
けどこの日に限って、何故か一切目が覚めませんでした。特に体調が悪かったわけでもないんだけど…。ストレス発散したくてもできない状態がずっと続いているので、心が死んでいるのかもしれないなこりゃ。たぶん今寝てる間しか人と喋ってないもんな(←末期)。現実逃避しないと生きるエネルギーが保てないのはわかるよ自分。でもその数少ないエネルギー充填の機会が今回の放送だったはずだろ自分。何で寝ちゃったかな自分…。

誰か嘘だと言ってくれ。今日はエイプリルフールじゃないか。恐る恐るネットで速報を見る。確かに試合は終わってました。放送も終わってました。しかも目が覚めたのはペアの放送が終了した直後でした。あれ、どうやら現実みたいなんだけどこれ。

ああああああああああああああああああああ(号泣)

あまりのショックにしばらく呆然。競技結果を追っていくと、見逃したことを更に後悔した。あんなに素晴らしい演技が続いていたショートプログラムだったのに、フリーは一体何があったんだ。ポゴリラヤ…。
ショートプログラムをノーミスで終えることは上位に入るためには必須だけど、それだけじゃ確実じゃない、何だかんだとすべてを決めるのはフリーで、そのフリーを滑りきることがどれだけ大変なことなのかを、改めて思い知るような結果でした。

でも録画ではあったけど、夜の放送で何名かの演技は見られたのでホッとしました。随分放送時間が長いな、まさか男子は第1グループからガッツリ生放送するのか?煽りだけで一時間も二時間ももたないよな?なんて思ってましたら、最初から前半は女子を放送する予定だったのね。完全に見逃してしまったので有り難かったけど、せっかくだから男子をガッツリ生放送してくれても、という気持ちも拭えなかったです。確かにごく一般的な層からすれば「誰だこの選手。羽生と宇野はまだか」にしかならないのでしょうから、難しいとは思うけれども…。

結局放送されたのは日本の選手と表彰台のメンツ、6人だけだったのかな。三原さんはショートプログラムの結果を受けて吹っ切れた故だったのかもしれないけれど、でもあのショートプログラムの転倒さえなければ、と思わず天を仰いでしまうほどの素晴らしい演技だった。彼女のこれからのスケート人生において、この結果はとてもいい糧になったのではないかな。いいものを見せてもらいました。リンクに魔法がかかってるみたいだったよ。
リバーダンスはフィギュアスケートにおける鉄壁のプログラムなんだなと様々な選手のリバーダンスを見てきて思う。どのリバーダンスもその選手の代表作と呼びたくなるほど素晴らしかった。本郷さんのリバーダンスもそんな作品のひとつになれそうだったし、十分に観客を楽しませていたと思う。それでも得点が出なければ結果に結び付かない…。彼女自身も怪我を抱えながら、補欠出場による連戦が続き、きっと我々が思っている以上に大変だったと思う。最後まで諦めない演技をありがとう、心からそう言いたい。
樋口さんも初出場ながら枠の確保という重責を担わなければならず、そのプレッシャーは計り知れないものがあっただろう。今回は少し精彩を欠いてしまったけれど、でも諦めない気持ちは伝わってきた。怪我は良くなったのかな。まだならばどうか体を労って、そしてあの勢いがまた戻ってきますように。

表彰台は結局ショートプログラムの順位がそのまま最終結果となったのかな。オズモンドもデールマンも非常に見応えのある演技で、皆納得の表彰台だったけれど、やはりメドベージェワは群を抜いてるなとショートに続いて感じた。そういう振付だから、と言われればそれまでなのだが、ここまで物語がハッキリと見える滑りを競技で行う選手もあまりいないのではないかと思う。しかも彼女はまだ若い。若いのに「取って付けた感」がほぼなく、思わず見入ってしまう演技を、高い技術の元に実行し、しかもそれで圧勝してしまう。セーラームーンのぬいぐるみを膝に抱えてキスクラで得点発表を待つ彼女はまだどこかあどけないというのに。ぶっちぎって平昌の金メダル候補だよな。どうかこのまま突っ走って欲しい。今シーズンは哲学性のあるショートプログラムがとても良かったけれど、来シーズンも是非、どこか厳しさのある素敵なプログラムを見せて欲しいです。そう、私は彼女の演技にある「ごまかしのきかない厳しさ」が好きなんだ。うまく説明できないんだけどね。あんまりこういう女子選手いないような気がして。

ああ、やっぱり生放送で見たかったなあ。きっと最後に滑った3人の演技はヒリヒリするような緊張感の中で見た方が絶対に面白かったのに…。自分の馬鹿自分の馬鹿←たぶん当分言ってる
しかしこれで、熾烈を極める全日本になることは避けられない。今年は是非国内での大きな大会を1日だけでもいいから観に行きたいと思ってて、全日本も当然のように候補なんだけど、正直行くのが怖い…。いやでも、家で吐きそうになりながら見てるよりは会場に居る方が肝が座るはず…。うーんうーん。その前にチケット取れなきゃどうしようもないですけど(汗)。あっ、しまった、去年の全日本の感想まだ書けてなかったんだった…。せめてシーズンが終わるまでには何とかしようと思ってたけどこりゃ絶対無理だ。よし、夏が終わるまでには!←誰が読むねんそんなん←このブログ全体的にそうだから問題ない←突っ込みづらい自虐

ところで私、夕方からの放送に向けて、アイロンかけて洗濯して掃除して(あまりはかどらなかったが…)、さらに風呂に入って身を清めました。家事はしても風呂まで済ますなんて超絶自堕落な自分としてはなかなかあり得ない事態である(笑)。気合い十分!てなわけで、男子フリーに続く。たぶんまた2回に分けてお送りします(汗)。

世界選手権2017雑感③

男子ショートプログラムの続き。

ついに最終グループですよ。緊張で死にそう。生放送ってやっぱ最高。死にそうだけど。3日くらい前から吐きそうでしたよ←汗
格闘ゲームみたいな選手紹介やっぱりやるのね(笑)。跳べる4回転ジャンプの種類を使える技みたいに下部に表示すんのやめろ(笑)。これだとジェイソンが玄人好みのキャラみたいだぞ!あ、実際そうかもね(笑)。偉そうに語ってますが私は格闘ゲームが大の苦手です。初めて遊んだのは「ストリートファイターⅡ」でした。初めて選んだキャラはダルシムです。春麗を選ぼうとしたのですが手が滑りました(笑)。いちばんよく遊んだのは「幽々白書・魔強統一戦」ですが、霊丸のパワーが溜まるまで対戦相手に攻撃を待ってくれと頼むくらい下手でした(笑)。てか対戦になってないだろうそれ(笑)。でもあれ面白かった。使えるキャラに戸愚呂兄がいるあたりロック過ぎる(笑)。…すみません、話が逸れました(汗)←しかも魔強統一戦とか知ってる人いるのか(汗)

この宇宙大戦争のそもそもの火付け役がまず登場するあたりからして、今大会を牛耳ることにしたスケートの神はドラマに溢れた展開がお好きらしい。そんなわけで羽生君。6分間練習前の挨拶で表情がいい感じに阿修羅だったし(彼は演技前の顔付きが怖ければ怖いほどいい演技をするイメージがある。個人的にだけどね)、ループが決まった時点ではいけるかと思ったのだが…。サルコウ、またしてもお前か(泣)。すかさず両手を上げてセカンドジャンプをつける、相変わらずの鬼神っぷりに思わず笑っちゃうほど感心したものの、コンビネーションジャンプとして認定されず。30秒以内に演技を開始しなければならないというルールにも抵触してしまい、かなりの減点となってしまった。しかし全体的な演技としては四大陸のそれよりもキレがあったし、観客があれだけ盛り上がるのも納得。減点がなければ一体何点を叩き出していたのか。コンビネーションジャンプについてはかなり致命的なミスだったにも関わらず、100点近くを出してしまう彼の底力を改めて思い知った。もう何度も思い知ってきたけれど、本当に彼には毎回毎回驚かされる。

続いて昌磨君。これまで見てきた昌磨君の中でも一番ではないかと思うほど良かった。これは確実に100点を超えるだろうと思ったら案の定。昌磨君の良さのひとつは、高橋君の演技の流れを汲むようなねっとりとした濃さだと思うが、この昼ドラのような情熱的な曲(とてもいい曲なのですがほかにうまく表現が見つからずすみません…)がピッタリくる。どこかこの世の生き物ではないかのように透明な羽生君に対して、人の世の生業を情熱的に歌い上げるのが昌磨君の演技という感じがします。意味不明ですみません(汗)。
紫の衣装はやめちゃったのね。羽生君とだだかぶりだからか?でもハビエルとパトリックもお揃いみたいなもんだよ?←違う(笑)

6分間練習でどこか痛めた様子で心配していたコフトン。でもそんなの感じさせない素晴らしい冒頭のジャンプ!このままいけるかと思ったけど、やっぱり痛めた影響か、だんだん勢いが落ちていくように見えた。フリーも無事に滑りきれますように。
フェルナンデス。3連覇のプレッシャーなどものともしない、パーフェクトな演技。凄い。凄すぎる。さすがスペインの人だけあって、まったく飾り気のない衣装にも関わらず、これまで見てきたどんなフラメンコよりも違和感がない。観客の歓声も凄いことになってたけど、それに応えるいい演技でした。ただ、これが彼の演技の天井なのかな、とも少し思った。パーフェクトに滑れば十分に勝てるけど、その代わり常にパーフェクトでないと勝てないかもしれない。まだ天井が見えない選手たちが何人もいるから。十二分に素晴らしい演技なのに、これでも勝てないかもしれないなんて…。それでもこの時点では3連覇するだろうな、と頭の半分くらいで思ってました。

パトリックも素晴らしかったですねー。これまたパーフェクト。これは十分に点をやってもいい、と思いながら見てた。昔は演技がつまらないなどと言われていた彼ですが、年齢を重ねてすっかりその足元には熟練にしか出せない味わい深い歌が流れているように思う。そもそものスケーティング技術は他の追随を許さないだけに、完璧に滑った時の圧倒的な完成度はずっとスケートを見ていて良かったと思わせるほど。実際に素晴らしい得点が出る。100点超えてるのが既に3人…。何なんですかねこれ←思考停止
最終滑走はジェイソン。この人外魔境に舞い降りた一服の清涼剤。彼のスピンはスピードがありすぎて、なんか人の2倍くらい演技をやってるように見えてしまう。4回転を入れずにこの点は凄い!最後は癒しの笑顔でこの宇宙大戦争が平和に終戦するのだなどと思っていたら、戦争激化してた(汗)。

自己ベスト連発。100点以上出さないとスモールメダルすらもらえないってどういうこと?(汗)って言うか普通にネイサンも羽生君もすごい点なのにあれで自己ベストじゃないってのもよく考えると恐ろしすぎる。これもうフィギュアスケート男子シングルじゃないだろ、別の競技だろ(滝のような汗←3回目)
こうなると心配なのは羽生君。ショートプログラムが良くなかった時はだいたいフリーがとんでもないことになるし、ヨーロッパの試合には滅法強い印象もあるので間違いなくこのままでは終わらないだろうとは思っていたけれど、さすがにこの点差は厳しい。結果によっては酷いバッシングに晒されてしまうかもしれない、と気が気ではなかった。それでも信じるしかない。ファンにできることは信じることだけだからだ。フリーで繰り広げられるであろう最高の戦いに期待を寄せつつ、今年の舞台がフィンランドだと気付いた時からずっと飾っている、綺麗な外国の切手を買った時におまけでもらったヘルシンキの消印らしきものが押された封筒を見つめながら、私はそっと、遠い異国の地で悔しさに身を震わせているであろう青年に神が微笑むことを願って、胸の前で指を組んだ。

女子フリーに続く。

世界選手権2017雑感②

非常に熱かった女子ショートプログラムに続いて男子ショートプログラム。これまた熱すぎてマジでどうしたらいいのかわかりませんでした。シングルだけじゃなくペアもアイスダンスも見たいけど地上波で放送がまったくと言っていいほどないので諦めてますとほほ(泣)。

女子に続いて生放送。素晴らしい。しかし女子より多いな煽り!フジは毎年のスタッフロール?に代表されるように映像の編集のうまさは他局より群を抜いてると思うけど、さすがにお腹いっぱいです。はよう競技を流さんかい。
しかし案の定本格的に生放送となったのは第4グループ後半から。まあしょうがないんだろうけど、たぶん女子よりは生放送の時間増えたわけだし。でも、今まさに某ランビエール氏がキスクラに座ってる時間くらいだよな、と考え始めると色々無念であった。極貧生活を送ってでも全力でショーを見に行っていた(元々の収入が低すぎるので限界はありますが…)ほどファンのランビエール氏の姿を地上波生放送で見られるチャンスだったのに。まあ、煩悩(笑)は排除してしっかり競技を見なさいという天からのメッセージだったとでも思うことにする(笑)。実際、試合が進むにつれて彼のことはほぼ忘れてました、あまりにも凄い試合で。ちなみにフリーの時は完全に忘れてました(汗)。競技に全力集中でした…

前後の選手はカットされたものの、奇跡的にと言おうか何と言おうか生放送されたヘンドリクス。印象としては地味だけど美しいスケーティング。競技はとっっくに始まってたけど、地上波は彼の演技が第一滑走。いきなり盛り上がって参りましたよ!

完全に生放送に移行したのは一応ここからですかね、刑事君。でも彼の煽りを流すために直前のリッツオはカットされた、ということでいいですかね(涙)。そりゃ滑った後に流しても意味ないし刑事君の知名度はまだまだかもしれないけど、せっかくの生放送なのにな…。競技の緊張感が途切れてしまって逆効果な気がしないでも…。
今シーズンは調子良く決まっていた印象のあるサルコウにそっぽを向かれてしまったのはとても悲しかったけど、ジャンプ以外はいい動きだったと思う。刑事君の魅力は世界の人にアピールできたんじゃないかな。

ベセギエももう27歳なのか。ジュベールを取り上げたミラクルボディ(←呪いの番組)に出てたの彼だったと思うけど、あの頃はまだ若手でしたよね。時は流れた…。ベテランらしい余裕のある演技、とっても良かったです。
ミーシャにとって最後の世界選手権になるのかもしれないと思うと、目を離さずにはいられなかった。素晴らしかった。長年ファンを楽しませてくれた彼の功績に、スケートの神が微笑んでくれたみたいだった。オリンピックまであと1年だし、気持ちは変わるかもしれないけれど、今はただありがとうと言いたい。
ところで、場内アナウンスが「ミーシャ・ゲー」にしか聞こえなかったのは私だけでしょうか…。

さあ第5グループです。整氷の間にケヴィンの演技を流してくれるに違いないという私の淡い期待が見事に打ち砕かれて少々へこみました。この時点でトップだったのに!コストナー流してくれたからきっと彼も流れると思ってたのに(泣)。4回転で煽りまくるならピースが足りなくありませんか!ハイそうですね、知名度ですね。すみません。…チクショウ(泣)。

一番手のコリヤダから早速ノーミス!素晴らしい!これは最終グループに残るだろうと思ったら、結果はまさかの最終グループひとつ手前。93点出していらっしゃるんですけど?この後とんでもないことになっちゃいましたからね(汗)
ボーヤン。これまたノーミス!今シーズン不調だっただけに、ここに来てボーヤンの底力を爆発させるような素晴らしい演技。今回の男子ショートプログラムでは彼のこの演技が個人的にベストだったかもしれないです。ボーヤンのお茶目さみたいなものも存分に味わえたし、中国のスケーターならではの跳躍力を歴史上すべて結集させたかのような高さのあるジャンプが素晴らしい。ずば抜けて高い4回転ルッツは眠い時に見たら即目が覚めるのではないだろうか(笑)。そりゃこの点も出るわ。

テン君もさすが。彼の滑りはどことなく高貴ですよね。ステップが相変わらず素敵だ。そう言えば3月はテン君の季節だっけ。でも彼もこの出来で最終グループに残れないとか本気で意味わからん(滝のような汗←2回目)
ネイサンはすごく緊張してるように見えた。四大陸の優勝でやはりプレッシャーがあったんだろうなあ。演技も四大陸に比べて随分小さく感じた。そしてアクセルはやっぱり鬼門なのか。でも4回転2本の成功は大きい。さすがの最終グループです。

ビチェンコのショートプログラム大好き。この曲と言えば個人的にはケヴィンなんだけど、ビチェンコのベテランならではの余裕と小気味良さに溢れたこのプログラムもとっても素敵だと思ってます。30歳近い彼が軽々と決めてしまう4回転。ちょっと前ならもっと上位に行けてただろうにな…。
ミハルはいつものミハルだったかな…。滑りが本当に美しいだけに、もっと上に行ける選手のはずだよなあ、といつも思ってしまう。でもヨーロッパの男子にしかできないようなカッコいいプログラムだな、と思ってたらジェフの振付なのか。そう言えばミハルはジェフに憧れてたっけね。

最早最終グループなのでは、という素晴らしい演技と得点が連発されていたが、実はまだ最終グループじゃなかった。これ女子よりさらに恐ろしいことになってませんかねあわわ…。

ちょっと長くなりすぎたので、2回に分けてお送りします。てなわけで、最終グループについては以下次号。

世界選手権2017雑感①

ああ、まだ興奮で胸が震えている。男子のフリーが凄すぎて、てかフリーの最終グループ第一滑走者があまりにも凄すぎて、素晴らしい大会だったのにほかの記憶がすべて消し飛んでしまうほどだったのですが、頑張って思い出しながら書いてみます。書かずにはいられない。本当の本当に、ものすごい大会だった。

まずは女子ショートプログラム。いきなり樋口さんの演技が生中継で始まり、おおフジ、本当に生放送やってくれるんだ、最初の方はどうせ煽りの連発だと思ってたのに、なんて感心したのもつかの間!
あれ、今三原さんがリンクに出ていくとこが映ったけど、なんでCM?次三原さんじゃないの?いや三原さんはもっと前に滑ってたんだけどとにかくまずは樋口さん流してほかの選手をカットして三原さんを録画で流すことにしたのか?
なんて思ってたら、三原さん本当に樋口さんの次だったんじゃないか。なーんで生放送できる選手をわざわざ録画で流すんだ。煽りを挟みたかったからか?確かに三原さんの一般への知名度はまだ低いだろうが、どうしても煽りを入れたいなら樋口さんの演技の前にまとめて流せば良かったのでは…。その次の選手をカットして、スケートファン以外の視聴者が飽きることのないよう、整氷の間に滑走順の抽選の中継に繋いで、等々段取りがあったのだろうが、それにしても…。
テレビ局も視聴率が稼げてナンボだし、テレビを見ているのは圧倒的に「スケートファンでない人」が多いのだ。何となく番組を流していたり、ごく当たり前程度の興味しかない層にチャンネルを変えさせないためには、「スケートファンのための放送」をしていては話にならない、それはわかる。すごくわかる。どうしても地上波放送がストレスなら、ほかにいくらでも視聴の方法はあるし、会場に行くのがおそらくベストの選択肢なのだから、そういった努力を放棄した上で文句を垂れ流すのは自分勝手だなとも思っている。私のように息をするのが精一杯の貧民には地上波放送だけが頼りなのも事実で、過去に比べたら放送の内容もずっと良くなっているとも思っている。それでも、放送時間内に滑る日本の選手のことくらい、生放送して欲しかった。そう思ってます。

その三原さんですが、ああああ、最後のジャンプが…。ホントに最後の最後にジャンプを入れたプログラムなだけに、転倒してしまうとその印象がより強くなってしまい、両刃の剣だなと思った。それ以外は良かっただけに、一度の転倒でこの順位になってしまう今大会の恐ろしさが浮き彫りに。
樋口さんも素晴らしかった。四大陸、悔しかったんだろうなあ。あの時の涙を弾き飛ばす、本当に素晴らしい演技でした。…なのにやっと10位以内って…。この後のグループが恐ろしいことになってたから(滝のような汗)
整氷の間にコストナーの演技が録画で流れてびっくり。確かに非常に有名な選手だしその時点でいい位置につけてたけど、これまでだったらここで流れていたのは樋口さんの振り返りか、何故か四大陸の羽生君だったりしたはずである。確かにあのリカバリーは何度でも見たいけども、今じゃなくても…とすべての視聴者に疑問を投げ掛ける謎の放送。思い出すあれとかこれとか!クイズとか!(←忘れたい過去)そんなんではなくなったことだけでも随分進歩だなと思った。放送について言いたいことはまだまだあるんだけど、でも文句しか言わないのもどうかと思うよ、個人的に。
コストナーは彼女比で微妙だったかなあ。それでもあれだけ点が出るのは卓越したスケーティングの美しさによるものですよね。現役をここまで続けるとは思ってなかった、頑張って欲しい。

そして滑走順抽選会。まさかの生放送。きゅっと固まって座ってる日本男子3人がかわいい。羽生君の滑走順は吉と出るか凶と出るか。第一滑走ってあんまりいいイメージないんだよな、とこの時点で思ってました。てか抽選見てるだけで緊張で吐きそう←重症←生放送による緊張感のせいだと思いたい

そんなわけで、第6グループからやっと本格的に生放送。最初の挨拶小窓じゃなしに見たかったぞ。確かに6分間練習を見ていて楽しいのはかなりのファンだけかもしれないのでしょうがないんだろうけど。

いやー、もーすごい戦い。オズモンドもダビンもチェンもノーミス?オズモンドのジャンプは決まると高さが半端なくて気持ちいいですね。ぐいぐい伸びるスケート、なんというか空間がスケートで一杯になるこの感じ。意味わかんないと思うからスルーしてください(笑)。ダビンは平昌に向けて韓国期待の星になるんだろうなあ。チェンは四大陸の演技はあまり良くなかったけど見事に払拭してきましたね。アメリカの女子らしいスケールのでかい優雅さと言おうか。

クチヴァルスカは上位の選手に比べたら少し雑かなという印象だったけど、悪くなかった。ラジコワも悪くないんだけど、このハイレベルな争いの中ではこれだけの順位にしかならないんだなあ。恐ろしい。これある愛の詩だっけ、昔よく聞いたな。映画は見たことないんだけどさ。親が買ってきた映画音楽を色々集めたカセットテープがお気に入りで繰り返し繰り返し聞いてたんだけど、その中にあった一曲なんですよね。
トゥルシンバエワもすごかった。ちょっとせわしなさすぎる印象はあったけど、そういうプログラムなんでしょうな。相変わらずほっそいな!そしてこの戦いが最終グループのそれじゃないなんてどういうこと…(汗)

このテンションのままついに最終グループ!今度は挨拶もちゃんと流してくれるのね。しかも何だこの選手紹介。格闘ゲームのキャラ選択の画面みたいなんですけど(笑)。まあ最近のフィギュアスケート、特に男子はある意味格闘みたいなものだよね←混乱

いきなりメドベージェワ登場。いきなり凄まじいノーミス演技。彼女はこの群雄割拠の女子の時代においても頭ひとつ抜けてる印象だし実際演技もだいたい出色の出来。技術的なレベルやミスの少なさもさることながら、良質な文学作品に触れているかのような味わい深い演技が素晴らしい。女子はピークの年齢が若いだけに、技術力と表現力が反比例することも少なくなく、どっちかと言うと芸術作品の一種として胸を震わせてくれるような演技が好みの私には成績が上位であっても物足りないことも多々あるのだが、彼女はその点でも別格と言える。連覇のかかるこの状況でノーミスとは。なんという強さだ。フリーも楽しみ。

デールマンも素晴らしい!なんという高さのジャンプなんだろう。衣装怖いし(笑)全体的に迫力系の彼女、でもその迫力が存分に味わえてとてもいい演技でした。しかもやっぱりノーミス。何なんだこの大会は←ちょっと震えてる
そしてワグナー。彼女の演技にはベテランならではの魅せ方のうまさがあって大好き。自分の魅力をちゃんと分析していて、そこを最大限に活かしたプログラム作りはホントにうまいなと思う。客がのってくるところまでプログラムの一部というか。しかもノーミスだし、何なんだこの(以下略)
続くソツコワもノーミス。自分が今年見た彼女の演技の中ではいちばん良かったんじゃないかな。これでスモールメダルにも届かないとか、あわわわわ…。

強豪揃いの最終グループ、枠確保の期待がかかる中、急遽代打での出場が決まった本郷さん。どれだけのプレッシャーだっただろう。そんな舞台でのノーミス演技。涙が出てきてしまった。全日本でも女子のショートは彼女がいちばん良かったと思ったけど、このプログラムは彼女によく合うのかな。見せたい!って気持ちがすごく伝わってきた。得点以上にいい演技だったと思います。
満を持して登場、最終滑走のポゴリラヤ。この素晴らしい一戦の締めくくりにふさわしい素晴らしい演技!このプログラムポゴリラヤの魅力を存分に引き出してて素敵だなと思ってたら、ミーシャの振付なのか。ミーシャ、人気の振付師になりそう。それでもってこの演技でもスモールメダルに届かないの?何なんだこの大会←以下男子に続く←しかも男子はもっとやばい

いやはやものすごいショートプログラムだった。この時点で日本の3枠はもう無理だろうなと思った。誰が出ていても無理だったろうなと思った。世界選手権にピタリと照準を合わせてきた世界の選手たち。日本の選手ももちろん実力者揃いだけど、世界の実力者たちがあれだけの演技を連発しても表彰台は所詮3つしかないのだ。皆がノーミスだったら勝てない。今はまだ勝てない。それでも頑張って欲しい、日本の選手たち。枠も大切かもしれないが、この素晴らしい舞台であれだけの演技を披露したことは素直に賞賛に値する。最終的にどんな結果を迎えたとしてもどうか胸を張って帰って来て欲しい。そう思った。いやいや、まだフリーもあるんだよね。最後まで諦めちゃいけないよね。ごめんね。

男子ショートプログラムに続く。

フィギュアスケートアオーレ長岡2012⑧

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓

usagipineapple.hatenablog.jp

 

最後に滑ったのは荒川静香。星に願いを、だったかなあ。美しい演技でした。相変わらずステファンで力尽きててすまん…

そしてあっという間のフィナーレへ。数人で小芝居したり、面白い演出。町田君と織田君は鈴木さんにふられたらしい(笑)。安藤さんとトマシュはペアで登場。福井ではジョニーだったけど、今回出演してないから代わりにトマシュなのね。昨日の番組でもチラッと映っていたが、やっぱり爽やかだわトマシュ。
ステファンは荒川さんと登場して、福井とまったく同じ振付を披露。しかし…
リフトの位置とんでもなく低!昨日のテレビよりも低!明らかに支えられてない(汗)。荒川さんもいい度胸だよな、あれ絶対怖いよ(超汗)
一週間後のオペラ・オン・アイスでコストナーをリフトしていた時はこんなに低くなかったのですが、やはり日本へは長旅なのでお疲れだったのか。

ステファンは「Puttin' on the Ritz」の衣裳のままでしたが、何故かネクタイをゆるめて前をちょっとはだけて登場。着替えてる途中で出番が来ちゃったよ!みたいな(笑)
視力低下の私には幸か不幸か見えませんでしたが、はだけたシャツからナチュラルな光景が覗いていたとかなんとか。欧米は伐採する人が多いと聞くが、彼はナチュラル指向のようですな。ってどうでもいいしそんなこと(笑)。しかしそんなとこまでチェックしてる日本のファンって…

いつもの座席運も今回は壊滅的だったので、フィナーレのステファンの位置は基本的に自分の席と逆方向だったし、最後の周回でも角っこ過ぎてステファンの視線も来なかった。今回は本当に何から何まで…(吐血)。荒川さんと何やらお喋りしたりしていつものように楽しそうなステファンでしたが、やっぱり少し抑え気味だったような気がします。働き過ぎだよね君は。

そんなこんなでショーは終了。うーん、9人しかいないのでやっぱり短かった。ひとり2プログラムずつ滑ってくれたのは嬉しかったし、特に普通のショーならまず1プログラムしか滑らないような若手もそうだったのは彼等のファンにはとてもラッキーなことだったと思う。町田君の火の鳥はそのおかげで見られたんだろうし。ただ、コストパフォーマンス的にはちょっと物足りなかったかもしれない。いつものショーよりは少し安めの価格設定ではあったけど。
まあこんな体調でなければもっと満喫できたんだろうね。それに尽きる(泣)

席を立とうとすると、左隣に座っていた女性の二人連れが声をかけてきました。スタオベを注意された私に同情してくれていたらしく、「後ろの人に言ってやろうかと思ってた、かわいそうに」「コレだから新潟は」「無視してどんどんスタオベしてやったからあなたもしてよかったのよ」「同じおばさんとして許せないわ」と慰めてくれました。うう、お二人のおかげでちょっとスッキリしましたよ、本当にありがとう(涙)。お礼に西方面から来たことを話して町田君をアピールしておきましたよ(笑)←それはお礼ではない

少し体調は戻っていましたが、やはり余裕はなくスケーターへの花も物販もほとんど見ることがないまま会場を後にしました。無念。
よれよれと歩いて移動。道中、突然かごバッグの取っ手が千切れる。それはもう盛大に千切れる。仕方ないので腕に抱えて歩いた。なんかもうツイてないとかそーいうレベルじゃ(吐血)

ホテルに戻り、預けていた荷物を引き取って駅へ。ホテルでは昨日色々教えてくれたスタッフさんが私に気付いて笑顔を見せてくれたのがちょっと嬉しかった。このホテルにして良かったな。

さて、帰路は新幹線。本日中に帰らないと明日の仕事に間に合わないのである。始発駅ではないので少し心配でしたが、無事座れてひと安心。指定席は満席だったらしいけど、自由席はそこまででもなかったような。もちろん混雑はしてたけどね。
また体調が悪化してきていたので、帰宅まで我慢できるかな、とぼんやり切符を眺めていた私はとんでもないことに気付きました。

特急券が新大阪までしかない

なんで?!乗車券は地元までちゃんとあるのになんで??
私は本気で慌てた。何故って所持金がもう残りわずかだったからです。しんどいのにタクシーを使わずいちいち歩いていたのもそれが理由。
足りなかったらどうすんの(吐血)
しかも東京で乗り換える地元行きの新幹線は最終なのだ。新幹線の駅で誰かに待機してもらうことも考えたけど、そうするとその人も私も最終の鈍行に乗れなくなる可能性大。おまけに明日も朝イチで仕事なのよ私(喀血)

半分魂が抜けた状態で東京駅の駅員に切符のことを尋ねると、差額分を払えば大丈夫だとのこと。良かったその金額なら足りる。ああもう、東京駅までの間生きた心地がしなかったよ(泣)

おそらく連続切符にした関係上、地元までの特急券をその場で出せなかったのではないかと思います。よくわかんないけど。いったん切符を切ります、てな感じのことを言ってた気がするので。車内で差額をこれだけ払ってくださいとお姉さんから説明があれば良かったのだが、これまた私が聞いてなかったか説明が足りなかったか。たぶん両方だと思う(泣)
素直に片道ずつ買えば良かった…。皆様も切符購入の際にはよく係員の説明を聞いた上で、ややこしそうな切符には十分お気をつけください(泣)

地元行きの新幹線も自由席。始発なので余裕で座れた。でも岡山くらいまでずっと混んでいて、デッキにも人が溢れていたらしいです。三連休初日だったからかなあ。この日の最終便なんだけど。
車内で差額を購入したいと車掌に申し出たのですが、混んでいたせいかなかなか戻ってこなくて、てかもう戻ってこなくて、結局違う車掌に切符を出してもらったような。なんかもう最後までこんなん…

在来線の最終にも無事乗車して帰宅、翌朝はへろへろと仕事に行きました。
私の行けなかった日曜日公演のステファンは特に素晴らしかったらしく、やっぱり2日間とも見ればよかったと後悔しましたが、経済的にそれは不可能だったのでまあ仕方がない…。ぐすん…

そんなわけで、長岡への旅は惨憺たるものでした(泣)。ここまで酷いということは行かない方がいい旅だったのかもしれません。ちょっとありえんレベルで色々あり過ぎ(血の涙)。なんのかんのと助けが入ったので何とかなりましたが、ステファンが目的じゃなかったらもっとエラいことになってたんじゃないかという気もする。行かなかったら行かなかったでどうせ後悔するんだしどうにかなったんだからまあいいのか。

旅から1ヶ月半も経ってようやく書き上げたので、細かいことは最早思い出せず切ないですが、このあたりで長岡旅日記を終了させたいと思います。次は札幌旅日記でお会いしましょう☆←懲りてねええええええ!

ー完ー

2017年追記:今読み返してみても酷い(笑)。けど、嫌なことが起きた旅は何度もあるし、辛くて泣きながら帰宅したことも実はあったりするんだけど(でもそれは自分が悪いので、自分が情けなくて泣くしかなかったんだけどね…)、そういう時に比べたら、ただひたすらに畳み掛けるように運が悪かった、ってだけの話なので、ネタにも出来るし今となっては笑い話。しかもなんだかんだ言って、いちばん大変だったのは金がなかった、そのことに尽きるのでは?と5年経って思う。そしてそれは今でも全然変わらないし、この時よりも所持金(※手持ちではない。全財産)が少なかったこともあるから、そうなると酷い旅しかしてないということに(笑)。いやいや、やっぱりこの時が群を抜いて酷い(笑)。体調がこれだけ悪かったのもこの旅がいちばんだったかな。元気な時は普通に元気なのでなかなかわかってもらえないのだが、体調が良くない時がしばしばあるため、普段から気を遣っているし、行動も少々制限される。健康な体に戻りたい。健康も金も夢もなくひとりぼっち、ホント生きてる意味がわかんないよね。とほほ。だから無理をしてでも夢を見に行くのかもしれない。

この時以来スタオベにかなり気を遣うようになりました。実際、自分も前の人や横の人に立たれて全然見えなかったことはある。でもそれは仕方ないかなと思って我慢するか、さもなくば自分も立ちます。よりによってステファンの演技で胸が一杯だった時に声をかけられたから、ショックが大きかった。体調も悪くてトラブル続きで、心細くて疲れきっていたことも手伝って。今でも少し引きずってるけど、あの時慰めてくれた隣の席の人たちがいなかったら、もっともっと引きずってたと思うから、本当に地獄に仏だったな、と思います。ありがとう…。

ところで私はかごバッグが大好きなのですが、だいたい半年ももたずに持ち手がちぎれるのは何故なのでしょうか(泣)。この時ちぎれたかごバッグは1000円で叩き売られてたやつなんだけど(笑)、元値はもっと高かったせいか(半額どころじゃなかった)なかなか丈夫で、現在は持ち手の部分をごまかして小物入れとして静かに第二の人生を送っています(笑)。持ち運ぶには微妙な形だったから1000円になってたんだろーな…。

ステファンがコーチをするなんてこの時は考えてもいなかったけど、5年経った今、状況はすっかり変わっていて、何だかとても不思議な気持ち。時代は移っていくんだな…。安藤さんに何があったのかのも今となっては皆が知るところだと思うけど、何て言うか、人に歴史あり、ですね←何だその感想

結局ぐったりしていただけで終わってしまった長岡の旅、いつかまた元気な時に行ってみたいな、と思います。きっとまたアオーレでショーやるだろうし。でも、西日本から新潟に行くのは本当に大変だからね…。