うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

グランプリファイナル2016雑感①

長かったようでやっぱりあっという間だったグランプリシリーズも、とうとうファイナルを残すだけとなりました。まだまだ大きな大会は控えているけれど、とりあえずの一区切り。
今年の会場はマルセイユ。時差があるので、競技は日本時間の深夜から早朝にかけて行われていました。文字だけでもリアルタイムで追いたくて頑張って起きていようとしたのだが…。わりと直前まで覚醒してたのに競技時間になると寝てたとか、目が覚めたらだいたい競技終わってたとかそんなんこんなんで、結局すべての結果が後追いでした(泣)。どうも最近睡眠のリズムがおかしいな。まあそのうち治るだろう…

まずはジュニアの女子。
個人的に、シニアに上がる前の選手はあまり騒がずそっと見守りたい気持ちが強いんですよ。ジュニアの頃は結構名が知られてたのにいつの間にか表舞台から姿の消えている選手も少なくなく、実力勝負のスポーツの世界とは言え、クラブ活動の範囲程度で楽しんでいる子も多いであろう年代の子供達に異常な注目が集まる状況に少々抵抗があるのです。若いうちから期待されることで伸びる選手も多いのでしょうけれども。それだけに、ゴールデンの地上波でジュニアの演技も流すのか、えらい時代になっちゃったな、という印象でした。演技が見られてそりゃ嬉しかったですけども…。確かにいい演技はひとつでも多く見たいもの。

紀平さん、ショートはミスもあったせいか印象が薄くなってしまいましたが、フリーはのびのび滑ってて良かったです。まだまだ子供らしい。
坂本さんは以前どこかで見てこの子いいな、って思った子じゃなかったっけ。ああそうだ、2014年のメダリスト・オン・アイス。ショートは素晴らしかったし、フリーもそこまで悪くなかったと思いますけど、本人はやっぱり悔しかったんだろうな。
優勝したザギトワ、初めて見たけど赤い衣装かわいいしよく作られたプログラム、技術的にもなるほど強い…。てかファイナル、ロシアの人と日本の人しか出てないんだジュニアの女子…。真凜ちゃんが欠場だったのはホントに残念でした。お大事に。

ペアとアイスダンスはどうしても放送してくれないんだな、昔はもう少し放送なかったっけ…とため息をつきつつ、男子ショートプログラム

ファンファーレから放送するのね。ああそうか、フランスだから6分間練習の前の挨拶があるのか。ってこんな風習あったっけ?今年から?
挨拶してるのに羽生君まったく笑ってない。怖い(笑)。うむ、いい感じ。開始前におっかない顔してるほど羽生君はいい結果を出す…ような気がする。
てか男子、衣装が黒い人と紫の人しかいない(笑)。もし席が遠くて顔がよくわからなくても「日本選手は紫」って超適当に覚えておいて大丈夫なレベル(笑)。リッポンはちょっと青入ってたけど、全体的に黒には違いない。

フェルナンデスはちょっと元気なかったのかな。でも得点としては悪くない。
パトリックは素晴らしかった。本当に素晴らしかった。フィギュアスケートというスポーツの化身と言おうか。ずっと足元だけ見ていられそう。
昌磨君、転倒がもったいない。何となく体が起きてない感じがした。演技がぼやっとしてると言うか。でもフリップはさすが。
ネイサンも初めてのシニアのファイナルで調子がつかめなかったのかな。
そんな中リッポンが素晴らしい。さすがベテラン。今シーズンとてもいい演技が続いていたので、ファイナルに残ってくれて本当に嬉しかったです。スケートアメリカで聞こえてた奇声がなくてちょっと残念(笑)。いやなくてもまったく構わないけど(笑)、会場の盛り上がり方がよく伝わる気がして。いいよねこのプログラム。

そして羽生君。ループよくあれで転倒しないなあ。またうまくいかなかったことでキレてしまわれたのか(笑)、それからの羽生君の凄まじいこと。サルコウのコンビネーションもアクセルも音楽の一部のようだったし、ステップなんて満点だったそうじゃないですか。だってもう、競技だってこと忘れそうだったもん。これ会場はテレビの100倍じゃきかないくらい盛り上がったんじゃないかな。私も会場で熱狂してその勢いでルマンド交換会とかしたい。交換しても結局全部同じルマンドだけど(笑)←意味ねええええええ
得点は最早驚かなくなってきた(←麻痺)100点超え。でも裏で「106しか出ねえ」とか言ってた気がするんだけど私の気のせいか?「しか」って何だ、「しか」って。100点超えたことあるのほとんどアンタひとりしかおらんやん、誰と戦ってるんだアンタ。って自分か。もう見てる方もわけわかんなくなってきたよ(笑)。
しかし今シーズンのショートの羽生君はちゃんと年相応の人間の男性に見えますね。フリー、エキシビションと進む度に年齢も性別もそもそもこの世の生物なのかもわかんなくなってく感じ。

男子もミスはあれどもそこまで良くない演技の選手はいなくてさすがファイナルだな、という印象だったのですけど、女子はもっと凄かった。ほんとに凄い試合だった…。

そんなわけで女子のショートプログラム
男子同様ファンファーレから。6分間練習の前の挨拶、メドベージェワがまったく笑ってなくてちょっと驚いた。緊張してるように見えました。羽生君もメドベージェワも連覇がかかってるわけですし、半端ないプレッシャーだったんだろうな…。

宮原さん。確か荒川さんがそう言ってた気がするけど、今まででいちばんいい演技だったっていうの納得。これまでの彼女は「ミスをしない」以上のものが演技になくて、みんなが同じようにノーミスだったら勝てないだろうと個人的に思ってたんですよ。フィギュアスケートが技術力と表現力の両方を必要とする競技であることは言うまでもないけど、それに加えて、得点にはもしかしたら直接繋がらないかもしれないけれど、持って生まれた「感性」みたいなものが最終的には物を言う競技のように私は感じていて、そしてそれはスケートに関わることだけをやっていても培われないのだろうと思っています。けど彼女に必要なのはその部分で、あとはもうその壁さえ突き破れたら向かうところ敵なしになれるのに、実はその壁が最も強固なのでは…、と歯がゆいものを感じてたんですよね。勝手な感想なんですけど。でも、2週間前のNHK杯から、勝ちたいっていう強い気持ちがとても演技に表れてる気がして、それが演技にもいい影響を与えてるように思いました。その強い感情が、壁を破る力の代わりになるかもしれない。素晴らしかったです。

オズモンド。彼女も素晴らしい演技!余裕のある高いジャンプ、キュートなステップ、スピード感。あっという間に終わっちゃった。いい演技って短く感じませんか。素晴らしかった。無理のない笑顔と首のスカーフがまたかわいくて、それが演技をさらに魅力的に見せてくれるんですよね。

ソツコワ。一見ノーミスなんだけど、そうか、回転不足がふたつあったのか。まだジュニアっぽさが抜けてない印象はあるんだけど、長い手足はそれだけで演技を大きく、優雅に見せてくれる魅惑的な武器。楽しみな選手ですね。

ポゴリラヤ。演技開始前に氷に躓いたのかな、痛そうな様子で心配したのですが、さすがの演技でしたね。ジャンプがひとつオーバーターンだったけど、本当にミスはそれだけ。躓かなかったらパーフェクトだったのかも、と思うと氷この野郎、ですが。

ラジオノワ。本当に大人になって…。ステップがむっちゃかわいい。彼女もいい演技。回転不足がやっぱりあったみたいだけど素人には早すぎてさっぱりわかんないです。たまにわかることもあるけどさ。

そして真打ち、メドベージェワ。テーマは自我(自分?)の確立って、なんつー哲学的なプログラムなんだ。でもその物語の子細を知ると、プログラムの構成が理解できる気がしてしまう。ジャンプがすべて後半なのも物語の流れとして無理がなく、自然に高得点を狙えるプログラムになってるんだなと唸ってしまった。
年齢的に体が成長していく時期だと思うのに、それをまるで感じさせず、高い技術力に加えて物語を氷上に描き出せる豊かな感性。そりゃ強いわ。世界最高点とうとう出しちゃいましたね。
…腐っておられるとお聞きして彼女のツイッター見たら想像以上に腐っておられた。腐った女子に国境はなく、そもそもすべての女という生き物には程度の差こそあれ腐った女子の素養があるのでは、と前々から思っている私でもちょっと驚いた(笑)。私はほぼ腐ってないんだけど、腐ってれば良かったのにと思ったことが何度もある。何故なら周囲の腐ってる皆さんは全員強靭なメンタルの持ち主だったから。仲間に入りたかったんですが才能がなかったようです(笑)。なので彼女が強いのは納得です。って関係ないって絶対!(笑)あ、わけがわからんと思った皆さんはどうぞそのままで(笑)

些細なミスの程度の差がそのまま順位になった感じで非常にわかりやすかった女子の結果。本当に僅差。ハイレベル。見応えのあるいい試合でした。

長くなったので、続きは明日。