うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

Reborn Garden④

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓

usagipineapple.hatenablog.jp

 

暗がりの会場に、響き渡る聖歌。滑り出してくるスケーター。その手の中の灯が、闇の中にぼんやりと浮かぶ。
静謐な空気が流れ、厳かにショーは始まる。

「心を織りなす氷上の世界 ~Reborn Garden」、開演。

出演の日本人スケーター全員と、ちびっこスケーターたちの群舞からスタートして、安藤美姫のソロ演技に流れ込んでいったと思う。久々に生で見る安藤さん、さすがでした。
厳粛な雰囲気の中、オープニングが終了し、いよいよ第一部が本格的に開始。

まずは武田奈也。あとから展示されていた衣装を見て気付いたのだけど、テーマは「月」だったようです。そういえば曲もムーンリバーだったね。この曲大好き。歌が苦手なオードリーのために作った易しい歌だと聞いたけど、一生歌ってたいくらい魅力的な曲だと思う。
ムーンリバーなのに、「雨」だと思いながら見てた自分(汗)。想像力が貧困でごめんよ(泣)
夏に現役を引退した奈也ちゃん、ちょっとふっくらしてたけど、溌剌とした明るさは相変わらずでした。生で演技を見たのは初めてなんだけどね。女の子は多少ふっくらしてた方がかわいいと思うが(健康のことも考えると特に)こういう職業だと体型も重要だし大変なんだろうなあ…

奈也ちゃんがちびっこたちと消えて行くと、別のちびっこスケーターが2人登場し、一生懸命リンクをスコップで掘り始めました。可愛らしい演出に、会場からは笑い声。
続いて登場したスケーターに、さかさか土をかけていくちびっこ。うずくまっていたスケーターが起き上がります。ああそうか、芽が出たんだね。
起き上がったスケーターは中野友加里。緑色の衣装を纏った彼女に、一際大きな歓声が沸き起こります。

彼女が引退してから人前で滑るのはこれが初めてなんじゃないのかな。太田由希奈さんが出演できなくなって急遽決まった彼女の参加だけれど、結果的にチケットのプレミア度が上がった気がする。太田さん見たかったから残念だったけど、まさか中野さんが出るなんて思わなかったもん。現役時代はかなり応援してたなあ。最後までオリンピックと縁がなくて残念だった…

今はフジテレビの社員として忙しい日々を送っている中野さん。もうトレーニングも無用だからか、とてもほっそりとしていました。
あんなに得意だったスピンでも失敗が見られたし(うまくスピンの態勢に入れなかった)ジャンプは一度も跳ばなかったかもしれない。だけど彼女の柔らかで凛としたスケートは健在でした。最後のドーナツスピンは感慨深かった。今日、滑ってくれてありがとね。

中野さんの演技中、一緒に滑ってたちびっこたちがそりゃあもうかわいかった。虫のコスチュームなんだけど、ハチとテントウムシが超かわいいの。テントウムシなんてすってんと転んでしまって、それがもう悶絶するくらいかわいかった…
ちなみに曲は「It's wonderful world」だと思うけど、こんなタイトルじゃなかったらすみません。

続いて出てきたちびっこ2人はどうやら黄色い小鳥たちの様子。ぴよぴよと飛び回っていたら、薄い紫の衣装の南里康晴が登場。
南里君、ジャンプが失敗続きでハラハラしたけど、静かで実直な滑りは相変わらず。第一部はスケーターの紹介アナウンスがなかったので、滑りで南里君だと判断した。相変わらず視力悪過ぎ…(泣)
テーマはよくわからなかったけど、芽が出て虫が来て鳥も来たってところ?「鳥」か「風」か今度こそ「雨」かな?…などと会場では思っていましたが、後日改めてパンフレットを見ると南里君のページに花の写真が。そうか、「花」だったのね。
花、しおれちゃったのかな。ちびっこ鳥に慰められているかのような南里君がちょっとかわいかった。
曲は「Smile」。さっきからいい曲ばっかりだ。笑え南里!←違う

激しい音楽に変わり、小林宏一が登場。赤と黒のハッキリした衣装でバックフリップも繰り出す力強いスケート。彼の演技はたぶん録画ですら見たことなかったけど、かっこいいね!
はじめは「雷」だと思ったのだが、次に「嵐」だと思い、しかしこれは東北の大地が復活していくという連作プログラムなのでは、と勝手に考えながら見ていた私が最終的にたどり着いた結論は、
「東北だからねぶた?」
だった…
絶対違うと思います←マジで救いようのないアホ…

そして「虹の彼方に」のメロディに乗せて安藤美姫が登場。白地に緑や青のグラデーションの、遠目にも美しい衣装。さすがにこれはわかる、「虹」ですね。
この曲の夢見るようなメロディも好きだなあ。今季は競技を離れていた安藤さんだけど、雨上がりの虹のような演技、素敵だった。
最後に第一部に登場したスケーターがちびっこたちも含めみんな出て来て、互いにハグし合ってるのにじーんとしてしまいました。
確か第2部でもあったけど、南里君と安藤さんはペアで滑る様子が度々見られました。熱愛報道は本当か?とチラッと思ったが、まあ余計なお世話です。

出入口に黒い服の人が4人くらい待機してるのが見えて、彼らはスタッフ?なんて思ってたら、高らかに歌い始めました。「見上げてごらん夜の星を」。坂本九は「上を向いて歩こう」が有名だけど私はこっちの方が好きだ。
パンフレットには第一部に出るとは書かれていなかった柴田嶺もここで出てきました。柔らかくて素敵な演技。安藤さんも一緒に滑って、なんだか御伽話のように美しかった。リンクに星をちりばめたみたい。
夜が来て月が出て芽が出て、また花が咲くんだね。

星空の余韻の中、アナウンスが響き渡ります。
「もうすぐ東日本大震災の発生した14:46です。出演スケーター全員で黙祷を捧げます。皆様もご一緒にお願いします。一同、起立」
こんな感じだったと思います。日本人スケーターたちはもちろん、海外からのゲストスケーターも灯を手に登場。ステファンがラフマニノフを滑ることがここで判明しました。暗くても衣装でわかる。
ステファンと同じ空間で黙祷を捧げるなんて思わなかったな…。後述しますが、私はステファンがこの日に、この日本で演技を披露してくれたことに、ひとつの感慨深さを抱いていました。とても表現できないような、深い気持ちで目を閉じました。
改めて、東日本大震災で犠牲となった命すべてに、深い哀悼の意を捧げます。

第一部はここで終了。以下次号。