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うさぎパイナップル

ただ、書くことが好きなだけです。

Reborn Garden⑥

アイスショー旅日記2012 フィギュアスケート

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓

usagipineapple.hatenablog.jp

 

続いて登場したのはサラ・マイヤー。生で演技を見るのは初めて。超嬉しい!チケット取って本当に良かった。
淡いピンクの衣装のサラ。もうね、なんて言ったらいいのかな、安心して見られた。女の子の可愛らしさやときめきみたいなものを、嫌味やいやらしさをまるで感じさせずに、はじめからそこにあった空気のように会場全体に振り撒いてた。本当に素敵な女の子なんだね。いいもの見せてもらっちゃった。

そして、最後のスケーター。中野さんが凛とした声で呼ぶ。「Please welcome, Stephane Lambiel!」
何故かステファンの時だけ「Please welcome」を付けていた中野さんですが、ステファンでラストだったからかもしれないけど、ジョニーとサラの時は単に忘れてたとか何とかなんだろうか。

黙祷の時にわかっていたけど、プログラムはラフマニノフのプレリュード。彼は一体何を滑るんだろうか、アート・オン・アイスで披露したプログラムは衣装の感じからしてショーの雰囲気にそぐわないし、彼の切ないプログラムは切な過ぎるし…と横浜に来るまで何とはなしに考えていたのですが、そうだ、このプログラムがあった。すっかり忘れてた、ファン失格…

静かに狂おしく始まるピアノの音。ステファンの演技は、今までに見たどのラフマニノフよりも筆舌に尽し難いものだった。
ステファンの体の中にある情熱が、リンクと客席すべてを埋め尽くすかのようにその指先から流れ出している、私にはそう思えた。ステファンがこの日、この場所で、自分にできることすべてをやろうとしている、私にはそう感じた。
それは、ひとつひとつの技を賞賛するとか評価するとか、そういった次元を超えた何かだった。ひとりの人間の、純粋な魂であり祈り、それが氷の上にあっただけだった。
連続バレエジャンプは疲れているようにも見えた。決して完璧な演技ではなかったかもしれない。でもそれが何だと言うの?そんなことに何の意味があるの?ステファンは今、すべてを氷の上に捧げ尽している。それ以上の何が必要なの?

あの夏、ステファンの演技が私の止まった針を動かしてくれてから、私は時々考えていました。私と同じように、彼の演技に心の氷を溶かされる人がきっといるんじゃないかって。彼の演技にはそういう力があるんじゃないかって。
だからステファンがこの「Reborn Garden」に出演すると知った時、これ以上相応しい人選はないと思いました。彼ならきっと、悲しい人の心にも届く演技をしてくれるから。そしてその演技を見届けたいと強く思った。先行に間に合ったことを、私は神に感謝します。

まだ演技も中盤なのに、私の目からは涙が零れていました。左右の席の人がもし気付いてたらドン引きしたんじゃないかなあ、コイツ早過ぎるだろうって(苦笑)。どうして涙が零れたのか全然わからない。ただ溢れ出してきた、もうそれだけ。
涙で何も見えなくなると困るから、必死で押さえましたけど。

瞬きをするのも惜しいくらい、私はその演技を見つめました。細かいことはもう覚えていないけど、この日この会場にいた人全員が、この時間を忘れないんじゃないだろうか、そう感じるような演技でした。
ごめんなさい、今回はどう書き表せばいいのか、特に言葉が見つかりません。
ただ、スタンディングオベーションで埋め尽されていたに違いない、見るまでもなくそう感じた客席から送られた拍手の音には、彼への感謝と尊敬の心が詰まっているように聞こえました。その音に相応しい演技だったと断言することはできます。

私のいる客席側から挨拶して回ったステファンですが、少し放心したような表情で客席を見渡しているように見えました。席が遠かったから、間違ってるかもしれないけど…
アリーナだけじゃなくちゃんとスタンド席にも目をやって、深々とお辞儀をしていました。拍手で集中を乱したくなかったから演技中はほとんどしなかったけど、精一杯の拍手をここで送りました。私はあなたのファンだけど、高価なプレゼントもできないし海外まで追いかけることもできない。前方に座る勇気もありません。でもたとえ遠い席からでも、心を込めて拍手することはできます。ステファン、本当にありがとう。ファンになれて良かった…

ステファンが最後というのは素晴らしいですね。心おきなく放心できる(笑)。でも今回はそこまでぼんやりはしませんでした。なんというか、魂を奪われると言うより、魂を満たしてくれる、そんな演技だったからでしょうか。ああもう、本当に表現する言葉が見つからない…

そしてショーはいよいよフィナーレへ。Tシャツに着替えたスケーターたちが滑り出してきます。南里君と安藤さんのペア演技にまたまた下世話なことを考えたが、少なくとも仲良しのお友達なんでしょう。
ステファンは最後の最後に登場。着替えなきゃいけないからね、ちょっと大変だったんじゃないかと。青いTシャツ、よく似合う。一気に普通の兄ちゃんになるよね、Tシャツ着ると(笑)
最後は全員で円になって、フィニッシュ。全然目の前ではなかったけど、ステファンはこちら向きでした。やっぱり私がいた東側が正面だったのかしらね、カメラもこっち側にいたし。
ラフマニノフの挨拶の時とは違ってニコニコ笑顔のいつものステファンでした。って相変わらずステファンしか見てないなお前←もう諦めてください

恒例のリンク周回は1回だけでした。ステファンは前から2番目だったかな、この時がやっぱり一番近い。さっさとはけていくステファンと違い、ジョニーは最後までリンクにいました。何だか笑い声がしてると思ったら、バンクーバーで有名になったあの花の冠をもらってかぶってたみたいです。
いつものショーならいいけど…このショーの趣旨って何だったっけ?ショー開始直後の厳粛な雰囲気の中でペンライトテカテカさせてた人はいたし、みんな何をしに来ているのだろう…←2回目

でもすごく心のこもったショーでした。震災で何の被害も受けていない自分が来てもいいのかと少し悩んだけど、やっぱり見に来て良かったです。スケーターの皆さん、本当にありがとう…。

以下次号。