うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

桜が吹雪く空は青春の残像

今週のお題「卒業」

そうか、もうそういうシーズンですね。尾崎豊のあの名曲が頭の中をぐるぐる駆け巡る季節ですね(笑)。あの曲は凄いよな。全然ファンじゃない人間でも素直に凄いと思う。人生の節目節目で胸に突き刺さってくる。まさに歌という形であったからこそ抉り出せた、生きるということの真実がそこにありますね。

しかし尾崎豊の歌の方が先に思い浮かぶくらい、自分の参加した卒業式の類は印象がない。マジでろくすっぽ覚えてない。基本、どうでも良かったのかもしれない。卒業したくない程楽しかった場所ってあったかしら?と思い返してみても、ひとつとしてそんなものなかったわけで。自分にとって学校とは、いじめに遭ったり思いっ切り躓いたりひたすら周囲から浮いていただけの、今となっては感傷的な記憶すら湧いてこない、そんな冷たい空間でした。
でも中学だけは、少し卒業が寂しかった思い出がありますね。自分の友達には、中学の頃からの付き合い、という人がいちばん多いのです。他愛もないことを、バス停のベンチに座ってずーっと喋ってた。時間も余裕も、ふんだんにこの手にあったあの頃。自分ひとりだけ、まだあの頃に取り残されているような錯覚に時々陥る。でもいい、大人になれない人間の居場所は、思い出の中にしかないのだから。
そう言えば、卒業して数年経ってから、懐かしくて中学に遊びに行ったことがあるんですよ、仲の良かった友達と。知っている先生がまだ何人も残ってたけど、「(わざわざ遊びに来たことに対して)あんたら暇なんだね」と呆れたり、「(選んだ進路に対して)たいしたことない」と思いっ切り馬鹿にしてみせたり、それはそれは酷い態度で、友達とふたり、訪れたことを後悔した苦い記憶があります。それっきり中学に足が向くことはなかったし、もう二度と行かないと思う。ある意味甘ったるい思い出との決別という、本当の「卒業」だったかもしれない。学校の先生なんてろくなもんじゃないな、と思わされる出来事には何度も遭遇してきたけど、これもそのひとつ。すみません、いじめに遭ったりしてたので基本的に学校に良い印象がないのです。いい先生もたくさんいたけどね。熱い情熱を持ってその職業を選んだ人も多いだろうに、「先生」と呼ばれて人を支配し管理する自分を当たり前だと思っていくうちに、腐ったミカンだかリンゴだか忘れたけど、つまりはそうなってしまうものなのかも、と思ったりします。それは学校の先生に限った話じゃないですけど。腐ってでもそこにしがみつこうとする時点で、もう終わってるよな。腐った方がいいのかもしれないけど、私は嫌だ。腐るくらいなら出ていく。どんなに苦労したとしても、後ろ指を差されても、腐ってるよりはマシ。腐ってでも生きていくくらいなら、新鮮なまま死んだ方がいい。はいはい中二病です(笑)。

でも腐った場所にいても腐らなかった人も当然いるわけで、そんな人のおかげで暗黒としか呼べなかった小学校が、卒業する頃には楽しくなってたわけで、世の中というものは絶望するばかりの場所ではないと10代の始めにして知ったあの経験がなければ、今も自分はこうやってこの世に在ったかどうか、本気で疑わしいなと思う今日この頃。けれど天秤にかければ圧倒的に暗黒の思い出の方が重たいわけで、私は小学校の卒業式では泣かなかった。だいたいどの卒業式でも泣いてなかったけど(忘れてるだけで号泣してたらすみません…)、あの時だけは泣くまいと決めてた気がする。あの暗黒時代を感動の涙で締め括る程私はお人好しじゃなかった。
しかも、保護者の送辞(だったと思うけど詳細忘れた)の原文を考える係に何故かうちの親が当たってたんだけど、締切になってもまとまる気配がなく、結局私が考えた記憶がある(笑)。もちろん全部じゃないとは思うし最終的には大人がきちんと清書したはずだけど、「原案:自分」くらいの勢いではあったような(笑)。たぶん人生でいちばん頭が冴えていた頃なので、さぞいいアイデアを出してたんじゃないかと思うけど、まったく覚えておりません(笑)。いやー、冷めた子供だったよなあ。今の自分の方がよっぽど子供です(笑)。

そんなわけで、冒頭の尾崎豊に戻る。卒業とは確かに節目ではありますが、それからも人生は続くのであり、むしろそれからの人生の方がずっと長いのです。いちいち感動している暇はないのです。母親が尾崎のようなタイプが大嫌いで散々悪口を聞かされて育ったため(知り合いでもないのにね…。母はそうやっていつも誰かをこき下ろしていた)、子供の頃は聞くこともなかったけれど、あの頃の私が彼の歌をじっくり聞いていたら、それこそ強烈な信者にでもなっていたかもしれないな(笑)。一応自我が確立して一歩退いた形で聞ける年齢になってからあの歌を味わったけど、それで良かったのかもしれません。
おかしいな、尾崎豊の話をするつもりは一切なかったんだけど(笑)。それほどあの曲の印象が強いということで。有名な曲を数曲しか知らないけど、今でも人気が高いのはわかる気がします。卒業を歌った曲、これ以外にもいい曲いっぱいあるよな。斉藤由貴のあの歌とか。でもどこか冷めた曲ばかり思い出すのは、きっと気のせいじゃないんだろうな…。