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うさぎパイナップル

ただ、書くことが好きなだけです。

Fantasy on Ice 2012 in Fukui⑭

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓

usagipineapple.hatenablog.jp

 

続いて現れたのは安藤美姫。この人も2回目の登場ですね。

第二部の彼女は3公演とも違うプログラムを滑りました。まず、土曜日昼公演は「タイスの瞑想曲」。白い衣装以外特に印象には残ってません。次が彼だろうと予想していたため気もそぞろで…ごめんよ(泣)

土曜日夜公演は「アラビアのロレンス」。やっぱり白い衣装。ただし昼間とは違うものでした。片方の肩を出した少し大胆なデザインだったと思います。
このプログラムは真剣に見ました。何故なら、ステファンが振り付けたショートプログラムだから。町田君のショートプログラムと同じく、この福井で本邦初公開だったのです。
これだけは正面から見たかった。かなりいいじゃないですか。アラビアのロレンスなんて強い曲を女性に使うなんて、と一瞬思ったけれど、彼女の「濃さと重さ」によく合っていたと思う。女性だとあまり「ステファンの影」を感じなくて済むこともあって、ステファンを彷彿とさせる腕の動き等が入っていても「ステファンのコピー」などとは思いませんでした。
ステファンの振り付けた作品から「ステファンっぽさ」が抜けていくのは良いことなんですが、少し寂しくもあります。でもやっぱり、ステファンがこれを滑ったらどうなるんだろう、という思いを感じることも少なくなく、それをこの「アラビアのロレンス」にも抱いてしまったのは事実です。
いいプログラムだけど、滑りこなすのは大変そうだな。ステファンのプログラムって、「知性と品」を感じられるところまでいかないと完成しないような気がするのです。自然にそれが出せるスケーターならいいのですが…。要求の多い振り付け師だよまったく←いや私の勝手な感想ですよ
でも競技で見られるのを楽しみにしています。お蔵入りにはしないでね…(ちょっと心配)

日曜日公演は女性ボーカルのしっとりしたプログラム。前にもどこかで見たことあるかも。衣装はまたまた白。白が好きなのか安藤さん?雰囲気あって良かったし、結構見入ってしまったけど、あんまり覚えてないやごめん(泣)

安藤さんの演技中からどうしても入退場口に目がいっててすみません。次はやっぱり彼でした。
ステファン・ランビエール。再びの登場。

ネクタイにベスト、袖をまくった白いシャツ。小洒落た雰囲気が、衣装からも伝わってくる。
この目で見るのを心から楽しみにしていたプログラム。「Puttin' on the Ritz」。

このプログラムは3曲を繋げて編集されているのですが、まずは「サマータイム」からスタート。
ひとりで飲んでいるのでしょうか。気怠そうに煙草をふかす仕草をするステファン。ポケットに手を突っ込んだまま、アンニュイな雰囲気を醸し出しながら滑っていきます。ずーっとこの曲でも良いと思ったくらい。寂しそうな酒場の様子が目に浮かぶようだ。

しかし突然曲はレディーガガに変更。どうやら何かを見つけたらしいステファン、それを追いかけてバーの外へ。スパイラルも披露。急いで追っかけてる感じが出てますね。
ところがそこはけばけばしくて毒々しい光に彩られたディスコ。驚いた表情のステファン、カクカクした音楽に合わせてカクカクした動きの振り付け。ちょっと笑える(笑)

どうやらこの場所は彼には合わなかった模様。えいっとそこから飛び出すと、曲は「Puttin' on the Ritz」に。ここからは彼の本領発揮。途切れることなくひたすら踊りまくるステファン。足元が氷だということを忘れてしまうくらい。すごい、この人すごい。
日曜日公演では歌っているのもハッキリ見えました。これが僕だよ、ほかの誰かにはなれないよ、そう言っているかのように、いつもショーのオープニングやフィナーレで明らかにノリノリで踊り狂っている(笑)ステファンそのものがそこにいました。
ジャンプなんて確か最後の方で1回しか跳んでないんだけど、たぶん1回も跳ばなくても気にもならなかったと思う。まるでダンスの舞台やミュージカル映画みたい。この人の引き出しは一体いくつあるんだろう。昨年出演した舞台の経験も生きているのかな。

ちなみに上記の演技の解釈は、ステファンへのインタビューで語られていたことを元に(どのインタビューを見たのかは忘れてしまいました、すみません…)、実際の演技を見て抱いた感想を付け加えて私が勝手にちょっとだけ膨らませたもの。元々のストーリーは、
「寂しく飲んでいたら店の外に理想の女の子を見つけたけど、追いかけて入ったディスコの雰囲気が合わず、やっぱり自分の好きな音楽でひとりで踊ることにした」
みたいな感じ、だったかな。さらにもうひとつあって、ほとんど同じなんだけど、
「ホテルの窓の外に面白いものを見つけて追いかけたけど、そこは心地良い場所ではなく、やっぱり自分の好きな場所へ戻ることにした」
てな感じだったかな。違ってたらすみません。
相変わらずプログラムに物語を付与するのが好きな人ですね。でもそれが彼の演技の魅力なんだよね。

それにしても、「Don't stop the music」と言い、何だかフラれ男の物語が続いているような(笑)。いや、「Puttin' on the Ritz」はふられた訳じゃないけど、理想の女の子追いかけてったはずが結局ひとりで踊ってるわけだし(笑)

このプログラムも大好きになりそうです。自分が一番好きなステファンの演技は「思いっ切り切ないもの」みたいなんだけど、ステファンってそういうのばっかりじゃなくて、優雅なクラシックも軽快なジャズも情熱的なタンゴも、何でも自分の世界にして滑りこなしてしまうんですよね。彼にファンが多いのはそんなところも大きいのかもしれません。会場に行ってガッカリすることがない。決して飽きることがないんだもの。表現者になるために生まれてきた人なんだな、としみじみ思いました。

夜公演の隣の女の子も「ステファーン!」と叫んでてご満悦でした。でもロボットダンス(例のカクカクした動き)が遠かったのだけが残念だったと言ってました。我々の席の反対側だったんですよね。

うーむ、さすがステファンのことになるとよく覚えてるな(笑)。でも公演直後ならもっと色々覚えてたはずなので、それらを書き残せなかったのが残念。

以下次号。