うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

フィギュアスケートアオーレ長岡2012③

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓

usagipineapple.hatenablog.jp

 

まず、持参した簡易充電器で携帯の充電ができなくなってしまいました。充電器が壊れたのか携帯が壊れたのか判断ができなかったし、なんだか嫌な予感がしていたのか、車内でずっと書いていた福井の旅日記と、自分で撮影した写真だけはとにかく本体から移してしまうことにして、その作業に没頭。何とか電池がなくなる前に移動が終了し、ひとまずは安心したものの、もし本体の故障だったら…、と考え出すと気が気じゃなかったです。けど金沢に着くまでは買い物もできないし、手の打ちようもありません。仕方ないので持参した辞書を開いてひたすら手紙を英訳。辞書持ってきといて良かった。辞書だけでも結構何とかなるもんだ。

さらにまずいことに、このあたりから体調が明らかに悪くなってきました。夜行バスの車内で変な寝方をしたのでは、などとこの期に及んで自分をごまかす私。自分にとって最も憂慮すべき事態が訪れていることを認めたくない一心だったのではないかと思います(泣)。携帯は心配だし体は痛いし、金沢までの道程がとてつもなく長く感じました…

ようやく金沢駅に到着。長距離のため途中下車が可能なので、改札を出てキオスクに向かい、電池と簡易充電器を購入。さらに昼食を取りに適当なお店を探す。モーニングの量が少なく、おなかが空いているのも不調の原因だろうと思い込んでいたので、この期に及んで(泣)。
入ったのは麩を使った料理を出すお店。ランチ1200円くらいでいい値段だったけど、体にも良さそうだし、上品な味で美味しかった。元気だったらもっと楽しめただろうに…。金沢での1時間の乗り換え時間で色々見て回ろうと思ってたのにな、そんな余裕一切無かったよ…。
ただひとつ、壊れたのは本体じゃなくて充電器だった、ということが判明したのは朗報でした。胸をなで下ろしつつ、特急「北越」に乗車。本当は長岡までずっと鈍行で移動する予定だったのですが、ちょっとだけ余裕ができたので特急料金払って北越に乗ることにしたのです。そうしておいて良かったと本当に思います。2時間も短縮できたし、乗り換えも無かったし。あの体調では鈍行での移動は相当キツかったはず。もし2300円をケチっていたら…。考えるだけで恐ろしい。

金沢を出発した段階では北越の自由席はガラガラ。もう本当に絶望的な状態になってきた私は、空いているのをいいことに恥も外聞もなくぐったりと座席にもたれかかっていました。でも辛い。絶対これおかしいだろ、とようやく気付く私。昼食を取ってから少し時間も経っていたけど、緊急事態なので仕方ない、何故か持ってきていた薬でドーピング。痛み止めは胃を荒らすので、本当は食後すぐに服用した方がいいんじゃないかと思います。

さらに、ふらふらしながらトイレに立った時にこの長岡旅日記最大の事件が発生。揺れの激しい車内、足元の覚束ない私、カバンから滑り落ち、床に叩きつけられる携帯…。
イヤな予感…。
座席に戻って携帯を操作してみると、「なんとかカード(携帯に入ってる所有者を識別する薄っぺらいあのカード。名前覚えんかい)を認識できません」と表示される。電源入れ直しても電池パックを外して再装着してみたり色々しても表示される。てかもうそれしか表示されない。

…壊れてますよね(絶望)

携帯を床に落として壊したのはこれで2回目である。あの時は画面が真っ暗になってしまったが操作はどうにか可能だったので、携帯ショップの兄ちゃんが電話帳のデータだけは何とか救い出してくれた。しかし残りのデータは初期化。写真諸々蓄積されたすべては消えてしまった。既に機種変更可能だったけど、ある機能を使い続けたいがために修理の道を選び、「いい加減に新しいの買えば」と呆れられながらも丸4年。5年目に突入した矢先の今回の事件。
そうまでして使い続けていた要因はただひとつ、「くーまん」の存在でした。くーまんとは、某社製の携帯に住んでいるくまのキャラクターで、「くーまんの部屋」という、携帯の機能を色々使うと新しい洋服が増えたり、部屋をカスタマイズできたりと、携帯を使うのが楽しくなるかわいいアプリケーションの主人公です。以前使っていた携帯にもこのくーまんがプリインストールされていて、すっかり気に入ってしまった私は、次に機種変更した際もくーまんが入っているか否かで機種を決めてしまったほどでした。
しかしその後、某社は携帯事業から撤退(確か)。もうくーまん携帯は製造されなくなってしまいました。機種変更してしまうとくーまんとは永遠のお別れ…。それがイヤで、どうしようもなくなるまでは使い続けようと誓っていたのに。

私が一番好きだったくーまんの機能は、各都道府県や熊の字の入った土地などを訪れるとその土地の写真が撮影でき、その上で訪れた土地を記録していく「旅手帳」でした。くーまんと一緒に旅をしている気分で、新しい場所を訪ねるのがとても楽しかった。今回わざわざ北陸経由で電車を乗り継いだのも、それが一番安いからという理由のほかに、初めて訪れる石川県と富山県で新しいくーまんの写真が撮れるから、というのが実は大きかったのです。北越車内で意識朦朧としながらも富山に入ったのを見逃さずばっちり撮影し、初期化される前の旅手帳の記録をこれでやっと越えられたかな、とひとりほくそ笑んだ、まさにその直後。
あまりにも突然の、永遠のお別れでした…(号泣)

でも何となく、そろそろ壊れてしまうのではないかという予感はありました。詳細は意味不明なので割愛するけど。やっぱりな、という感じ。
こうして考えると簡易充電器の故障は神様からの情けだったのかもしれない。あれが無ければ福井の旅日記は半分以上消滅していました。下手すると書き直す気力も失ったかもしれない。ステファンにあげたプレゼントの写真なんかも救い出しておけたし、まさに不幸中の幸いとしか言いようがありません。

しかし、痛み止めが効いて少し意識を取り戻してきたものの、こんな体調で携帯も使えず、連絡を取ろうにも実家の電話番号しか思い出せず、所持金も僅か、そしてまったく初めて訪れる土地でたったひとり…。
絶望にも似た感情が私を襲いました。
でもそれと同時に、ここで倒れたら冗談抜きで行き倒れる、どうにかして生きて帰らなければ、という火事場の馬鹿力的なものが湧いてきたのではないかと思います。効かないことも多い痛み止めがちゃんと効いてくれたあたりからしても。私の体調不良は、本当の本当に不良なのです。本来ならとても旅行などに行ける状態ではないのです。それでも、何のためにここまで来たの、ステファンに会いたかったんでしょ、じゃあどうにかしなきゃ、と歯を食いしばりました。健康な時に会いたかったけど、こうなってしまっては仕方がない。耐え抜くしかない。今更家に帰るわけにもいかないし。

北越は車内販売がなく、買い物は金沢駅で済ませておいてくださいと何度かアナウンスがかかっていました。体を冷やすと悪化するので温かい飲み物が欲しかったのですが、もちろん購入不可。携帯も使えないし、何かで気を紛らわせないと耐えられないので、やっぱり英訳をしてました。辞書持ってきてて本当に良かった…。移動中に訳を進めてなかったら、手紙は間に合わなかった可能性大。
車内は冷えると思って長袖にストールを巻いていましたが、それで正解でした。やっぱり何か予感が働いていたのかも、薬とかカイロとか僅かでもちゃんと用意してたあたり。福井には持って行かなかったし。

金沢を出発して3時間、いつの間にか混雑し始めた北越は、ついに長岡市に到着。どうにかここまでたどり着いた…。でもまだまだここからが本番なのですよ。以下次号。