うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

Art on Ice in JAPAN⑩

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓

usagipineapple.hatenablog.jp

 

羽生君が退場したリンクに現れたのはアンサンブルスケーターの皆さん。そして彼らの合間を縫うように再びあのスケーターが登場。赤い毛皮みたいな飾りを肩に、ショートパンツ姿でカッコいいサラ・マイヤー。何度かテレビで見たことある女性ボーカルの女王様っぽいプログラムですね。
途中で肩の飾りを外し、リンクの外にいる誰かに預ける演出が入ってたように記憶しているのですが、今回はその役にアンサンブルスケーターの皆さんが就任。下僕をかしづかせるかのごとくダンサーを従え、艶めかしく脱がさせるサラはまさに女王様。超カッコいい。土曜日夜公演はそのくだりのあたりが席に近かったから、マジでちょっとドキドキしました。サラかっこいい。第一部の可憐なサラとは完全に別人(笑)

サラと入れ替わるようにサフチェンコ&ゾルコビーのペアが再登場。こちらも第一部とはまったく異なるビートの効いた曲。ゾルコビーがタンクトップにサスペンダーに蝶ネクタイ、みたいな感じのちょっと怪しい(笑)出で立ちで、なかなか気になりました(笑)

さらにアクロバットペアのポーリシュク&ベセディンも登場。頭にライトのついたヘルメットをかぶり、オレンジのつなぎを着た、スピード感のあるプログラム。以前も見たことあるやつだと思うけど、ポーリシュクのブレイクダンスも回りまくってていつも以上にカッコいい。

この3組はそれぞれのプログラムが本来の長さよりも少し短くしてあるようで、それぞれがほぼインターバルなく始まり、3つでひとつのプログラムのように演出してありました。だからひとりひとりに拍手やスタオベを送るタイミングがなくて、最後に全員が登場して挨拶するまで待たなければなりませんでした。
さらにこの3組の演技の間には、ステージでマニキャンのブレイクダンスやステージダンサーのダンス、スクリーンには女性の映像が流れるなど随所に派手な演出が盛り込まれていて、もうどこを見たらいいのですか状態。マニキャンは氷の上よりステージの上の方が圧倒的に存在感がある気がしました。すごいよ、この人のダンス。確かステージが動いてマニキャンのダンスをわりと近くで見られたのがこの時だったと思うんだけど、すっごくカッコ良かった。スケート靴履いてない状態が本職なんでしょうね。

こういう途切れなくプログラムが続く演出をあまり見たことがなかったのですごく新鮮で、アート・オン・アイスって本当によく計算されたショーなんだなと心底感心。これだけ構成を練ってあれば回によってプログラムを変更するスケーターはきっといないだろうな、と少し残念にも思いましたが、ショーとして完成されてる方が断然見応えがあったので不満はないです。

興奮のステージが終了したあとは、安藤美姫が再び登場。あの名プログラムが甦る、といったナレーションとともに流れ出したのはボレロ。スケーターに人気のあのボレロですよ。
このボレロという曲はご存知の通り同じメロディーが10分くらいひたすら繰り返され、違うのは最後の最後だけ、というある意味非常に単調な曲で、力量のあるオーケストラでないとなかなか演奏が難しいと聞いたことがあるのですが、その代わり名演奏だと最後まで飽きずに聞けてしまうと思われる(私はカラヤン指揮のアルバムを持ってるがかっこよすぎて痺れるレベルで最後まで聞けてしまう)ある意味超盛り上がる曲。スケーターにも同じことが言えるのかもしれません。単調とは言え段々盛り上がる構成にしてあるけれども繰り返されるのは同じメロディー。それを飽きさせずに見せるにはスケーターの実力や工夫された振付が必要なんじゃないのかな。

そういう点から見て今回の安藤さんは…。正直、最後まで見るのが辛いレベルでした…。ジャンプは一度も跳ばないし、スピードもなくメリハリもない…。一体どうしたんだろうと思ったほど。以前の彼女ならもっとカッコ良く滑りこなせてたはずなのに。
赤い布を腰に巻いた黒い衣装や、相当眩しかったけど黄色の照明はとても雰囲気があって素敵でした。彼女らしい迫力もありました。それだけに、彼女はどうしてこんな状態でショーに出てしまったのだろうか、と首を傾げずにはいられませんでした。テレビで見るとそんな酷くもなかったけど、会場ではダイレクトに伝わるだけにごまかせてなかったです…。

続いてはエカテリーナ・チェスナ&アレクサンダー・チェスナ。すっかりお馴染みのエアリアルですね。
もう何度も見たプログラムなのですが、今回が一番感動しました。それは会場の高さと広さによる迫力のせいだったかもしれないし、おそらく生演奏だったせいなのかもしれません。観客も同じように感じたのでしょう、誰よりも大きな歓声とスタオベをもらっていたのは彼らだったように思います。プログラムの最後の盛り上がりっぷりなんて半端なかったもの。選曲もいいのですねきっと。

日曜日の昼公演では、ステファンかもしれない人がまた袖で見ているのが見えました。おそらく衣装に着替えているので、見えないように肩からタオルを引っ掛けていましたが、腰から下は見えていて、その様子からするとステファン…だったような。宙を舞うチェスナ夫妻にライトが当たるとその周辺も明るくなるので、舞台袖をライトが照らす度に気になって仕方なかったです。演技に集中させてくれ。
チェスナ夫妻の演技が終わると急いだ様子で舞台裏に消えて行ったので、ますますステファンが怪しいのですが、はて真相はどうだか。

興奮さめやらぬ中、黒い衣装に身を包んだヴォロソジャール&トランコフペアが登場。とても静かな、泉の上を風が踊るような静かな曲で、美しい技の数々を存分に見せてくれました。第一部のプログラムの方が好きだけど、これはこれでとても素敵。
トランコフはしょっちゅうネットに変な写真をアップしている変な人なのに、こうして見るとただの美しいロシア人である。おかしい(笑)

以下次号。
※予告:たぶん次長いです