うさぎパイナップル

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Fantasy on Ice 2013 in Fukuoka⑨

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓

usagipineapple.hatenablog.jp

 

ジュベールの次に登場したのは町田樹。至福の時間が続きますな。

プログラムは確かプリンスアイスワールドで初披露した「白夜行」。東野圭吾の長編小説で、映像化もされた人気作ですね。ファンから絶賛されていたので、福岡でも披露してくれることを期待して小説を読んで予習していました。
正直小説の方は「いい加減○○○れやこの○○○!」とイライラしっぱなしのストレスフルな作品で、面白くないわけじゃないんだけどどうも東野圭吾は自分には合わない、と改めて思ってしまう結果となってしまったのですが(ガリレオは好きだけどもさー)、でも読破しておいたおかげで町田君の演技に様々なイメージを重ねることができたので良しとします。

絶品でした。映画かドラマのサントラでしょう、日本人らしい哀切を帯びたメロディーに乗せて氷上を舞う町田君。青いシャツ、血に染まったかのように赤い、片手だけの手袋。衣装も振付も照明も、すべて町田君のアイデアによるものだそう。
夕暮れの図書室。切り絵細工。たったひとつの思い出。振り向かない背中。クリスマスの色に染まる街。あまりにも遠い太陽の光…。
町田君の演技は、物語の美しい場面だけを切り取って圧縮したような、寂寥感と切なさに満ちていました。まるで海に降る雪のように、美しく、でも虚しい、静かに幕を引いていくひとつの悲劇。

土曜日昼公演もスタオベするほど良かったのですが、日曜日はそれを上回る出来でした。私の周囲はほとんど全員立っていたんじゃないだろうか。ジャンプやスピンも文句無しだったけどそれ以上のものがありました。相当気持ちを込めていたのでしょう、滑り終わった町田君もそっと涙を拭っているように見えました。
ステファンを除けば、この福岡公演で最も素晴らしかったのがこの最終公演の白夜行です。テレビカメラが入っていたのが土曜日夜公演だったというのが心の底から残念。土曜日の夜はジャンプも決まらずあまりいい内容ではなかったので。
…それでもオリンピックの出場枠は各国3人までという現実。町田君、応援してるからね。

町田君の余韻が残る中、ステージにはAIが登場。ファンタジー・オン・アイス恒例のコラボレーションタイム。
コールされたのは鈴木明子。ファンタジー・オン・アイスには毎回出演してるけどコラボは初めてじゃない?
ハッキリした濃いピンクの衣装は印象に残ったけれど、プログラムはいまいち思い出せず。コラボレーションなんて基本その場限りのことだし、滑り込んでいないのも仕方がないかもしれません。
曲はかなり最近何かのCMで使われていたと思います。どうやら今回彼女が歌った曲の大半は新しいアルバムから選出したものらしい。一種のタイアップですかね。

AIは1曲だけで退場。代わりに登場したのはジョニー・ウィアー。もちろん黄色い悲鳴。
今回ももっっのすごい衣装で登場かと思ったら、意外にも黒一色、とてもシンプル。髪型も普通のオールバックで、メイクも薄め。おまけに曲は白鳥の湖
これは…、久々の正統派ジョニー。下品さと紙一重な派手さもジョニーらしいけど、こういうシンプルなジョニーがいちばん美しくて好きです。
プログラムも正統派。これショートプログラムにでもするつもりだったのかなあ。とても気合いが入ってた。本気のジョニーが見られて嬉しかったです。ジョニー結構好きだったんだよね。競技者だった頃はかなり応援してました。

そう言えば、土曜日昼公演で私が座っていた席の前方のプレミア席の中央に、外国人の男性が座っているのが見えたのですが、どうもジョニーの旦那さんに似ているような、と思っていたら、本当に旦那さんだった様子。一緒に来日してたんですね。旦那さんは夜公演で通路を歩いていたり(緑色のシャツだった)各公演の休憩中等にファンに囲まれて記念撮影していたり、かなり無防備にいろんなところをウロウロしてました。5回くらい見かけた(笑)。しかも最後に見かけた時は何故か会釈された(笑)。何故(笑)。今回のネタの神様からの使者はジョニーの旦那さんでファイナルアンサー(笑)。

続いてはオレクシイ・ポーリシュクとウラジミール・ベセディン。来ましたアクロバットペア。
なんと新プログラム。酒瓶を離さないどうしようもない飲んだくれに扮したポーリシュクと、酒をやめさせようとする奥さん?を演じるベセディン。ベセディンはとってもかわいいロシアの女の子の衣装。でも超ムキムキ(笑)。相変わらずの出オチっぷり(笑)。

振付はほとんど瀕死の白鳥(彼等の代表作)と一緒なんだけど(笑)、物語がわかりやすいだけに白鳥とは別種の笑いが。悲壮感の漂いまくる音楽が更に笑いを誘います。小道具の酒瓶がとてもいい味を出していました。無表情で酒瓶を蹴飛ばすベセディンと切なそうに酒瓶に手を伸ばすポーリシュク(笑)。ベセディンの頭上での倒立は酒瓶を持ったままなので余計に難しかったと思うのですが、難なくこなしているあたりさすがプロ。
女子しか見ない隣のオヤジも彼らのことは結構見てたような気がする(笑)。

濃い面々が続く(笑)。黄色い悲鳴とともに現れたのはフィリップ・キャンデロロ。相変わらずすごい人気。

彼は土曜日昼公演だけが違うプログラムでした。新しいプログラムだそうで、白いシャツに黒のベストという定番の伊達男スタイル。プログラムも定番な感じで、お客さんをいじりまくり。楽しい。

土曜日夜と日曜日は「ブレイブハート」。私はこれを写真でしか見たことがなく、実際の演技は初めて。
顔の半分を青く塗り、チェックの布を腰に巻き、マントを羽織り長い棒を手にしたキャンデロロ。衣装からするにイギリスの話ですかね。映画見てないので…。
ジャンプはもう2回転がやっとな感じで、技術に関しては全盛期と比べるまでもないでしょうが、そんなのどうでもいいと思わせるストーリーテラーっぷりでした。映画全然見てなくても物語が目に浮かぶ。スケートと言うより舞台のようでした。長いプログラムなので飽きちゃうかと思ったけど、なかなかどうして感動した。この人やっぱりすごいな。今でも熱いファンがいるのはよくわかります。
ギャグの入る余地のないプログラムだったのですが、最後まで真面目で通すかと思ったら、衣装のスカートめくって見せたりしててやっぱりキャンデロロはキャンデロロでした(笑)。

以下次号。