うさぎパイナップル

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Fantasy on Ice 2014 in Toyama⑪

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓usagipineapple.hatenablog.jp

 

ここで再びサラ・オレイン登場。コラボレーションするスケーターが誰なのかを知った時、一気に緊張が身体を駆け抜ける。
そう、今から滑るのはステファン・ランビエール。コラボレーションということは、必然的に新しいプログラム。しかも日本限定の。この時点で富山公演は全国での放送予定はなかった。絶対に見逃すわけにはいかない。

曲はニュー・シネマ・パラダイス。サラの柔らかな歌声と優しいピアノの音。セピアに彩られた街の風景が見える。少年の頃の思い出。遠い故郷を懐かしむ老人の背中。変わらない街角がそこにあり、でももうそこに懐かしい人はいない。少年だった自分が、もうどこにもいないように。色褪せた写真が風に舞う。
そんな情景が浮かぶような、郷愁に満ちたプログラムでした。ステファンは本当に、手に入らない何かを求めるような演技をさせたら抜群に上手い。今回のそれは過ぎ去った青春、とでも言うのだろうか。そもそも私は、ステファンの演技に懐かしさを覚えることがしばしばある。何だかんだと私もフィギュアスケートを真剣に見始めて12年程経つけれど、過去のスケーターに彼の演技を重ねてそう思うわけではないのは確かだ。そうではなく、もっともっと胸の奥の、自分すら覚えていない何かを呼び覚ますような、そんな抗い難い懐かしさなのである。

しかしステファンが今回表現しようとしていたのは「愛を探しているイタリアの田舎の少年」だそうなので、私が心に浮かべた情景とは全然違う。違うんだけど、その少年は愛を手に入れられたのだろうか。求めても得られないまま、歳月を重ねてしまったのではないだろうか…。ステファンの演技の真骨頂は、この狂おしい程の切なさだと思う。本人が意識しているかどうかは知らないし、そう思っているのも私だけかもしれないのだが、私はそう思う。卓越した音楽表現も、演技の引き出しの多さも魅力的だけれど、私がステファンに最も惹かれた理由はたぶんこれなのだ。私の感性が本能的に求めている何かが、ステファンの演技にはあるのだ。
久し振りにその硝子のような切なさの片鱗を感じる、そんなプログラムだったと思う。もっとこの系統のプログラム滑って欲しいんですけどね。切ない音楽で滑ればいいというものではありません。ステファンと同じ「質」の切なさを持つスケーターを私は知らない。そもそも「切なさ」という表現が的確なのかもわからないのですが。

日曜日の昼公演の演技がいちばん良かったかな。白いシャツに刺繍?の入った黒のベストで、一応見たことのない衣装でした。昨年AIとコラボした時の衣装は思いっ切り使い回しだったけど(笑)。まあ、この夏限りのプログラムですからね。

そして再びフェルナンデス。コラボレーションプログラムではなく幕張でも披露した今期のショートプログラムでした。やっぱりかっこいいですねこのプログラム。競技見るの楽しみだな。

安藤美姫。やはり幕張でも披露した「Say something」。日曜日の昼公演だけ違うプログラムだった気がするんだけど、んでそのプログラムすごく良かったのに思いっ切り転倒しちゃってスタオベしそびれたような記憶があるんだけど、もう完全に曖昧ですみません(泣)。

高橋大輔。彼も幕張で披露した「I'm kissing you」を再び。うむ、明らかに幕張よりいい演技である。滑り込んで段々味が出てくるんですね。髪型がものすごく不思議で(片方だけ刈り上げてたと思う…)気になって仕方なかったのは許してください(笑)
どのタイミングだったかは忘れちゃったけど、土曜日の夜公演には近くの席から「たかはしー!」という野太い男性の叫び声が聞こえていました(笑)。ショーの間2回くらい叫んでたかな?(笑)かなり気合い入った声だったんで、ほかの公演にも現れないかなあと期待したがあの時だけだったらしい。男性ファンの存在は嬉しいって高橋君も言ってたし、きっと彼は喜んだんじゃないでしょうか。「大ちゃーん!」っていう女性の黄色い声はしょっちゅう聞くけど、「たかはしー!」は我々にもかなり新鮮だったと思います(笑)。

以下次号。