うさぎパイナップル

ただ、書くことが好きなだけです。

All Japan Medalist on Ice 2014⑤

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓

usagipineapple.hatenablog.jp

 

町田君の突然の引退は当然ながらファンの間で混乱を招き、メダリスト・オン・アイスにも出演しないのではないか、もう二度と人前で滑らないのではないか、と情報は錯綜した。メダリスト・オン・アイスは既に羽生君の欠場が発表されている。この上町田君まで出ないとなると、ファンの落ち込みは頂点に達するだろう。私もそうだった。
しかし、メダリスト・オン・アイスには出演すること、そして詳細はわからないまでも進路はスポーツに関する課程であり、今後も研究の一環としてアイスショーに出演する予定であることが判明し、ようやく私の混乱も少しだけ収まってきた。さよならを言う機会を与えられないのも、あの滑りを二度と見られないのも、あまりにも悲しかったから、そうではなくて本当に本当に安心した。

とても眠れないと思ったけれど、この日も仕事のため早朝に家を出て、帰ってすぐ女子のフリーを見届け、さらに旅行の準備や手紙の用意が待っていた私はやはり疲れていたようで、少しだけ横になるつもりが眠りに落ちていた。早朝に出発するのでわずかな時間ではあったけど。

まだ暗い道を駅まで急ぎ、在来線から新幹線に乗り換える。時間帯と上りのせいか始発の指定席はガラガラだった。すぐ前の席に座っていた夫婦の夫の方が広げていた新聞の一面に、思わず席から立ち上がる。そこには町田君の引退の一報が告げられていた。地元の新聞の、町田君が活躍する度に一面で扱っていた新聞の、おそらくは最後の一面記事。新聞を買わずに乗車したことを後悔した。そんな時間はなかったのだけれど、やはり後悔した。

車内に文字ニュースが流れている。全日本選手権の結果と、町田樹の引退の一報が、黒い液晶を右から左に流れていく。町田君が押しも押されぬトップ選手となったことを、最後の最後に実感した瞬間だった。2013年の春、ビッグウェーブの無料イベントに出ていた彼を、取材に来ているメディアなどいなかったと思う。あの日から今日まで、わずか2年にも満たない。

ステファンへの手紙も出来ていなかったが、私は何よりもまず町田君への手紙の下書きに取り掛かった。応援の気持ちをどうしても伝えたくて一度だけ書いた手紙を最初で最後にするつもりだったけど、昨夜自分の胸に溢れてきた感謝の言葉を、やはり手紙という形にして本人に伝えたいと思った。揺れる車内で下書きのペンを走らせながら、涙が頬を伝っては落ちた。隣の席に誰かが座るまでには、どうにか乾いていたけれど。
新幹線が駅に近付くと速度が落ち、揺れが小さくなる。その時間を狙って少しずつ清書を進めた。ステファンの手紙も完成させなければならない。眠っている時間はなかった。

名古屋に到着し、特急しなのに乗り換える。乗り換えに30分以上あったので、トイレがどれだけ並んでいても余裕があったし、出発まで結構な時間をホームに停車しているしなのの車内で揺れずに手紙が書けるのもありがたかった。
しかし混んでいる。帰省ラッシュという言葉をようやく実感する私。指定席を買っておいて良かった…。しなのの座席は新幹線に比べて狭く、隣の女性が少々恰幅が良かったので圧迫感があったのには参ったけど。ちなみに新幹線も新大阪くらいからは満席だったと思います。

長野まで約3時間。走るにつれて車窓に広がる銀世界の面積が増えていく。ほとんど白で埋め尽くされた世界を自分の日常で見かける機会があまりないので、ついつい見入ってしまう。
ステファンへの手紙も無事清書を残すだけとなり、特急もさほどの遅れもなく長野駅に到着。新幹線開通のため工事中だという駅舎を通り抜け、予約していたホテルへ向かった。
フロントでは今日の宿泊客が多くチェックイン予定時刻まで部屋に入れないことを告げられる。約束があったので別にいいんだけどそんなに多いのか。とりあえず荷物を預け、ロビーで待ち合わせていた知人と合流。たぶん10年以上ぶりに会ったので、すっかり顔を忘れていました、申し訳ありません(笑)。

その足で駅の近くの蕎麦屋へ。地元の人だからきっと美味しいお店を色々ご存知だろう、教えてもらえたら有り難いな、くらいの気持ちだったのに、わざわざ直接案内までしていただいて、しかも奢ってまでいただいて大変申し訳ない…。念願の蕎麦をいただけて非常に幸せでした。
どうやら有名店らしく、店内にはサインが大量に飾ってありました。煤けていてよく読めないものもあったけど、かなり大物のサインが多かったような。ゆずしか覚えてないですが、歌う方ね。でも全然ファンではないのよね。たぶんそのグループにニックネームがよく似てる人がいらっしゃるせい(笑)。この時は腹痛の原因は不明だったので、かなり心配していました。

蕎麦を堪能したあとはホテルのロビーでケーキをいただく。どうしても食べたかったんですよケーキを。確かショートケーキしか残ってなかった。やはりビッグハット方面に行かれる方々の影響か。ってお前もだろ(笑)
申し訳ないと思いつつここでステファンの手紙を清書。10年ぶりにお会いしたのにやりたい放題で本当に申し訳ありません…(汗)。
周囲は女性客だらけで、漏れ聞こえてくる会話からして明らかにそうなのだけど、知人が「みんなカードみたいなの書いてるんだけど…」と不審がっていた時点で決定。たぶんここにいる全員がこれからビッグハットに移動する(笑)。

以下次号。