うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

NHK杯2017②

その日、ドキドキしながら届いたメールをチェックした私は、あんなに嫌がっていたうだるような暑さを忘れたかのようにぶるぶると震えていた。

あ、当たってる…。2日とも当たってる…!←衝撃

NHK杯のチケットって幻じゃなかったんだ…(汗)

あの羽生君が記録を大幅に更新した長野のNHK杯を会場で見てた知り合いもいるんだから幻なわけないんだけど(笑)、やはり一度も取れたことがないという知人の話の印象が強かったのである。絶対、絶対取れないと思ってた…。ありえん…。

そうか、これは昨年の全日本と同じパターンだな。NHK杯の頃まで頑張って生きてたらどうにかなるかもってことだな神よ…。どん底から這い上がったはずがまた叩き落とされたり色々色々でバッキバキに心が折れていた私は超勝手にそう解釈することにした。てかすべての運をチケットに回しているってことでは、これ(泣笑)
しかも知り合いも皆今回の土曜日のチケットが取れたらしい。たぶん一番競争率の高い日なのに。良かった、これでみんな大阪に集結できる。11月のことなんてこの時点ではまったく考えられなかったけど、とりあえずは楽しみができた。もちろんお金はない。11月になってもきっとないだろうし今以上にないかもしれないしたぶんない。けど、何となく大丈夫な気がした。6月にファンタジー・オン・アイスに行った時は、あまりに日々ぼろぼろだったせいか行くのを止めようかと真剣に悩んだ程だったけれど、その時のような焦燥感や絶望感は、何故かあまり感じなかった。チケット代を払ってしまうと全然お金が残らず、まともに食べられなくて大変だったにも関わらず。…ホント自分で書いててなんだけど生活酷すぎるよな(汗)

早速ホテルを探す。土曜日はどうしても宿泊しなければならない。土曜日だから高いはずだし、会場へのアクセスが便利な場所は早めに満室になってしまうだろう。便利がよく手頃な価格のホテルを探すなら早い方がいい。
大阪はホテルの数も多いので、選択肢が色々あって楽しいんだけれども、お金のない私には結局限られた条件で探す羽目になってしまってつらい(泣)。観光客の増加に対応しているのかな、新しいホテルも多いなあ。壁紙が剥がれてたりタバコ臭かったりするのはたいして気にならないんだけど、風呂だけは綺麗じゃないと神経が参るので(潔癖症じゃなくてなんか別のものだと思うけどやっぱり潔癖症なのかな、よくわからないのよ…)新しいホテルだったらたぶん安心なんだけど、やっぱり土曜日はどこも値段が張るのでなかなか厳しい…。
結局、会場へのアクセスがそこそこ良さそうな場所のそこそこリーズナブルなホテルに決定。今回の会場初めて行くんだけれど、さらにホテルも行ったことのない場所に取ったので多少不安はあったけど、まあ何とかなるんじゃないかと高を括ることにした。子供の頃は関西に住んでいたせいか、関西だったらきっと大丈夫、というよくわからない安心感があったりするのである。ほんの子供の頃にいただけだからほとんど何も覚えてないのにね(汗)。ちなみに兵庫県民でした。

交通手段はそこそこ近い日付になってからでも調整できるだろうと踏み、USJだの京都だのついでに行きたい場所を色々考えてはみるものの、経済的に無理だろうと詳細な計画を立てるまでには至らずに過ごしていたある日、とある情報が目に飛び込んでくる。
なんと、大阪駅の近くでNHKによるパブリックビューイングが開催されるというではないか!
お金がなくて諦めたが、もちろん金曜日も見たいのである。パブリックビューイングならば少なくとも家のテレビよりは大きな画面で競技を見られるし、無料だ。もう1日宿泊しなければならないのはネックだが、金曜日の朝バスで出発すれば交通費は新幹線の半分で済む。金曜日の競技を家でしっかり見てから出発したいので、金曜日の夜のバスの利用は諦めて土曜日の朝新幹線に乗る予定だったのである。浮いた交通費を宿泊費に回せば良いのだ。どうしても足は出てしまうが。

そんなわけで、ダメ元で男子のショートプログラムの観覧に応募してみる。有り難いことに現在週休7日制なのでね(泣)。…また頑張ればいいやと思っていたはずが、自分の社会不適合っぷりが改めて浮き彫りになってしまい、家族にも友達にも社会からも立て続けに「要らない」宣告をされるというのはさすがに受け止めきれない程のショックなわけで、ああもう私は本当の本当に要らない人間なんだ、と完全に生きる気力を無くしてしまい、寂しいどころか人の目が恐ろしくなり、焦ることももがくこともなくなり、壊れてばらばらになった感情が膝を抱えた自分のそばに落ちていても拾う気にもなれず、とりあえずNHK杯に行く、それまでは生きる、ということだけを支えに、ただ日をなぞっていた。大阪には私を知っている人は誰もいない。普通に笑うことも喋ることもできるだろう。人間に戻りに行くのだ。そのまま人間に戻れればいいけど、戻れなかったら今度こそ諦める覚悟もできていた。もう生きていくあては残っていないのだから。

ギリギリまで悩んで応募したパブリックビューイングだったが、結果は見事にハズレ。チケットが取れずに阿鼻叫喚、という話は聞こえていたので予想のできた結果ではあったけど、やはり残念。ファイナルも全日本も経済的に不可能過ぎて諦めてしまったので(泣)、おそらく今年最後の観戦になるであろうNHK杯にすべてのエネルギーを注ぎ込むつもりでいたんですよね。体力的なことを考えると金曜日のうちに大阪入りしていた方がいい気もしたし…。でもまあ、チケットがあるだけマシだもの、贅沢は言っちゃいけないか。

パブリックビューイングの結果が出たところで旅程は確定。土曜日の朝新幹線を利用して大阪入りし、日曜日の夜にバスで地元へ帰る。本当は日曜日も宿泊して月曜日に観光などしたかったのですが、どう考えても経済的に不可能なのでバッサリ諦めた。てなわけで、日曜日のバスはパブリックビューイングの結果が出る前に実は押さえてました。前日入りの計画も白紙撤回となったので、本当に観戦するだけの旅行になってしまうけど、そんなんいつものことだし余計なお金使わなくて済むからいいってことにしよう。余計なお金使いたいんだけどね本当は。余計なお金そのものが無いからどうしようもないよとほほ(泣)。
新幹線は自由席で購入。節約目的もあるけれど、実は私は指定席がちょっと苦手。どうしてもその時間に乗らなきゃいけないと思うとプレッシャーなんですよね(汗)。色々考えるとそうやって時間を決めた方がたぶんいいんだけれど…。うん。大阪はそこそこ近いし競技も昼からだし、最低限間に合う時間までに家を出ればいいから当日ゆるく決めよう、と今回は自由席にしておいた。と言っても大抵いつも自由席なんだけどね。

てな感じで、ほぼすべての準備も済ませ、開催を心待ちにしていたその前日に、それは起こってしまったのだった…。

以下次号。