うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい(ライター始めました2018・生活の糧と居場所募集中)

ジュニアグランプリシリーズ2019 クロアチア大会 雑感②

昨日の続きです。ではでは早速どうぞ。


※注記:
BS朝日でテレビ放送された選手については、お名前の前に★をつけて区別しております。
また、お名前のカタカナ表記は調べるのが大変なので、カタカナ表記が既にある程度使われている有名どころの選手だけにとどめております。お名前の読み方って難しいですよね…。

男子ショートプログラム

第3グループ

13:Daniel MARTYNOV
転倒などミスもありましたし粗削りでしたが、スピードのある滑りにはキレが感じられて良かったです。ギターを弾くような振付も楽しい。


14:Vassil DIMITROV
16歳?!マダムが通い詰める居酒屋のマスターみたいな気だるい雰囲気なのに16歳?!選曲もなんかもうそんな感じだし!
インパクトが凄すぎて気がついたら演技が終わりそうになってた(汗)。スピンがひとつレベル1だったり、演技にはムラも多かったですが。
キスクラでは少年らしい笑顔も見えてましたね。良かった16歳だった(笑)。


15:Andrey KOKURA
この子個人的に大注目…。いろんな面で個性が突き抜け過ぎている…。
演技にはアラも多かったんですけど、それが気にならなくなるくらいのインパクトのありすぎる曲と謎の振付。衣装も片方だけ謎の切れ込み。めっちゃ注目だからマジで…。
最後から二つ目のスピンはすっごくいいスピンでしたね、良かったです。


16:Stephen GOGOLEV(ステファン・ゴゴレフ)
衣装かわいい、チラ見せボーダーがかわいい。白いジャケットが金髪に映える。
この激戦なので、アクセルの着氷ミスは響くかもしれない。今のスピンちょっとあやしいな、と思ったらやっぱりレベル3だったり。音の捉え方とか動きのキレとかあからさまに上手い選手なので色々もったいない感じ。身長が伸びてバランスの取り方が変わってきてるのかもみたいな話を佐野先生がしてたし、その辺もあるのかなあ。


17:Matyas BELOHRADSKY
トマシュ・ベルネルって実況が言ったああああああ(涙)←トマシュが大好き
ああああ、アクセルが抜けてしまった…。上位激戦なので厳しい…。しかしキレキレの動きは見てて面白くて、技術点カウンター見るの忘れてました。ラストも決まったぞ、カッコいい!
トマシュの黒いシャツとジャケットの着こなしが素敵なんですけど(涙)←もう何でも泣く


18:Mark GORODNITSKY(マーク・ゴロニツキー)
ゴロドニツキーさんが正しいのかしら。誰か教えてくれ…。
このプログラムすごく好きです、また見られて嬉しい。振付がすごく小気味良くてホントに楽しいの。思わず画面の前で手拍子しながら見ちゃった(笑)←調教されたスケオタ
ジャンプも伸び上がるようでいいですね。激戦なので上位に入るのはなかなか大変かもしれないですが。うん、暫定8位か。

第4グループ

19:Matteo MALBONE
これはまた美少年ですな…。少女漫画の登場人物みたい。キラキラした素材の衣装がどこか幻想的でますますそんな感じ…。
演技にはGOEがマイナスになる要素も多くてアラも多かったですかね。ジュニアですしね、まだまだこれからですよね。


20:Lilian BINZARI
衣装がどこかインパクト。胸元と袖の花柄も、袖口とベルトの柄もかわいい。特に後者はかわいいわ。
柔軟性があるのかな、足が高く上がったスピンは見ごたえがありましたね。ミスもありましたが、ラストもバッチリ決まってました。


21:Adam SIAO HIM FA(アダム・シャオ・ヒム・ファ)
リンクに出てきた瞬間に、漢!ってカッコ良さが滲み出てくるのですが、そのイメージを活かしたような選曲がすごく渋くて良かったです。トリプルアクセルも着氷が危なかったけど高さありましたね。
ジュベール相変わらず顔面レベル4だけど、髪の色…?白髪になったわけじゃないよね?染めたんだよね…?


22:Mozas Jozsef BEREI
衣装で分かるようになっちゃった選曲ですね、『道』。ボーダー入ってるのでかわいい。袖が互い違いのボーダーになってるのね。
ああ、ジャンプ2本続けて転倒…。ダブルアクセルは決まって良かった。アクセルの後のスピンも、入り方からすごく良かったです。いいスピン。


23:Sihyeong LEE(イ・シヒョン)
上位には入れる実力のある選手だろうから、トリプルアクセルの転倒はもったいなかった…。タノジャンプは本当に美しいですね。ループ綺麗だった…。ステップでレベル4も出せる選手だから、上位争いに食い込んでこれるはずだったろうに、と思うとちょっと残念ですかね。うーん、暫定7位か…。


24:Charles Henry KATANOVIC
毎シーズンひとりはいるかもしれないクイーンですが、今シーズンやっぱり多くないかい?しかも、えっ、ここでドンスト行くの?というタイミングで曲が変わる…。そのまま最後までドンスト。ボヘミアンラプソディー必要だったのかこれ?!
と、編曲が気になり過ぎてしまい演技の内容全然頭に入らなくてすみません(泣)。


本当に見ごたえのある試合で、とても面白かったです。時間的に見ようかどうしようか迷ってたけど、見て良かった気がするよ、うん。フリーの結果が楽しみです。

ではでは、次回は女子ショートプログラムの記事でお会いしましょう。




「うさぎパイナップルnote分室」を開設しました。フィギュアスケート以外の話題は2018年9月よりこちらに集約させております。心の叫びや日々の呟き、小説から趣味の話、フィギュアスケートの話も時々、要するに何でもあり。週1、2回のペースで更新中なので、お気軽に遊びに来てくださいね。
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ジュニアグランプリシリーズ2019 クロアチア大会 雑感①

ジュニアのグランプリシリーズも残すところあと2戦。6戦目はクロアチア大会です。5戦目はまったくライスト見られなかったので(泣)、今大会は少しだけでも、ということで男子ショートプログラムを。
ほかの大会でも表彰台に乗ってるような選手や名前を聞いたことのあるような選手がひしめいていて激戦必至。見ごたえのある大会になりそうです。


※注記:
BS朝日でテレビ放送された選手については、お名前の前に★をつけて区別しております。
また、お名前のカタカナ表記は調べるのが大変なので、カタカナ表記が既にある程度使われている有名どころの選手だけにとどめております。お名前の読み方って難しいですよね…。

男子ショートプログラム

第1グループ

1:Marko PILIAR
すみません、完全に見逃してしまいました(泣)。キスクラにすら間に合わず…。ごめんよううううう!


2:Luc MAIERHOFER
ノッテ・ステラータ。足が惚れ惚れするほど長い…。真っ赤な衣装が良く似合う…。
ジャンプにミスが2本出てしまったので得点は伸びないかも知れませんが、スピンやステップに光るものがある選手ですね。スピン全部レベル4だ。足が長いのでA字スピンのポジションが凄いことになってた…。


3:Andrei MOZAREV(アンドレイ・モザレフ)
おお、素晴らしい出来。ジャンプノーミスかな?加点もすごい。コンビネーションジャンプ余裕があってすごく良かった。ステップとスピンがひとつレベル3だったことくらいですかね、問題があるとすれば。
ふわふわした掴み所のない曲で、滑りにくくないのかと思ったがさすがだな…。おおお、高得点が出た!


4:Gabriele FRANGIPANI
トリプルアクセル高さありましたね。いい感じに力の抜けた動きが小気味良くて、それが存分に活かされたステップが見ごたえたっぷりだった。すごく好き。このステップはシニアでも通用しそう。おおお、ステップレベル4だ、これは納得。シットスピンも好きでしたよ、レベル3だったけど。彼も高得点。


5:Aleksa RAKIC
コンビネーションジャンプ、タイミングが合わなかったかな…。そこが得点的には痛いか…。ウインドミルの入ったスピンがすごく面白かったし、ロマン溢れる感じの選曲に合った演技だったとも思う。伸びやかな曲で滑りやすそう。いい曲だな、何の曲だろう。


6:Basar OKTAR
トリプルアクセル、めっちゃ軸が斜めになってたのでヒヤッとしたが、どうにか立って良かった、ほっ。キャメルスピンがすごーく良かったです、見ごたえありました、素晴らしかった。身体のキレみたいなものもありましたね。
キスクラでじっくり拝見するとなかなかイケメン。笑うとかわいい…。

第2グループ

7:佐藤駿
目の覚めるようなトリプルアクセルでしたね、ここまで滑った選手の中でもピカイチ。ちょっとした洒落た動きがさりげなく入ってるのも見る者の心をくすぐる。スピンとステップのレベルがあともうちょっとだけ取れるようになればもう完璧なのでは。うわー、いい演技続くなあ、楽しい。
僅差で2位。スピンのレベルの小さな差がこういう小さな差になったりしちゃうのか…。


8:Artur DANIELIAN(アルトゥール・ダニエリアン)
えっ、去年もっとちっちゃかったよね?なんかかわいらしい感じだったよねまだ?!なんか全体的な雰囲気が彼だけ去年から5年くらい経ってるんですけど??!!←動揺しすぎ
演技も素晴らしかった。ステップがレベル3だったくらいですかね、ジャンプもクリーン。スピンがさりげなく個性入ってるのもいい。昨シーズン見かけたときにも可能性のある選手が出てきたな、と思ってたけど、これはもう間違いないですわ、シニア上がってくるのが楽しみですわ。きたあああああ暫定1位!


9:Andrew TORGASHEV(アンドリュー・トルガシェフ)
6分間練習でイケメンがいるな、って思ってました(笑)。彼も素晴らしい演技。ジャンプもノーミスですかね。何より腕の表現がとても良かった。くるくると表情を変えていく手の動きを見てるだけでも面白い。スピードも凄いので、すごく見ごたえありました。うおおおー、彼も高得点だ!暫定2位!この大会激戦!


10:David SEDEJ
ジャンプに乱れが出てしまいましたね。スピードもなかったし、ラストから二つ目のスピンにはもう疲れが見えてたような。でもステップには特徴ある動きも入れようとしてましたね。この子も凛々しいお顔立ち…。
衣装の刺繍が向かい合ってる人間の顔に見えてしょうがなかった…。


11:Arnau JOLY
スペインの子かあ、フェルナンデスに続いて欲しいですね。
あああ、アクセルで転倒。無念…。ラストあたりもちょっともうスピード無くて疲れが見えたか。でも二つ目のスピンに入る前の振付がすごく楽しそうでかわいかった。ラテンの明るさが滲み出る。


12:Edward APPLEBY
トリプルアクセル高さがありましたね。ループも綺麗なジャンプだったー。しかしラストのスピンは思いっきり曲に遅れている…。これはタイムバイオレーションかもなあ…。ああ、やっぱり。カントリーな曲だからついついのんびりしてしまうのだろうか←いや関係ないって(汗)


前半グループどんだけハイレベル…。これは後半グループもワクワクが止まりませんが、いい加減記事が長いので(笑)、後半については次回に。また次回の記事も読んでいただければ嬉しいです。




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怒濤へのスタートダッシュ

今週のお題「2020年の抱負」


久しぶりのお題記事です。スケートの記事がいつもいつも長いので、本日はできる限りさらっと…。

さて、今年の抱負ですね。ほぼフィギュアスケートのブログなのに2019年にはスケートヒロシマにしか行けなかった私の抱負はただひとつ!

フィギュアスケートをもっと会場で見る!

テレビで見ても面白いけど、やっぱり生で味わうからこその感動や興奮は全然違いますからね。私はどうも「知らないことは書けない」人間なので、自分の身をもって体験した上で咀嚼して、記事に落とし込みたいのです。

とりあえず、地元で開催されるショーや試合には行きたいですね。直近はプリンスアイスワールド広島公演ですが、私にチケット代が出せるとは思えずいきなり前途多難(泣)。
スケートヒロシマは今年も行く予定。体調に問題がなければ出来るだけ長時間観戦したいですが、とにかくビッグウェーブが寒いので、今回もノービスあたりは諦めちゃうかも…。ショーなどでビッグウェーブに来られる方は万全の寒さ対策をなさった方がいいと思いますよ。
それから浅田真央サンクスツアー。一昨年はあまりの金欠で行きそびれてしまったので、いちばん安い席でいいから何とかして潜り込みたいです。

地元以外では、今年こそファンタジー・オン・アイスには返り咲きたい。2010年の初回公演から行ってるガチ勢なのに、この2年間あまりの金欠のため申し込みすら出来ない状況。もうやだ!絶対行く今年こそは(泣)!

それと、セーラームーンアイスショーが実はちょっと気になってたりします。原作をひととおり読んでいる程度でファンとまでは行かないのですが、作品の世界観とスケートが合いそうな気がして。作者が確かスケートファンだったし、妥協を許さない出来になるかも、と期待もしてしまいます。
何より、エキシビションとして好きな作品をモチーフとしたプログラムを滑ることはあっても、ひとつのショーの主役?を作品のファンが張る、というケースはたぶん無かったじゃないですか。オタクヒエラルキーの最高到達点がどのようなものかこの目で見たいという気持ちもあるのです(笑)。メドベージェワの演技も好きですしね。「覚悟」を感じるところが好きなんですよ。

昨年抱負として挙げて結局実現しなかった、「実際に自分もスケートを滑ってみる」というミッションもクリアしたい。ビッグウェーブがリンクとして営業してる4月までに何とか…。今年こそ(泣)。


スケート以外では、菊池涼介選手がカープに残留することになったので、「菊池のスーパー守備をこの目で見る」ことかな。ずっとこれ希望なんですけどね、チケットも取りにくいという話だし私に金はないし、で試合に行くこと自体が厳しかった…。せっかく地元なのに。広島に住んでるメリットを今年はもうちょっと活かしてみたいです(泣)。
それから、高知にもまた行きたいですね。行くこと自体は出来そうな気もするけど、色々観光して記事にするとか、もうちょっと充実させた旅行にしてみたいです。緊張せずにテンパらずに…←何も聞かないでください…


年明け早々から家のブレーカーが壊れたことに始まり(しかも真夜中に…。凍死するかと思いました…)、なかなか怒濤の年始を過ごしております。まだ今年10日くらいしか経ってないの?とびっくりするくらいてんこ盛り…。占いによると今年は怒濤の1年になりそうなのですが、本当にそうなるのではないかと予感させるような幕開けです。
応援してくださる方や助けてくださる方、皆々様のおかげでこの2020年まで生きてこられました。今年はこれまで何があっても続けてきたこのブログを始め、様々なことに成果が出せる1年にしたいです。と言っても、あまり気負わずゆるく何となくで生きていようかなと思います。必要なピースは、2019年までに全部揃った気がしているので、あとはフィーリングと直感で、それを組み合わせていけたらな、と思っております。
とにかく何とかして生き延びます!そしたらきっと何とかなる!はず!

本年も当ブログをよろしくお願いいたします。皆様にとっても素晴らしい1年となりますように。




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全日本選手権2019雑感⑨

メダリスト・オン・アイスの記事の続きです。全日本の記事は本日で最終回です。最後までお付き合いいただければたいへん嬉しく思います。ではでは、早速どうぞ。

エキシビション

★三浦璃来&木原龍一
三浦さんがスロージャンプを降りたと思ったら転倒してしまい、そのあとにもつまずいていて足に何か、と心配したら靴紐が解けただけみたい?ちょっとホッ。
本当にこのペアには期待しかない。木原君の動きが非常に良くて、お互いの良さを引き出し合えるペアなのかも。世界選手権が楽しみです。三浦さんも明るくてかわいいなー。
世界選手権代表にはアンコールあり。例年通りかな。


★小松原美里&ティム・コレト
今シーズンはなかなか演技を見られず心配していましたが、怪我を乗り越えてまたひとつ上の段階に進んでいったように感じました。この『君の名は』のプログラム、たいへんいいプログラムですよね。映画に思い入れがなくてもそう思えるのが本当に凄い。補正が入らず彼らの演技の魅力だけで魅せてくれているってことですから。


田中刑事
刑事君かっこいいいいいいいいいい!非常にいい表情でしたね、運動量も半端ないな。ジャケットプレイがこれだけ様になるの、日本じゃ刑事君くらいでは。羽生君が実行したらキャーキャー言ってくれる人は多いでしょうが、たぶん私は吹いてしまいます(笑)。昌磨君が実行したら思考がついていかずにフリーズすると思います(笑)。

ところで、アンコール見た人生きて帰れたの?動きにくいからかジャケット脱いでいらっしゃるし、凄まじくキレキレでしたし…。私なら会場で「いい人生でしたありがとうございました」と言い残して息絶えてたと思います(笑)。


宮原知子
年齢を重ねないと出せない、成熟した美しさが表情や演技に出てきていてすごくいいですね。それだけに、最近ジャンプの調子が悪そうなのがもったいない。長い人生、不調な時もあるよね。
重厚な哲学書のようなプログラムでいいんだよなこれ…。喪服の未亡人みたいにも見えるし、とにかく渋くていい。


樋口新葉
競技でも思ったけど、だいぶ絞りましたよね?演技が安定したのはそのせいなのかな。このエキシビションも最後までキレがあり、非常に見ごたえありましたね。振付はジェフなのか。なるほどそれでこのゴージャスさ。

アンコールはフリーだよね。こちらもエキシビション1曲滑り終わった直後だと思えないくらいキレキレでした。


羽生結弦
当日流れてくるニュースを見ながら「会場行きたかったああああああ!」と暴れまわっておりました。やっと、やっと見られたよ。ショーバージョンの『SEIMEI』!
私ねえ、大好きなんですよこのプログラム。過去に散々語ってますが(笑)、羽生結弦の日本の美を体現した外見や二次元の世界から抜け出してきたようなキャラクターなくしては成立しないプログラムだと思うんですよね。艶やかな黒髪、透き通る白い肌、涼しげな切れ長の瞳、細くしなやかな体躯…。これほど説得力のある「和のヒーロー」は存在しないのでは…。

平昌のシーズンから使用している、品のいい衣装で登場した羽生君。今回髪型はプロがセットしているのですかね。さすがプロとしか言えない仕上がりで、壮絶なまでに美しい晴明が白いリンクに立っていました。
…調伏される魑魅魍魎の姿が見えましたよ。何度も伝説的な瞬間を生んできたプログラムですが、過去最高に情景が浮かんでくる、スポーツと言うよりは舞台芸術のような演技でした。でも、決して大袈裟に演じてるわけじゃないんです。スポーツの文脈で滑っているのに、陰陽師の物語が目の前に展開されてくるんです。凄い、この人凄い…。

最も印象に残ったのはコレオです。平昌では足の怪我の影響か、力を振り絞るように、羽生結弦に戻って滑っていましたが、今日の安倍晴明は実に軽やかで、京の街を自在に駆けるヒーローそのものでした。彼が元気に全日本に出場して、軽やかにこのプログラムを滑ってくれたことに、改めてこれ以上ないほどの幸せを感じてしまいました。
うう、もう一度見たい…。久しぶりに何度でも何度でも繰り返し見たい演技でした。SEIMEIに思い入れなくてもそう思ったと思います。やはり、羽生君のマスターピースですね…。

アンコールは『秋に寄せて』。衣装と曲が全然合わないのでは、と思いながら見始めましたが、テレビアニメのエンディングみたいでこれはこれで良かった(笑)。夕焼けをバックに黄昏る陰陽師みたいなイメージ←意味不明


紀平梨花
見るたびに貫禄が出てきますねこのプログラム。ものすごく短く感じてしまいました。表情も凛としつつ余裕があり、非常に良かったです。

アンコールはフリー。おお、この衣装での演技もいいなあ。ラスト部分だけでもスッとプログラムに入り込んで見られるのさすがです。


宇野昌磨
ステファン振り付けのラヴィアンローズ。久しぶりですねこれ滑るの。ステファンが正式にコーチになるから故のチョイスなのかな。
滑り出す前の昌磨君の柔らかい表情にものすごく驚いた。昌磨君がこんな表情で滑るのを私は初めて見たと思う…。
昌磨君はいつもクールな表情を崩さず、それが魅力でもあったんだけど、あともうひとつ何かが欲しい、とずっと思ってた。ああ、これがそれだ。「余白」とでも言うのだろうか。

最後のピースが加わった昌磨君はおそらくもっと強い選手となるだろう。私は羽生君の最大のライバルになる存在はほかの誰でもなく昌磨君じゃないかと思ってる。同じ国にふたつの大きな才能が生まれる奇跡。我々はなんと贅沢な時代に日本のスケートファンとして過ごせるのだろうか。
ステファンがメインコーチとなることで、こんなに昌磨君に変化が生まれるとは…。昌磨君がステファンを選ぶと私は何故かまったく予想していなかったので、こんな驚きを味わわせてもらえるなんて、まさに嬉しい悲鳴ですよ。


フィナーレを楽しみにしていたのですが、髙橋君と羽生君が手を繋いで一周する様子がまさかのまさかで流れなかった。あんなに話題になったのに…。
当日に流れてくる写真や、テレビのニュースで放送された映像を見て、私は本気で泣いてしまいました。これを、これをこの10年近く待ってたんですよ、私は…。

当時も書いていますが、髙橋君が復帰した時、私は心から願ったのです。これをきっかけに、髙橋君のことも羽生君のことも、誰のファンであっても分け隔てなく応援できるファンの世界になって欲しいと。これはいがみ合ってばかりのみっともないスケートファンに与えられた最後のチャンスだと。
ほとんどのファンはそんな人じゃなく、惜しみ無い拍手を多くの選手に送れる方々だと思うのですよ。だけど、時々思い込みの強い声の大きな人がいる。本当はその声が的外れだと知っていても、大きな声に惑わされてしまう人は非常に多いのです。マスコミなどの情報を何も考えず鵜呑みにする人はもちろん、そういった情報を過剰に疑う人もそうだと思います。まず自分の頭で咀嚼して考えてみる習慣を養ってこなかった人なのかもしれません。

ふたりとも、声の大きな人の存在は知っているだろうと思います。彼らが何も言わないのは、たとえそんな人物でも建前上はファンとして大切にしなければならないからです。あんな若い青年たちに、我々はそこまで気を遣わせて、優しさを無駄遣いしてもらってるのですよね。おそらくそれなりの年齢の方々が。どこの国の女王様なのかしら。
まさに「選手の邪魔をするな」「疲れさせるな」ってギャーギャー言ってる人がいちばん邪魔なんですよ。一生気付かないのかもしれんけど。邪魔とか言われるの悲しくない?こっちだってそんなこと言いたくないよ。

手を取り合って笑顔で滑る二人の姿を見ても、まだ同じ事を言い続けるのなら、もう本格的に、彼らと同じ言語で会話する日は来ないだろうなと思った。この二人の姿だけじゃなく、舞台裏や滑走順抽選で昌磨君も加えた3人で写る様子など、この全日本は本当にスケートファンの心を強く揺さぶるシーンに溢れた大会だったと思う。こんな繊細な競技のファンが、個性はそれぞれにしろ、ある程度の繊細な感性を持てないのは寂しいな、と個人的には感じている。
彼らは確かにライバルで、お互いに負けたくないとも思っているし、複雑な感情を抱くことも時にはあるだろう。けどそれ以上に、同じ競技を愛する仲間たちなんだよ。彼らが愛するものをあんな風に傷付ける権利を持ったファンなんて、未来永劫存在していいはずがない。

髙橋君、羽生君、ありがとう。本当にありがとう。正直もうファンでいることが辛いと感じたことも何度もあった。でも、それでもずっと、フィギュアスケートが好きで良かった。この光景を、私は一生忘れないよ。どうかこれからも応援させてください。精一杯の拍手を送らせてください。

リンクに降る雪の演出も美しかったですね。舞い散る雪の中に佇むSEIMEI衣装の羽生君の姿はこの世のものとは思えなかった…。会場に行きたかったなあ。今年はどうしても行きたかったんだよね。単なる予感ですが、おそらく来年は行けないので…。とほほほ。


以上です。相変わらずのんびりペースの掲載で申し訳ありません。最後まで読んでくださった方がいらしたら、心からありがとうございました。
非常に情報量が多く、咀嚼するのに二週間はかかると思った全日本でした。そして、これからも私のペースで、いつまでもフィギュアスケートのファンでいたいと思えた全日本でした。当分、余韻が残りそうです。

ではでは、また次回の記事でお会いしましょう。そして来年の今頃にはまた、全日本の記事で…!




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全日本選手権2019雑感⑧

今年の全日本も、エキシビションにあたる「メダリスト・オン・アイス」で終了です。地上波放送のない地域でしたので、BSでの放送をじっと待って視聴しました。当日見たかったー。と言うか、会場行きたかった…。

長くなるので、2回に分けてお送りします。是非最後までお付き合いいただければ嬉しいです。

エキシビション

★髙橋大輔
オープニングが流れず、いきなり髙橋君の演技からでした。ショートプログラムをもう一度披露してくれた、嬉しい!ルッツがしっかり決まったし競技よりいい出来だったかな?でも、ステップ入る前とかもう顔が笑っちゃってて、明らかにお疲れですね(笑)。
髙橋君が10歳若かったら、このプログラムにしろフリーにしろ、伝説的な演技を生んでた可能性は高かったろうにな、と思います。けど、その時にこの曲や振付と出会えていたか、今と同じ表現が出来ていたか、それもまたわからないことなんですよね。結局、今の髙橋君がすべてで、いくら過去に思いを馳せても仕方ないってことなんだろうな。
シングルスケーターとして最後に披露する競技のエキシビション。万感の想いでした。是非またショーでも滑って欲しいです、このプログラム。


★河辺愛菜
黒いマントを羽織って登場。衣装の一部なのかなと思いましたが、そんなことなかった、やっぱり脱ぎますよね、そりゃ。
マントを脱いでからは非常にイキイキとして、エネルギーと躍動感に溢れた滑りを見せてくれました。ジャンプの転倒はショーだし仕方ないってことで。


★吉田陽菜
スピードが凄い。ジャンプの回転も速い!エキゾチックな衣装も素敵ですね。
解説が無かった、地上波放送無かったのかな?彼女のほかにも、ジュニアの選手には解説の流れなかった選手が何人かいました。


★畑崎李果
キューティーハニー。これは会場が盛り上がったのでは?ピンクのカツラも似合うし、本人がものすごく楽しそう。いいねえ。
ハニーはもうちょっと年齢が上のキャラクターかと思いますが、それくらいの年齢で滑るよりは、彼女くらいの女の子が演じる方がキュートなのかもしれないですね。


★吉田唄菜&西山真瑚
滑りの美しさやユニゾンもいいけど、カラッと爽やかな明るさがすごくいい。アイスダンスって基本胡散臭さが最高にいいんだけど(笑)、この爽やかさでリンクを華やかにして欲しいって思ってしまった。人気あるのわかるわー。


★佐藤駿
グランプリファイナルの時と衣装違う?一緒だったらすみません。
なんというか、彼には正統派の良さがありますね。真っ直ぐさがじわじわ染みてくる…。今後が本当に楽しみな選手です。


★本田ルーカス剛史
彼のエキシビション初めて見たけど、音の取り方めっちゃ上手い、小気味良いなあ。もっとジャケットプレイでキャーキャー言ってあげて欲しい(笑)。グラサンもとても胡散臭くて良かったです(笑)。


★森本涼雅
ウィリアム・テル。途中何ヵ所か不思議な編曲になってましたが、こういう曲なんだろうか、わざとなんじゃろか。勢い良く滑ってましたねえ、衣装もかわいい。


★川畑和愛
彼女の演技を見てると、水の流れをイメージするのですよ。演技に独特の流れがあって、見ていて気持ちがいいのですね。
ラ・ラ・ランドって定番は黄色の衣装なのかな?映画見てないのでよくわからんが。


★鍵山優真
『Uptown Funk』!鍵山君の選曲、私が「スケーターのみんなこれで滑って」って思ってる曲が多くて楽しいわ。今後も期待。
演技もキレがあって良かったっすねー。これは会場で見てみたい。


★坂本花織
決してコミカルなプログラムじゃないんだけど、坂本さんの明るさと迫力のある滑りがあって成立するプログラムなんだな、と今日改めて思いましたね。最後よろめいちゃってるあたりも彼女らしくていい(笑)。


★世界選手権代表応援プログラム
今年はジュニア選手がシニア選手のプログラムを滑る形式ではなく、皆で『負けないで』を滑るという演出らしい。リンクサイドで待機してるオトナル衣装の羽生結弦氏が、思った以上に熱唱してて吹いてしまいました(笑)。つられて私も熱唱してしまいました(笑)。会場にいても、隣の人にドン引きされながら熱唱したと思います(笑)。
でも羽生君、熱唱してる姿はしょっちゅう抜かれるけど、歌声を明かしたことはほぼないよね?今回もかけられたままだった秘密のベール(笑)。


とりあえず本日はここまで。続きはまた次回。次回の記事で最終回です。



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全日本選手権2019雑感⑦

地上波に移動して、男子の後半グループです。完全生放送で最高ですね。
ではでは、本日も長い記事となりますので前置きはこのくらいにして、感想を。

男子フリー②

第3グループ

13:中村優
4回転挑んできましたね、転倒してしまいましたが…。ジャンプのパンクなどミスが多く、彼のいいところがあまり出せてなかったかもしれません。ステップは何故レベル1だったのだろう…。きっともっといいロクサーヌのタンゴが滑れるはず、それが見られたらいいな。衣装が細かいところまで凝ってて素敵でしたね。


14:須本光希
後半になるにつれてどんどん動きが良くなっていったように感じます。ラストのラストがコンビネーションジャンプというプログラムなのですけど、ビシッと決まったのでものすごくカッコいいフィニッシュになりましたね。痺れるわ…。
選曲が彼の伸びやかな滑りに合ってる気がします。全日本に戻ってこれて良かったね…!


15:友野一希
4回転トゥループのコンビネーションが決まり、続いて4回転サルコウも決まる。これで完全にスイッチが入っただろうか。ステップは狂気すら感じる素晴らしいキレっぷり。やはり止めた時の動きがいい…。
後半のループがパンクした以外は素晴らしく良かったのでは。トリプルアクセルも素晴らしかったし、コレオからはものすごい気迫を感じた。まさに渾身の演技。滑り終えた本人も思わず涙を流している…。代表争いにどこまで食い込めるか。さあ、高得点が出たぞ…!


16:本田ルーカス剛史
いやー、決まったジャンプ綺麗ですねえ、ルッツのコンビネーションなんてめっちゃいいジャンプでしたわ…。ラストのスピンの終わり方が曲に合わせてあってすごい素敵でした…!すごい、なかなかあそこまでできないぞ。


ここで髙橋君のインタビューが挟み込まれたんだけど、話してる間に涙声になってきて、ああ髙橋君らしいな、ってちょっともらい泣きしそうでした…。でもすごくいい笑顔で終われて良かったよ。最高のラストでした…!長光コーチの代わりに私が泣いておくからね(笑)。


17:木科雄登
うーん、全体的に惜しい演技になっちゃったかもしれない。冒頭のトリプルアクセルは良かったものの、転倒や回転不足などジャンプのミスが多くて、プログラムのカッコよさも出し切れてなかった。ヴァンパイアというテーマがすごく彼に合ってて、いいなと思ってたので残念ですけど、今度はビシッとカッコいい演技が披露できますように…!


18:鍵山優真
全日本ジュニアの再来のようなすっさまじい演技…!4回転トゥループを2本綺麗に決めただけでなく、ほかのジャンプもすべて成功。最後のジャンプはトリプルアクセル…!衝撃…!
ジャンプの質がとにかく素晴らしい。柔らかな膝による美しいランディング、真っ直ぐで綺麗な軸。加点がこれだけつくのはよく分かる。しかもそれを、ベテランの選手でも怯むような構成で…!
驚くような技術点が暫定で表示されていたが、もちろん暫定1位。これはどうなる、表彰台…!

第4グループ

6分間練習前の挨拶で、昌磨君がとてもふわっとした笑顔だったのが印象に残った。なんだかキラキラしたオーラみたいなものを感じたのだけど、それって勝つ選手に出ている独特のものだという考えに私の中では至っているのですね。いつも感じるわけじゃないんだけど…。何となく、この感覚については同意してもらえるんじゃないかな。人によって感じ方は違うと思いますが。


19:島田高志郎
うーん、少し不本意な演技になってしまったか。ジャンプミスが重なってしまった。特にトリプルアクセルは得点源になるはずなので痛い…。後半までスピードもあったけど、彼ならもっとキレ良く滑れる気もしたので、やはり緊張もあったでしょうか。しかし、本当に楽しそうに滑る選手、そこがすごくいい。長い手足を活かしたラストのスピンもすごく良かったです。
ステファン、今日はふたりともキスクラに座ってあげられるから良かったな。


20:佐藤洸彬
4回転降りたああああああああ!あんなに綺麗に!2本目はパンクしてしまいましたが挑んできた!トリプルアクセルも綺麗に決まる!
ラストのジャンプが転倒してしまったところは、もしかしたら彼らしいのかもしれない。ミスもあったけど、最終グループにふさわしい堂々とした、そして彼らしいどこか明るさの感じられる演技で、最高のラスト全日本だったと思います。ありがとう、ありがとう!大好きです!実は私と友人でひっそり応援してたので、もうこうやって記事を書けないのは寂しいな…。


21:田中刑事
もう無理カッコいい、カッコ良すぎた、めちゃくちゃ良かった…。
4回転サルコウトゥループとも非常に美しく決まってもうこの時点でガッツポーズ。トリプルアクセルもこらえた。3本目の4回転はトリプルに抜けてしまったけど、全体的に大きなミスはなかったと思う。そしてステップが圧巻。ものすっごく気合いが入っていて、見ていて魂をわし掴まれるようでした。最高に、最高にカッコ良かったです…!


22:佐藤駿
今シーズンのジュニアの戦い、グランプリシリーズから見てて本当に良かったと思う。この僅かな期間での成長を見つめることが出来て…。
4回転ルッツこそ転倒してしまいましたが、それ以外のジャンプは素晴らしい出来でした。4回転トゥループがここまで余裕に見えるとは。切ないばかりの大人しいロミオに強い意志が芽生え、ジュリエットを守るナイトのように、少年の素直さからくる勇気が溢れてきているように、そんな風に感じるとてもいい演技でした…!
暫定の技術点は90点オーバー。さあ、順位はどうなる。少し得点が下がってる?スピンのレベルか?


23:宇野昌磨
ショートに続いて、昌磨君はとても楽しそうだった。前半はこらえたジャンプが多かったが、身体が動き過ぎている状態に思えた。本人も時々そんな話してますよね。
後半になると身体がその状態に慣れてくるのか、しっかりジャンプが決まるようになってくる。昌磨君は後半が強いな、という印象のある選手だけど、今回もそうだった。

跳び方を忘れたようなジャンプや回り方を忘れたようなスピンが続いて、いつもどっしり安定していた昌磨君はどこへ行ってしまったのかと本気で戸惑うほどバランスが崩れていたのに、完全に元の昌磨君に戻っている。戻ったどころか、正確ではあるけど詰め込み過ぎでクール過ぎるようにも感じていた昌磨君の演技に、ものすごくいい意味での「余裕」があった。昌磨君に最後に足りなかったものがそれだったかもしれない。日本で練習し続ける限り、もしかしたらずっと手に入らなかったかもしれないもの。海外で練習する選択肢はないのだろうか、と何となく昌磨君には思っていたものの、何故それが必要なのか私にはちゃんと答えが出せていなかった。こういうことだったのかもしれない。

キスクラのステファンが、リプレイ見ながらいちいちうるさい(笑)。でも、二人ともとても楽しそうだった。昌磨君はステファンを師とあおいでいるというよりは、お兄さんや友達になついているかのような様子である。キスクラ以外の場面でも感じていたことですが。
昌磨君はもしかしたら、リトマス紙のような人なのかもしれない。温かな愛情や正しい指導に包まれたら、素直にその色を出せるのだ。たぶん、そうやって誰かに守られ導かれていることで、本来の能力を引き出せる人なのだろう。

悪くはなかったがすごくいい出来とも言えない演技ではあった。実は、この大会を昌磨君が制する確率は高いかもしれないと思っていた。理由は、前述した「勝つ選手独特のオーラ」を昌磨君に感じたからである。しかし、パーフェクトに滑れたわけでもないし、羽生君は少々のミスでは崩れることのない選手である。いつものように滑れば羽生君が勝つだろう。最後までわからないな、とドキドキしながら最終滑走者の演技を待つ。


24:羽生結弦
金色がこぼれる華やかな紫。魔王が愛でる薔薇の花園をその身に纏って、羽生結弦が滑り出す。
実に4年ぶりに、彼はこの全日本のリンクに立つ。どんなに、どんなにこの日を待ったことだろう。王の帰還というその事実にただ涙が出そうになる。

冒頭は4回転ループ。着氷が乱れる。ループは綺麗に決まらないことも多いし、切り替えて次へ。サルコウはしっかり降りた。ステップもファイナルよりはずっとキレがあったように感じた。あたかも黄昏の薔薇園に佇む、吐息に死を浮かべた美しき魔王のようである。
しかし、トリプルルッツがパンクした。トリプルジャンプでミスが出るとは。着氷もどうにかこらえたが、羽生君が本調子ではない時のジャンプに見えて、不安が鎌首をもたげてくる。

嫌な予感は的中した。4回転トゥループ、4回転やトリプルアクセルからのコンビネーションと、難易度の高いジャンプにいつものように挑むものの、彼の身体ではないかのようにジャンプを美しく降りられない。むしろ、よく転倒せずにこらえていると思うほど。ラストのジャンプはとうとう転倒してしまった。彼の得意なトリプルアクセルであったが。

ショートが素晴らしかった時の羽生君には時々見られることだったが、まるでエネルギーが切れてしまったかのような演技にフリーはなってしまうことがある。今回はそれに加えて、身体か精神の不調が見てとれた。おそらくは身体の方か。連戦による体力の消耗と、勝ち続けてきたファイナルを落としたことのショックとが思った以上に大きかったのかもしれない。
そして、シーズン序盤の調子の良さから忘れそうになってしまうが、彼の足は爆弾を抱えているはずだ。連戦によりその足に無理が来ていると考えてもおかしくない。彼はおそらくその足と付き合いながら現役を続ける覚悟なのだから、何も言わないだろうが…。

やはり得点は伸びない。伸びないと言っても、通常なら十分優勝できる得点ではある。世界のトップ3のうちふたりが同じ国の選手であるということは、こういう結果をもたらすのである。国の代表として見た場合はとても心強いが、同じ国内で最も激しい争いを行わなければならないという点で、厳しい結果にもなりがちだ。

さすがにここまで羽生君が崩れるのは予想していなかった。いつでも「何とかしてきた」選手なのに。ショートでリード出来ていなければ、彼の驚異の集中力でもっといい演技が出来たかもしれないが…。
驚異的な集中力はいつでも発揮できるものではない。いつでも発揮できないからそれは驚異的なのである。体調的な要因かもしれないが、集中出来なかった時の羽生君の演技のように感じた。ここまでどこかピントの外れたような演技になってしまったのは久しぶりではないだろうか。

インタビューでも言葉少なである。昌磨君を気遣ったり、悔しさで言葉を失ったりもしていたのだろう。少し涙ぐんでいたようにも見えた。ファイナルに続く敗戦は、人一倍負けん気の強い彼には相当ダメージが大きいはずだ。やっと戻ってきたいつもの場所で、いつもの結果を出せないもどかしさ。しっかり表彰台に載っていて、決して悪い結果ではないのに。彼はそれに甘んじることができない人なのである。
しかし、ある意味この絶不調が国内大会で良かったのではないかという気もしてしまう。羽生君の実力なら、ショート落ちでもしない限り実績で代表には選ばれるだろう。久しぶりの連戦で色々感覚が鈍っていたかもしれないし、取り戻していくきっかけになるのではないか。国内大会を軽んじるという意味ではなく、彼の実力など様々な要因を考えれば、いちばんダメージが少なくて済むのが今シーズンでは全日本のような気がする。

表彰式で羽生君に言葉をかけられ、みるみる涙目になっていく昌磨君の姿に泣きそうになってしまった。羽生君に勝つことだけが目標だ、といった話を彼はよくしていたと思う。その時がついに訪れたのだ。羽生君が明らかに不調だったので心中複雑そうではあったが、とても嬉しかったことだろう。羽生君に素直に祝福されて、複雑な想いも少し解けたのかもしれない。こんな風に涙する昌磨君の姿は、初めて見たような気がする。

羽生君も、弟のように可愛がっている昌磨君の活躍や復調が本当に嬉しかったのだろう。彼らはライバルだけど、同時に仲のいい兄弟のような穏やかな関係でもある。こんなライバル関係があるのか、と驚くほどに。なんという清々しい青年たちなのだろう…。このふたつの美しい宝石を前に、讃える言葉以外は何も見つからない。いや、それ以外は必要がない。
ただ、羽生結弦はこれで黙ってしまう選手では絶対にない。久しぶりに四大陸にも出場するそうではないか。四大陸のタイトル、実は持ってないもんな。彼がどう対策を立てて四大陸のリンクに現れるのか、期待して待つとしよう。


そんなわけで、男子の競技は数日では咀嚼しきれないほどの情報量をもって終了した。オリンピックメダリストたちが如何に飛び抜けた存在であるかを実感させられ、彼らに憧れた若い力に感心させられ、リンクを去る選手たちのえもいわれぬ演技に心を揺さぶられ、大好きだった選手がコーチとしてその手を取った選手の優勝で幕を閉じたことに万感の思いを抱いた、本当に私にとっては濃密な大会だった。

この記事を読んでくださった方がどなたのファンなのかは私にはわからない。大喜びしている人も、悔しさに泣いている人もいるかもしれない。どうかその心が誰かや何かに牙を向ける前に、少しだけ私の思い出を聞いて欲しい。

私はステファンの大ファンだった。正確にいつファンになったかは覚えていないのだけど、2006年頃からは確実に応援していたと思う。
ステファンの現役最後の競技は、バンクーバーオリンピックだった。ステファンは優勝を目指して復帰したが、結果は4位。僅差で表彰台を逃した。

フリープログラム『椿姫』を滑り終えたステファンがあまりにも悔しそうな表情をしていたことを、私は今も忘れられない。あんなに怖い顔をしたステファンは、見たことがなかった。それは今も胸に棘のように刺さって、抜けない。
あの悔しそうな顔が、ステファンの最後の演技となってしまった。ショースケーターとして、コーチとして、今も多くのファンから愛され、日々を充実して生きているであろうステファンは、きっととても幸せなスケーターだろうと思う。私も彼のファンでいられて幸せだ。
けど、ふとした瞬間に、あの表情が甦る。結果が振るわなかったとしても、本人が納得して現役最後の試合を終えられるなら、それは最高のフィナーレと言っていいだろう。しかし、ステファンは、おそらく結果も納得も得られないまま、現役生活に幕を引かねばならなかった。

勝負は勝負。結果は結果。仕方がない。ステファンがバンクーバーを最後としたのは彼の決断であって誰のせいでもない。日本男子に初めてもたらされたメダルが、とても誇らしかった。表彰台の選手たちは素晴らしかったと思う。みんな頑張っただけ。誰も何も悪くなんかない。
でも、あんなに喜べなかった、はしゃげなかったオリンピックは、バンクーバーだけだ。ごめん、本当にみんなごめん。

私のスケートファン人生で、あれより辛いことは、おそらくもう無いのだと思う。だから、応援している選手がどのような結果になっても、ある意味達観していられるのかもしれない。競技を続けている限り、報われる瞬間はいずれまた訪れるから。
そうだ、「これで終わり」と言われない限り、また栄光や笑顔には出会えるかもしれないのだ。

髙橋君が何故勝てないと分かっていても現役に戻ったのか。おそらくその理由のひとつは、中途半端なままで引退してしまった心に納得をもたらすため。納得したからこそ、彼は次のステージに進む決意をしたのだろう。それは何よりも彼のための選択だけれど、きっとファンへの優しさでもあったはずだ。自分もファンも納得して「お別れ」ができることの重要さを、彼はきっとわかっていたのだと思う。

だから、悔しさややりきれなさのあまりに、その落としどころを誰かや何かに求める前に、少しだけ待って欲しい。その行為はおそらく、誰かや何かを悪意をもって見つめることになってしまうから。
あなたの大好きな誰かが諦めてしまわない限りは、また喜びに胸を震わせる日に、出会えるかもしれないんだよ。

どんな選手にも好不調があり、時間の制限があり、いつも同じように状況を受け止めることは我々には許されていない。それは「安定」が欲しい人には苦しいかもしれない。だが、自分の心に安定をもたらすためだけなら、結末が決まっている『水戸黄門』でも見ていた方がいい。誰かの人生に付き合うということは、決して読めない展開に付き合うということ。しかも自分には介入できない、見ているだけの展開に。その覚悟を持てなくなった時、最初から持てない者が誰かの人生に触れようとした時に、アンチは生まれるのだと思う。

どうか、あなたの好きな誰かを信じて欲しい。あなたの好きな誰かが愛するものを信じて欲しい。そして、愛する誰かはあなたとは違うかもしれないけど、あなたと同じように誰かを愛している人がいることも、忘れないで欲しい。そして何よりも、忘れないで欲しい。フィギュアスケートは、スポーツだ。氷の上に人生を描き出す、スポーツだ。スポーツとは優劣の付く、シビアで残酷なものでもあるのだ。けど、だからこそ、面白いのである。

どうしても悔しい人は、欲しかったもの思い切って買ったり、美味しいもの食べたりしてサッパリしてみて欲しいかな。単純に楽しいかもしれないですし。

これを書きながらも、あまりの濃密な数時間に、うまく記事をまとめきれない。際限なく長くなってしまいそうなので、ここで終了します。
世界一面白くて、世界一辛い大会、全日本。すべての出場選手たちに、最大限の拍手を送りたい。そして、最初の引退に泣き崩れたほど大好きだった、スイスからやって来たコーチに。現役を退いても、スケーターの人生は続く。そして時に彼のように、新しい形で我々に喜びをもたらしてくれる。バンクーバーの結果に重い気持ちになったあの頃の私、ステファンが毎年全日本に来ては伝説を作っていってめちゃくちゃ楽しいから、そんなに落ち込まなくても大丈夫だからね。
どんな喜びもいつかは終わるけど、どんな悲しみもいつまでも続かない。だから、どうかまた、あなたや、あの選手や、この選手が、心の底から笑えますように。


ではでは、次回はエキシビションの記事でお会いしましょう。これを書いている現在、我が地域では放送が一週間先のため待ちぼうけです…。地上波放送の時間にはローカル枠の特番をやっておりました…。全日本の記事の掲載が少し遅くなったのはそれが理由です(泣)。




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全日本選手権2019雑感⑥

大会もついに最終日。まだエキシビションがあるけど、試合はこの日で終わり。この20年ほどの日本男子の歴史を振り返りながら噛み締めるような、そんな忘れられない大会になった気がします。

女子フリーと同じく、前半グループはBS、後半グループは地上波での放送。記事も前半と後半の2回に分けてお送りします。後半はとても長い記事になりますが、まあ、いつものことなので(笑)。

男子フリー①

第1グループ

1:渡邊純也
あまりジャンプが得意でない印象があったのですが、今日は素晴らしい出来…!ほぼミスなし。『ある愛の詩』のドラマチックなメロディーを伸びやかに演じ、スピンやステップも正確。ショートに続いて全部レベル4?おおおやはり!
素晴らしい演技でスタートする全日本。彼にとってはラストの全日本。最高のスタートであり、最高のラスト。笑顔の出来になって本当に良かった…!


2:山田耕新
少し詰まったけどトリプルアクセル降りた…!「トリプルアクセルが跳べる銀行員」という魅惑の響き…。
後半でジャンプの乱れは出ましたが、前半は練習時間も限られる社会人とは思えないようないいジャンプが続いてました。選曲のアイディアはお友達だったのね。振付はキャシーか、コレオのイメージが壮大。うん、カッコ良かったです!


3:山本恭廉
衣装でわかりますね、ロミオとジュリエット。膨らんだ肩がかわいい。
かなり痛そうなジャンプの転倒が2回あり、2回目はこのまま演技をやめてしまうのでは、と心配しましたが、最後まで滑り切りました。スピンも非常にキレがありましたし、ラストに跳んだトリプルサルコウも決まった。ビールマンスピンで演技を締め、とてもいい笑顔も見えました。ラストの全日本、気合いを感じる演技をありがとう…!


4:本田太一
フォレスト・ガンプ。本も読んだし映画も見たっけ。感動したいなら映画だろうな、ラストの方のとあるセリフで大号泣してしまうのだった…。彼のノーブルな雰囲気に選曲はとても合ってたと思います。映画の名場面を思い出したわ…。
とても慎重に滑っているように見えましたが、最後は氷の上に倒れ込んでしまった。どこか怪我でもしたのかと心配しましたが、全力を出し切ったのでしょうか。キスクラでの涙…。悔しさなのだろうか、またいい演技見せてね。


5:櫛田一樹
わっ、衣装カッコいい!決して派手じゃないんだけどありきたりじゃなくて、男子の衣装!って感じでクールですごくいい。彼、以前のプログラムの衣装も素敵でしたね。センスのいい人が作ってるのねきっと。
4回転は転倒してしまいましたが、軸は綺麗なジャンプに見えた。ほかに跳んでたジャンプも真っ直ぐで綺麗で、加点がつくのはよく分かるジャンプでしたし。こんな選手が第1グループから出てきちゃうのよね。


6:小田尚輝
棄権とアナウンス。発熱ってツイッターで見たけど、本人も悔しいだろうな…。全日本以外でリベンジできる機会がまだあることを願ってます。

第2グループ

髙橋君がシングルスケーターとして迎える最後の全日本。最後なので6分間練習を映して欲しかった気もするけど、小窓で流しながら髙橋君のショートプログラムの振り返りが入った。もう一度見たかったから、これはこれでありなのかな…。


7:鈴木潤
プログラムは持ち越しかな。ジャンプのミスはいくつか見られましたが、とてもいいコンビネーションジャンプも跳んでいました。何よりも、フィギュアスケートへの彼の愛情が非常に滑りや表情に表れていました。見ている人の心に何かを残していける演技だったと思います。想いをありがとう、思わずそんな言葉がこぼれてくる。全日本、素敵な大会だな…。


8:日野龍樹
衣装かっこええええええ!赤に金の飾りで何となくロシアっぽい。似合う…。カルメンかあ、曲も似合うけど、カルメンになびきそうにないぞ、クール過ぎて(笑)。
クールなジャンプもビシバシ決まる。大きなミスもなかったし、トリプルアクセルは流れもあって綺麗でした。スピンも真っ直ぐで正確。やはり実力者ですね。キスクラでいい表情してたなあ、素敵。


9:吉岡希
いやあ、頑張りましたね!4回転で手をついたり、パンクしたジャンプもありましたが、トリプルアクセルもしっかり決めましたし、なんというか若い牙そのもののような、すごくいい鋭さがありました。
選曲は『ローレライ』でしたが、この曲はジュニア選手が滑るとすごくいい勢いが演技に加わるな、という印象。キスクラではまだ子供らしく見えますが、滑ってる間はすごく堂々としてて良かったです。


10:山隈太一朗
冒頭の表情から演技に入り込んでる。どんなストーリーなんだろうね?
シンプルな水色のシャツ衣装は、彼の豊かな上半身の動きを綺麗に見せてくれてとても素敵。ステップがすごく物語を感じる表情豊かなもので、ラストの誰かに振った手のひらまで、ヨーロッパの海辺の街で繰り広げられる物語を勝手に想像してしまった。ジャンプに多少ミスはありましたが、いいプログラムでした。


11:山本草
4回転サルコウは何とか降りましたが、トゥループで転倒。どうにもパッとせず、心配してしまう前半だったのですが、後半は打って変わったような素晴らしい演技。トリプルアクセル凄かった…。ステップも非常に力がこもっていましたし、前半と後半で密度がまったく違いました。後半が本来の実力ですね、明らかに。フィニッシュの表情もものすごくカッコ良かったです。
キスクラから突然解説が本田君に変わる。無良君はここまでですってCM入る前にアナウンスがあったけど、次が髙橋君だからか?え、実況は…?


12:髙橋大輔
髙橋君の表情は、ゾーンに入りかけている時のものに見えた。美しいトリプルフリップからスタート。トリプルアクセルのコンビネーション。ステップは彼の粘りつくような独特の足さばきを感じる。
後半になってもジャンプを次々降りていく。着氷ミスもあったし、ラストジャンプは転倒してしまった。しかしコレオは本当に33歳の、しかも今シーズンはこの大会しか試合に出ていない選手のものなのか。このスピード、キレがよく洗練された、唯一無二の動き。ああ、これがラストなのか。この余韻がもう少し続いて欲しいけど、ラストなのか…。

髙橋君のいい意味での陰鬱さと特徴的な歩幅、粘性のあるマグマのような踊りのキレ、そういったものを存分に活かしたこのプログラムは本当に素晴らしく、個性的なリショーの振付の中でも抜群の作品だと思っていたので、シングル最後のプログラムとして見られたのはとても嬉しい。最後のジャンプが転倒だったのも、ある意味髙橋君らしいな、と思った。

実況もいつの間にか西岡さんに変わっていた。解説が本田君に変わったことは説明されてたけど、実況が西岡さんに交代したことは特に何も言われなかった気がする。でもこの実況は明らかに西岡さんだ。
髙橋君最後のシングルの演技なのに、第2グループだから西岡さんは実況できないんだな、と少し残念に思っていたので、この計らいには少し泣いた。第2グループの最終滑走を髙橋君が引いたのは、テレビで応援している人々への彼からの最高のプレゼントになったんじゃないだろうか。
最後なのに、技術点カウンターが表示されなくなっちゃってたのは残念だけど。そんなの気にせず目に焼き付けろ、というこれも天の計らいだったかもしれない。

私はちょうど彼がシニアデビューした頃からフィギュアスケートを真剣に見るようになったので、彼の演技は本当に何度も何度も目にしてきた。アイドル的な人気が出始めた頃、大怪我、トリノバンクーバー、ソチ、そして復帰。その昔テレビが彼の演技ばかり繰り返し繰り返し流していたことなんて、最近この競技を好きになった人はきっと知らないだろう。
5年ほど前までは特に、自分の周囲では髙橋君の人気がやはりいちばん高かった。そして髙橋君のライバルとなる選手に対して酷い言い草をするファンにたくさん出会ってきた。日常生活でも、会場でも。その逆に、髙橋君に対して酷い言い草をする人にもたくさん出会った。後者は近年になって非常に増えた。
どちらのファンとも、私はかかわり合いになりたくない。自分は正しい意見だと思ってその言葉を吐くのかもしれないけど、残念ながらすべて筋の通らない悪口でしかなかった。テストで言えば、0点の解答だ。

それらの言葉を聞くのが、どれだけ辛かったか。どれだけ傷付いたか。髙橋君は自分の選んだその道で生きているだけで、好む好まざるに関わらずその演技は素晴らしく、結果も残してきた。誰かに過剰に守られる必要も、過剰に攻撃されるいわれもない。
悪意に引きずられて髙橋君を嫌いにならないよう、どれだけ努力が必要だったか。どれだけ私が悩んだか、きっと伝わることは、ないのだろうけど。
髙橋君が競技に復帰した時、やっと本当に彼の演技を楽しめると思った。その頃にはもう、普通の人という名の病んだ一部のファンはほとんど自分の周囲から居なくなっていたから。正確にはまだいたけれど、自分はもう彼らに引きずられなくなっていた。とても楽しかった。もっと早く、こんな気持ちで応援したかった。
髙橋君は私に、フィギュアスケートのファンでいることの苦しみを教えてくれた人だ。そしてそれを克服することを教えてくれた人だ。もちろん髙橋君が何かをしたわけではなく、私が勝手にそう感じているだけ。

私のような思いをする人が、どうかひとりでも居なくなって欲しい。悲しい思いをすることなく、純粋に競技を楽しめるファンの世界であって欲しい。その願いを込めて、私はこのブログを書いている。この心境に至れて、良かったと思う。髙橋君がいなければ、きっとここには立てなかった。
隣に座った誰かが応援している相手は、自分とは違う人かもしれない。でも、愛する気持ちは皆同じ。そして自分の目に映るものは、絶対じゃない。
それさえ忘れなければ、きっとフィギュアスケートを見ることはただただひたすら楽しい。

髙橋君の競技人生はまだ続く。だから、ありがとう、はまだ言わなくていいと思う。実は同じ中国地方出身の人間同士。応援してますからね。

フィギュアスケートを見始めたばかりの頃のスクラップブックに、今もある記事が貼り付けてある。ある日本人の男の子が、ジュニアの世界選手権で優勝したことを告げる地元の新聞の記事。中国地方の選手のせいか、扱いもちょっと大きめだった。
その少年の名は髙橋大輔、15歳。私が初めて覚えた、日本人の若手選手の名前。


前半グループはここまで。次はいよいよ運命の最終グループ。次回も長い記事となりますが、是非読んでいただければ嬉しいです。




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全日本選手権2019雑感⑤

載せる頃にはたぶん今更になっている全日本選手権。感想は演技直後にほぼ書き上げてしまっているのですが(男子は無理なことも多いのですが…阿修羅いる時は特にな…)、一大会につき最後まで書き上げてから載せたい派なので。

本日は後半グループの感想です。テレビも地上波へ移動。本日も是非是非最後までお付き合いくださいね。

女子フリー②

第3グループ

13:竹野比
後半になってもスピードが落ちず、滑らかさやしなやかさを保ったままで、ここまでのスケーターの中でも技術の高さを感じたのですが、ジャンプの転倒がどう響くか。決まったジャンプはとてもスピードあって綺麗ですよね。衣装も素敵。ホント今日みんな衣装かわいい…。


14:新田谷凜
ラストシーズンにエクソジェネシスは泣くしかないやろ…。涙。
しかも素晴らしい、素晴らしい演技でした…!非常に落ち着いていて、ジャンプや要素のひとつひとつを本当に丁寧に、大切に大切に滑っていた。審議はたくさんついていましたが、見た目上はほぼノーミス。非常に情感に溢れたコレオには本当に万感の想いが詰まっていました。こんな演技に出会えるから、フィギュアスケートを見るのはやめられない。


15:吉岡詩果
水の中でたゆたうような優雅で穏やかな曲のイメージによく合った演技だったと思います。最初のスピンも非常に美しかった、華もあって。
ジャンプの転倒が2本あったので、それがどう響くか。ラストはステップなんですね、水の流れがそっと終わっていくみたい。


16:川畑和愛
少し詰まったように見えたジャンプもありましたが、全体的には素晴らしい。伸び上がるような高さのあるジャンプは本当に見応えがあり、素晴らしい武器だと思います。加点つけたくなるわこれは。
これステファンの振付なのね。今シーズンのステファンは女子のプログラムで良作を連発してる気がする。弾けるようなコレオもとても見応えがありました。いい演技でしたね。出た出た高得点!


17:横井ゆは菜
同じ曲を違うキャラクターで滑るという面白い試み。たおやかに演じていきますが、迫力のあるジャンプは単に運命に泣くだけのヒロインではないと感じさせていいですね。
ラスト3本のジャンプがすべてコンビネーションという難易度の高いプログラムで、オーバーターンの入ったジャンプが1本ありましたけど、それ以外は大きなミスは見られず、さすがの演技だったと思います。アイスタッツもリンク全体使ってるのがすごくわかる。


18:永井優香
アディオス・ノニーノ。少し緊張も感じましたし、ジャンプのパンクもありましたが、ラストのスピンも美しかったし、全体的にしっかり滑れてて良かったと思います。一時期なかなかいい演技が出来てなかったので、本来の演技に戻ってきていて嬉しいですね。暫定4位、頑張った。

第4グループ

さすがにシニア選手ばかりですね。復調を感じさせる笑顔の樋口さんと真凜ちゃん、緊張してるような坂本さん、風格すら漂ってきた紀平さん。みんなそれぞれ。さあ、すべてが決着する!


19:山下真瑚
シーズン序盤は厳しい出来の演技でしたが、NHK杯では復調していてホッとしましたよね。今日は緊張感もあったのか、ミスが続いてしまった。表現面でも気を配り切れてない感じがあったかな…。荒川さんも後半で疲れが見えたと言ってましたね。しかし冒頭の三連続のコンビネーションジャンプはさすがでしたね。高さもあって。


20:樋口新葉
ひとつ壁を乗り越えた人の、そしていい演技をする選手の独特の気迫と輝きがありました。素晴らしいジャンプの連続で、フリップで着氷乱れがあったことだけが悔やまれる。ステップも非常に情熱的で、彼女の豊かな表現面をよく活かしていました。冷静なリカバリーだけでなくとても落ち着いていて、彼女の中でも特にいい演技だったのでは。これは暫定1位だろうな。うん、やはり!200点越えた!


21:本田真凜
この曲いろんなスケーターが滑ってるけど、真凜ちゃんがいちばん似合う気がする。この絶妙な力の抜け具合に美しいスピン、華やかさとポンッと弾けた明るさは本当に代えがたい彼女の魅力。
ジャンプに転倒とパンクがあったので、パーフェクトとはいきませんでしたが、ミスがあってもとてもいい演技だったように思いました。本当に素敵なプログラムです。


22:宮原知子
深い霧の中で物語が始まるような出だし。いぶし銀のような渋さと美しさとを感じさせる、ベテランにしかできない演技なのですが、今日はどうしたんだろう、ジャンプのミスが目立つ。ループも得意だったと思うのだけど…。
緊張感があったでしょうか、僅かな綻びから崩れてきて、うまく戻せなかった印象。本来はもっと表現もできる選手だと思うので、ミスが重なりそこが出せなかったのももったいない。それでもそこそこの点は出ていてさすがですね。


23:坂本花織
もう表情が明らかに緊張してて、心配していたのですが…。やはり心配していた通り、ジャンプのミスが続いてしまった。本来ならもっと死ぬほど加点のつくジャンプを連発できるのに。スピードやグイグイ滑っていくスケーティングは素晴らしかったんですけどね。ダブルアクセルの飛距離半端なくて、アイスコープは彼女のジャンプを測るためにあるような気がしてくる。
うーん、どうした。全日本に強い選手たちが続いて崩れてしまった。このプログラム大好きなので残念ですが、次こそまたいい演技見せて欲しいです。


24:紀平梨花
最終滑走のプレッシャーなどどこ吹く風。彼女の独壇場でしたね。4回転サルコウこそ跳びませんでしたが、トリプルアクセルを2本入れ、質の高いジャンプやスピンを揃えた素晴らしい演技。このトリプルアクセルの安定ぶりが今シーズンと昨シーズンの最大の違いですね。
トリプルアクセルだけの話ではなく、喋りにしても態度にしても、子供子供していたのが貫禄さえ伺わせるほど落ち着き、シニアデビューのシーズンがどれだけ彼女を成長させたのかと想像させます。トレーニング方法やメンタルコントロールも変えたのかもしれない。
ぶっちぎりの高得点。もちろん優勝!全日本初優勝!


紀平さんは今シーズンの安定ぶりからしても、大きく崩れさえしなければ優勝かなと思っていましたが、正直今回の表彰台は全然読めませんでした。落ち着きと独特の輝きを強く感じた樋口さんの表彰台は納得。よくこらえてここまで返り咲いた…!川畑さんはこのメンバーの中でよく表彰台を掴み取りました、素晴らしかったです。
単純に上から選べば宮原さんが代表になるでしょうし、そういう運をきっちり掴む彼女はさすがです。しかし宮原さんにしても坂本さんにしてもあんなに崩れてしまうとは…。フィギュアスケートに絶対はなく、ミスは容赦なく敗北に繋がる。これはスポーツなんだと、改めて痛感しました。


ではでは、次回は男子フリーの記事でお会いしましょう。




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全日本選手権2019雑感④

大会も3日目です。本日は女子のフリー。前半グループはBS、後半グループは地上波での放送。

長くなるので、前半と後半で記事を分けてお送りします。前半グループの解説は今年も佳菜子ちゃんですな。
ではでは、まずは前半グループの感想をどうぞ。

女子フリー①

第1グループ

1:山田さくら
ラストシーズンに初めてのフリー進出、良かったね…!衣装も髪飾りもお花があしらわれていてすごく綺麗。
後半少し疲れてきたかな、というタイミングで転倒があったけど、そのあとはパワーを取り戻して噛み締めるように滑っていたと思う。いくつかミスは見られましたけども、想いをリンクにしっかり刻み付けられたのではないかな。最後に聞こえた「ありがとう」は大西先生…?


2:磯邉ひな乃
彼女もとても綺麗な衣装、素敵。和風の衣装は帯がポイントだなあ。重くなるからだろうか、薄そうなレースの素材なんだけどしっかり帯。
ステップがスピードあって軽やかで、日本の美しさを感じられるもので良かったです。こだわったプログラムだと実況が解説していたけれど、全体的に想いを感じられる演技でした。本人も感極まって泣いてる…。会心の演技ができて良かった…!


3:佐藤伊吹
アランフェス協奏曲。でもいかにもスペイン、な衣装じゃなくてかわいい。みんなかわいい衣装着てるなあ今日。
冒頭のジャンプがパンクしたりもしてましたが、後半になるにつれてグイグイ演技が良くなっていった気がします。前半は緊張してたのかな。アランフェスの悲壮感あるメロディーが滑りによく溶けてましたね。


4:津内胡菜
このプログラム、スケートヒロシマで見かけて印象に残ってたんですよ。衣装の色がとても綺麗。テレビで細かいところまでじっくり見られて嬉しい。
前半のジャンプ、高さがあってとても綺麗でしたね、素晴らしかった。中盤、少し疲れてきたように見えましたが、最後まで想いを込めて、大切に滑っていたように感じます。彼女もラストシーズンなのかな、みんな綺麗な涙で演技を終えられてホント良かった…。そして軌道が綺麗だ、リンク全体使ってる。アイスタッツ?おもしれえ。


5:吉田陽菜
ジュニアから出てくる選手はやはり皆上手い。一気にレベルが跳ね上がった印象。ジャンプの質や足元の軽やかさ、スピードなどでよくわかる。しかもまだジュニアデビューしたばかりとは…。
しかし演技にはジャンプのパンクが目立ってしまった。終盤は少し疲れたかもしれませんが、可能性を感じる演技でした。
キスクラの安藤さんのマダム感…(笑)。


6:松原星
前半は問題なく滑っていたと思うのですが、中盤で大きく転倒。なかなか立ち上がれず心配しましたが、そのあとはふわりとしたジャンプを決め続け、プログラムのラストも三連続ジャンプで締める。カッコいい!スピンも非常にスピードが速いし、曲も衣装も清涼感があってとても素敵。このグループの子全員衣装すっごいかわいかった。うん、いい選手です。昨年も気になってたんだけどね。

第2グループ

7:千葉百音
パリのアメリカ人。私はどうしてもゲーブルを思い出すけど、ソルトレイクシティーオリンピックの頃は彼女生まれてないのね…。
ビビッドな黄色の衣装が可愛らしい。ジャンプもシニア顔負けで、さすがジュニアから推薦されて出てくる選手。ラストで転倒してしまい、コレオも減点されていて少し疲れが出ていたかもしれませんが、とても明るくて元気のいい演技でした。


8:河辺愛菜
トリプルアクセル決まったあああああ!直後のルッツで転倒してしまったのですが、それ以外は多少の緊張も見られつつも頑張ってたんじゃないでしょうか。最後の方でもしっかりしたコンビネーションジャンプ跳んでましたね。
オズモンドのブラックスワンに憧れてたのね、うん、それはわかるなあこのプログラム。


9:三宅咲綺
素晴らしかったです!タンゴのパワフルなリズムに負けないパワフルな滑りで、要素は審議がひとつだけついたけど結局オールグリーン!プログラム全体に乱れがなく、スピードも最後まで落ちず、非常に魅せる演技も出来ていました。この日いちばんの演技が出てきましたね、良かったです!暫定1位!


10:廣谷帆香
衣装からし火の鳥かな?と思ったけどやはり。何となく手塚治虫のイメージ。
序盤のジャンプで派手に転倒してしまい心配しましたが、よく盛り返してました。最後に跳んだジャンプはあたかも火の鳥が甦るようで、伸び伸びとしたコレオで大団円を思わせるラストになっていて、若者らしい爽やかさがあって良かったですね。


11:松田悠良
衣装かっっわいいいいい!すっごい素敵。色合いがグレーで派手じゃないんだけど、ものすごく上品。うわあ素敵…。
演技もとても優雅でした。バレエ音楽でしたっけ、それがちゃんと理解できる素敵な身のこなし。ジャンプは少し慎重にも見えたけど、彼女の「滑れて楽しい」という気持ちがすごく伝わってくる演技だったのですよ。観客から手拍子が起こるのはすっごいよくわかる。
得点は伸びなかったな、回転不足かな…。うん、すごくたくさんついてる。今回も全体的に回転不足判定厳しいな。


12:浦松千
序盤で浮かべていたふわりとした笑顔が曲の緊迫感とともに消え、終盤でまた戻ってきてハッピーエンドを感じさせる。憎い構成…。
いい調子で進んでいたのですが、最後のジャンプで転倒。うう、もったいない。スピンが真っ直ぐで美しかったですねえ。


前半グループはここまで。テレビ放送もBSから地上波へ移ります。引き続き感想は述べていきますので、次回の記事も読んでいただければとても嬉しいです。




「うさぎパイナップルnote分室」を開設しました。フィギュアスケート以外の話題は2018年9月よりこちらに集約させております。心の叫びや日々の呟き、小説から趣味の話、フィギュアスケートの話も時々、要するに何でもあり。週1、2回のペースで更新中なので、お気軽に遊びに来てくださいね。
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全日本選手権2019雑感③

地上波に移り、男子ショートプログラム後半グループの生放送。第4グループが個人的に息ができないくらいのクライマックスでした。長い感想文になりますが、本日も是非最後までお付き合いください。

男子ショートプログラム

第4グループ

19:宇野昌磨
公式練習から昌磨君の復調ぶりが明らかで、いい演技をするのではないかとひっそり期待していたんだけど、本当にものすっっごくいい演技だった…!昌磨君の演技の中でも最高レベルでは…?
しかも昌磨君めちゃくちゃ楽しそうなんですよ。こんな楽しそうな表情してるの久しぶりでは。こういう楽しそうな昌磨君はいい演技をしてる印象がある。本当に面白い選手。非常に素直で、いいことも悪いこともそのまま滑りに表れてくるように私は感じてます。

キスクラでも目の輝きがまったく違う。ほんの1ヶ月ほど前に、くすんだ世界に包まれて涙ぐんでいたように見えた彼が…。以前の彼に戻ったというよりも、活躍する選手のモードに少なくともこの全日本では移行しているように見えた。
彼の瞳を輝かせた人物がステファンだなんて。どうやら正式にコーチに就任するようだが、昌磨君がコーチ探しを始めた時に、私の頭にはステファンに決まるという解はまったく存在していなかった。しかし、まるでなついている誰かのそばで安心しているかのような昌磨君の姿に、こんな温かな正解があったのか、と驚きを禁じ得ない。

やっとこのプログラムの本当の良さを伝えられたんじゃないだろうか。いつも淡々と滑る印象のある昌磨君がこれだけ感情剥き出しに見えるように滑っているのも珍しい気がした。
遠回りをしても涙を流しても、ただ降ってくる答えよりは、掴み取った答えの方がきっとしっくりと腕に馴染む。昌磨君はきっと深く考えるより昌磨君そのものでいた方がいい。これからの彼が楽しみです。


20:島田高志郎
4回転降りた!降りた!これは彼にとって大きい!コンビネーションジャンプのルッツがダブルになってしまってそこは得点的にちょっと痛いけど、昌磨君に続いていい演技。高志郎君もとてもいい笑顔で滑ってる。ステファンが生徒に教えるのは、スケートと己を愛することそのものなのかもしれない…。
ステファンもやっとゆっくりキスクラに座れますね(笑)。袖から見えるシャツの柄なんとなく派手なんですけど。高得点も出た!


21:田中刑事
4回転サルコウ、手をついてしまったか。転倒扱いか…。コンビネーションジャンプもこらえた。得点にどう響いてくるか…。
しかし全体的なレベルはやはり高い。ステップは非常にキレがあって、今日滑った選手たちの中でも特に目を惹く出来だったと思う。競技の刑事君にしてはかなり感情も出せていて良かったと思うので、ジャンプが少し乱れたのがホントめちゃくちゃもったいない…。それでも80点出た!


22:佐藤洸彬
いい位置引いたね…!絶対注目されるわよ。持ってるなあ(笑)。
4回転トゥループは大きくステップアウトしてしまいましたが、それ以外はとても良かったですね。ここ1、2年で非常に滑りが良くなったと感じるので、引退はもったいない気もします。明るいキャラで和ませてくれる、このキャラクターも私は大好きですよ…!


23:羽生結弦
昌磨君が相当な高得点を出した上、あの調子ではフリーもおそらくいい演技をする。羽生君はミスが許されない状況になった。報道によると、相当疲れている様子。3年ぶりにフル参戦しているのだ、無理もない。
果たして大丈夫だろうかとさすがに心配してしまったのだが、まったくの杞憂だった…。

冷静に勝利を見据える眼差しを伏せたその瞬間が、合図だった。落ち葉舞う氷の国の街角に、硝子の彫刻のような美しい青年が佇む。黒い硝子玉の瞳に、硝子玉が弾けるようにピアノの音がこぼれる。

4回転サルコウは一瞬ヒヤリとしたが、綺麗に着氷させて加点のつくジャンプに変えた。続くのは、ツイズルで挟まれた華やかなトリプルアクセルではなく、4回転トゥループのコンビネーションジャンプ。セカンドはトリプルトゥループのタノジャンプ。非常に美しい。タノジャンプを跳べる選手は多いが、羽生結弦が最も美しく跳べるのではないかと個人的には感じている。もちろん大幅な加点。この2本のジャンプだけで技術点は既に30点を超える。

ラストのジャンプは必然的にトリプルアクセルとなるのだが、着氷が彼比で美しくはなかったかもしれない。コンビネーションジャンプを跳んでいた時もこらえるジャンプになっていたことが多かったが、この位置で跳ぶのがそもそも難しいのだろうか。

ステップに入る前のスピンが今日もまた絶品であった。これだけ多彩で華やかでしなやかなスピンは、男子ではあまり見かけない気がする。女子のスピンに見られるような繊細さや柔らかさも感じる。しかし完全に女子のそれではなく、そこには男子選手のパワーも加わっている。ジャンプが最も得点を稼ぐ要素なのでどうしても目が行きがちだが、現役選手の中では羽生君のスピンが最も華があって美しいと個人的には感じています。

あっという間に終わってしまった…。今日のオトナルはいつにも増してクールだった。ただ当たり前のようにそこにいた。真冬の魔都東京は、艶やかな黒髪の青年によって異世界に引きずり込まれていた。さら、と音が一瞬鳴る間に、すべての物語を閉じて、青年は二度と振り返ることなく去っていったように感じた。

国内大会なので参考記録にしかならないが、凄まじい得点が出る。昌磨君のあの演技からさらに5点を引き離し、トップに立つ。平昌オリンピックの金銀メダリストがいかに飛び抜けたトップ選手であるか、それほどの選手を今まさに国内に擁した我々がどれだけ幸せな時代を生きているのか、まざまざと実感させた。

ところで、キスクラでの様子が美しいんですけど。したたる汗と宝石のような黒目が光を帯びて輝いている。何これ。両脇のコーチ陣がかわいいのがまたすごいギャップ…。今回二人とも来てくれて良かったね。


24:山隈太一朗
ステップがすっごいすっごい良かった。あれレベル2なんだ…。ジャンプがちょっと乱れてしまいましたね。フリップの転倒はゴツッと音がして痛そうだったけど、最後まで滑り切れてホッ。不思議な曲をよく捉えた動きも面白いので、ジャンプのミスがもったいなかったわ…。

第5グループ

25:須本光希
エキゾチックな曲に彼の滑らかなスケーティングが非常によく溶け合っていましたね。コンビネーションジャンプも綺麗だったし、手のひらまで物語を紡ぐスピンも良かった。それだけにトリプルアクセルのステップアウトがもったいなかった。けど、昨年出場できなかった悔しさを晴らす演技になったのではないかな。


26:鎌田英嗣
送り出すコーチの励ましにグッと来てしまう…。1年引退を延ばしてでも懸けてきた舞台、想いが伝わってきました。動きのひとつひとつに熱い想いが込められていた…。ジャンプに乱れもありましたし、ラストのスピンもミスが出てしまって無得点。演技としては決して良くはなかったかもしれないですが、きっと観客や視聴者に伝わるものがあったと思います。衣装のピンクがとても綺麗な色でした。


27:山本草
冒頭の振付、後ろに躓いてしまったのかな、あれは転倒扱いかな…。うん、やはりディダクションが…。4回転サルコウのコンビネーション綺麗だったのに4回転トゥループがパンク。トリプルアクセルも綺麗だったのに…。ミスがなければきっともっとグイグイ伸びる美しい演技を見せてくれたと思うので、あああああああー!と叫びだしたくなるほどもったいないわ…。しかも回転不足もあるようだ。ううう、得点伸びない…。


28:髙橋大輔
緊張してるようにも感じたけど、顔を上げた目付きでバンッとスイッチ入ったように見えた。コンビネーションジャンプもトリプルアクセルも回転が足りてないし、ルッツも転倒。スピンもステップもレベルが取れていなかったが、これを、この髙橋君らしい胸焼けするほど濃いプログラムを競技で滑ろうとするあたり、生きざまを見せてくれましたね。
どう考えても競技で滑るには激し過ぎるプログラムである。しかし、髙橋君はいつもパイオニアでもあった。とても彼らしい。思わずハッと息を飲むほどかっこいい振付を違和感なくこなすその姿は、ほかの選手に同じ事をやれと言ってもおそらく無理だろうとも思った。これだけ強烈な個性を我々は何年も当たり前のように見ていたのだな、と彼が数年のブランクを経て戻ってきたことで強烈に感じた。

技術点だけ見ると決していい演技ではないのだが、高い演技構成点には納得してしまう。さすがにトップクラスの振付師が手掛けただけあって非常に洗練されていたし、なおかつ非常に独自性も高い。そしてもちろん、その振付を無駄にするような踊りではまったくない。ある種の常識を突き破るプログラムを観客もジャッジもきっと何処かで待っていたはずだ。
競技ではこのたった1回しか披露されなかったのが非常にもったいなく、同時にそれだからこその鮮烈さでもあったと感じた。会場で見られた人は、一生の思い出にしてもいい経験になったのではないだろうか。


29:友野一希
うーん、悔しい演技になってしまったか。4回転のコンビネーションジャンプ、高さもあってすごく良かったんだけど、単独のサルコウがダブルになって無得点。トリプルアクセルもこらえた。最初のスピンはレベル1だったの…?
表現面でももっと出来るはずの選手だよな、と感じはしたけども、すごく個性的で野心的で面白いプログラムなので、またいい出来で披露して欲しいと切に願う。


30:日野龍樹
群青の身ごろに白い襟。襟まわりの模様がとても品があって、正統派王子衣装ですごく素敵です。派手じゃないのに素敵。
ステップに非常にキレがあり、選曲も非常に彼に合っていましたね。それだけにジャンプが…。トリプルアクセルも転倒してしまいましたし、得点はどこまで伸ばせるか。うっ、伸びない…。回転不足がふたつ…。


なかなかクリーンに滑れる選手がいない中、平昌のメダリスト2名はいわゆる平常運転で化け物ぶりを遺憾なく発揮していました。髙橋君はフリーは地上波乗らないか。あとで振り返りやるだろうけども。
しかし、この3人が揃ってる大会なんてもう贅沢過ぎて胸がいっぱい。羽生君が元気に滑っていて、髙橋君が現役に戻ってきて、昌磨君はとても楽しそうで…。3人とも個性は全然違うけど、みんなスケートが好きな、愛されて育ってきた愛すべき可愛い男の子たち。ああ、フィギュアスケートっていいな…。

ではでは、次回は女子フリーの記事でお会いしましょう。




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