うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

フィギュアスケートつらつら語り in 3月③

本日は本当のつらつら語りです。しょうもない嘆きに近いので、ほかに読むものが何もない、という方だけお付き合いいただけたら…。

世界選手権が中止になってしまいましたね…。虚無。虚無です…。もちろん覚悟はしていましたが、ジュニアの世界選手権は実施されましたし、観客を入れないという形ででも開催されると予想していました。もう少し時期が早ければ開催されたかもしれないですが、タイミングの問題もあったかもしれませんね。

フィギュアスケートは比較的選手生命の短いスポーツに該当すると思います。選手の年齢も比較的若い傾向にある。国の代表になるために非常に激しい争いを勝ち抜かなければならない場合も多々ある。選手たちはピークをこの大会に合わせて厳しい練習を積んでいる。選手にとってはそれが仕事であり、人生。肉体を酷使し、時に成長期とも重なるこのスポーツの選手が、来年も同様にピークを合わせ、本来ならこの大会で出せていたであろう成果を発揮できるとは限らない。おそらく、女子選手はそれが最も顕著でしょう。

「仕方ない」で済ませてもいいのかどうか。あくまでも一ファンとしてですけど、個人的にこの言葉は使いたくないですね。
「次がある」と言えるのは、結局は他人だから。そしてもしかすると、発言者がもう「次」に懸けなくても人生が安定し平らになった人間だからなのかもしれません。

それでも、我々は結局せいぜいが嘆くだけの立場でしかない。選手が悔しさを滲ませつつも納得しているならば、我々も受け入れるしかないのです。
やはりと言おうか、残念に思う心に明快な解を与えてくれたのは、羽生結弦選手のコメントでした。彼のコメントにはいつも感心しているのですが、この度も非常に的を得た、説得力のあるコメントに唸るしかありませんでした。
決して冗長ではないのに、カバーすべき方向はすべてカバーしている。なおかつ、事務的ではなく血の通った言葉で語っている。疑心暗鬼になって各方面を責め立てていたようなファンも、このコメントには黙るしかなかっただろうと思います。

私が羽生君を好きな理由に、彼の言葉の能力があります。これが本当の文章力であり、言葉の力だと感じています。「好き」以上の範囲を出られない、本当にギリギリ端に引っ掛かっている程度でしかないながら、文章を扱う者として、心から尊敬しています。テクニックとか功拙も大切な要素ではありますが、最終的に「文章力」を決めるのは、そこではないと彼の言葉から実感しています。

実は、他人の文章を読んだり言葉を聞いたりして「この人の書くものや話すことが好きだ」と感じることは滅多にないんです。その逆はしょっちゅうあるんですけど…。ごめんなさい。
羽生君は、その「滅多にない」感覚を抱かせてくれる人物でもあります。私、羽生君が小学生の頃に書いた作文がとても好きなんです。羽生君が書いたと知らなくても、そもそも羽生君のことを知らなくても、「この子の作文好きだな」と素直に感じたと思います。子供の作文なので決して文章が上手いわけではないのですが、非常に魅力的な作文です。ご存じの方も多いですかね、羽生結弦展の図録の最後にも載っていましたしね(お土産にいただいた…。ありがとうございます、涙)。

10月以降に延期とか代替開催とかいった話も聞きますが、何とかいい方向に着地して欲しいと願っております。オリンピックシーズン前年でなかったことは不幸中の幸いなのですかね、だって出場枠…。
…ううう、がっぽり空いた放送枠の1日くらいは『フィギュアスケートTVスペシャル』とかで良かったんじゃないかなあ。過去の名演技リクエススペシャルとかでも良かったんじゃないかなあ…。んで、番組の最後は疫病と人々の心に巣食う魔を祓うための「SEIMEI」から希望の象徴としての「ホープ&レガシー」(※ヘルシンキ)という流れで締め括れば荒廃した人心を導けたのではないかなあ…。無いか…。うっうっうっ…。


ここから先は本当に私の独り言なので、本当に暇な方だけどうぞ。こういう考えの人もいる、程度に流していただければ。

有事の際には、その人間の輪郭が普段以上にくっきりすることもままあるもの。これまでにも「有事」は幾度となく世界に発生していましたが、おそらくほぼすべての人間がその枠の中に収まった例は過去にあまりないかもしれませんね。

人間とはつくづく、「自分とせいぜい自分の身内以外の命は命だとは思っていない」生き物なのだなと痛感します。人間は人間である前に生物ですから、それは当然のことかもしれません。ただ、人間は本能とともに社会性や文化も有した生物であり、だからこそ人間を名乗ることを許されているわけです。

社会性や文化を有した生物という観点から言えば、人間の命はすべて平等でひとつ残らず大切なものです。それは理念であり理想論でしかないのだとしても、理念を掲げるのが人間です。今回取られている様々な対策は、この理念に基づいたものであろうと私は考えます。

我々は、少なくともこの国に住まう我々は、ひとり残らず「命」として守られる選択を取られたわけです。理念でしかないのだとしても「命」として尊重されたわけです。
しかし、理念は理念であり理想論です。すべての人間を守ることは実際には出来ない。どれだけ手を尽くしてもこぼれることはあり、神のルーレットは容赦なく誰かを差す、この瞬間にも。人間に許されたキャパシティは無限ではない。
我々の命を守るために、我々を「犯人」にしないために、我々は誰かを、何かを犠牲にしなければならない。

散々指摘されていることであり、私もおそらくそうなるだろうと懸念していますが、今後訪れる経済的な破綻の方が、よっぽど厳しいものになるんじゃないでしょうか。命がかかっているから仕方がない、と我慢してくれた人たちがいる。ではその人たちの命は、誰が守るのでしょう?

自分が助かったから、「犯人」にされなかったから、生活にも大した影響が出なかったからそれでいい。あとは誰かがやればいい。行政だとか政治だとかに押し付けよう。お金に余裕はあるけど行政から犠牲になってくれた人を助けるために足りなくなったと言われても払うなんてまっぴらごめんだ。

ある程度の終息が見えたときに、そう言って何事もなかったのように日常に戻っていく人が少なからずいるのではないですかね。誰かの命を犠牲にして、自分の命と名誉を守ってもらったことなんか綺麗に忘れて。
その未来が見えるようで、私はしばしば陰鬱な気分に陥ります。

すべての人間やすべての命に思いを馳せることは実際には非常に難しいことです。そんなことをしていたらすぐに精神が破壊されてしまうでしょう。ある程度は割り切らねばならない。自分の人生とすれ違う誰かの人生はごくごく一部で、ほとんどすべての人間とは我々は「無関係」のまま一生を終えるのです。
しかし、今回に限っては、「自分には関係ない」というお決まりの文句を使って背を向ける前に、少しだけ立ち止まった方がいいかもしれない。

自分が「自分と自分の身内以外の命はどうでもいい」と思っているように、他人にとっても誰かの命なんて本当はどうでもいい。でも、もしかすると生物の本能なのかもしれないその本音を表に出すことなく、社会性ある人間としてつとめて冷静に「あなたは大事な命です、生きていてください」と言ってもらったわけですよ、我々全員が。
それなのに、咳した人睨んだり、マスク転売したり、トイレットペーパー買い占めたり、いろんな機関の人のせいにしたり、外出した人やイベント主催した人責めたり、よく情報も精査せずデマの拡散に協力したり、その他諸々「不安でしょうがないからよく考えずにとりあえず振り回される」「自分が損しなきゃそれでいい」的な行動してていいのか?って話ですよ。
実際には個人にできることなんてたかが知れてるかもしれない。けど、少なくともそういうこと止めたら混乱はある程度収まったりするかもしれないじゃない?それってものすごくたくさんの人が助かることだったりしないかな?ダメかな?

「親戚の子供にうつされた~」って頻繁に風邪引いては出勤してきてた人を思い出したりもします。子供のしたことだからしょうがない、風邪引きやすい体質かもしれないし、とたぶん皆スルーしてきた。その人が職場に撒き散らした風邪の菌が元で職場の人の家族や知人が一大事になっても、その人は罪の意識も感じなかったでしょう。その人でなくともたぶん誰も感じない。実際にその人が撒き散らしたせいかどうか立証もしようがないし、その人に責任を取ってもらおうなんておそらく誰も考えない。そもそも風邪は万病の元なんて言われて、特効薬が開発されればノーベル賞なんて話を聞いたこともあった気がします。そんなことでいちいち誰かを責め立てたってしょうがない、人はどんなに気を付けてても病気になるし怪我もするんだから。

この人が同じ事を続けてたら、たぶん袋叩きに合ってるんじゃないかな。子供が発端で家族間に蔓延するという例は確かによく聞くし、だからそこにメスが入ったのかもしれない。その人や家族の予防の意識はこれまで低すぎたかもしれない。
これをきっかけに、もう同じ事繰り返さなきゃいいだけのこと。自分が風邪の予防も出来ないのに、違う病気に苦しむ誰かに「自己管理が足りない」って言い放ったり、無理して仕事に来させたり、休んだら嫌な顔したり、それだけじゃ飽きたらずクビにしたり、そういうのを繰り返さないきっかけにすればいいんじゃないかね。

要するにお互い様ってことで、人間はどんなにひとりで立派に生きてるつもりでも、見えない誰かを犠牲にして支えてもらって生きてるってことなんだなと私は思いましたよ。そして、自分の頭で考えることや客観性、自分以外にも世界に人間がいて多様な考えがあることを知るために教養や学問が存在し、だから教育を受けることが推奨されるんだと。ただ、体系的でなくとも学ぶことは一応何からでも可能だから、この度噴出した大人の愚行から「どうすれば同様のことを繰り返さずに済むのか」と未来に有効な策を打ち立てるきっかけにしてくれる若者がいたら誰かの愚行にも意味があったのかもしれない。

っても、不安で不安でしょうがない人たちはきっとそんなことは考えられないのだろうけど。世の中の諸問題の根幹はすべて一緒なのかもしれない。生きてるすべての人間は死んだことがないから死ぬことに対して不安なのはわからんでもないが、それ以外にも色々。
行き過ぎたファンもアンチもきっと不安でしょうがないのだろう。だから無闇に誰かのせいにするし、トイレットペーパーも無駄にいっぱい買ってるかもしれない。いっぱい買うお金あるってことは貧乏じゃ無いんだろうから、普段からある程度の期間はストックが切れないよう管理しておけば慌てなくて済むのにな。
私の書いたものを読んで「これは自分の悪口か」って噛み付いてくる人がたまにいるんですよね。噛みつかないまでも陰で色々言われてるんだろうなってわかってしまう場合とか。感じ方はそれぞれだからそこは何とも言えないけど、ひとりで受け止める方はしんどいので後者はせめてばれないようにやってほしいかも…。対個人でもしんどいのに、集団になるとそのつもりなかったとしてもいじめにあってる気分ですよ、とほほ。
彼らも結局不安なんだろうな。不安過ぎて自分のことしか見えてないの。申し訳ない、そんなにあなたに興味ない…。ごめんね。何でわざわざこれを書き添えたのかと言うと、これは誰かに向けて書いた文章じゃないんだと言っておきたかったからです。強いて言えば、私が私の中のモヤモヤに向けて書いた文章。要するに独り言ですよ。

私もそりゃ不安ですよ。明日にも食べるものどころか住むところも無くなるかもしれない、って本当の本当にギリギリで生きてるし。ウイルス流行以前から底辺だったから、救済もされないだろうし本気でヤバイっすよ…。けど、その持って行き場のない不安をとりあえず何かに転嫁して、たとえばジャッジとか政治とかにぶつけてもしょうがないでしょ。無駄。どうしようもなくて愚痴吐いて友達にはいっぱい迷惑かけてるけど…。ごめんね…。

それでも、私が変だなあと感じることを、自分は自分の行動に明確なポリシーを持ってやってるんだ、って人もいるかもしれないんだけどさ。それを私が正しいか間違ってるかを判断するのはおこがましいかもしれない。私はずれた人間だから、100人中99人が「そんな考えおかしい」って言ってるかもしれない。
文章を綴る時はいつもとても不安。モヤモヤした頭の中を言葉にして整理しているだけで、自分が絶対だなんて思ってないし常に間違ってるかもしれないって思いながら書いてることが伝わらないかもしれない、いつまた大量にDMが送り付けられてきて心が折れるまで責められるかもしれない、って不安で仕方がない。ほんの時々、それでも私の書くものが好きだって言ってくれる人がいなければ、きっともうブログなんて止めてた。

うん、そうね、こんな底辺に何言われてもムカつくだけでしょうな。それでいいんだよ。君は立派な人間なんだからきっと立派に日常を送っていたはずだ。「フィギュアスケートを楽しむ」という君にとっての当たり前の日常が奪われた今、その日常を支えてくれていた人たちをそれでも君は悪者にしてしまうの?その人たちを今こそ君が支える時かもしれないよ。


…やっぱり意味不明になってしまいましたね、すみません。頭の中では反町隆史が『POISON』を熱唱しているよ。私が神だったら10人くらいしか生き残れんようなタチの悪い何かを流行させて人類滅ぼしてるわよ。お前らうんざりだもう。それでも人類の歴史は全然まだ続くんだからみんなで頑張って生きてくしかないでしょ。人間は君が期待するほど万能じゃないし失敗もするし間違えるのよ、君と同じだよ。みんな結局人間でしょ。何が正しくて何が間違ってるかなんて、本当は誰にもわかんないんじゃないかな。
うん、ますます意味不明になるだけだ。この辺で終わろう。たぶんここまで読んでる人いないと思いますが、いたらスルーしてくださいませ…。

そんなこんなで、今シーズンの競技の感想は、おそらく世界ジュニアの記事で最後となります。もうちょっと先に掲載します。ジュニアの記事はあまり読んでもらえないので気が付かれないかもしれないし(もう完成はさせてる)ここでこそっと予告を。

私のような社会からこぼれた、すぐ心の折れる足元のおぼつかない人間にはとても心の重い春ですけど、重い気持ちはできるだけこの記事で終わりにして、また楽しく綴っていけたらいいなと思ってます。と言っても試合もショーも中止だし、ショーはそもそもお金ないから行けないし(汗)、正直ネタが無いっすね…。
てなわけで、更新頻度はしばらく少し下がるかもしれませんが、noteかはてなかのどっちかが更新されてたらたぶんどうにか生きてるんだろうと思ってください。よっく当たる手相鑑定によると2023年くらいまでは生きてるはずだから大丈夫だと信じる…。
くそうお腹空いたよ!てか中止が切なすぎてヤケ食いしたいよ!カツカレー食べたい!でもお財布が息してない!←突然何だよ(笑)

ではでは、また次回の記事でお会いしましょう。




「うさぎパイナップルnote分室」を開設しました。フィギュアスケート以外の話題は2018年9月よりこちらに集約させております。心の叫びや日々の呟き、小説から趣味の話、フィギュアスケートの話も時々、要するに何でもあり。週1、2回のペースで更新中なので、お気軽に遊びに来てくださいね。
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花吹雪で埋まる空は君の瞳を待っていたのに

今日は別の記事を載せる予定でしたが、急遽差し替えます。なかなか記事を書く気力もわかず、少し悩みましたが、やはり今の想いを残しておこうと思いました。それがブログというシステムの利点だとも思うので。

いつも読んでくださっている方も、今回たまたまこの記事を見つけてくださった方も、おそらく皆さんフィギュアスケートのファンの方であろうと思います。なので皆さん既にご存知だろうと思います。

アイスダンスの日本代表として長年活躍していたクリス・リードさんが、亡くなりました。30歳。まだ、30歳でした。

それが正式な発表であり、スケーターたちの悼む言葉が冗談でも何でもないことは、一目でわかった。頭はすぐに理解したのです、それが事実だと。
それでも、何が起きているのかわからなかった。頭の半分は冷静に事実を追って整理しているのに、頭の半分はまったく動かなくなって文字も写真も映像もそれが何なのか認識できないような感覚でした。その矛盾するふたつを同時に処理できずに、拒否反応みたいに涙が溢れてきている、無理に表現するとしたらそんな状態です。


クリスを知らない日本のフィギュアスケートファンはおそらくほとんどいないと思います。地上波で放送されていたら時々見る程度の一般視聴者であれば、放送の機会の少なかったアイスダンスの選手であるクリスが記憶に残っていない人も多いかもしれませんが、フィギュアスケートにある程度の興味を持ち、わざわざファンだと名乗る程度になれば、知らないままで過ごす方が難しいでしょう。

それほど、長く活躍していた選手でした。オリンピックにも3大会出場し、特に平昌オリンピックでの坂本龍一の曲を使用した素晴らしい演技は印象に残っている人も多いのではないでしょうか。
オリンピックの団体戦や2年に一度の国別対抗戦に日本が国として出場できたのは、クリスと、彼のパートナーだったキャシーと村元さんが努力を重ねていたから、そう言っていいと思います。どれだけ放送の機会がなくても、話題に上らなくても、彼らが日本代表として競技に打ち込んでくれたから、我々は賑やかな応援席の様子や素晴らしい演技の数々で楽しませてもらえたのです。

日本のアイスダンスは、にわかに盛り上がりを見せています。素敵な選手たちが次々と現れ、男子シングルの花形選手だった髙橋大輔のアイスダンスへの転向も大きく注目を集めました。今後、アイスダンスに対するメディアでの扱いはおそらく変わっていくでしょう。
その結果に至る道を切り開いていった人物のひとりは、間違いなくクリスです。

村元さんとのカップルを解消してからのクリスの動向がなかなか掴めず、ずっと心配していました。彼の口から現役の引退と、指導者としての今後が語られたのは、つい最近のことです。いい風が吹いてきたのであろう日本のアイスダンス界を導き、押し上げていく貴重で重要な人物になるのだと、疑ってもいませんでした。

それなのに。
それなのに、今、奪ってしまうのですか。神様。
オリンピックの氷上を満開の桜で埋め尽くしてくれた人を、日本の春が桜の色でいっぱいになる前に、それもほんの少しだけ前に、その美しい空を見せることなく、奪ってしまうのですか。


クリスに二度と会えなくなった要因として挙げられていた名称は「心臓突然死」でした。時々、まだとても若い人に突然二度と会えなくなることがあるけれど、同じ原因だった人もその中にいたのかもしれません。

予測することも予防することも出来ないことだったのでしょう。人間の命を本当に平等に扱うのは神様だけです。どんなにいい人だろうが悪人だろうが、どうしても必要な人物であろうが嫌われ者であろうが関係ない。神様のルーレットがたまたま指した人物を、容赦なく連れていくだけ。
昨今のウイルス騒動で、人間の命をひとつ残らず大切であるとする理念を掲げた社会的存在である「人間」と、自分の命さえ無事ならそれでいいという本能を剥き出した生物そのものである「人間」とが交錯する様を延々と見せつけられているような気がしています。私のような脆弱な人間が改めて人間に絶望するにはそれだけで十分な程に。
このあまりにもショックな出来事で、人間はどこまで行っても神にはなれず、その資格もないのだと、改めて突きつけられたように思います。

人生は必ず終わる。その運命から逃れることは誰であっても出来ない。ただ、その時期が何時になるのかはそれぞれで、知らされていないだけ。
クリスはそれが今だった。それだけのこと。それだけのことなんです。
それだけのことであっても、感情がそれだけを追うことは時に非常に難しい。ただのファンである我々がこれだけ難しいと感じるのだから、クリスのご家族やお友達、仲間たちはどれほどに…。何より、これからの夢を溢れるほど抱いていたであろう本人が、どれだけ悔しいか。

この質問に意味はない。意味はないとわかっていても、尋ねずにはいられない。
何故。神様、何故。


私が最初に会場に足を運んでクリスの姿を見たのは、2010年に開催されたダイヤモンド・アイスでした。そして、最後に会場で見守ったのが、2017年のNHK杯。これを書きながら、2冊のパンフレットを並べて、呆然としています。
会場に足を運び、この目で彼とそのパートナーの演技を見た回数は、決して多くはありません。それでも、放送の機会の少ないアイスダンスに触れられる貴重な時間は思った以上に色濃く、これだけしか生で見たことなかったのか、と驚いています。

私は村元さんと組むようになってからのクリスの滑りがとても好きでした。オリンピックシーズンのフリーダンスは本当に美しいプログラムだった。今も目を閉じると、リンクの天井に舞う桜吹雪の幻が見えるようです。
天井に近い席からだったけど、NHK杯であのプログラムを、たったの一度だけでも直接この目にすることが出来た運命の巡り合わせに、こんな形で感謝はしたくなかった。したくなかったです。

うわあ、クリスってこんなにかっこいい人だったんだ、とびっくりしたエピソードもあるのだけど、ここに書くのは止めておきます。本当は書き残そうかと思っていたけど、やっぱり自分の胸にそっとしまっておこうと思います。

記憶を辿っても辿っても、思い出すのはニコニコしながらインタビューを受けていた立ち姿ばかり。そればかりなんです。私はクリスの優しい佇まいがいちばん好きだったのかもしれない。


思った以上に衝撃が強かったのか、ニュースを知ってからしばらくして、うまく息が出来ない感覚にとらわれて、昨日はちょっとしんどかったです。私はどうも、ギリギリまで自分の心に蓋をして我慢してしまうようで、ある日糸が切れたように何も出来なくなったり、突然息が出来なくなって職場で倒れたりしてやっと気付くパターンを繰り返してきたように思います。ただ、それが起きるのは基本は仕事に関連してだったので(それだけ社会に馴染んで生きていくのは私には難しいのです)、こんな形で出るなんて、と自分でもショックでした。
長期化する生活苦と孤独。たぶん、私は自分では気が付かないうちにギリギリの状態に追い込まれていたのでしょう。そこにたまたまスイッチが入って、一気に限界を迎えてしまったのかもしれない。

私は勝手にショックを受けただけの無関係な人間で、本当に辛いのは当然私じゃない。そう言い聞かせて何とかしようと思っていますけど、頭がぼんやりしてくらくらして、音や文字が素通りしていく。

せめて世界選手権が開催されていれば、追悼の場も設けられたし、ファンはもちろん、何よりも関係者の皆さんのやり場のない気持ちを新たに生まれる素晴らしい瞬間に託すことも出来たのだろうと思うと、やりきれない。やりきれないでは済みません。


ごめんなさい、上手くまとまりませんでした。私にはこの行き場のない想いを文字にするのが精一杯です。文字にすることでしか本当に事実を認識できないような気がします。誰も救えない、ただ自分のためだけの文章になってしまってすみません。

我々に出来ることは、クリスを覚えていること。彼が情熱を傾けたフィギュアスケートをこれからも愛し、応援すること。そして、可能な範囲でいいから、後悔しないように生きること。
長い間会っていない人がいるのなら、今日は連絡を取ってみるのはいかがでしょうか。明日があるから、次があるから、そう言っていたらもう、二度と会えないかもしれない。声が聞けなくなるかもしれない。その時にどれだけ後悔しても間に合わないのです。大会やショーやイベントが中止されても、私たちには言葉があるのだから。

クリスはこれからも、当たり前のようにキスクラやリンクに居るのだと思ってた。けど当たり前のようにクリスが居る世界は、もう何処を探しても存在しなくなってしまった。
受け止めるしかないけど、受け止めるのは今はまだとても難しいです。ごめんね。私はこれからもきっとフィギュアスケートのファンだと思います。ふとした瞬間にあなたの姿を思い出して涙することもあるかもしれない。そのときはどうか、許してください。私にアイスダンスの楽しさを教えてくれてありがとう。ありがとう、クリス。ありがとう。書けることはほかにたくさんあるはずなのに、その言葉しか浮かんできません。言葉を覚えたばかりの幼子みたいに。

ごめんなさい、やっぱりまだ、涙が止まりません。止め方が、わからない。



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フィギュアスケートつらつら語り in 3月②

スケーターが出演するなど、フィギュアスケートに関連する番組の感想をつらつらと語るシリーズ。何番組かまとめて載せることが多いため、放送から時間を置いてからの掲載となっていることが大半です、申し訳ない…。こんな番組やってたなあ、と懐かしく思い出しながら読んでいただければ…。

本日は2つの番組について。ではでは早速。

テレビつらつら語り①

まずは2月16日放送、『激動!フィギュア新時代~女王ザギトワ 引退騒動の真実~』。テレビ朝日

フジテレビの四大陸の総集編とかぶってしまったので、放送開始から1時間ほど丸々見られてません(泣)。チャンネル替えたらちょうどザギトワが「日本」のカードを引いたあたりだったよ。

NHK杯で来日した際に陶芸を体験してたんですね。最初は失敗してたけど、なかなか綺麗な器が出来てる。素敵。
私も一度だけ陶芸にチャレンジしたことあるけど、あの時のことを思い出すと、天才かな?って思うくらいお上手でした←私が何を作り上げたかだいたい察しがつくと思いますがそっと流してください←血の涙

番組の本題は最後のコーナーで流れたので、前半の内容は全然わからないけれど、いちばん重要なところはちゃんと見られたのかな…。
昨シーズンは誓約書を書いてまで試合に出ていたのか…。そして今シーズンはシーズン前半までは頑張ってあとは自由に、という約束だったということかな。

ザギトワのあの美貌と実績なら、オリンピックの後にすぐ引退して華やかに生きる選択肢も十分にあったと思うのよね。つらい練習もしなくていいし、ちやほやされてお金も稼げるだろうし。
でもザギトワには、不思議なくらいそういう浮わついたところがなかった。何故かとてもストイックなイメージが強かった。あれだけ美しいのに。
彼女は単純に滑ることが好きなんだろうな、と思った。骨の髄までスポーツ選手なのだろうと。

だから、モチベーションが下がりつつも翌シーズンもフル出場できた部分もあったんじゃないだろうか。まぐれで金メダルに輝いたと言われるのも嫌だっただろう。それでも、若い女の子だし遊びたいと思ったこともあるかもしれないし、勝てなければプレッシャーも強くのしかかったのではないだろうか。成長期に差し掛かれば身体のバランスも変わっていく。
何より、彼女の女王の座を脅かす存在は彼女の最も身近にいるのだ、しかも3人も。あれだけ絶対的に強かったメドベージェワを、彼女が脅かしたように。メドベージェワが金メダルに輝いていたならば、彼女はロシアを離れなかったのかもしれない。

追う立場からあっという間に追われる立場になっていったザギトワの胸中が、単純に「スケートが好き」という気持ちだけで平穏にごまかせるとは思えない。インタビューで語られている以上の葛藤が、きっとたくさんあったのだろう。

もう、戻って来ない可能性は正直高いと思った。しかし、彼女は今また競技プログラムを練習しているのだという。自分の想いに気が付くいちばんいい方法が、一度競技を離れてみること、なのかもしれない。真央ちゃんや髙橋君もそうだった。もう十分にやりきったと思うか、やっぱり自分はスケートが、競技が好きなのだと気が付くか。その選手にとって最も納得がいく、最もベストの結論が出せるなら、私たちは本当に、それだけで十分なんだよ。

来シーズン競技に戻りたい、と話すザギトワの表情は清々しく、美しかった。彼女の今後がどういった方向に進むのかは、もちろんその時になってみないとわからない。でも、これだけ猛烈なスピードで塗り替えられていく女子の勢力図の中を、それでも競技者でいたいと望む彼女のスポーツ選手としての澄んだ魂が、また大歓声に包まれて輝く瞬間を、見られたらいいな、と思っています。

テレビつらつら語り②

続いて3月2日放送、『成功の遺伝史』。日テレ。

浅田真央がスタジオに登場。ほんっっとうに真央ちゃんって可愛い、なんて邪気のない笑顔なんだろう…。こんなに表情が素直で可愛い人あんまりテレビで見かけないよね、だからみんな真央ちゃんが好きなんだろうなあ…。

歌手のLiSAさんや作家の有川ひろさんの成功の遺伝史が二人とも真央ちゃん。やっぱり真央ちゃんのソチのフリーは伝説ですよねえ。私はもちろん生放送で見てたけど、あの瞬間から数日は日本中が浄化されてた印象すらあったもん…。そんな存在ほかに居ない気がする…。LiSAさんが泣くのもわかりますわ、本人が隣座ってるなんてねえ。
真央ちゃんの成功の遺伝史は浜崎あゆみ。ぶれないなあ、相変わらずファンなのねえ。

ビートたけしに「ショーのタイトルには浅田真央の名前を使わない方がいい」ってアドバイスされたのに結局名前がっつり入れてるの、めちゃくちゃ真央ちゃんらしくて笑った(笑)。自分がどうしようか聞いたのに(笑)。まあ、あくまで意見を求めただけで、決定するのは真央ちゃんですからな。でもそれが天然で可愛く見えちゃうのが真央ちゃんなんですよねえ。

真央ちゃんがウィーンで食べたという「シュテルツェ」という料理、初めて聞いた。皮がパリパリしてる豚肉料理なのかな。真央ちゃんホントに美味しそうに食べますよねえ。たけしも素直に美味しいって言ってたしきっと美味しいんだわあれ、ちょっと食べてみたい…。


本日はこんなところで。また次回のつらつら語りでお会いしましょう。



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ICE EXPLOSION 2020雑感③

ICE EXPLOSIONの感想は本日で最終回です。会場には行けませんでしたが、放送が充実していたのでとても楽しめましたね。ではでは、本日もぜひ最後までお付き合いいただければ…!


★ケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ
カート・ブラウニングの振付だそうだけど、カートを語る解説の二人が楽しそう。確かにすごく明るくて楽しそうなプログラムで、カートが突然現れて一緒に滑り始めても全然違和感ないですね(笑)。
最後爆笑してしまった、バルデさんにさらわれるオチ(笑)。このプログラムすごく可愛いわ、またどこかで見てみたいなあ。


★グループナンバー
生演奏でのナンバー、プリンスアイスワールドチームと鈴木明子、ミーシャ・ジー。衣装がかっわいい。緑色の衣装が特に可愛かったんだけど、あれをお召しになってたのは中西さんでいいのかな。
さすらいのガンマン同士の対決にも見えるし、男女の駆け引きを描いたプログラムにも見える。グループナンバーがたくさん入っていて、プリンスアイスワールドのチームがさりげなく大活躍してますね。出番が多くていちばん大変だったのでは…。


★チン・パン&ジャン・トン
町田君の言ってること、よくわかるわー…。このペア、ペアの中でも抜群に情感に溢れていて本当に美しいんですよ。ペアの中ではアイスダンス寄りだという印象が私もあったので、よくわかるなあと。
半年前にお子さん生まれたばっかりなの?!それであのスロージャンプ…。脱帽…。


荒川静香
荒川さんの得意な感じのナンバーですな。年齢を考えると本当に驚異的です…。よくあんなキレのあるジャンプ跳べるよね。体型もまったく崩れてなくて、元々の資質もあるのでしょうが、常に鍛えてるんだなあ…。


メリル・デイヴィスチャーリー・ホワイト
クイーンのメドレー。何この粋なナンバー…。チャーリーはシンプルな黒一色の衣装だったんけど、それが細かな振付までしっかり見せてくれる。上手い、上手すぎる…。二人ともなーんでもないように滑ってるけど、これ熟練中の熟練にしかできんだろ…。ほんのちょっとした動きまで最高に粋。素敵過ぎる、いいもの見ました…。


★髙橋大輔
髙橋君大好きの宮本先生の振付らしい。素の髙橋君まで知り抜いているからこそできる振付、という印象でした。シングル競技をやり遂げた、駆け抜けきったという充実感のようなものや、駆け抜けてきた道への彼の愛情を感じた。何だか髙橋君の噛み噛みのインタビューの声が聞こえてくるようで、とても不思議で、不思議に髙橋君そのものだと感じるプログラムでした。長年フィギュアスケートを見ていてもあまり抱いたことのない感覚で、とても不思議です…。
髙橋君、本当に長い間楽しませてくれてありがとう。これからもよろしくね。


★フィナーレ
カップル競技のスケーターしか出ないショーにしてもいいんじゃないか、と言い切る町田君に笑ってしまった。確かにそれは個性が際立つね。多少バランス取ってシングルスケーターもいてもいいと思うよ私は(笑)。でも発想としては面白い。

フレンズ・オン・アイスとプリンスアイスワールドのいいとこ取りのショー、という印象でした。ファンタジー・オン・アイスっぽく一芸大会もちょこっとやるんだね、刑事君と一緒にジャンプを跳んで豪快にスッ転ぶ髙橋君が相変わらずでした(笑)。

アンコールに全員でフェニックスのいちばん印象的なパートを踊るんだけど、ああこれは最高に盛り上がるでしょうなあ。髙橋君よく見たらペールグリーンゴーストの衣装だったけど、それでこの振付って最高にクールじゃないか。あの衣装はねえ、カッコいいっすよ…。
ポジェがすごくいい位置で映っていたのだが、さすがのカッコ良さで唸りました…。こういう時本当にアイスダンサーってよくわかりますねえ、音への勘の良さみたいなものが。あと刑事君もガン見しちゃった、絶対やりたかったろうなって(笑)。地元の大先輩ですもんねえ。

町田君も解説しながら楽しそうでしたね。そのせいか緊張感がいい感じに抜けてて、またこれくらいのゆるっとしたスタイルでの解説も聞きたいなと思ってしまいました。

髙橋君の全体的な濃さと町田君の解説の濃さがスパークして、なかなか濃密な放送だったと思います(笑)。インタビューも挟まれて、本当に完全版という感じでしたね。いい番組でした、放送ありがとうございます。

全然ショーにも行けてない日々が続いていて、昨年はついにスケートヒロシマしか現地観戦が出来なかった私ですが、今年こそ浮上したいものです…。
私が好きなこと以外出来ない駄目人間過ぎて、生存が危ぶまれるほどの日々がもう数年…。それでもじわじわ動いてきた私の運命が本当に方向性を決めるのはそう遠い話じゃないはずですが、毎日不安で一杯です。文章を書くことは大好きだけど、自分の体験したことやポエムしか書けない時点でやっぱり無理があったかな(泣)。
こんな私の文章やブログを好きだと言ってくださる方のおかげでどうにかこうにか生きております。皆さんのその言葉で文字通り生かされてます。とりあえずホームレスになる心配しないで生きていけるようになりたいです(泣)。

ではでは、また次回の記事でお会いしましょう。



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ICE EXPLOSION 2020雑感②

ICE EXPLOSIONの感想、前回の続きです。うっすら記事が長くなってしまったので、3回に分けて感想をお送りしております。本日は第2回目でございます。ではでは、早速どうぞ。


★グループナンバー
プリンスアイスワールドのメンバーから4人と、ウィーバー&ポジェ。こちらもヴァイオリン生演奏による『Time To Say Goodbye』。フィギュアスケートではよく使われる曲ですね。
とても美しいプログラムでした。ウィーバー&ポジェの、体重がないかのようなふわりとしたリフトが非常に曲にも合っていた。こんなグループナンバーまで楽しめるなんて、バラエティに富んでていいなあ。


荒川静香
生演奏が続く。タンゴジェラシー。これもんの荒川さんが見たくてファンタジー・オン・アイスでめっちゃ喜んだんだけども、今回は悪女っぽさが減ってて、気品溢れる女王の様相を呈してました。これまた違った魅力でいいですね。個人的には悪女系の荒川さんまた見たいですけどね(笑)。めっちゃカッコいいんですもん…。


メリル・デイヴィスチャーリー・ホワイト
本当にいつも素晴らしいですな…。ストーリーの説明からして自分たちが登場人物のモデル?お互い私的なパートナーもスケート関係者だから破綻せず成り立つのでしょうけど、それでも忙しい生活ではすれ違いも多いでしょうし。
町田君のこのカップルの評価が興味深い。チャーリーの力量を褒めつつ、その力量をコントロールしているところを評価してるような。実況の話ともリンクしますね。あの美しいベルビンが何故最終的にチャーリーを選んだのか、ベルビンと語り合ってみたいです(笑)。きっとめっちゃ納得する話をしてくれそう。


★グループナンバー
男子スケーター5名で演じる『The Phoenix』。このショーの目玉でしょうな。余計な解説や実況をほぼ挟まない域な演出。ようわかっとんなテレ東…。
ひとりで滑り切るのは体力的にかなりキツいのでしょうね、髙橋君は休み休みで滑りつつ、印象的な振付をがっつり見せてくれる。こうして見ると髙橋君の動きは独特かつキレがあり、身体全体から癖になる粘りのようなものが異彩を放っていて、その魅力から抜け出せなくなる人の気持ちもわかるな、と納得してしまいます。
ミーシャと二人で滑るあたりは圧巻でした。このプログラムの振付に携わってるだけあって、ミーシャの動きは非常に洗練されている。私も生で見たかったなあこれは。もうフェニックスを披露してくれる機会はほぼ無さそうですし…。
ところで、髙橋君の密着番組見たのか町田君。他局だけど(笑)。


★グループナンバー
チャーリー、メリル、ベルビン、アゴストの4人が登場。以前もこの4人のグループナンバー見たことがあると思うけど、やっぱり素晴らしいですねえ、ため息しか出ない。
そこに髙橋君が登場。村元さんは4人と一緒に最初から滑っていたのだけど、男性陣と彼女が滑ってる間に、髙橋君がひとりでバレエジャンプしてるあたり、アイスダンスとシングル、別々の世界で戦っていた二人を表してるみたいだ。
そしてベルビンと憧れのメリル(笑)に送り出されて村元さんのところへやって来る髙橋君。村元さんと滑り始めると、さすがの髙橋君も表情が固くなって緊張してるのがはっきりわかる、面白いなあ(笑)。でも、氷上にバッと花が咲いていくのもはっきりわかる。道は険しいかもしれませんが、本当に頑張って欲しいです。楽しみです。


田中刑事
ショートプログラムを披露。刑事君2プログラム滑ったのね、そりゃ現役がシーズン中に2プログラムは大変だったろう。でも、客の反応を見ながら滑れていい練習にもなったんじゃないかな。2プログラムともショーで盛り上がりそうなナンバーなのもいいですね。


★グループナンバー
佳菜子ちゃんが振り付けたそうなのですが、町田君が最初の方で少し喋っただけで全然解説しない…。曲が近年大ヒットしたダンシング・ヒーローで、踊ったり歌ったりしたグループや歌手の振付を取り入れているとのことだけど、以前、確かカーニバル・オン・アイスで既存の振付を取り入れることに町田君が苦言を呈していたことを思い出す。
今回は取り入れられた方が怒るだろうとは感じなかったけど、色々あるのだろうな。模倣やオマージュは文化の伝播や誕生には必要不可欠であり、あまり厳しく規制することは文化の死を招くだけだと思っている。結局、権利と金なのだ。せめて最低限の生活がすべての民に保障されるようになれば、こんなギスギスした問題は起きないんじゃないかと、ふと思う。生活苦は人間性を壊す。つまり文化の源を粉々に破壊してしまうから。


★チャイニーズJr.
トンさんが連れてきた?中国のジュニア選手たち4名らしい。ほとんどショーにも出たことがないそうで、とても初々しい。北京オリンピックを見据えてのプログラムですかね。見たことないパターンで新鮮だな…。


★エラッジ・バルデ
いやー、バルデさんさすがだわー、あっという間に終わっちゃうわー。いい人そうな笑顔とパワフルな演技のギャップがいいですよねえ。バックフリップのキレもバルデさんは抜群で、本当にショーにピッタリの人材。


第1回に続き中途半端ですが、長くなってきたので本日はここまでで。次回いよいよ最終回。最後までお付き合いいただければとても嬉しいです。



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ICE EXPLOSION 2020雑感①

放送!放送ありがたい!これ見に行きたかったんですよ、髙橋君のフェニックスが気になってたしチャーリー出てたし。でも貧民過ぎたのと、ちょうど私が色々あってわらわらしてた時期なので難しかったです。どのショーもここ数年はそういう状態なんですけどね(泣)。
だから放送は本当にありがたかったです。しかも町田樹解説。テレ東のお家芸と化し始めた町田樹解説ですよ!BSならうちの地域でも見られるので(※地上波は放送されない地域です…)心の底からありがたい。しかもノーカット放送のようですし、もう拝まなきゃいけないレベルだなこりゃ。ブログ的にもネタができてありがたいの極みです(笑)←貧民過ぎてどこにも行けてないのでそろそろネタがない…

町田君の解説の濃さゆえか(笑)意外と記事が長くなってしまったので、3回に分けてお送りします。


★オープニング
オープニングカッコいい、ぐっっはあああああカッコいい…。カメラワークの妙なんかもあるだろうけど、これ宮本先生ノリッノリで振り付けたでしょ…。あなた本当に髙橋君が好きですね!!(笑)←勝手な感想です
アイスダンサーの出演が多いことも関係してるのか、めっちゃ締まったオープニング。群舞になるとアイスダンサーの踊りが上手いのがやっぱハッキリわかるな、とエキシビションなどを見ていても思うのですが、今回もそれが如実に現れているように感じました。


★デイビッド・ダイ
初めてお見かけするスケーターですね。なかなか動きに激しさがあるな。髙橋君と刑事君が好きだって言ってたっけな、なるほどわかる。
町田君の解説が優しい。若手を見守る眼差しが感じられます。アナウンサーとのやり取りが微妙に茶の間っぽさ(ただしめっちゃ高級なティーセットとかちょっとお高いクッキーとか置いてる茶の間)を匂わせていてすごくいい(笑)。


村元哉中
元々シングルの選手だった村元さんだけど、アイスダンスに転向してからの印象が強いので、ひとりでの演技を見るのはとても新鮮な感じがします。シェイリーンの振付だそうだけど、このキレのいい感じが確かにシェイリーンっぽい。
ラストに髙橋君が少しだけ登場。本当に少しだったけど、まだあまりアイスダンスの練習はしてないでしょうしね、仕方ないかな。顔がめっちゃ近くても違和感まったくないな(笑)。こういう観点からもアイスダンス向いてるかもねえ。


田中刑事
町田君の衣装評が面白い。確かにジーンズから黒いパンツに変わってるけど、それでこれだけ語れる町田君面白すぎ…。この視点はほかの解説者にはないかもなあ。思ったとしても時間内にまとめるのが大変そう。
刑事君にはめっちゃハッキリアドバイスする町田君。表現面頑張れとか。後輩だもんなあ。新しいエキシビションプログラム楽しみですね。


村上佳菜子
ボレロの説明が本格的過ぎます町田樹氏!自分も滑ってたもんな!
町田君が解説の中でしばしば口にする「なるほど」が好きなんですけど、はいここで早速出ましたね(笑)。
ボレロの狂気的な部分も醸し出しつつ、佳菜子ちゃんらしい「生命力」も感じる。振付はシェイリーンだそうだけど、作ってからまだ一週間くらいだったとか。これからも滑っていくのかな、またどこかで披露されるのが楽しみですね。


★タニス・ベルビン&ベン・アゴスト
おおベルビン久しぶり、相変わらずお美しいし、お子さんひとりいらっしゃるとは思えないスタイル…。うっとり…。
チャーリー羨ましいな、奥さんがベルビンでパートナーがメリルって、前世でどれだけの徳を積んだらそんな事態になるのでしょうね…。チャーリー本人も可愛いからまさに人類の到達点である←意味不明
スピード感が素晴らしかったですね、短く感じたな。んで町田君のアイスダンスの解説わかりやすくて面白い。専門外のはずなのにね。


★ミーシャ・ジー
こういうシンプルな曲もいいですねえミーシャ。わりと癖の強いスケーターだとは思うけど、ちゃんと濃すぎないように感じられるところがさすがと言おうか。
ミーシャについては特に町田解説が冴え渡っておりましたね、必然性か…。
なんというかこのショー、踊り心のあるスケーターが揃ってる印象。ミーシャは髙橋君の振付にも関わってたし、その関係での出演かもしれないですが。


鈴木明子
ヴァイオリンの生演奏での滑り。会場でならもっと臨場感をもって楽しめただろうなあ。ショーの開催は真冬のことだったはずですが、春の芽吹きを感じるようなとても情感豊かな演技でしたね。


中途半端ですが、本日はここまで。感想の続きはまた次回。



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余らせることなく忘れていくために

今週のお題「卒業」


各学校ごとの卒業式の思い出が、思った以上に薄いことに、記事を書こうとして気付きました。

いちばんよく覚えているのは、小学校の卒業式です。何故なら、実は保護者の代表が読む送辞は、私も手伝ったからです。
クジでも引いたのか、私の母が送辞の文面を考える担当だったようなのですが、私の母は忙しい人で、いつまで経っても白紙のまま。見かねた私がいくつかアイディアを出しました(笑)。歯の浮くような、素晴らしくお涙頂戴の名文だったんじゃないかと思います(笑)。

子供の考えた文面ですし、実際には直されてたかもしれないですけど、自分の考えた文章が口頭で読まれるとどうなるのかが気になって、卒業の寂しさとか二の次だったような記憶がうっすらと…。まあ、これはかなり特殊なパターンかもしれません(笑)。


確かに、当たり前に通っていた場所や当たり前に会っていた友達から離れる寂しさは大きかったと思います。だけどそれ以上に、近々移っていく新しい環境に既に気持ちがシフトしている人が多かったような記憶があります。特に高校はそうでしたね。

ひとつの節目として卒業式はいい機会ではある。でも、これは絶対じゃないとも思った。何故なら、人生はまだ続くからです。会う気がなければ会えなくなる場合が大幅に増えるとは言え、それでもまだ会える。永遠の別れではない。
尾崎豊の『卒業』という歌は、非常に荒々しいようでいて、実に的確に真理を突いた楽曲だなあ、と改めて感じますね。

私がたまたまそうだったのかもしれないけど、振り返っても振り返っても式そのものをあまり覚えていないということは、もっと大切なものが別にあったのかもしれません。


ただ、「当たり前」は時としてこんな風に、この春のように突然奪われることがある。突然奪われて、決して返してもらえない。人生とは時にそういうものであると、頭のどこかで覚悟しておくことは必要かもしれない。

だから、会いたい人には会っておかなきゃならないし、行きたい場所には行っておかなきゃならない。明日があるから、次があるから、そう言って流しているうちに、明日も次も二度と訪れなくなる。
物理的に難しい場合も多々あるけれど、できる限り後悔を残さないように生きていって欲しい。卒業の節目を迎える人だけではなく、すべての人に。

私と同じ年だったあの人は、前の晩まで元気だったというあの人は、次の日の朝には、冷たくなっていたという。
あの人に親切のお礼を言えなかったことも、あまりにも突然で事実を受け入れられずお別れも言えなかったことも、私はずっと後悔してる。けど、二度とあの人には会えない。どんなに願っても。

こんな後悔を、抱える前に。
もし返事もくれないような人なら、あなたがこの世に在ることを喜んでもくれないような人なら、たぶんその人とはもう会う必要がない、それだけのこと。

もし、今回それが無理なら、次に出会う場所や人やものとは、できるだけ後悔のないような日々が送れるようにと、会ったこともない誰かのために祈ってしまう。私のこのブログはきっと、振り返られることもなく波間に漂い、どこにも辿り着かないと、わかっていても。


私も、今節目を迎えているんじゃないかと、そんな気がしてる。私が私以外の何かになるわけではたぶんないけれど、私が寂しさと氷でできた世界にお別れが言えるかどうかは、きっと霞む春の空が知っている。

この春に大きくてもささやかでも、新しいステージを見つけるかもしれない誰かが、私が、暖かな陽射しの元でそこに立っていられることを、そっと願っています。


以前noteに書いたこの記事もよろしかったらどうぞ。これ以外にも似たような切り口で過去にも書いてるし、そう言えば卒業のお題も過去にはてなで書いてる気がするけど…。まあいっか、令和版ってことで(笑)。
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ただひたすらな壁の思い出③ ~さよならはいつだって突然~

スケートリンクデビュー顛末記最終回。2回目までお付き合いくださった方がもしいらしたら本当にありがとうございます。何も得るところのないただの日記ですが、よろしければ続きをどうぞ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そろそろ整氷時間だったような記憶もあるし、いったんリンクを出て休憩するか、とリンクの出入口に目をやった私。その一瞬の気の緩みがバランスを崩す元になったのだろうか。
ええ、転んでしまいました、思いっきり…。一瞬何が起きたのかわからなかった…。

後ろにひっくり返ったようなのですけど(はっきり覚えてない)どうも左腕を強く打ったらしく、痛くてしばらく起き上がれずにいたら係の人が心配して様子を見に来てくださった。何とか起き上がって、椅子に座って腕を冷やす。ヘルメットや膝当てを借りてて正解だった、あれが無ければもっといろんなところ打ってたかも…。
友達は私が転ぶ様子を目撃したらしく、安定してきてたのにいきなり転んだのでびっくりしたそうである。私も全然転ぶと思ってなかったんですよ。ほんの一瞬の隙を突かれた感じ…。まあ、普段から良く転んだりぶつかったりしてる気もするけど(泣)。

転ばなければたぶんもう少し長く滑ってたと思うのですが、捻ったのか腕も痛いし、スケートリンクデビューはこれにて終了。壁から離れられずに終了した(笑)。リンクから客席を見上げてみたらスケーターの気持ちがちょっとだけでも分かるかな?なんて思ってたけど、完璧にそれどころじゃなかった(笑)。

リンクを出たあとは友達とごはん行ったり、また別の友達と合流してお茶して帰ったんですけど、腕はその間にじわじわ痛くなってきて、友達が見かねて湿布買ってくれた(汗)。転んでこんなに痛い思いしたのどれくらいぶりだろ、いや初めてかも(泣)。
その後、肘や手首といった間接部分が痛い時期が微妙に続きましたが、もうほぼ大丈夫かなと思います。当日や翌日は相当痛かったですよ、とほほ…。


以上が悲惨なスケートリンクデビューの顛末でしたが(笑)、こんなツルツル滑る場所で4回回ったり踊ったりしてる人たちって何なの?!超人なの?!こんなかったい氷に叩きつけられてもすぐ立ち上がって演技続けられるとか超人以外の何者でもなくない?むしろもう神格化して良くない?!
私がまともに滑れるようになる可能性はほぼゼロだと思いますが、試合やショーに出られるってことはそれだけでものすごいことなんだ、とますますスケーターを尊敬できるようになったので、これはこれでOKのような気がします。うん、もうそれでいいや…←涙目

そうだよ、根拠もわからんような文句ばっか言ってる人いっぱい見かけるけどさ、君たちにあんなことできるのか?できんやろ。ジャッジの人だってみんな元々氷上で跳んだり回ったりしまくってた人たちなんだぞ。どう考えたって染み付いてる感覚や見えてるものが素人とはまったく違うだろう。そこを信じられないって、もう世界中のすべての知識を自ら身に付けて、ありとあらゆる事態に自ら対処できる人材として自分ひとりで生きていくしかなくない?ぜっっったいに無理だと思いますけどね、ジャッジに対してああいう見方しかできない時点で…←げっそり吐き出す黒いエクトプラズム
以前から違和感を覚えるばかりだったことだけれど、改めて「わかったようなつもりでしかない状態であることを自覚しないまま批判する」ことの駄目さ加減が体感できた気がします…。ギャースカ言ってる人も自分なりに頑張ってることあるんでしょ、それ批判されたら苦しいでしょうよ。みんな頑張ってる、もうそれで良くないか…?私ゃもう疲れたよ…。


そう言えば、転ぶとやはり痛いので、それでもう滑りたいと思わなくなる人がいる、というお話は理解できるんだけども、転んで恥ずかしかったから、という理由で滑りに行かなくなる人もいるんだとか。私は普段からよく転んでいるので恥ずかしさはまったくなかったけど(笑)、確かに道路で転ぶよりはずっと痛かったかもしれない、転び方がまずかったのかもしれませんが。
けど、もう二度と嫌だ、とまでは思わなかったなあ。手取り足取り教えてくれる人がいる状態じゃないと運動神経が破壊され過ぎてて無謀すぎてこりゃ次回は無理かな(汗)、とは思ったけど、またお金があればチャレンジしてみたいです。その代わりずっと見守っててくれる人が欲しい!見守っててええええ!!ってみんなそんなに暇じゃねえ!無理!(笑)

とは言いつつ、これが最初で最後のチャレンジになりそうな予感もしていますが、それでも体験できて良かったな、と思います。スケーターって凄い、関わってる人みんな凄い、って改めて思えたので。尊敬の念をますます深めつつ、これからも楽しく記事を書いていけたら、と思います。
友達を始め、見ず知らずの私にも親切に教えてくださった皆様、本当にありがとうございました。もう必死だったので(汗)、おっしゃってたことを間違えて覚えてたらごめんなさい。読まれた皆様も、テンパってた人間が記憶の断片を繋ぎ合わせてどうにか書き留めた日記だということを十分ご理解の上で、さらっと流していただければ幸いです(泣)。


そんなわけで、長年の目標を達成できたことをここにご報告させていただきます。よっく当たる手相鑑定によると、2020年は私にとって人生最大の転機となりそうですが、ようやく滑りに行けたこともその一環かもしれないですねえ。

転機ねえ、色々予兆はあるのですが未来のことはやはり確実には言えないので…。今年に入って、時期や状況まで怖いくらいに当たったことが一件あるので(絶対当たらないと思ってた…)何が起きても受け止める覚悟ではいますけど。きっと素敵過ぎる未来が待ってるはずなので、どうにかここまで生きて来られた、あと少しだ、という気持ちでいます。当たればね(笑)。
当たれば、この話はどこかでひっそり書いてみたいです。マンガみたいな話ですからねえ。当たらなくても十分ネタとして活用できそうですが、当たった方が絶対にいい(笑)。

うむ、だらだら書き過ぎてしまった…。最後までお付き合いくださった皆様、ありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう。




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ただひたすらな壁の思い出② ~離れたいのに離れられない~

スケートリンクデビュー顛末記第2回です。筆者は運動神経が壊滅的であり、必死過ぎて曖昧にしか残らなかった記憶を必死で繋ぎ合わせた曖昧な記録である、ということを念頭に置いた上で、さらっと流して読んでいただければ幸いです(泣)。
ではでは、続きをどうぞ。

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さあ、靴も履けたからいよいよリンクへ、と勇んで立ち上がろうとして気付く。立てない!この靴立てないいいいい!
細い刃の上に立つことが日常生活で基本無いので、バランスが取れない。陸上で既に立てないのに氷の上になんて立てるわけがないのでは、とたいへん不安になりましたが、ここまで来ちゃったからにはチャレンジするしかあるまい、とよろよろと更衣室を出てリンクへ向かう。
ぎゃふあっ、階段があるんですけどおおお!バランス取れなさすぎて怖くて上れねええええ!しょうがないので手をつきながらどうにかこうにか上った。ええもう既によれよれです…。

リンクサイドに設けられた、最前列のひとつ後ろの席にアイスショーで座った時が、最もリンクに近付いた経験だっただろうか。それはもちろん氷の上ではなかったので、これが本当に生まれて初めて氷上に立ってみる経験です。せいぜい薄く氷の張った水溜まりを蹴破ったことがあるくらいで、本当に初めてです。

一歩踏み出すなり叫ぶ私。
「滑る!滑るよ!滑るんだけどおおおお!」
当たり前だよ!
氷ですからねえ、とたいへん冷静な友達。友達は本格的に滑っていたので、その辺りの素人とは比較にならないくらい上手いのである。

リンクを囲む壁を必死で掴むその足元は、真っ直ぐ立つことすらできずにぐるぐる回ってしまう。滑るどころか立てません!壁からちょっとでも離れたら速攻転ぶだろこれ!!!
とりあえず、氷の上を歩いてみてくれと教えられる。足の先をハの字になるように開いて、三輪車や自転車を漕ぐような感覚で足を交互に前に出してみろ、って言ってたかな、うろ覚え。何せもう転ばないように必死でしたし(泣)。いっそ転んでもいいくらいの勢いの方が覚えが早いよ、とも言ってた気がするが、もう若くないのでそんな勢いありません!!!←泣

とにかくつるつる滑ってしまって、その「歩く」という感覚がわからない。スタート地点から亀のようにしか動けない私を、若いお嬢さんやカップルがすいすいと追い越していく…。あの人たちは何で壁から離れてもまともに動けているんだろう←前途多難

リンクの端の方まで来ると、あまり人が滑っていないのでさらにつるつる滑ってしまう。必死で自転車を漕ぐような感覚を掴もうとするのだけど、壁から一瞬も手を離せない。こんなに壁のことを信頼したのはたぶん人生初だよ!壁!壁私を見捨てないで!←意味不明
足元がバランスを崩す度に変な汗が出てくる。滑る前はあんなに冷気がすごいやなんて思ってたのに、変な汗が吹き出してくるからぜんっぜん寒くないです!←涙目


超初心者ぶりをさらしまくって哀れにへろへろ壁に張りつきながら移動していると、たいへん上手な方が声をかけてくださった。コツを教えてくださる、ありがたい。左右の腕でバランスを取って、ペンギンのように歩いてみたらいい、とおっしゃっていたかな。壁に掴まったままだと逆にバランスが取りづらいとも言われてたような。
とは言われても、壁から手を離すなんて考えられもしない私。それでも、ちょっとずつちょっとずつ、壁のそばから一歩も離れられないにしろ、手を離して歩き始めてみた。そのまま1、2周するとコツが掴めてくるそうだ。気が遠くなりそうな話だったが、とりあえず壁の周りをぐるぐる歩き続ける。

ほかにも上手な方が、立ち上がり方なども教えてくださった。私は床の上でも足の力だけで立てないことも多いのに、無理じゃないのかなあ、と不安だったのだが、何度か繰り返してやっと言われた通りに立てました。ああ、壁から手を離して!手を離して立ってるよ私!一瞬だったけど(笑)。

上手な方が次々と現れて(笑)、今度は腰を落として足をハの字に開き、腕を前に出したらいいと教えられた、はず。前に重心をかけていたら転びにくくなるって話だったっけな。この頃には少しずつ壁から手を離せるようになっていたのだけど、やはり壁のそばで言われた通りを心がけてみる。やっぱり歩くようにして、そのまま1、2周してみるとだんだん掴めてくるらしい。さっきの方も同じようなこと言ってたっけな。そうこうしてるうちに滑る感覚がわかってくるとか何とか…。

亀のようにしか動けなかった段階を思い返すと、明らかにまともに歩けるようになってきた。気を抜くとすぐツルッと滑ってしまいそうになるので壁のそばからはやっぱり離れられないのだけど、手を離したまま進めるようにはなってきました。何となく、何となく感覚が掴めてきたような…。あともう少しで、歩いてる状態から滑ってる状態に移行できそうな気がする…!


さあ、筆者は壁から離れて生きていけるのでしょうか?次回いよいよ最終回!予めばらしてしまいますが、期待しない方がいいですぜ!←血の涙




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ただひたすらな壁の思い出① ~君はまだ見えない~

確か昨年の抱負に挙げて結局実現しなかった、いや昨年どころかもっとずっと前から言ってた気がする目標をようやっと達成してきました。
そうです、スケートリンクデビューして参りました!

こんなブログ書いてるのに、実は一度も滑ったことが無かった私。何度か教室に誘われたりもしていたのだが、お金がなかったり時間が合わなかったり色々色々で、なんだかんだと機会がありませんでした。

そもそも、私の運動神経は壊滅状態である。運動神経の無さに関しては地球規模で上位に入る自信があります。今生では運動神経に期待して生きることは無駄でしょう…。
もうこうなったら転生するしかない。転生した結果運動能力に秀でた人生が送れるならば、私は今すぐ13歳くらいの少年に生まれ変わって「打倒羽生結弦」を掲げて羽生君のライバルになりたいと前々から妄想しているのだが、完全にパーフェクトに完膚なきまでに妄想です!!!←意味不明

そんな人間が運動好きに育つはずもなく、普通に考えてまともに滑れるとも思えず…。それから、体調がずっと良くなくてできるだけ身体を冷やしたくなかったこともあって、長年挑戦しようと思ってすらいませんでした。見る専門。

しかし、こうやってブログに試合やショーの感想を綴っていくうちに、「実際に氷上に立ってみたら視野が広がってもっと臨場感のある記事が書けるかな」と思うようになったのです。
経済的にも頻繁に通うことは無理ですが、せめて人生で一度だけでもリンクに立つ経験をしてみたい。まともに滑れはしないだろうけど、とりあえずチャレンジだけはしておきたい。そう願うものの、その一度の機会すらうまく掴めぬまま、年月だけが過ぎて行きました。

しかし、おそらく今年の冬を逃したら当分滑る機会は持てないのではないかと、私は何となく予感がしていたのです。無理矢理にでもチャレンジしておかないと、後悔する羽目になりそうな気がしてしょうがない…。
これが不思議なことに、今までどうしてもはまらなかったピースが、昨年の秋も深まった頃からじわじわと揃ってきて、年が明けてからピタッとはまった感触があったのです。私はどうも、今年の冬を待ってスケートリンクデビューを果たす運命だったようです。デビューと言い張るには薹が立ちすぎてはいますけれど(笑)。


そんなわけで、平日を狙って某リンクに足を運んでみました。観客としてやって来たことはあれども、リンクサイドに行ってみたことすらないあのリンクで実際に滑ってみる日が来るとは…。せっかく地元にリンクがあるわけですしね、一度くらいは足跡を残してみようかね。

客席に入ったことはあるけどリンクの方へ行ったことはないので、まず入口で戸惑う。私が表示を見てなかっただけの可能性も大いにあるけど、初めて来た人には微妙に導線が分かりにくかったかも。
とりあえず券売機で入場券と貸し靴の券を買うらしい。遊園地やらテーマパークやらに行くことを考えたら安いけど、英世が2枚くらい必要なんだよなー。だから私なかなか来られなかったんですよね←そのレベルの貧民…

カウンターで購入した券を渡し、靴を貸していただく。へー、レンタルだとこんな靴なんだ。スケート靴だからもちろんブレードがついてる。思わずひっくり返して観察してしまう(笑)。
更衣室で靴を履いてみるのだが、うっ、私の苦手な紐靴だ。私は紐を結ぶのがどうにもこうにも下手なのだ。そう、靴が紐靴なのもチャレンジしようと思わなかった理由だったりするのですよね。いい大人が不器用すぎて上手く紐が結べないなんて言いづらいから、表立っては理由として挙げてなかったけれど。
結局、友達に少し手伝ってもらいました(汗)。そうだなあ、まず靴の履き方でも戸惑っちゃうなあ。初めて来る時は、超初心者向けレッスン等をやってる時に来るのがいちばんいいんだろうな。


長くなってきたので、本日はここまで。全3回シリーズとしてのんびりお送りしますので、次回ものんびりお付き合いいただければ幸いです。




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