うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

Art on Ice in JAPAN⑥

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓

usagipineapple.hatenablog.jp

 

2番手で登場したのはフランスのアイスダンスカップル、ナタリー・ペシャラ&ファビアン・ブルザ。ノリノリの楽しいプログラム。
ステージにはダンサーが登場し、プログラムを盛り上げてくれます。しかしステージもスケーターも同時に見るにはリンクが広過ぎる。リンクを全体的に見渡せるのはリンクの長い方の真ん中付近、私が両日の夜公演で座った席で、普通のショーならそのあたりが最も良い席なのだろうと思います。しかしこのアート・オン・アイスに関してはステージもリンクも同時に視界に入るステージ正面側の席が最適だということに、もうこの時点で気付いてしまうのですが、残念ながらステージ正面側にはアリーナ席しか設定されていないので、スタンド席のみ購入した私は決して正面側には座れないのです。そういう意味では、ステージと反対側の端っこだった日曜日昼公演の席は、どうにかリンクとステージが同時に視界に入るという点において良い席だったように思います。まあ、端っこでしたけどねやっぱり。

演技が終わり挨拶してくれたと思ったら、ちょっとだけまた音楽が流れてちょっとだけアンコール。そういう演出だったっぽい。

続いてはブレイクダンサーのゲブ・マニキャン。銀色に光る全身タイツ。相変わらず怪しい(笑)。動きもやっぱりちょっとキモい(笑)。
昨年の福井での演技に比べてかなりこなれてきたように感じました。登場するなりステージから落っこちたり、セクシーポーズを取ってみたりして会場も大ウケ。特に男性と子供の笑い声が大きかったと思います。今回は家族連れが多かったのか、いつも以上に男性と子供のお客さんの割合が高いように感じました。普段はもっと女性客ばっかりな気がするのですが。

マニキャンも終わったかと思ったらまた踊り出したので、やっぱりそういう演出らしい。

さてここからはコラボレーションタイム。アート・オン・アイスはスケーターと大物歌手によるコラボレーションを売りのひとつとしていて、この日本公演のゲストはイギリス人のキャサリンジェンキンス藤井フミヤ

まず登場したのはキャサリンジェンキンス。金髪、長身、白いドレス。絵に描いたような美人。

最初に滑るのはタチアナ・ヴォロソジャール&マキシム・トランコフ。ロシアのペア。
曲はボディーガードの主題歌でしたが、歌詞が違った気がする。たぶん2年前に福岡で見たプログラムの、キャサリンによる生歌バージョンがこれ。元々スイスで滑ったのが生歌だったはず。

これが生の声の威力なのでしょうか、今回のショーで最初にスタオベしたくなったのがこのプログラムでした。伸びやかな歌声に乗せて、ダイナミックな技を伸びやかに披露する白い衣装のふたり。リンクの中心から音楽が溢れ出してるみたいで、本当に素敵でした。

ソチオリンピックの金メダル候補である彼らの演技が素晴らしくないわけがなかったのですが、何より驚いたのはキャサリンのその歌声でした。圧倒的な声量と声の伸び。上手いとか下手とかそういうレベルの話じゃない。申し訳ないけどステファンとは天と地ほどの差。だからやめとけってあれほど(泣)

一曲歌い終えたキャサリンから挨拶と次に滑るスケーターの紹介があり、流れ始めたのは「prayer」。ろうそくを手にしたサラ・マイヤーが、静かにリンクへと滑り出してきます。
リンクの隅に用意された台の上でろうそくに火をつけるサラ。そっとそれを置くと、本格的に演技が開始。
やわらかく、優しく、温かなろうそくの光のような、小さな教会でそっと捧げられるささやかな祈りのような、そんなプログラムでした。スクリーンにはスイスでサラがこのプログラムを滑った時に使用されたのであろう映像が流れていたり、ステージではダンサーが神秘的に舞っていたりして、とても雰囲気がありました。

コラボはさらに続く。登場したスケーターは安藤美姫。曲はアメージング・グレース。
アメリカ第二の国歌と呼ばれているというこの曲を、私はかつてナナ・ムスクーリという方のアルバムで死ぬほど聞いていました。なので彼女の透明な歌声の印象が強いのですが、なかなかどうしてキャサリンの声も素晴らしかった。伸びやかで広がりがあって、この曲にぴったり。

ジャンプを跳ばないプログラムだと予め公言していた安藤さんですが、本当に一度も跳びませんでした。しかしそれで魅せるプログラムになっていたかと言うと…。
モスクワの世界選手権で優勝した頃の彼女の演技は、これから世界のショーで活躍するのは彼女だろうと思わせるような素晴らしいものでした。しかしこの日見た彼女は、ジャンプを跳んでこその彼女だった、少女の頃のレベルにまで落ちているように見えました。
体型も女性らしく丸みを帯びて魅力的だったけど、裏を返せばそれって太ったってことだよね。それも練習不足でここまで変わるものだろうか、と首を捻ってしまうような変化の仕方…。本当に復帰は間に合うのだろうかとかなり心配に。
でも、客席に向かって見せてくれた笑顔は吹っ切れたようにやわらかくて、もう少しだけ見守ってあげたい気持ちにもなりました。
ところで安藤さん、白い衣装好きですよね。今回もだったけど、よく着てる気がする。

このプログラムの時だったと思いますが、ステージの一部が動いてリンクの中央付近まで移動していました。キャサリンが乗ったままなので近くで彼女を見られた。美人。ステージの先端が少し飛び出していたのですが、そこが菱形に切り取られて動く仕掛けになっていたのです。まさか動くなんて思わなかったのでかなりびっくりしました。この動くステージを利用した演出もいくつかあって、なかなか面白かったです。

以下次号。

※二ヶ月かけて旅日記を完成させたまさにその時、エラーでこの章は丸々消滅しました。よって最後に書き直しています(泣)