うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

ソチオリンピック雑感③ ~スーパーティムシェルJAPAN~

昔書いた文章を発掘したので今更載せるシリーズ、ソチオリンピック編三回目。早速以下をどうぞ↓↓↓

 

オリンピックも佳境ですね。また勝手に綴る。

☆2月14日
男子シングルフリー

放送は23時からだったので22時45分に起きるつもりが目覚めたら23時50分。競技は0時からなのでギリギリだった、危ない…。
でもそれまではフジが公式練習の様子をがっつり流したりしてたそうだ。なんでこんな時だけまともなんだフジ(泣)

★第1グループ

トリプルアクセルがどうにもみんな決まらないな、と思いつつのんびり見る。このあたりはまだ心に余裕が。
ショートで今後伸びそうと思ったフィリピンのマルティネスもフリーはイマイチ。でも覚えておこうかな。

★第2グループ

すげー楽しそうなミーシャ・ジー。どう聞いてもボーカル入りなのに今回だけは減点されなかったらしいがオリンピックのご褒美か←何それ
職場の人が「好きな人見つけた」って言ってたのがこのミーシャだった。面白かったかららしい。でも次にミーシャが地上波で映るのはいつだろう。彼女がミーシャにまた会えますように。…泣

さて、第2グループなのにもうクライマックスです。なんだこのメンツ。

アボット、4回転は跳ばなかったけど手堅くまとめたミスのない美しい演技。それなりに満足した表情だったし良かった~(涙)

アモディオは相変わらずのアモディオタイムだったけどジャンプが壊滅的…。ずっと不調ですがどうしたんでしょうか(泣)。キスクラも見ててつらい感じだった…

トマシュー!とうとう4回転は決まらなかったけどトマシュらしい素敵な演技だった。キスクラの笑顔とってもとっても素敵だった…。もっと上に行けるはずの選手だから歯がゆさはあるけど、現役最後の演技忘れないよ。さよなら公演絶対行くよ。さよならにして欲しくないけど…涙。

ケヴィンー!団体戦ですべて成功させた3回の4回転も、今回は回転不足などで1回だけが4回転の判定だったのかな。それでも諦めず最後まで演じたケヴィン。頑張ったと思う。やっぱりケヴィンの演技は何故か見たくなる。これからも応援するよ。

★第3グループ

この辺から全員メダル候補。なんという混戦。

まずはデニス。ミスは比較的少な目だったけど、どうにもピリッとしない演技で、これはメダルはないなと思った。なんかプログラムがデニスに合ってない…。去年のは素晴らしかったのに。

ジュベール。4回転も決まったしいい演技だと思ったけど、点が出ませんでしたね…。スピンあたりで何かやらかしているのだろう(泣)。でも29歳のアランフェスは哀愁に満ちて、ジュベールの現役生活に静かに幕を下ろしていくようで何とも言えない気持ちになりました。ジャンプだけの選手だ思ってた時期もあったけど、でも12年もの間応援できて本当に楽しかった。清々しい笑顔に涙が出そうだったよ。また日本に来てね。待ってる。

ミハルやマヨロフ、ハンヤン、みんな出だしは調子よく4回転が決まるんだけど、後半になるにつれてどんどんパワーダウンしていく感じで、メダルから遠のいていってしまいましたね。全体的にみんなスタミナがもたない感じ。ショートとフリーの間に通常なら1日あるのに今回なかった影響?

そんな中町田君。正座して祈りながら見た。
もう明らかにガチガチで、最初の振付も硬くて心配してたらやっぱり4回転転倒。絶叫。しかしそれ以降はジャンプミスなし。スピードが全然なくて心配したけど絶対に諦めないという気迫が伝わってきた。転倒したけど素人が見ても綺麗に回ってたよね?頼むから4回転の判定を、と天に祈る中得点発表。ああやっぱり4回転の判定受けてる、団体戦よりも高得点。良かった(涙)
これで入賞は決まったけどメダルは可能性がなくなった。このグダグダ大会の中では十分にいい演技だったと思うんだけどね。がっくり。

★第4グループ

一気に緊張が解けて(町田君はちょっとだけ特別な存在なので、地元だからね)、わりとだらだら見始めたが、まさかこんな展開になるとは。

フェルナンデスがこの大会の鍵になるだろうなあと思ってたのですが、本当にそうだった。ミスもあったしベストには程遠かったけどさすがの演技で、順当にフェルナンデスが銅だろうと思ってたらまさかのザヤック…

これで銅の行方がまったくわからなくなった。こうなったらメダルにふさわしい演技ができるのはおそらく高橋君しかいない。こんなに高橋君応援したのたぶん初めてだと思う。
しかし冒頭の4回転、素人が見ても回転が足りない。レベル1だったスピンもあったらしい。技術点はやはり伸びなかった。
でも演技は素晴らしかった。今大会のフリーの演技でもう一度見たいと思ったのは町田君と高橋君くらいだった。清々しい笑顔の高橋君に涙が出た。メダルよりも彼にしかできない思いを込めた演技をオリンピックの舞台で見せて欲しいと思っていたけど、その通りの、いやそれ以上の演技でした。私は高橋君がジュニアの世界選手権で優勝した時の新聞記事をまだ保管している。あれから12年。最後のオリンピック、まさに有終の美だった。ありがとうという言葉しか出てこない。

羽生君。ギャー笑ってる怖い、と思ったらあれは無理矢理笑ってたのね。
冒頭のサルコウ転倒はいつものことだしいつもちゃんと回ってから転ぶので気にしてなかったが、まさかのフリップ転倒。もう金は無理かも、と頭を抱える。でもその後のジャンプは素晴らしい。このプログラムの得点源はアクセルのコンビネーションだよね。そのあたりもバッチリだったし、これは最後までわからないな、とドキドキしながらパトリック。

美しいコンビネーションジャンプが決まってこれは行くか、と思ってたら続く着氷ミス。彼がトリプルアクセルが苦手だったの忘れてたよ。どうしちゃったのかと思うくらい精彩を欠いて、結果は2位。まだ二人残ってるけど羽生君金確定。
最大の原因は滑走順だったんじゃないかな。羽生君のあとに滑るのが苦手っぽかったですよねパトリック。羽生君の運の強さにもチャンピオンの器を感じます。

まさかの最終グループ、とか言ってごめんねリーベルス。まさにダークホースだった。入賞おめでとう。

まさかブラウンがメダルか、なんて思ってたら彼も9位に終わり、稀に見るグダグダ大会だった男子フリーは終了。デニスのメダルを予想できてた人、いた?四大陸の出来も微妙だったし、可能性は低いと思ってた。さすが世界選手権銀。地力がある。品があって素敵な滑りだよね。しかしびっくりするくらい知名度がなくて、「あの3位の人誰?」と散々聞かれて結構泣けた…

完徹のまま出勤する準備をしてたら、羽生君の金の喜びより悔しさがじわじわこみ上げてきた。
町田君がメダルを取る条件が、すべてそろってたんだよね。有力選手のミス、例の二人がぶっちぎる、等。
両足でもステップアウトでもいいから、あの4回転で立っていたら。
たったの1.68点。
オリンピック名物の「地元での応援風景」がニュース等で流れなかった町田君。羽生君も高橋君も流れたのに。つまりそれは広島がそういうことやってなくて取材に行けなかったってことだ。確かに町田君は羽生君や高橋君みたいにそれぞれの地元で生まれ育ったわけではないけれど、それにしても…。広島県民をカープのキャンプ情報から町田君に目を向けさせるには、メダルが必要だった。メダルがすべてじゃない、という事実があったとしても。世界選手権に出たこともない彼が得た5位という順位がどれだけ素晴らしいのか、それに気付くほど広島の人は町田君のことを知らなかったのだろうから。メダルを取った途端、ずっと応援してたようなフリをするんだとしても、だ。
それを実感する出来事がいくつかあって、今も悔しさで煮えくり返ってたり落ち込みマックスだったりします。でも一番悔しいの町田君だよね…。来季で引退とか言わんでくれ…

複雑な気持ちのまま出勤したら駅前で号外を配ってた。休日なので駅前も人が少なくて、1部もらった後もう少し欲しいという目を向けたら「もう1部どうですか」って配布人自ら申し出てくれた(笑)
その紙面を見つめてたらやっと羽生君のメダルの喜びがこみ上げてきました。この子はいつか世界を穫るんだろうな、と3年前長野のメダリスト・オン・アイスで感じたことを今も覚えてる。こんなに早く駆け上がっていくなんて。プルシェンコのバトンは、確かに彼に渡されたんだね。
ちなみに号外はいろんな人がくれたんで、結局7部に(笑)。町田君がこっそり載ってるのは中国新聞ならではだと思う(笑)

メダルセレモニーも根性で起きて見ました。羽生君めちゃくちゃかわいかった。今まで見せたことのない顔でしたね。マスコミ対応もそつのない羽生君、まだ子供の部分をあまり見せないようにしてるんだなって思うけど、壇上の彼はただの子供みたいでかわいかった。
羽生君は日本の美を体現したスケーターだと思う。羽生君のような純和風の顔立ちの日本人って意外と見かけないし、名前の漢字も実に字面が美しい。演技中の阿修羅のような雰囲気にも畏れ多いものへ抱く美みたいなものが(笑)
こんなスケーターが日本から出てきた。こんな強いスケーターが。散々期待されて、でもプレッシャーに負けることもなかった。チャンピオンであることを楽しみたいと言い切れる強さ。もう生きてる間にこれだけの選手が日本から現れることはないかもしれません。感慨深かったです。

バンクーバーの表彰台は濃かったけど(笑)今回はなんかかわいいな。アジア系ばっかりなのね。
パトリックはやはり少し残念そうでしたね。フラワーセレモニーのあと、人前では見せなかった涙を流してたと聞いて胸が痛かった。2年前にオリンピックが開催されていたら誰も彼には勝てなかったと思う。運がない、よね…。でもみんなが彼に勝つために知恵を絞って、いつの間にかなくてはならない人になってたね。まだ引退とか言わないで。

ちなみにステファンはメダルセレモニーも見ていたようです。これを見届けてスイスに帰ったんじゃないでしょうか。可愛がってる選手がみんなそれなりの成績をおさめて、彼にも満足のオリンピックだったんじゃないかな。4年前のことを思い出すと、私はいまだに辛いのだけど…。

プルシェンコが棄権したことで、あの強烈なロシアコールが起こることもなく、いつも通りの会場って感じでそれはホッとしました。日本のお客さん多かったですね。

「あの最後に滑ってた子はオネエなの?」という質問に半笑いで首を傾げるしかなかった、そんなオリンピック。これが最後と表明してた選手がみんな笑顔だったことが何より嬉しかったオリンピック。ほぼ完徹でしたが満喫できたので悔いはありません。ひとつの時代が終わりました。

もうちょっと続くよ。