うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

オータムクラシック2017雑感①

相変わらず地上波が唯一の頼りの私は、インターネット上に流れているスポーツニュースなどの文字と静止画の情報のみで観戦気分に浸っておりました。それを観戦と呼んでいいのかははっきり言って微妙なところですが、映像がない状態は非常に想像をかきたてるもので、映像を見ている状態よりずっとずっと落ち着かない、心臓に悪い状況だなあ、とこの度も実感した次第です(泣)。当然ですが、スポーツは実際の競技を見てなんぼですね。

ホントにB級大会なのか?と思わず大会名を二度見してしまう豪華なメンツに、オリンピックシーズンを感じずにはいられないまま、ミーシャ引退撤回したのか、ダイス怪我から復活したんだ、と嬉しくなったり、さすがだなフェルナンデス君、でもオリンピックまだだよ!と突っ込んでしまったり、朝からワクワクと文字の海を追いかけました←くどいようですがこの人はほぼ文字情報のみで観戦気分を味わっています(汗)

そこに現れる我らの阿修羅様、羽生結弦。膝が万全ではないのでジャンプの構成を少し落として演技するという。体調を尋ねられ「まあまあ」と返した際には、あまりいい調子ではないのかもと少し心配にもなった。まだシーズン序盤、無理をする必要はない。そもそもこれくらいの時期の羽生君はエンジンのかかりきってない状態であることが多いように見受けられる。大抵の選手はそうであろうが、彼はわりと顕著なように感じていた。
なので、どのような結果であっても覚悟はできていたが…。

やはりループは外したんだな。おや、どうやらパーフェクトだったようだ。え、なんか見たこともないような数字が目に入ったんだけど…。
えーと…世界新
って世界新????
えええええ?ええええええええええええええ???

シーズン初戦のB級大会でまさかの世界最高点。ロケットスタート過ぎてクラクラする。B級大会だし何点出しても参考記録にしかならないのかな、と思ってたけど、そうか、チャレンジャーシリーズという位置付けだと公式の記録になるのか。ということは記録更新か。もう何度目だかわかんないんですけどお兄さん!しかも少し構成落としたとか言ってましたよね?!どこが!どのように!

頼む演技を見せてくれ。テレビの前にかじりついてニュース番組をチェックする。夕方のニュースでやっと例のごとくの抜粋だが動いているバラード第一番を見られた。ノーカットで放送してくれたサタデーステーションには感謝の一言だ。

滑り出しからいい表情をしている。極限まで研ぎ澄まされ、抜き放たれた刃が静寂を切り裂く。これから氷の鬼神がその刃を存分に振るうのだ。
何という美しいサルコウ。高さ、軸の美しさ、非の打ち所がない。そしてコンビネーション、あんな綺麗にセカンドタノが跳べるものなのか?タノジャンプは美しくないと評されることも少なくないと言うのに。
スピンも言うことがない。元々スピンの得意な選手だったと思うけれども、ピアノの音をきらきらと振りまくかのような手の動きは繊細な情感に溢れ、実に美しかった。
絶品だったのがステップの入り。異世界へ開かれる一瞬。氷の美術館に飾られた絵画が、ピアノの音色にのせて動き出したかのようだ。こんなステップだったか?ジャンプといいスピンといいステップといい、何度も何度も見たはずのバラードとは別物だ。ニュースの短い映像では伝わりにくいが、ノーカットを見るとフッと力を抜くかのような間すらも演技の一部として計算し配置され、えもいわれぬ美しさに満ちていた。それは滑らかに鍵盤を滑っていく、ピアニストの繊細な指。ピアニストの名は、おそらく神。

これがオリンピックシーズンの羽生結弦か。まだ天井ではないのか。我々は一体どうしたらいいんだ。こんなものを前にしてなんと言葉を紡いだらいいんだ。ああ、初戦だしカナダだし覚悟は出来てる、なんて思っててごめんなさい。もう半年もない未来のオリンピックの会場が、割れんばかりの拍手に包まれるビジョンが見えた気がした。

以上、男子ショートプログラムと言うか羽生君のバラードについてでした。うう、早く生活を安定させてBSとかCSとか契約したい(泣)。さすがにニュースも羽生君のことしかやんないし(泣)。
思ったより長くなったので、フリーについてはまた明日。