うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

All Japan Medalist on Ice 2014⑫

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓

usagipineapple.hatenablog.jp

 

会場を出るとシャトルバスは長蛇の列。なので少し時間を置いてから並ぶことにして、すぐ近くにあるショッピングモールに入ってみる。スーパーでご当地野菜などを目で楽しんでから戻ってもまだ長蛇の列だったが、それなりに捌けてきたので並ぶことに。あまり目にすることのない雪の量にテンションが上がった私は並ぶ前から雪に足跡をつけてみたり手のひらの上で雪玉を作ったり「幼稚園児ですかお前は」と突っ込まれても実に仕方のない行動を繰り返す完全に危ない人でした。Aさんすみません←本当にな
しかしこの危険人物に声をかけてくる勇者がいた。シャトルバス最後列のプラカードを持ったお兄さん(おじさん?)が話しかけてきたのである。ずっと立ってるだけなので暇だったんじゃないかと思う(笑)。
お兄さんによると、最後まで会場に残っていたのはほとんど町田君ファンで、みんな涙と鼻水でぐしゃぐしゃだったと言う。まあそうかもしれないなあ。だって町田君のファンはオリンピックから明らかに増えたし、そういうファンにとっては実質1年も経たずに迎えた突然のお別れだったのだから。ファンになって1年くらいって、たぶんいちばん楽しい時期だもんね。ソルトレイクでファンになったヤグディンの突然の引退に泣き崩れた当時の自分を思い出して仕方なかった。あの時は本当に辛かった。しばらくはスケートを見る元気も湧かなかった…。
私が手のひらでもてあそび続けていた雪玉を「持って帰っていいよ」などとも言っていたお兄さん(笑)。我々の後ろにも人が並びお兄さんとの話も自然に終了したが、バスに乗り込む時にわざわざ「気をつけてね」と声をかけてくれた。お兄さんのおかげで楽しかったですありがとう。今回もファンキーな地元の方に会えて嬉しかったなあ。その土地の人たちとの束の間の出会いも旅の醍醐味ですよね。

ホテルに戻り就寝。翌朝はホテルのバイキングでアイスクリームやら蕎麦やらを堪能する。体調が良くなくて薬を服用した程だったのに何でアイス食うかなコイツは←大好物だからです
どうやら私の場合はとにかく冷えが最高に身体に良くないらしい。雪の長野もアイスリンクもどう考えてもデッドゾーン…。アイスショーの旅は楽しいけど大抵微妙に体調崩してるのも納得(←納得するな)。でもたぶん最大の敵は公共交通機関の冷房なんだけどね。移動時間長いからな。

チェックアウトしてAさんとバスで善光寺へ。雪の善光寺はとても風情があったけど、4年前に訪れた時より明らかに人が多かった。前回は戒壇巡りがお休みだったからかなあ?
境内に掛かっている絵馬を何気なく見ていると、スケートファンのものをたくさん発見した。好きな選手の勝利や羽生君の健康を祈ってるものが多かったと思う。客席一杯だったもんなあ、たくさんのファンが長野まで足を運んだんだよなあ…。

御守りなど授かってから門前町をぶらぶら。素敵なお店がたくさんあって目移りした。ランチに入ったお店もとーっても素敵だった。かなり並んだけど並んで正解。ケーキもお茶も美味しかったです(←朝食べ過ぎてケーキセットだけにした奴)。飲んだのはお店のオリジナルの緑茶のブレンドティーだったかな、すごく美味しかったのでお土産用にティーパックも買っちゃいました。
食事後はぶらぶらお店を見ながら長野駅まで歩いて戻りました。喋りながら歩いてると意外とすぐの距離でした。年末も年末なので既に閉まっているお店が多かったのは残念でしたが。

駅で列車を待つ間に羽生君の病名が判明。ストレス性の腹痛かなんかだったらとかものすごい重症だったらどうしようとかなんて心配してたので、命に関わるようなものでなくてホッとした。この時期に手術を決断したのは世界選手権に間に合わせるために違いない。無理はしないでと言いたいが、それが羽生君の心からの願いならば私は祈り見守るだけである。カップ・オブ・チャイナで彼が見せたスケートへの強い想いを、私は何よりも尊重したい。
羽生君は病室で町田君の引退の知らせを聞いたのだろうか。羽生君は町田君をライバル視しながらもとても懐いているようだった。羽生君は強いライバルがいる方が明らかに燃えるタイプだし、町田君にも後輩に負けられないという意地があるだろう。切磋琢磨しつつも気の置けない仲間でもある、とてもいいライバル関係のように私には思えた。最大のライバルの、そして大切な仲間の引退の場に居合わせることもできず、病室の天井を見上げて痛みに耐えているだろう羽生君のことを思うと、何だかとても切なかった。もう、ふたりの対決を見ることはない。永遠にその機会は失われてしまったのだ。

Aさんは新幹線で東京へ、私は特急しなので名古屋へ。今年も1年本当にお世話になりました。また来年もお世話になります。
帰りのしなのの指定席は空いていた。やはり帰省ラッシュとは逆の方向なのね。名古屋での乗換の待ち時間にキオスクに山積みされてたNumberを買って新幹線に乗車。羽生君が表紙だったのですよ。しかもこれがいい写真でね。永久保存版。雑誌は買える時に買っておかないと店頭から消えてしまうので、躊躇わずに買うようにしてます。
最終の1本前くらいの便で広島に到着。移動時間は往復でたぶん14時間くらい?やっぱり長野遠いな。でも充実した旅になったなと思います。

そう言えば善光寺の近くでお土産に栗の落雁を買ったんだけど、すごく評判が良かったのでどうやら美味しいらしい。私は栗が嫌いなので食べなかったのですが。20個くらい入ってて600円くらいで、なんか歴史のありそうなお菓子でした。長野にお越しの際には探してみては。ほかにはジャムの小瓶を何種類か買って先着順でお土産にした。でも柚子のジャムだけは自分で食べました。歌う方じゃないから。滑る方のファンだから(笑)。柚子製品を敢えて選ぶ回数が数年前から明らかに増えたのは気のせいじゃないんだなこれが(汗)。もうすっかり本命を捨てる勢いで羽生君ファンだよね自分(汗)。

旅日記そのものはこれでほぼ終了ですが、最後に町田君の引退についてもう少しだけ。
年末の時点ではただただショックと感謝の気持ちでいっぱいで、何も考えられずにいましたが、3月の世界選手権を見ていると、やっぱりこの大会までは続けて欲しかったなあ…という気持ちが強く湧いてきて、悔しいような悲しいような、複雑な気分になりました。応援している選手が世界の頂点に立つ。それはファンなら誰でも願うことだし、町田君にはそれだけの実力もある。たらればを言っても仕方がないけれど、チャンスを掴んで欲しかったと思ってしまうのは許して欲しい…。
今は町田君が近い将来実現したいと言っていた広島でのアイスショー開催を静かに待つだけの日々です。ただ、オリンピックの時のことを思い出すと、町田君が広島にわざわざ戻ってきてくれるのだろうかと悲観気味ではあります(泣)。現実的にはプリンスアイスワールド広島公演かなと思うけど、ビッグウェーブに氷があるのが冬季だけだからなあ。冬季は競技があるため現役選手がショーに出られず集客が厳しいと思われます。全日本と四大陸の間、1月なら可能かもしれないが、あの時期は毎年スターズオンアイスがあるもんなあ…。
ごちゃごちゃ書いたけど、町田君の幸せと成功を願っていることに何の偽りもありません。ただ、いくら予想はしていたと言ってもやはり引退はものすごく残念で、非常に寂しく、実はまだぽっかりと心に穴が空いたままの自分の気持ちを整理するために少しだけつけ加えておくことにしました。応援する気持ちに変わりはないですが、今後はなるべく町田君の姿を追わず、時々そっと思い出すだけにしたいなあと思います(涙)。せめて最後にもう一度だけ、この言葉を書かせてください。

長い間応援できて楽しかった。本当に、本当にありがとう、町田君。

長野旅日記2014
町田樹引退スペシャ


2017年追記:
過去の旅日記の中で、個人的に最も思い出深いものがこれです。当時泣きながら書きました。今回読み返しては泣き、修正しながらまた泣いた。理解も納得も出来ていても、涙が出てきてしまうことってあるものですね。
思い入れも強かったので、自分比でとても丁寧に書いているな、と読み返してしみじみ。手前味噌と言うよりは、それだけ印象的な出来事だったのですよ。なのでできるだけ当時のままで掲載しようと思ったけど、当時の自分の気持ちを整理するために今回の引退劇について自分なりに考察していた部分はほぼバッサリカットした。今更言っても仕方のないことだから。町田君が自分の道を真っ直ぐ歩いているのならそれで十分、そのはずだもの。
ただ、自分の経済状態が悲惨過ぎて全然プロ?になった町田君を肉眼で見られないのはやっぱり辛い(泣)。手紙やプレゼントを一切受け取らないという方針に関して配慮というよりも拒絶に感じて、余程のことがあったのではないかと心配になると同時に、手紙を書いたことのある身としては嫌な思いをさせたのだろうかと悲しい気持ちにもなってしまい、少し離れて見守った方がいいのかも、と勝手に遠慮してた部分もあったりしたのですけど。でもプリンスアイスワールドに行かれた方から直接話を聞くとやっぱり羨ましくて、何とかして費用を捻出したいと願いつついつも徒労に終わる(泣)。

そう言えばステファンがメダリスト・オン・アイスに出演したのはこれが最後でしたね。ゲストのお前が目立ち過ぎだ、などと当時はツンデレかましてましたが(笑)、今考えると、彼もあの年で最後だとわかっていたからああいうフィナーレの演出になったのかも。憶測でしかないですけど。メダリスト・オン・アイスに出なくなっただけで来日回数は全然減ってないので、ファンとしては嘆く話ではないのでしょうけど、私の経済状態が悪化し過ぎて、今後もう見に行く機会は持てないかもしれないな、と寂しく思う今日この頃であります…。