うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

グランプリシリーズ2018 ヘルシンキ大会 雑感④

いつも読んでくださっている方にはもう言わずもがなかと思われますが、今日の記事は長いです(笑)。長いので前置きなしでさっさと本題に入ります。そんなわけで男子フリーの感想文。お名前の前に★が付いてる方は地上波でも放送のあった選手です。

男子フリー

第1グループ

1:フィリップ・ハリス
ジャンプの内容からすればあまり点は出ないかもしれないが、とても大切にプログラムを滑っている感じがしました。ラストの余韻も素敵。グランプリシリーズはこの大会だけの出場なんですね、またどこかで演技に出会えるといいなあ。


2:ヴァルター・ヴィルタネン
ショートで全然ジャンプが決まらずフリーはどうなることかと思ったが、そこそこまとめてきてホッ。コンビネーションも足りてないし、後半は疲れてきてるのかジャンプのミスなども見えたけど。プログラムは『道』。細かい仕草が色々入ってたり、衣装もシマシマだったり、ちょっとかわいいプログラム。
医者として働きながら選手を続行って、日本じゃ無理に近いレベルの話なんだろうな、たぶん…。


★3:田中刑事
ああああジャンプどうした…。4回転は転倒と抜け、最初のアクセルもすっぽ抜け…。でもすっぽ抜けても美しいな、と思ってたところ、私と同じように感じてたジャッジがいるらしいわ、シングルアクセルでも加点されるのね…。
後半のトリプルアクセルも良かったし、コレオもたいへん面白かったが、うーん、あれだけジャンプにミスが出ると厳しいよな(泣)。衣装込みでよく練られたプログラムに思えるので是非パーフェクトに滑って欲しいなあ。
ウィリアム・テルと言えばステファンのプログラムが傑作だったけど、曲自体が有名なのであまりイメージは引きずらないかな。私の場合は、ですが。


4:アレクセイ・ビチェンコ
あっ、これドラキュラなんだ。ドラキュラ城に住んでる中ボスキャラみたいだよ。「かっこいいから倒したくない」って私がごねるやつだよ←この人は馬鹿です
後半はジャンプがダブルばかりになっていて、疲れてしまったのかもしれない。ただ、絶対転倒しないという気合いは感じた。4回転が跳べるほど調子が戻ってきたらきっとすごくかっこいいプログラムなので、次のビチェンコさんの演技が楽しみです。


5:アレクセイ・クラスノジョン
解説がない…。織田君が6分間練習の解説にも駆り出された場合は第1グループ最後の選手は解説してもらえないらしい(泣)。副音声に切り替えたっけ?ってチャンネルいじっちゃう人がいそう。
演技、素晴らしかったのになー。素人目には大きなミスもなかったし。だからこそ細かいところまで解説聞きたかった、無念。BSになると技術点のカウンターも表示されないし。スケートアメリカはBSでも表示されてた気がするのに。何でなんだろ…。

第2グループ

リンクイン前の羽生君、めちゃくちゃ歌ってる。めーちゃくちゃ歌ってる。もし声出してるとしたら周囲は「うっせ!マジかコイツ!」って呆れるレベルじゃないかなあれ(笑)。
挨拶も完璧に阿修羅だった…。にこりともしないでやんの…。こりゃ今日はいい演技するわ、とゾクゾクする目でしたね…。もうこの阿修羅は帰ってこないかもと思ってたのに、感無量。
ところで生放送の表示がないんですが…。フリーはやってくれんのですか(泣)。ネット見るつもりないので実質生放送だけどさ…。CMなどの隙間を狙ってメモ取りながら観戦してるのでテレビ以外見てる暇なし。


★6:チャ・ジュンファン
うーん、サルコウの転倒だけか、大きなミスは。基本的に安定してる選手だけどあとに続く選手の出来次第になるかなあ、サルコウのミスがどれだけ響くかなあ…。アクセルの前にちょっと構えるのは気になるけど、本来それくらいが普通なんだろうな。どこかの阿修羅が人間離れしとるだけだ…。
しかし難解なプログラム。哲学的なイメージの難解なプログラムを滑る選手は時々いるけど、まったく別の方向に難解です。ジュリエーット!で子供がビクッとしそう…。でもだんだん癖になってきた(笑)。今シーズン最大の話題作であることは間違いあるまい…。


7:アンドレイ・ラズキン
真央ちゃんも使ってた『鐘』のメロディ、ピアノの演奏で何だかすごく芸術的。男子が滑るとまた味わいが違いますね。プログラム自体は私は結構好きだなと思ったので、是非もっと高い完成度で滑って欲しい、見たい。キスクラのミーシンの存在感…。


8:ミハイル・コリヤダ
スケーティングがとても美しく、そこを見ているだけでも楽しいのだが、ジャンプのミスが…。冒頭の4回転は2回とも転倒してしまった。4回転ルッツを外したら安定するかと思ったのだが、なかなか難しいもんだなあ…。
闘牛士って言うかロシアの貴族みたいで衣装は素敵。ショートは今シーズンのロシアの男子の流行りなのか、謎のモード衣装だったし…。シンプルな方がやっぱり動きやすいのかしら。


★9:ボーヤン・ジン
あああジャンプ、転倒が3回?最初のルッツはものすごい高さだったけど壁ギリギリだったし、意地でコンビネーションにしたように見えたジャンプも壁ギリギリだったような。リンクが狭いのか、それともボーヤンにとってだけ狭いのか?
どうも世界選手権からこのかた、ジャンプが噛み合っていないように感じる。北京までに合ってくればいい、長い目で見たい。
ラストがコレオ。うおお、この終わり方はかっこいいな。かわいいボーヤンから脱却しようとしているのね、これからが楽しみである。


★10:羽生結弦
とりあえず最初に叫んどいていい?いい?
「生放送でやれえええええええええええええええええええ!!!」
生放送だと緊張のし過ぎで私の脳が機能停止しかねないので、社会に迷惑をかけないようにというご配慮だったのかもしれませんが、太く短く生きるのでかまわねえよバカヤロー←ちぎれそうなくらい細い人生ですが瞬間的に太くします←どうやって

ちょっと待って何これ。何これどういうこと。演技の予定表で確かにさらっとチェックはしてたけどさ。してたけどさ。してたけど!
2回転ジャンプが消滅しとるやんけ。1本もないやんけ。その代わり4回転トゥループトリプルアクセルのシークエンスって、ごめんちょっと意味わからない。セカンドにトリプルアクセル、きっとみんな遊びで試してみたことくらいはあるだろうが、誰が試合で入れようとか思うんだよ。っていたよここに。阿修羅がいたよおおおおおおおおおおおあああああああああああああ←エコー

まず冒頭のループ。回転不足にはなったが4回転だからな…。サルコウは問題ない。昔はあんなに転倒していたサルコウはすっかり彼の支配下に置かれてしまったのだな。3回転ループも問題なし。
4回転トゥループの単独も回転不足だったが、何度も言うが4回転の回転不足ですからね。回転が足りなくなっても絶対に転倒しない、という強い意思みたいなものを感じました。ミスへの減点がえげつないからな、新しいルール…。

そして問題のジャンプシークエンス。4回転トゥループはわかるけど、誰がその直後にトリプルアクセルを跳ぼうなんて思うのだ。連続ジャンプとして跳ぶということは助走なしでトリプルアクセルを跳ぶということだぞ。羽生君が軽々跳んでるので忘れがちだが、男子でも実際にはミスの出やすいジャンプなのに。めちゃくちゃ構えてから慎重に跳ぶ選手も結構いるくらいなのに。
敬意を込めて「ジャンプの変態」と呼ばせていただいておりますが、これ過去最強レベルの変態。座席で言えばアリーナ最前列中央←まったく伝わらないたとえ
トゥループがセカンドに繋がらないジャンプに思えて、単独になってしまうかと一瞬焦ったが、それでもトリプルアクセル跳んだよこの人…。しかも無理矢理だったけど着氷させたよ。これは羽生君以外にはたぶん無理。何せこれ競技のプログラムの緊張感の中でのことですよ、お試しで跳んでるわけじゃないからな…。

ついでに言うと最後の3本が全部コンビネーションっていうのも普通にヤバい。だって失敗したらリカバリーができない。絶対に失敗できない上に、1本は意味不明レベルのシークエンスで最後にトリプルアクセルのコンビネーション。最後ですよ。みんな最後はダブルアクセルとかだったじゃないですか男子でも…。
フリップはいつも前半に単独で入れてたからそんなに得意じゃないかもしれないのに、後半にコンビネーションでぶっこんできた。怪我の影響かルッツをまだ封印しているのでこうするしかないのだろうが。

こうして羽生結弦のプログラムからダブルジャンプは消えてしまいましたとさ…。ルールの裏をかくというか、減点になるルールを逆に利用してさらに難易度上げちゃうとかどんだけ…。セカンドジャンプにトリプルループを入れるよりトリプルアクセルを選ぶとかどんだけ…。まさかとは思うがアクセル跳ぶ方が簡単とか言うんじゃ←まさかも何も大いにありうる

オータムクラシックの演技とは別物に近かったと思う。オトナルの方は、ちょっと炎が消えてるくらいの方が傾国的な美しさが出たかもしれないが、オリジンは彼の阿修羅の炎が最大限に燃えなければ完成しないプログラムなのだと、見てる方にも、もしかしたら本人にもよくわかったのでは。
楽しんで滑るはずがとんでもないプログラム作っちゃったね羽生君。これはプルシェンコからの挑戦であり、羽生君に「第一人者としてまだまだ到達するべき場所が残ってるぞ」という彼からのエールでもあるかもしれない。春のアイスショープルシェンコが羽生君に言った言葉、あれはリップサービスでも何でもなく「プルシェンコに見えた未来」なんだと確信するに至った…。本当に、なんと面白い選手なんだろう。正直今、どんなフィクションよりも羽生結弦が面白い。これ以上刺激的なストーリーがほかにありません。

前にも書いたけど私は今回羽生君が使ってる『Art on Ice』という曲が本当に好きで、CDも買って本当に呆れるほど聞き込んでいるんですよ。この曲で羽生君が滑る日が来るなんて、と狂喜したんですけど、オータムクラシックの時は少し違和感があったんですよね。滑り込んでいくうちに消えていく違和感だろうとは思いましたが、まさかの次の試合で完璧に消えましたよ…。演技の完成度自体はこれからもっと上がるだろうし、演技から溢れ出ていた「圧倒的な絶対感」みたいなものに打ちのめされたいと心底思う。その日が楽しみでたまらない。オリンピックの魔物の正体、フィギュアスケートの深奥に棲む魔王はまだ指先しか姿を見せていない気がする。

それでも凄まじい点が出る。得点の更新は若い選手に任せるなんて言ってたくせに、いざ自分より上に誰かの名前があるのやっぱり嫌だったんだな(笑)。さりげなく織田君にも越されたのたぶん悔しかったんじゃないのかな、織田君の目の前で更新してやった!ってめっちゃSの顔で笑ってそうだよ←死ぬほど簡単に想像できるところが羽生結弦だと思います
傾向を分析して一点でも多くもぎ取ろうとする、ただ熱いだけでもただ上手いだけでもない、冷静な羽生結弦の姿を久しぶりに見られて私はとても嬉しい。勝手な感想に過ぎないのですが本当に嬉しいです。
しかし、羽生君のステップはどうやったらレベル4になるのだろう。最初から3狙いなら別にいいんだけど、ステップってそもそもレベル4判定あんまり見ないような。こんな諸刃の剣のようなプログラム、転倒なく滑り切るだけでも大変なことで、少しくらい綻びが出ても文句がつけられないのだけれども、本人は全部パーフェクトにしたいってきっと思っているのだろうな。


★11:ミハル・ブレジナ
サルコウがああサルコウがああ決まったああああ(涙)。でもアクセルは転倒、しかもザヤックもあったのか。ミスはあったものの、一体どうして今シーズンこんなに安定したの、と聞きたくなるくらいミハルのいい演技が続いている。コレオめっちゃ好きだし。どんなに上手くてもジャンプが決まらなければ点は出ないから、ジャンプのミスさえなければミハルの良さが全開になるというこの単純な答え…!
ファイナル出られたらいいな、2011年以来ってどんだけぶりよ。出場が決まればそこそこ長くスケートを見ているファンは号泣必至なので、この先の大会の結果をドキドキしながら待ちたい。


羽生君のインタビュー。グランプリシリーズ初戦にやっと勝てたって本人が言ってくれたわ(笑)。今年も何だかんだとあのジンクスが健在かと思いきや、ついに破られる日が来るとは…。
第何章かはわからないが、羽生結弦物語がまだ続いていくこと、新しい章の扉がおもいっきり勢いよく開いたことを感じさせる初戦の勝利だった気がする。リミッターが外れた羽生君はもっと強いかもしれない、いやたぶんもっと強い、で間違いない。
世界初の成功にもっと喜んでくださいって修造言ってるし(笑)。あー、この満足しない羽生君が帰ってきてくれるとは。ロステレコムが今から楽しみです。息が止まらないように頑張って生き残ります←もはや応援ではなくサバイバル


やばー、なんなのこの長さ(笑)。これでも抑えた方ですよ(笑)。2回に分けようかとも思いましたが流れが切れるのでこのまま載せます。ではでは、明日もエキシビションの感想文でお会いしましょう。でもってどうせ長いから(笑)。


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