スケートカナダの記事は本日で最終回。エキシビション後半の感想です。今回も例のごとく長いので(笑)早速どうぞ。
エキシビション②
13:エラッジ・バルデ
ゲストスケーターもきっちり放送してくれるのね。カナダの大会ですもんな、バルデさんがいないとな。バックフリップ2連発だし客の盛り上げ方も上手いしさすが。わざわざゲストとして呼ばれる理由もきっとみんなわかったんじゃなかろうか。
14:アレクサ・シメカ・クニエリム&クリス・クニエリム
腕の中で幸せそうに笑うアレクサさんの表情にきゅっとつかまれてしまうね…。寄り添い合うようなとても優しい演技で、ペアのダイナミックさももちろんあるんだけどそれ以上にその優しい空気がたまらなく素敵だった。ほかのペアにはなかなか無いものなので。
15:ガブリエル・デールマン
なかなか調子が戻ってこないようで心配ですけど、このエキシビションはパワフルなボーカルが彼女の滑りにマッチして、いいプログラムになってるように思いました。ジョニーの得意なやつ、ズサーッも入ってる。何て言う技なんでしょうね、ズサーッじゃどうかといつも思ってるんですけど(笑)。
16:マッテオ・リッツォ
どうして男子は衣装が普段着気味なのか…。でもシンプルだからこそ、動きのキレや美しさがよく分かる。とても見所の多い、個性的で濃密なプログラムだったのでは。あっという間に終わっちゃったのでもう一回見たい。
17:ライラ・フィアー&ルイス・ギブソン
これ昨シーズンに滑ってたやつだよね?フリーダンスで。NHK杯でも見たけど最高だった。今回もまったく目を離せずガン見してしまいました。ノリノリかつスムーズで最高!スケートに詳しくなくても楽しく見られるプログラムで、ぜひぜひ見て欲しいオススメのナンバーですな。
18:紀平梨花
ゴージャスな衣装ですね、物語の世界のお姫様みたい。アラビアンナイト的な。腕の使い方がとても面白くて印象的なプログラムで、それはスピンにも表れててじっくり見ちゃいました。今シーズンはエキゾチック系がお気に入りなのかな、確かに似合うかも。
インタビューからすると、ステファンの振付なのこれ?じゃああの印象的な腕の使い方は納得だわ…。
19:カーステン・ムーア=タワーズ&マイケル・マリナロ
ピタッと倒立姿勢で振り回されてるリフトに目を剥いて、足の先を持って身体を伸ばすぶん回しリフトの体勢にまたもや目を剥いて…。これは会場で見てる人盛り上がったろうなあ。二人の表情もとっても良かったです。演技ものびのびしてた。
20:エフゲニア・メドベージェワ
思わず真剣に見てしまいましたね。解説も黙っちゃってましたけど、本当に引き込まれてしまった。この文学的な薫りとぶれない芯みたいなものがたまらない…。熟成期の旨味みたいなものが演技に出てきていると思う。ショートの出遅れがなければ今大会も表彰台だった可能性は高かったんじゃないかな…。
21:マディソン・ハベル&ザッカリー・ドノヒュー
ドノヒューさん振付のプログラムだそうだが、どこで目を離したらいいのかわからないプログラムでじっと見てしまった。情報量が多くて1回見ただけじゃついていけない!もっかい見たい!スケートアメリカのエキシビションで寝てたのが悔やまれる(泣)。
22:ナム・ニューエン
ナム君全開。超ノリッノリ。本当に久しぶりの表彰台でしたもんね、ナム君の嬉しい、楽しい!って気持ちがめちゃくちゃいっぱい溢れてた。地元の選手だし、お客さんも嬉しかったんじゃないかな。バルデさんと共演して欲しいぞ、このキレキレぶり(笑)。
23:アレクサンドラ・トゥルソワ
衣装が左右で白黒に分かれているのだけど、髪の毛まで白黒に染めて分けてる。すんごいこだわりよう。
トゥルソワの身体能力を見せつけるプログラム。頭が氷についてるんじゃないかというくらい反ってるクリムキンイーグルも凄いが、佐野先生の解説してたスプレッドフリップが気になる。何十年ぶりに見たとかおっしゃってるぞ。今度トゥルソワがエキシビション滑る時は注目しとこう。
24:アレクサンドラ・ボイコワ&ドミトリー・コズロフスキー
スロージャンプが素晴らしい。高さ、幅、着氷姿勢の美しさ。ボイコワさんが美しいポジションのスピンを回り続けてる間にコズロフスキーさんがバタフライを繰り返す振付も面白い。もう圧倒的だったのですが、ラストの方でちょっと転んじゃったのはご愛敬ですね。
25:羽生結弦
事前情報ある状態で良かったよ…。もし生放送だったらこのブログはたぶん霊界からお届けする羽目になってたと思います…。
そうである、今回のエキシビションプログラムはまさかの『パリの散歩道』だった。思い出す、いつぞやの国別のエキシビション。羽生君のエキシビションの中でも特に強烈に印象に残っている。あれはちょっと尋常じゃない出来だった。今大会の調子のよさからも、あの時の再来、いやそれ以上のものが見られるのではないかと期待と動悸が止まらない。
しかも、24歳という年齢になって、改めて演じられるパリの散歩道。少年を大人にしようという目論見が垣間見えたあのプログラムを、もうすぐ25歳になろうとする羽生結弦が滑るのだ。それは、我々の知っているようで知らないパリの散歩道になるであろうことを明白に物語る。
エキシビションの放送前にこれだけ落ち着かない気持ちになったのは過去に無いんじゃなかろうか…。思わずアクティブK介さんが柚子酒キットカットを片手にポーズを決める例の画像を眺めて心を落ち着ける私。詳しくは今年のオータムクラシックの記事をご覧ください…。
アクティブK介さんこと柴田恵介さんとは高知県の自然&体験レポーターさんなんですけど、イベントや映像で高知のPRを行っておられるので、ご旅行を企画された際などは是非チェックしてみてくださいませ。どうせならイケメンがPRしてる方がいいでしょ(笑)。ちなみに私は大ファンです…。彼を見てるとホッとするんです…。ええ、秘密ですけどね←隠してないし
…もしかして本人にこのブログのあれとかそれとかバレてるんじゃないかとヒヤッヒヤしてますけどね…。いやたぶん気のせい、私の目にはファンフィルターでそう見えるってだけの話でたまたまのはず…。うん…。もちろん悪意のあることは決して書いてないけど、は、恥ずかしいじゃないですか(泣)。
とにかく(汗)、何とか正気を保とうと努力だけはして放送を迎える。光沢のある、襟のついた青いシャツ。黒いパンツに黒のベルト。羽生結弦と言えばこの衣装を思い出す人も多いだろう。ソチオリンピックで3桁を超える得点を叩き出し、羽生結弦を金メダルへと導いた、彼を語る上では欠かせないプログラム。ジェフリー・バトル振付、パリの散歩道。
初めてこのプログラムを滑る彼を目にした頃、彼はまだ17歳だったはずだ。あどけなさの残る少年に振り付けるには、随分と擦れたプログラムだった。しかし不思議と、プログラムが年相応ではない、という感じはなかった。それは彼の、現代の若者にはなかなか見ない程の気の強さと自信、演じることへのてらいのなさによるものだったのではないかと思う。
時に少女のように、この世のものではないかのように儚い羽生結弦の、正反対の魅力が、この燃える炎のような気の強さだ。スポーツ選手としての彼が最も強く出ているであろう一面で、勝利を冷静にシミュレートしつつも、絶対に負けない、自分がいちばん強いという信念と炎が、彼の内には常に燃えている。実は、私がいちばん好きな羽生結弦は、たぶんそれだ。
その羽生結弦が表に出てくる時には、リンクは時にライブ会場と化すのである。これだけ若く、美しく、それでいてカリスマ性に溢れ、容赦なく我々をひれ伏させる人材は、平成から令和にかけての今は、彼くらいしかいないのではないか。圧倒的な存在に酔いしれ、思考も現実も麻痺させてしまいたい。そんな我々がもしかすると本能的に抱く欲求に、これ以上過不足なく答えてくれる人物はそうそう見つからないだろう。
『パリの散歩道』に溢れ出る「俺様感」は、羽生結弦という絶対的存在に酔いしれたい我々の要求を完璧に満たすのだ。彼が久しぶりに圧勝したこのスケートカナダでこそ披露されるべきプログラムだったと言ってしまってもいいかもしれない。
幾度となく聞いたあのメロディが暗いリンクに響く。あまりにも鮮やかな4回転に思わず声が出てしまう。羽生結弦の代名詞、トリプルアクセル。「カウンターからのトリプルアクセル!久しぶりに言いました」と叫ぶ佐野先生に思わず吹き出してしまいましたが(笑)。
ルッツのコンビネーションもものすごいキレ。実は羽生君のルッツがひっそり好きだったりする。羽生君の場合は成功するイメージのあまりないジャンプでもあるのだが、決まった時はナイフのように切れ味がいい。トリプルアクセルとはまた違った必殺技感があり、それは彼の4回転ルッツに非常によく表れている。
ステップやスピンも含め、競技で滑った構成をそのまま演じているのだろう。そのままのはずなのだが、少年の軽やかさが減った代わりに重厚感が増している。いや、余裕とでも言うべきか。ベルトをクイッと上げる仕草も、特徴的な肩の動かし方も、髪をかきあげる両手も、久しぶりに見た変形イーグルも、彼がもう少年ではなく、青年としての魅力を存分に味わえる年齢となったことを物語っていた。
少年から青年への移行期、というある種特殊な時代に主に演じられていたこのプログラム。移行期特有の危険な妖しさ、独特のアンバランスさもとても魅力的で、羽生結弦という人のそれは普通の少年のそれではなかったことを記憶している人は多いに違いない。あの羽生結弦が、おそらく氷上だけとは言え、これだけ「悪い男」になれるのだと、それだけの時が経ったのだと、その時を彼がどれだけ濃密に生きたのかと、そんな様々がギターの音色とともに我々の思考を奪っていく。振り付けたジェフが思い描いていた完成形が、ここに生まれたのかもしれない。
最初から最後までずっと変な声を出しながら見ていた。国別の時にも思ったが、一体今回のこのプログラムは何点を叩き出すのか。エキシビションの照明の中でこれだけの質と迫力で滑ったのだ。加点5が並びまくっても、いや、この構成で出せる本当のマックスの点が出てもおかしくない…。
4回転を1本入れた構成で決して易しいプログラムではないはずだが、それをこうも軽々と、朝飯前とでも言わんばかりに滑ってしまう。もう、彼はこのプログラムをこれだけ軽々と滑れるほど進化しているのだ。一体、羽生結弦の天井はどこにあるのだろう。羽生結弦の恐ろしさに、久しぶりに震撼した。これだから彼のファンはやめられない。あと、単純に羽生君の俺様プログラムが大好きなのでちょうたのしかったです←脳細胞全滅
26:パイパー・ギレス&ポール・ポワリエ
時に悩みながら、争いながら、でも笑顔で。人間が二人いることで初めて生まれる物語。カップル競技だからこそ出せる世界。ダイナミックさとスピード感と優しさ。素晴らしい演技でエキシビションを締めくくってくれたと思います。初優勝の喜びみたいなものも滲んでたかも。
選曲もとても素敵。昨シーズンも滑ってたっけ?衣装に見覚えがあるような。
時間随分余るんだけど振り返り入れるかな、と思っていたらやっぱり入った。紀平さんと羽生君のショートとフリー。二人とも今回は全部いい演技だったし、振り返りも見応えがありますね。まあ表彰式垂れ流してくれても良かったけどな。
羽生君も出るしできるだけノーカットで対応できるよう3時間枠を取ったけど、思ったよりずっと短かったのね、きっと。
★フィナーレ
ナム君がリンクの中央でノリノリ踊ってる。なんか問題が起きたのか?ベイカーさんがあの衣装で(笑)登場。カナダ陣によるコント(笑)からの全スケーターによるダンス。やっぱりバルデさんの振付なのかな?
ナム君とベイカーさんは2グループに分かれたスケーターの先導役っぽい。こういう複数のスケーターが同時に踊ってる時に、アイスダンサーの踊りのうまさがよく分かるのですけど、今回はポワリエさんに釘付けでございました。あと3人くらいの男子に持ち上げられてるカムデン君笑った(笑)。
グランプリシリーズ初戦からゴールドメダリストとしてフィナーレを滑る羽生君を見られるとかもう胸がいっぱい(涙)。羽生君にこれ言うのもどうかと思うけど、続けてきて、克服できて良かったな、と心底思ってしまった。少年だった頃のその衣装でまた現れるんだもの、もういろんなこと思い出しちゃってダメだよ。いかんね、きっともう死期が近いわ…←残念ながら手相鑑定によると2023年までは生きてる←めっちゃ当たるんだよその手相…
ポワリエさんと拍手しあいながらお辞儀してるのなんだったんだろ(笑)。
アンコールなどもなく、随分シンプルな構成のエキシビションだったみたいですね。聞く話によると、スケートアメリカのエキシビションはショーらしくとても賑やかだったみたいなので。でも演技が堪能できるなら何でもいいかな。
以上でございます。長い長い記事にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。記事が渋滞しているのと(ジュニアの大会の記事もまだ載せ切れてない…)私がブログ以外も頑張りたくてわらわらしているため、掲載は後ろ倒しになっていくかと思いますが、のんびりゆったり読んでいただければ幸いです。
「うさぎパイナップルnote分室」を開設しました。フィギュアスケート以外の話題は2018年9月よりこちらに集約させております。心の叫びや日々の呟き、小説から趣味の話、フィギュアスケートの話も時々、要するに何でもあり。週1、2回のペースで更新中なので、お気軽に遊びに来てくださいね。
note.mu