うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

ただひたすらな壁の思い出② ~離れたいのに離れられない~

スケートリンクデビュー顛末記第2回です。筆者は運動神経が壊滅的であり、必死過ぎて曖昧にしか残らなかった記憶を必死で繋ぎ合わせた曖昧な記録である、ということを念頭に置いた上で、さらっと流して読んでいただければ幸いです(泣)。
ではでは、続きをどうぞ。

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さあ、靴も履けたからいよいよリンクへ、と勇んで立ち上がろうとして気付く。立てない!この靴立てないいいいい!
細い刃の上に立つことが日常生活で基本無いので、バランスが取れない。陸上で既に立てないのに氷の上になんて立てるわけがないのでは、とたいへん不安になりましたが、ここまで来ちゃったからにはチャレンジするしかあるまい、とよろよろと更衣室を出てリンクへ向かう。
ぎゃふあっ、階段があるんですけどおおお!バランス取れなさすぎて怖くて上れねええええ!しょうがないので手をつきながらどうにかこうにか上った。ええもう既によれよれです…。

リンクサイドに設けられた、最前列のひとつ後ろの席にアイスショーで座った時が、最もリンクに近付いた経験だっただろうか。それはもちろん氷の上ではなかったので、これが本当に生まれて初めて氷上に立ってみる経験です。せいぜい薄く氷の張った水溜まりを蹴破ったことがあるくらいで、本当に初めてです。

一歩踏み出すなり叫ぶ私。
「滑る!滑るよ!滑るんだけどおおおお!」
当たり前だよ!
氷ですからねえ、とたいへん冷静な友達。友達は本格的に滑っていたので、その辺りの素人とは比較にならないくらい上手いのである。

リンクを囲む壁を必死で掴むその足元は、真っ直ぐ立つことすらできずにぐるぐる回ってしまう。滑るどころか立てません!壁からちょっとでも離れたら速攻転ぶだろこれ!!!
とりあえず、氷の上を歩いてみてくれと教えられる。足の先をハの字になるように開いて、三輪車や自転車を漕ぐような感覚で足を交互に前に出してみろ、って言ってたかな、うろ覚え。何せもう転ばないように必死でしたし(泣)。いっそ転んでもいいくらいの勢いの方が覚えが早いよ、とも言ってた気がするが、もう若くないのでそんな勢いありません!!!←泣

とにかくつるつる滑ってしまって、その「歩く」という感覚がわからない。スタート地点から亀のようにしか動けない私を、若いお嬢さんやカップルがすいすいと追い越していく…。あの人たちは何で壁から離れてもまともに動けているんだろう←前途多難

リンクの端の方まで来ると、あまり人が滑っていないのでさらにつるつる滑ってしまう。必死で自転車を漕ぐような感覚を掴もうとするのだけど、壁から一瞬も手を離せない。こんなに壁のことを信頼したのはたぶん人生初だよ!壁!壁私を見捨てないで!←意味不明
足元がバランスを崩す度に変な汗が出てくる。滑る前はあんなに冷気がすごいやなんて思ってたのに、変な汗が吹き出してくるからぜんっぜん寒くないです!←涙目


超初心者ぶりをさらしまくって哀れにへろへろ壁に張りつきながら移動していると、たいへん上手な方が声をかけてくださった。コツを教えてくださる、ありがたい。左右の腕でバランスを取って、ペンギンのように歩いてみたらいい、とおっしゃっていたかな。壁に掴まったままだと逆にバランスが取りづらいとも言われてたような。
とは言われても、壁から手を離すなんて考えられもしない私。それでも、ちょっとずつちょっとずつ、壁のそばから一歩も離れられないにしろ、手を離して歩き始めてみた。そのまま1、2周するとコツが掴めてくるそうだ。気が遠くなりそうな話だったが、とりあえず壁の周りをぐるぐる歩き続ける。

ほかにも上手な方が、立ち上がり方なども教えてくださった。私は床の上でも足の力だけで立てないことも多いのに、無理じゃないのかなあ、と不安だったのだが、何度か繰り返してやっと言われた通りに立てました。ああ、壁から手を離して!手を離して立ってるよ私!一瞬だったけど(笑)。

上手な方が次々と現れて(笑)、今度は腰を落として足をハの字に開き、腕を前に出したらいいと教えられた、はず。前に重心をかけていたら転びにくくなるって話だったっけな。この頃には少しずつ壁から手を離せるようになっていたのだけど、やはり壁のそばで言われた通りを心がけてみる。やっぱり歩くようにして、そのまま1、2周してみるとだんだん掴めてくるらしい。さっきの方も同じようなこと言ってたっけな。そうこうしてるうちに滑る感覚がわかってくるとか何とか…。

亀のようにしか動けなかった段階を思い返すと、明らかにまともに歩けるようになってきた。気を抜くとすぐツルッと滑ってしまいそうになるので壁のそばからはやっぱり離れられないのだけど、手を離したまま進めるようにはなってきました。何となく、何となく感覚が掴めてきたような…。あともう少しで、歩いてる状態から滑ってる状態に移行できそうな気がする…!


さあ、筆者は壁から離れて生きていけるのでしょうか?次回いよいよ最終回!予めばらしてしまいますが、期待しない方がいいですぜ!←血の涙




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