うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい(物書き始めました2018・生活の糧と居場所募集中)

グランプリファイナル2015雑感⑧

今更綴る過去の大会シリーズ。伝説の2015年のグランプリファイナルについて粛々と綴り続けております。
ついにクライマックスの男子フリーです。フィギュアスケートファンが震えた、あの大記録が作られた瞬間です。当時何度も何度も報道されましたが、改めて見直してもちっとも色褪せませんでした。てなわけで、いつもよりは短いですがちょこっとだけ長めの(笑)記事となっております。最後までお付き合いいただければとても嬉しいです。

男子フリー

1:パトリック・チャン
スケーティングが抜群に上手い人のピアノ曲は最高である。情熱的なその音が美しい滑りにまとわりつくように氷の上をこぼれていって本当に最高…。パトリックレベルの選手はなかなかいないので本当にいいものを見た喜びでボーッとしてます今…。ゴメン細かいとこ採点表でチェックする。でもミスのない素晴らしい演技だったのはよっくわかった…。
てなわけで採点表を確認。マイナスひとつもねえー。4回転1本しか入ってないからこの点だけど、3本くらい入ってたらどんなことに…。そうでなくとも、ショートのジャンプの重複やスピンのノーカンがなければ表彰台だったかもしれんなあ。


2:村上大介
あああああ!このプログラム好きだったなあ、アニバーサリー。YOSHIKIの曲だったよね?とても華やかで派手すぎず、静かに穏やかに、でも力強く心を鼓舞する曲で、フィギュアスケートにはとても合うんじゃないかな。よく見つけてきたなと思ったよ。ほかにも滑ってた人いたかもしれないけど。ピアノの音に合わせた最初のスピンがすっごく印象的。
序盤でジャンプのミスが続き、転倒も1本あったけど、笑顔で滑ってるダイス見てると爽やかな気持ちになれたよね…。


3:宇野昌磨
懐かしの緑のトゥーランドット。すっっばらしい演技でした、本人も納得のガッツポーズ。ミスらしいミスもなければ、17歳の少年だということを完全に忘れてしまう堂々とした滑り。平昌のメダリストになる運命は決まってたんだな、と感じさせてくれる。昌磨君はこの異次元のメンタルが魅力。正確なスピンもいつも安心して見られる。
客席でポジェとケイトリンさんとストルボワさんも拍手してますね。


4:ボーヤン・ジン
このプログラムも懐かしいなあ。ジャンプの高さに唸ってしまうし、その高さや迫力を引き立てる選曲だと思う、勇壮なイメージで。そうそう、4回転ルッツのある意味先駆者だったもんねえ。今はみんなガンガン跳んでるけども。たった数年で世界は変わった…。
演技としては多少大雑把な印象もあるし表情も固かったように見えたけど、この若い時期しか出せない怖いもの知らずのパワーみたいなのも今見ると捨てがたいなあ。
待機中の昌磨君が眠そうで笑いが起きてる(笑)。ボーヤンとも手を振りあっててかわいい(笑)。


5:ハビエル・フェルナンデス
いやー、ハビエルの世界でしたねえ。ジャンプの着氷が少し乱れた程度で、それ以外は素晴らしい。腕の表現が非常に上手くて、少々のことなんて気にならなくなるんですよ。まるでショーかと思うくらい楽しくて粋な振付なのに、競技として抑えるところは当然きっちり抑えてる、それをそうとは感じさせない達者なスケート。何よりこの明るさが魅力ですよねえ。
昌磨君が眠そう…(笑)。


6:羽生結弦
このグランプリファイナルは、いずれ語り継がれるであろう羽生結弦伝説の中に必ず含まれるに違いないエピソードである。2週間ほど前に打ち立てたばかりの、世界で初めて公式に300点を超えるという偉大な新記録を、更に更新してしまった伝説の大会。伝説のSEIMEI。

軽やかな身のこなし、竹林を駆け抜けるようなスピード感。クールな仮面の下から熱さが滴り落ちる、少年のような陰陽師。まるで二次元の世界から抜け出してきたようだという表現は、このファイナルでのSEIMEIがいちばんしっくり来るかもしれない。よく計算された、計算され尽くした映画のように正確無比で硬質なイメージがあるのだ。バーチャルリアリティーとでも呼べばいいのだろうか。

ジャンプが本当に高くて軽い。とにかく余計な力みが少なく、無理がないのである。GOE満点を叩き出したジャンプが3本。
さすがに大人の身体になってしまうと難しいのか近年は見ないが、男子ではあまり演技に取り入れる選手のいないビールマンスピンはやはり非常に映えて見せ場になる。そこからステップに入る前の、音の糸をその手に集めて引き結ぶような振付といい、どこを切り取っても絵になる。彼の身体から音が鳴るように、その音すらも陰陽師の力の一部であるかのように感じるほどの、完璧な音楽との調和。

すべてが噛み合ったノーミスの羽生結弦。滅多に我々の前に姿を現さないそれは、こんなにも絶品でこんなにも強烈なのだと、4年の月日を越えてもなお我々に見せつけてくるようだ。

特撮ヒーローに憧れて、変身したい、悪い奴をやっつけてカッコ良く活躍したい、と憧れた人は多いだろう。羽生結弦のSEIMEIに我々が高揚し興奮するのはそれと同じ感覚かもしれない。ごく普通の青年が、氷上ではこんなにも華麗に、冷徹に、無敵になる。スポーツでありながら芸術でもあるフィギュアスケートならではの物語性と高揚感。まったく新しい形の21世紀のヒーロー像。
フィギュアスケートという競技自体は長い歴史があるけれど、男子選手が現実と非現実の両方に跨がってでもいるかのようなスーパーヒーローとして老若男女の憧れを一身に集めることなど、少なくともこの日本の歴史においては無かったのではないか。

キスクラで涙を流す羽生君。NHK杯での驚異的な記録に対して、もうこれ以上できないと思ってたんだっけ。自分で打ち立てた偉大な記録は、喜びと共に最大の敵ともなりうる。それを超えることを求められながら、もう一生超えられないかもしれない記録。
それをたった2週間で彼は超えてしまった。ちょうど彼の身体の調子や様々な調整、精神状態のバランスなどがすべて噛み合ったのだろうけど、この短期間で超える結果となったのは、今後も長く競技を続けて欲しいという天からの願いでもあったのかもしれない。
我々には想像もつかないプレッシャーだったはずである。もう一生超えられないかもしれない記録というプレッシャーから、一瞬かもしれないけれど解放されて、本当に安心したのだろう。すべてを手に入れて満足してしまっていいはずの羽生君にとってフィギュアスケートが、勝利がどれだけ重要かということ、そして阿修羅のようなオーラの中にある繊細さとをその涙に感じて、何度見てももらい泣きしてしまう。

伝説の瞬間に立ち会った観客は、どうかこの光景を忘れないでいて欲しい。そんなことを願ってしまった。今更だけど、願ってしまう。羽生結弦という、この閉塞した時代に神が遣わせた美しい青年の物語を、遠い未来の人類にも伝えていくために。


勝利者インタビューも流してくれる。あったあった、こういうこと言ってた(笑)。字幕出ないから全部はわかんないけど(汗)。あーあ、もっと英語勉強しときゃ良かったよねえ。

表彰式もしっかりと。そうだったそうだった、これ結婚式表彰台だ(笑)。昌磨君が腰じゃなくて羽生君の腕に手を回しちゃうやつ。結婚式じゃないからって羽生君がつっこむやつ。めちゃくちゃ可愛いの。口の動きから何言ってるのか分析してた番組とかあったよね当時(笑)。
順位は入れ替わるけど、平昌の表彰台と同じメンバー。3人とも確実にライバルではあるけど、なんかほのぼのしてて本当に幸せな気持ちになる表彰台。フィギュアスケートのこういう感じが私は本当に大好き。いや、バッチバチしてる表彰台もありましたけど。ソルトレイクとか(笑)。あれはあれで大好き(笑)。


はー、過去の大会とは思えないくらい満喫してしまいました。見ごたえあったわー。結果全部知ってるのにね。何でだろうね。

以上で競技はすべて終了。残すはエキシビションのみです。あと少しだけ、今更綴るグランプリファイナルの記事にお付き合いくださいませ。



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