いまさら淡々と掲載し続ける世界選手権の感想。本日はド深夜に行われた女子フリーの後半グループについて。前半グループはちょっと意識飛んでたけど、後半は眠くなってる暇がありませんでした、あわあわしすぎて…。
てなわけで、早速感想の続きをどうぞ。
女子フリー②
第3グループ
13:アレクサンドラ・トゥルソワ
あわわわわ…。あわわわわわわ…。
いきなりの4回転フリップに白目を剥いていたら、転倒したものの4回転サルコウ、さらに4回転ルッツのコンビネーション。しかもタノ。転倒したものの再び4回転ルッツ、極めつけに4回転トゥループのコンビネーション。もはやトリプルジャンプは息をしているようにしか見えない…。
コレオシークエンスで垣間見える脚の筋肉は、あれが4回転を支えているんだとよくわかって感心の一言でした。並大抵の鍛え方ではなさそう…。
技術点は驚異の88点。転倒や回転不足が無ければどこまでいったのか。同じような構成やれるのネイサンくらい?ネイサンはアクセルをトリプルにできるからまったく対等とはいかないかもしれないが、ネイサンと対決して欲しくなる…。そりゃ暫定1位だろう、当分1位に君臨すると思う…。
曲がロミオとジュリエットなのを終盤まで完璧に忘れてました。BGM化ですらなかった。あんぐりしすぎて存在を忘れてた…。
14:Olga MIKUTINA(オルガ・ミクティナ)
ジャンプがとても綺麗ですね、成功すると高い加点がもらえるのも納得です。ステップとスピンも全部レベル4で、私は初めて知った選手なんですけど、こんな選手もいたんだ!って嬉しい発見です。ミスの少ない演技で、いい出来でしたね。アクセルのパンクくらい?衣装も可愛い。
15:ルナ・ヘンドリクス
いやー、最高の演技でした!!滑りが非常に滑らかで、そこから跳ぶジャンプは美しいの一言なのに、それを全部きっちり成功させたうえ、スピンやステップも見ごたえたっぷり。曲の変化もこぼさない演技力もある。
あー、いいもの見た。見せてもらった!!!なのに技術点カウンターが沈黙していらっしゃったので、いちいち加点がチェックできなかったよきいい。演技に集中できるのでこれはこれで良かったのかもしれないですけど。
すげえ、200点超え!!すごい好みのスケーターなので私も嬉しい!!
16:Madeline SHIZAS(マデリン・シーザス)
シニア2戦目…?ショートめっちゃ堂々としてたよね??!!
フリーはパンクなどジャンプにミスが出ていて、ショートのようにはいかなかったかもですが、スピードもあって伸びやかな滑りで、今後も活躍していきそうな予感を抱かせましたね。
曲はシェルブールの雨傘でめちゃくちゃ切ないんだけど、演技からあまり切なさは感じなくて、衣装も可愛らしい印象でしたね。
17:Haein LEE(イ・へイン)
ブラックスワン。ショートのアヴェ・マリアのようなせわしなさがなく、しっくりくるプログラムだったと思います。
冒頭のジャンプで転倒がありましたが、その後は良かったんじゃないかな。レビューたくさんついてたので回転がどう判断されるか分かりませんが。ラストのスピンもとても見ごたえがありましたね。
うーん、やはり回転不足。あまり点が伸びませんでしたね。
18:ブレイディ・テネル
スピンなどはさすがでしたね。しかしジャンプが…。特に最後のジャンプ。コンビネーションがひとつ抜けてしまったのはこの激戦では上位進出を阻んでしまいそう。
ショートでも思ったけど少しいつものパワーがないような…。でもラストのスピンはそれまでのミスも帳消しにするような素晴らしさだったと思います。スパイラルもダイナミックでしたね。
またリショーの振付なのね。あら、回転不足があって彼女も点が伸びない…。アメリカの枠、どうなる…?
第4グループ
紀平さん、挨拶の場内コールで「リカ・キヒリ」って呼ばれてなかったか…?日本人の読み方難しいのかしら。6分間練習ではキヒラに聞こえたけども。
19:坂本花織
やっぱりちょっと緊張してたかな、前半はいつもほど迫力が無かったかもしれない。ジャンプの着氷の流れやステップにちょっとそれを感じたかもしれないし、最初のフリップのコンビネーションは危なかったけど、それくらいか。あとルッツの踏切ね。
しかし後半は「これが俺たちの坂本花織なんでよろしく」と叫びたくなるスピードと素晴らしいジャンプの連続。めちゃくちゃリンクが狭く見えて最高にゾクゾクする。マトリックスを世界に披露できてよかったああああ!!!!!
暫定3位。やっぱりルッツはエラー判定。最後のスピンもVついてる。Vって何なのかいまだによくわかってないんですけどね…。そのふたつと最初のフリップのコンビネーション、んでステップのレベル3がマイナスポイントか。僅差の戦いだとこんなところが響いてしまうのか…。
暫定2位のヘンドリクスさんすごいけど、さあどうなるこのあと!!!
20:キム・イェリム
ダブルアクセルにミスが出た辺りで、何となく「糸が切れた」感があったんですよ。ノーミスを狙っていたのかもしれない。案の定転倒が続いて、いまいち煮え切らない演技になってしまった。ラストのスピンなどは美しかったのですが、演技から戸惑いが滲み出てた気がする…。枠取りのプレッシャーもあったかもですね…。回転不足もあり得点伸びず。
21:カレン・チェン
アジアンテイストな曲が彼女にピッタリですね、凄く雰囲気がある。
荒川さんの声でジャンプの出来が大体わかってしまうのですけど、私が見ていても、回転…?ってジャンプがあった気がする。レビューいっぱいついてるなあ、そんなにミスが無いように見た目では見えるけどどうかなあ。観客が皆関係者だから、その辺きちっと見られるだろうから、盛り上がり方でもわかるような…。けどスパイラルの美しさなどはさすがだったと思います。
それでも暫定2位。回転不足そこまでなかったのかな?いや、いくつもついてるな。それ以上に加点があったかな。
22:エリザベータ・トゥクタミシェワ
コンビネーションでのトリプルアクセルはギリギリな感じでしたが、単独のトリプルアクセルは素晴らしいの一言。とにかく成功させたジャンプは高い評価も頷けるんです、とても明確で素晴らしい。フリップの転倒などミスの見えたジャンプもあるので、加点のたくさんついたジャンプがそうでなかったジャンプに帳消しされた感があるのがもったいなかったですね。
彼女の世界観はしっかり伝わってきて、それを見せてもらえただけでも私は嬉しい。いいトリプルアクセルだった…。
おお、それなりに高得点!!!トリプルアクセル2本はやはり大きいですね。
表彰台確定!!泣いてる、あの彼女が泣いてる…。私も鼻の奥が痛い…。
23:紀平梨花
冒頭のアクセルは…。ダブルに抜けたのか。次のアクセルはトリプルだけど回転不足で転倒。大きな得点源のジャンプが決まらない。そのあとコンビネーションなどしっかり跳んできたけれど、ルッツでミスも。全日本では入れた4回転も結局入れなかった。
どこか傷めたりしたのかな、と思う出来。フリーの点が伸びない。ショートの貯金があるとはいえ、表彰台どころでなく、最終順位6位か7位…?ショートの出来なら逃げ切るかと思ったのに。これが世界選手権か…。
24:アンナ・シェルバコワ
4回転フリップは転倒。そのあとは無理せず4回転を入れない構成に変更か。トリプルジャンプだけでも質が素晴らしいし、最後に跳んだのは驚愕のルッツとループのコンビネーション。最後にそれ入れるかな。しかもリカバリーでそれ…???すげええ…。
トリプルの構成でも勝てると踏んでの作戦だったのかもしれない。スピンやステップでレベルが取れていなかったりもしたので、公式練習で不調だったという話はその通りだったのかもしれないけど、基礎的な力の高さを見せつける演技だったんじゃないかと思います。転倒したフリップとレベル2だったスピン以外は高い加点。
やはり高得点が出ている。フリーの貯金もあるため彼女が頭一つ抜けて優勝。昨シーズン世界選手権なかったし、初優勝ですね。去年も出てたらどうなっていたのかな…。連覇できたりしてたのかもなあ。こんなご時世に脂の乗ってる時期が来てしまうなんて、これも運命なのか…。
終わってみればロシアの女子で表彰台総なめ。トゥクタミシェワの年齢考えたら2位は快挙だし、トゥルソワは12位からの表彰台なのでこれまた凄まじい。フリーは結局僅差でトゥルソワが1位か。
日本勢は表彰台こそ逃したけれど、坂本さん6位で紀平さん7位、ギリギリだけど3枠確保。ギリギリでもいい、確保できたんだもの…!!二人とも200点超えてるしさ。4位から7位まではちょっとのミスで入れ替わってた可能性大ですよね。
宮原さんが最終的に19位というのも別の意味での衝撃ですが、それだけ女子のレベルが上がったということなのかな。でも彼女がフリーに踏みとどまってくれたからこその3枠なので、3人でもぎ取ったオリンピックの出場枠ってことでいいさ…!!平昌2枠しかなかったんだもんねそう言えば。
さりげなくアメリカも3枠確保のチャンスができたってことか。二人しか出てないから自動的に3人目も出られるようにはならずに、ネーベルホルンで確保にチャレンジできるって解釈で合ってるかしら?
なんだかんだと日本とロシアとアメリカが強い中、ヘンドリクスさん5位は快挙ですね。
予想外の展開だらけで、これがスポーツだなと久々にその残酷さも味わえた試合だったかもしれません。ステファンチェックしてる場合じゃなかったわ…。「アレー!」って言ってたのは聞こえたけど。母国語フランス語だもんね。
採点についてどうこう言うことは基本控えているけれど、ヨーロッパの選手には通常の試合より得点が高めに出てるかなとは思った。いい演技をした選手が多いのである程度は納得だけども。
コロナの影響で世界各国からジャッジを呼べなかったんだろうか。そうなると、どうしても自らが育った文化圏や学んだスケートのメソッドの匂いをさせる選手の演技を「良い」と感じやすくなるかもなとは思った。その人の育った背景は、いくら無心でジャッジしようとしても無かったことにできるものではないと思う。それはどれだけ研鑽を積んでも難しいんじゃないか。イケメンや美女の基準だって国によって、てか人によって違うでしょ。
そういう人間的な「揺らぎ」も含めたものとして競技を見ていないと、疑心暗鬼で疲れることになるんじゃないかな。疑問を持つことは構わないけど、伝え方を工夫しないと、それが選手たちに届いてしまう可能性があることは忘れてはいけないと思う。選手たちを守っているつもりで、その逆をやってしまっては元も子もない。
「日本のジャッジなのに日本人選手に厳しい、自分の国の選手くらいちゃんと評価しろ」みたいな声も聞くけど、もし今回の世界選手権の開催国が日本で、日本の選手に「甘い」採点が行われて、それを他国のファンから指摘されたとしたら、そういう声を上げている人たちはなんて返すんだろう。自分がやって欲しいことを他国がやったらそれはダメで、自分がやって欲しい選手にやるのはOK。そこが根本的に考え方としておかしいのではないかなと私は思ってます。
心の中ではなんて思っててもいいんだけど、自分の考えたことが絶対的に正しいとして論をぶつけてくるから「陰謀論」とかってまとめられて、要するに「あなたの相手するのめんどくさい」って思われちゃうんじゃないのかなあ。敵を作ると自分が正しくなったような気がして生きるのが楽になるよね。でもそれをやられる方の気持ちは全然考えてないよね。「この人ヤバい」ってすぐ相手を切っちゃう人とかも一緒で、自分が楽に生きるためには自分だけは傷付かない道を選ぶのがいちばん簡単なんだけど、それは時に他人をめちゃくちゃに傷付けてもいるのよね…。
どうでもいいことをつらつら考えたりもしましたが、残すはアイスダンスのフリーダンスと男子のフリー。アイスダンスの視聴は無理そうなので、男子だけでも堪能します。これを書いている今は試合の数時間前で、何ひとつ結果はわかっていません。女子フリーをほぼ徹夜で見た後、眠らないで書き上げております。
ではでは、次回は男子フリーの感想でお会いしましょう。
「うさぎパイナップルnote分室」を開設しました。フィギュアスケート以外の話題は2018年9月よりこちらに集約させております。心の叫びや日々の呟き、小説から趣味の話、フィギュアスケートの話も時々、要するに何でもあり。タロット鑑定についてもこちらに書いております。週2、3回のペースで更新中なので、お気軽に遊びに来てくださいね。
note.com