うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

秋に憧れをもういちど

今週のお題「読書の秋」


子供の頃は読書好きで、暇さえあれば活字を読んでいるような子供だったのですが、いつの頃からかすっかり本を読まなくなっちゃいましたね。スマホがあるとついついそっちをいじってしまって。「本をめくる」という行為そのものは好きですし、まったく読まないわけでもないのですが。

今も、知人がせっかく送ってくださった本が手つかずのまま積んであるという…。ブログをサボり気味だったので、まずは更新を追いつかせてからほかのことに手をつけよう、とか思ってるんですけど、これがまったく追いつきませんよ。もう追いつかせようと考えることがそもそも無駄なのか?!


そんなわけで(どんなわけだ)子供の頃からずっと好きな本を今回は挙げてみます。

それはポプラ社から発売されている『ピンクのバレエシューズ』『バレリーナの小さな恋』の2冊。タイトルが少し違いますが、前後編みたいなものです。著者はロルナ・ヒル

ポプラ社文庫」という子供向けのハンディサイズの読み物のシリーズとして出版されているので、分野としては児童書です。ですが、元々児童書ではなかったのでは、と感じる部分が多々あったりします。


舞台はフランス。両親を亡くして親戚の家に引き取られることになった14歳のイレーヌ。バレリーナ志望の彼女が、住み慣れたパリを離れ、バレエを学べない環境に身を置くことに絶望的な気持ちを抱きながら親戚の家のある南フランスに向かうシーンから物語はスタートします。この最初の場面から既に運命は始まっているのですが、それは追々判明していくことに。

前編の『ピンクのバレエシューズ』はフランスの田舎がメイン、後編の『バレリーナの小さな恋』はパリが主な舞台です。田舎の自然の描写や、パリの街角の描写がとても生き生きとしていてお洒落で、物語の展開だけでなく、文章そのものも大好きで何度も読んでいました。
と言うか、今も手元に持ってます(笑)。最初は学校の図書室から借りて読んだのですが、自分の手元にも置きたくなって買って、実家に置いてきたからまた買ったんだと思う(笑)。

登場人物たちも個性的で魅力的。スポ根漫画の主人公のようなイレーヌ、意地悪なアンリエット、皮肉屋のセバスチアン、癒やしのカロリーヌ、美しいステラ、謎めいたジョナサン、華やかなサロメ、優しいベルナール…。
名前を見るだけでもワクワクしてしまう(笑)。少女漫画の華やかさに憧れる代わりに、私はこの本の中にある、遠い国の華やかで洒落た文化や言葉の響きに憧れたんだと思います。
私、独学でちょっとだけフランス語を勉強したことがあるんですけど、それはこの本が好きだったからです(笑)。

バレエはいまだに詳しくないですけど、バレエや音楽に関する様々な表現はとても豊かで、フィギュアスケートが好きでこのブログを読んでくださっている方には、そういった観点からもオススメしてみたい1冊です。表現する側の苦悩や高揚、感じ方がとても読みやすい言葉で綴られています。


後編はタイトルに「恋」と入っているくらいなので、もちろんそういうエピソードもあり。よく読むとちゃんと前編から見え隠れしてるんですけどね。

あまり詳細は書かないことにしますけど、ラストのページに書かれている、ある人物のセリフが今でも憧れだったりします。憧れると同時に、自分もこのセリフ言いたい!って思います(笑)。どうかみなさんもこのラストに悶えてください(笑)。

今はこうやって冷静に読めますけどね、最初に読んだ小学生当時には、「彼」が何をそんなに怒ってるのかもわからなかったし、後編で展開するある二人の人物について、決定的な展開が始まる前のその二人のやり取りの意味なども全然わかってなかったです。子供だったなあ(笑)。
バレリーナを目指す女の子たちが多く登場するせいか、男性陣は夢のために恋などそっちのけの彼女たちを深い愛で見守っている感じ。それもまた読んでいて心地良かったのでしょうが、それは今になってやっと気付いたってところですね(笑)。

大人が読んでも十分面白い作品だと思いますので、機会がありましたら是非。ギリギリ昭和の頃に販売されていたと思われる版のイラスト(若林三江子さんという方が描かれているようです)が可愛いので、機会があればそのイラストも堪能してください!



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