うさぎパイナップル

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フィギュアスケートほろほろ語り in 2月

フィギュアスケートに関する番組の感想をほろほろと語るシリーズ。
本日は1月30日に放送された『NHKスペシャル 王者のジャンプ〜フィギュアスケート男子〜』の感想を。早めに載せとこうかと思いまして。


北京代表の日本男子3人を取り上げたドキュメンタリー。特に4回転ジャンプにポイントを絞った特集ですね。

まずは羽生結弦選手から。彼の注目はなんと言っても4回転アクセル。「王者のジャンプ」という番組タイトルもそこから来ているのでしょうね。アクセルは王様のジャンプ、と平昌の試合後のインタビューで羽生君が話していた様子も使われていましたし。

羽生君の言葉で印象に残ったのは、
「オリンピックが怖い」。

彼のインタビューはいつも頭の良さが非常に伝わる内容なのですが、同時に、非常に正直でごまかしのない内容でもあるんですね。その彼らしさがとても伝わる言葉だと思った。
連覇している、次々と記録も打ち立てている。負けたくないという気持ちが非常に強いこと、それが彼を勝者にしてきたことも我々は知っている。
それでも、いやその彼だからこそ、オリンピックは怖い。3連覇という、100年近く誰も達成していないという栄誉を手にするために彼はその場所へ向かう。逆に言えば、それが手にできるということ以外はすべて彼にとって敗北になってしまう。勝負に絶対はないから、必ず勝てるという保証も当然ない。
出場しなければ、連覇という栄誉にそのまま座っていられるのにあえて、リスクのつきまとう3度目の出場を決めたのだ。彼にしかわからない「怖さ」だと思う。それを素直に言ってしまえることが、彼の分析力の高さでありスポーツ選手としての真っ直ぐな姿勢なんだと思いました。

全日本選手権のフリーの出来ならば、4回転アクセルを入れずにループやルッツに差し替えても十分に勝算はあると思うのです。怪我も負った彼が、あそこまでの完成度に持って行けることが衝撃ですらあった。しかしその完成度は、あくまで4回転アクセルを含んだプログラムと位置付けることで彼の意欲を高め、達することができる性質のものであるならば、そこに4回転アクセルはなくてはならないということになるのでしょう。
それに、アクセルが決まれば、それだけでスケート界にはすさまじい衝撃が走るはずです。その衝撃とノーミス演技とが合わされば、確かにあらゆる選手にこれ以上の動揺は与えられないかもしれない。
全日本選手権の演技は本当に素晴らしかった。そこに4回転アクセルの成功が加われば…。4回転アクセルさえ決まれば勝てる、本人がそう言うのは納得できます。彼はこと自分のスケートにおいては、根拠のないことを口に出す人ではないと思うので。

びっくりしたのは、わざわざロシアまでプルシェンコの取材に行っていたこと。この番組のコメントのために。
オリンピックまでに羽生君はアクセルを完成できると確信している…。彼はそう言いました。彼のスケートを見る目は確かで、何度もその発言の通りに試合の結果が決まったことを我々は目にしてきている。平昌の結果はもちろん、羽生君のジャンプの種類まで彼は見抜いていた。
その彼がそう言うなら、4回転アクセルは成功する。そう信じたくなってしまいます。


続いて宇野昌磨選手。コーチであるステファン・ランビエールのインタビューも交えながら、4回転ジャンプの種類を4つとしてオリンピックに臨むという話がメインだったかな。
4回転の世界では不人気のループですが、それを跳べてしまう昌磨君。種類を増やすにはループのカードも使っていかなければならない。これは武器になる。今シーズンは4回転5本とトリプルアクセルという凄まじいプログラムで結果も出してきている。
一時期低迷した彼も、近年はとても安定した演技を見せ、顔付きも精悍になり落ち着いてきたと思います。人間らしくなってきたと昌磨君がどこかで言ってたけど、いい意味で浮世離れしたところも保ちつつ、そこを現世とすり合わせてより高みに上ってきた気がしますね。


最後に鍵山優真選手。お父さんの現役時代の演技がちらっと見られたのがちょっと嬉しい(笑)。
2位や3位で満足する気はなく、優勝を狙っていくつもりで彼も4回転の種類を増やしていく。まだ18歳だということを忘れそう、この気の強さは世界一になるにはきっと必要。
彼もループを入れる予定ですよね。日本男子にループが征服されつつあるな。


3人とも肝の座り方も技術も素晴らしく、本当に何の心配もなく送り出せる選手たちだと感心するとともに、メダルの行方を左右するであろう4回転ジャンプの成否がオリンピックでどう出るか、オリンピックを前に改めて強い緊張感が湧いてくる番組だったなと思います。
この競技は一見綺麗で優雅に見えるけど、実は少年ジャンプの世界のようなスポーツなんですよね。この日本代表3人がまた、一見そんなことを感じさせないくらい可愛いので忘れてしまいそうになることもありますけど。
3人とも、思いっ切り北京でいい演技してきて欲しいです。全力で応援します。

なかなか感想を書く時間が取れず、あっという間に内容を忘れてしまったので(汗)あまり満足な感想文ではなくすみません。とりあえずオリンピック前になんとか書き上げときます…。

ではでは、また次回の記事でお会いしましょう。



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