うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

北京オリンピック雑感⑯

男子の感想の続きでございます。スタジオゲストは無良崇人さんなんですな。無良君の解説やコメント好きですよ。嬉しい。

男子フリー③

第3グループ

羽生君がこのグループにいるとは思わなかったけど、ステファンも羽生君もいると「目が足りねえ」になっちゃうからたまにはいいってことにしようか、そうでも思わないとな。
ボーヤン人気はわかるけど羽生君にも大きな声援。いい表情してる、と本田君。大丈夫、彼ならきっと…!

6分間練習中に4回転アクセルチャレンジ。なのにその瞬間をちょうどカメラが捉えてない。録画が流れたけど、転倒したけどこれほぼ回ってない…?アナウンサーも混乱したのか本田君を「羽生さん」って呼んじゃってるよ!

さあ、始まる!大丈夫、君ならば!


13︰ダニエル・グラッセ
本数は3本ですが、4回転の種類としては彼がいちばん高難度よね。ルッツとフリップとループをひとつのプログラムに揃えてくるのは彼だけですし。
ルッツ好きなんだろうと思うけど、アテンションよくついてしまうなあ。けどスピンは相変わらず独特ですごくいい。そんなに大きなミスもなかったし、これは暫定1位かな。アルマゲドンのメロディも観客を鼓舞しますね。
んでいつもなんかかわいい。喜び方がかわいいからか?おー、自己ベスト更新で暫定1位。


14︰ボーヤン・ジン
ボーヤン団体戦も含めて4回目なんだよ滑るの。なのにこの個人戦のフリーがいちばんいいってどういうこと!最高なんですけど!
ルッツ完全復活だー!ボーヤンのあのえげつないルッツだー!加点パねえ!4回転3本きたきたー!
ラストジャンプだけ乱れましたが、久しぶりにこんないいボーヤン見たよ。本田君も褒めてるけどスピンもステップもレベル4!
自国開催のオリンピックでこんな演技できるなんて。感無量。これは暫定1位かなと思ったが、2位かあ。


15︰ケヴィン・エイモズ
冒頭の4回転は転倒、次もトリプルに抜けたかな。でも立ち上がりは悪くても進むにつれてどんどん取り戻していくって印象なので今日もいいもの見せてくれるはず。
やっぱコレオからの流れよね、ジャンプのミスなんてお釣りが来るわよ。すげー!観客の大歓声が似合うプログラムだと思うのでコロナが憎いわ。


16︰キーガン・メッシング
男子の出場者の中ではいちばん最後に北京入りしたのであろうキーガンを心配する実況。その優しさが伝わったか、素晴らしい4回転のコンビネーションからかスタート!回転軸と着氷の柔らかさが彼はいいよねえ。
次はトリプルに抜けたかな。ラストのフリップの着氷乱れ以外は素晴らしい出来だったのでは。コレオのスライディング?もめっちゃ魅せてくれる、低い姿勢!

羽生君のリンクインから映し出される。キーガンのリプレイ流れないけど、今回は仕方ない、日本のテレビですからね。
キーガンは暫定3位。相変わらずお子さんアピールを(笑)


17︰羽生結弦
前日の練習で、足を怪我したんじゃないかと囁かれていましたが、朝の練習で4回転アクセルを練習しなかったことなどから、本人の大丈夫というジェスチャーがどこまで大丈夫なのか心配しておりました。

まずは4回転アクセル。事前に予定構成表はもちろん見ておりましたけど、メダルを取るためならあの強気な構成は必要なかったはずなんですよ。アクセルじゃなくルッツかループを入れて、ノーミスで滑ることは彼の今の仕上がり具合なら可能だったはず。
けど彼は4回転アクセルにこだわった。それがきっと彼のプライドだから。
転倒したものの、素人の私の目にもほぼ回りきっているように見えました。

続く4回転サルコウでも転倒。力が抜けてしまっているような気になる転倒の仕方で、4回転アクセルの転倒の影響はもちろん、やはり足が万全ではないのだろう、しかもNHK杯前の怪我ではなくおそらく昨日の怪我だろう、と察する。qもついてる。
正直、ここで4回転サルコウにミスが出てしまったのはかなり痛い。痛いけど、羽生君ならここからいくらでも立て直してくるはず。

続くジャンプは、予定ではトリプルアクセルトリプルループのコンビネーション。試合ではまだ跳んだことのないジャンプのはず。予定構成表を見てテンションの上がった人も多いのでは(笑)
結局セカンドはダブルトゥループだったけれど、綺麗な成功ジャンプ。しかしトリプルループにできなかったことで、もうほぼ足の状態は確信する。最後まで保つのか。

アクセルからのコンビネーションに続いて間髪入れず跳ぶジャンプはトリプルフリップに変更。ステップはスピードを抑えて滑っていたように感じたけれど、戦国武将の静かな闘志のような、厳かな雰囲気が出ていたように思います。まるで神に奉納する、達人の舞う伝統芸能のような雰囲気。

そして後半。4回転トゥループのコンビネーションは2本ともまるで舞うように美しく跳ぶ。ずっと彼とともにいたコンビネーションジャンプ。気が遠くなるほど繰り返してきたであろうそのジャンプは、もはや彼の身体の、細胞の一部として、人が無意識に瞬きをするときのように発動されるのかもしれない。
ラストジャンプはトリプルアクセル。4回転アクセルへのあくなきチャレンジの橋渡しにもなったのであろう、彼の代名詞。まるで自由自在に、彼そのもののように存在してきたジャンプは、もちろん成功で7本のジャンプを締め括る。

サルコウの転倒があったため全日本に比べるとかなり得点は下がってしまうだろうけど、全日本より確実に演技としては良かったような気がする。ただ美しいだけではない、壮絶だった。覚悟を背負った人間の壮絶さがそこにはあった。それは小手先の表現ではまず出せないものだったと思う。
まるで上杉謙信の人生を4分半に凝縮して語られているようだった。それは、完璧に音を拾った滑りによるところのものも大きいと思う。音の盛り上がりに合わせてジャンプやコレオが入っているのだけど、ジャンプの入りがスムーズなため一瞬それを感じない。無意識に鼓舞され、無意識に物語の世界に取り込まれていくのである。

まるで少女のように美しい若武者は手負いで、着物の合わせの陰に血の滲む包帯が覗く。陶器のような白い肌と黒い瞳。一面の銀世界に狂い咲いた桜の花。黒髪を飾るように舞い散る薄桃の吹雪。
この世のものでないようなその姿に見とれているうちに、敵は声も上げる間もなく、斬り捨てられているのだ。

演技後の「右足の状態はおそらく万全ではない」という実況の一言でハッとした人も多いんじゃないか。大丈夫だろうと思おうとしたけれど、長年取材している側や長年応援しているファンは薄々気付いていただろう。あの一言は大きかったように思う。

サルコウの転倒がどこまで響くか。彼の最終順位はこれから滑るスケーター次第となる。
私はその結果をもう知っていた。確実に生放送で、世界のどこにも結果が出ていないのに知っていた。だから覚悟していたし、私の「見た」通りになるのかを冷徹に見つめていた、つもりだった。詳しくは後述します。


18︰エフゲニー・セメネンコ
冒頭の4回転は乱れましたが、それ以降は良かったのでは。まだ若いこともあり、とにかくジャンプを跳びまくって勝つ、表現はその後!という感じではありますけど、ミスがないのがまずはいちばんですからね。
コリヤダ君の代わりの出場でしたが、チャンスをしっかりものにしましたね。
キスクラのミーシン先生の存在感…。自己ベスト更新したものの、暫定3位。


男子の記事はようやく次回でラストです!よろしければ最後までどうぞ!ちなみに次回がいちばん長いです!!!!!



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