うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

フィギュアスケートふらふら語り in 9月②

何度か書いてることなんですけど、いわゆる「陰謀論」的な考え方を、どうしてこうもスケートファンが好むのか不思議だったりします。

たぶん、そういう考え方に夢中になっている人々は「自分は陰謀論に傾倒している」という認識がないのだろうなと思います。自分は正しいつもりなんですよ、いいことをしてるつもりなんですよね。
そして、陰謀論に夢中な人より夢中ではない人のほうが実際には多いのだと思うんですけど、前者は自分の認識が正しいという確証が欲しいがためにつるみたがるので、目立ちやすいだけなのかなと思います。仲間を集めないと主張できない理論なあたり、無意識ではその脆弱性や破綻に気付いているのかもしれませんね。


フィギュアスケートは競技なので、どうしても得点はつくし順位もつきます。それがだいたいは発端なんでしょうかね。
実際に採点が正しいか正しくないかはここでは置いておきます。それはファンのほぼ全員、いやもう全員と言い切ってしまっていいのかなとも思いますが、ファンのレベルではおそらく判断できないからです。それだけの知識と目があるなら、過去に選手だったとか、その延長でジャッジになったとかしてるように思います。

しかし、自分の贔屓の選手の得点が伸びない、場合によっては他選手に敗北するといった事態が起きると、現実を受け入れられない心は採点を疑うようになる。その結果、実際にはその正当性は自身には判断できないにも関わらず「自分の推しは頑張ったんだからすごい点が出るはずだ」と思い込んでしまうのでしょう。自分がすごいと思ったんだからすごいんだ、というやつです。そんな精神論と主観が通じるはずもなく、精神論と主観を排除して採点は行われるはずなのに、自身は精神論と主観でプロの判断を疑うようになるわけですね。この時点でもうこの人たちの主張は通らないと思うのですが。

要するに妄想なわけです。現実を受け入れたくないあまりに現実逃避に走ってしまう。
いくら好きでも、赤の他人の試合の結果にそこまで入れ込めるというのは暇じゃないとできません。というか、その他人が誰であっても実際にはどうでもいいのだと思います。自分が正義を振りかざして、自分に酔うための材料であれば何でもいいのです。たまたま、この人たちにとってはそれがスケートだっただけ。政治とか医療とか、ほかに夢中になれるものがあればそっちに行ってたと思います。正義で他人を殴るのって、ものすごい快感を生むんでしょうね。なんとなくわかる気もしますし。実際にはそれが正義でなかったとしても、自分が正しいと思い込めれば何でもいいのです。

妄想は様々な方面に広がり、実際は推しについて冷静な意見を述べているだけの記事であっても「この記者はアンチだ」と推しを褒め称えない人物を悪だと認識してしまう。
辛辣に聞こえても、自身の意見を的確に、冷静に述べているケースも多々あります。誹謗中傷と筋の通った批判はまったくの別物です。
筋の通った批判を、推しの敵だと握り潰すようなことをした結果、困るのは推しです。自分に対して肯定的な意見だけ耳に入る状況は、いわゆる「裸の王様」を作り出してしまいます。


自分たちは推しの理解者。推しだけを愛し推しだけを見つめているので推しのことは何でもわかっている。か弱くていつもいじめられててかわいそうな推しのことを守らなきゃ。だから推しを傷つけるものは全力で排除する。

一見推しへの深い愛に満ちているようで、そこに愛はありません。あるけど、その愛は推しには向いていません。愛の向く先は自分自身です。推しを守って、推しを愛している自分に酔っているだけ。歪んだヒロイン願望とでも言うやつです。
実際は、推しのことなど何も見ていないのです。

カルトが生まれる瞬間ってこんな感じなのですかね。自分たちは正しい、周囲の人間は間違っているから正してやらねばならない、自分が信じている存在は絶対。
カルトは宗教の形をしていなくてもいいのかもしれない。ブランドとか概念とか人物でも成り立つものなのかもしれない。
しかし、教祖に祀り上げられる方は果たしてそれを望んでいるのか。皆さんの期待に応えなければ、と自分自身の実像と乖離していく世間における自分の像とギャップを感じて苦しむその要因は、推しを本当は愛してなどいない推しのファンなのかもしれない、いや、おそらくそうなのでしょう。

絶対的な存在がいないと、推しがその絶対的な存在でないと我慢ならないのは、推しが素晴らしいからではなく(実際に素晴らしくても、評価は人それぞれです)自分自身が不安だからです。絶対的な存在に依存していないと不安で仕方ないから。カルトならその不安をある意味うまく利用して、搾取もするけど教義なり神秘体験なりを与えて安心させてくれるのでしょうが、推しはそこまでしてファンという個には向き合いません。なので、推しとは関係なしに、不安を解消させてくれる妄想に走ってしまうのでしょう。

それでも本人たちが楽しければそれでいいのだと思います。どのような思考だろうがどのような応援の仕方だろうが、そこには果てしない自由があります。
ですが、彼らは自分たちの主張を絶対だと思っているので、それを声高に騒ぎ立て共感を得ようとし、異なる意見を容赦なく潰そうとします。これもカルトっぽいですね。
自分たちは、自分たちの意見をわかってもらえずに、異なる意見を押し付けられている、不幸な目にあっていると騒ぐのですが、実際に押し付けているのは自分たちなわけです。
ですが、自覚のない妄想の中にいる彼らには誰の言葉も届かない。

意見を主張するまでならまだいいのです。その主張にはほぼ必ず、他者への容赦ない悪意がセットされています。正義の名のもとに他者の悪口を言うために、根拠はないけど心地の良い妄想に取り憑かれてしまうのでしょう。人の悪口を言う、マウントを取るという行為は気持ちがいいものなのでしょうね。そのためには、些細なことまであげつらうし、あげつらうための努力も惜しまない。
これってまさしく、いじめやパワハラの構図と一緒じゃないかなあと思うんですけど。徒党を組むたがるあたりもそうですし。


なんで採点に文句を言わないのか。推しを守らないのか。アンチを通報しないのか。
相手(ジャッジや団体)を説得できるほどの根拠をきちんと並べて説明できないから、そこまでわからないから。わからないことを根拠もないのに相手を批判するために主張するのは自分の株を下げるだけの愚行だから。推しは別にいじめられてないと思うし、本当にそうであれば自分で対策してると思うから。アンチかどうか判断できるほどその人を観察してないから。仮にアンチだとしても、やはりそれに対して対策を取るべきなのは推し自身だと思うから。
何よりも、あなたみたいに暇じゃないから。

推しの言葉を何倍にも何十倍にも勝手に自分の中で膨らませて、その妄想のほうが正しいと思い込むようなタイプの妄想には興味ないんだ。妄想なら中学くらいまでに散々やったのよ、自分の好きな漫画の結末が気に入らないからって、自分の中で自分の納得行くストーリーを勝手に作ったりね。でもそれが捏造だということはちゃんとわかってるし、わかるようにコントロールできるようになるほど妄想をしてきたのだ。妄想をしなれないまま大人になったからそんな風になっちゃったのかしら。


ショーや試合の会場で、隣の席に座ってる人を適当に想像してみてください。その人は誰かひとりだけのファンだとする。自分が特に気に食わない誰かのファンならなおいいでしょう。
そのファンは、自分の推しの出番以外はずっとスマホをいじっていて、リンクを見ていません。推しが出てきた時だけ大騒ぎしてバナーを振ってます。どうやら気に入らない相手がいるようで、その相手が出てきた時はぶつぶつ悪口を言ったりトイレに立ったり。しかも悪口言われてるのはあなたの推し。

…めちゃくちゃムカつきません?何しに来たの?って思いませんか?

でも、あなたのやってることも、この人とまったく一緒なんですよ。
そこに気が付かないって、申し訳ないけどヤバいんですよ。

何しに来たの?てか気に入らないなら帰れ、って言いたいのを飲み込んで、我慢して座っててくれてるんですよ、隣の人は。大人だからね。
何より、あなたの態度はスケーターからも見えてるかもしれません。ある程度の大人数の前でプレゼンとかやったことありますか?あれね、寝てる人や興味なさそうにしてる人、結構しっかり見えるんですよね。
自分のことだけ見てくれてる人が好きだってあなたの推しが言うならそれまでですけど、そんなやつならたぶん大成してませんし、何より普通に推しの友達や仲間をあなたは馬鹿にしてるってことになりませんかね。

誰が出てきても楽しそうに見てる人と一緒に観る方が楽しい。
これが答えじゃないかな、と思ってます。
私はそのスタンスでファンをやっているし、このブログも書いてます。

全員応援するって、別に全員にバナー振るとかプレゼントするとか褒め称えるとかって意味じゃないと思いますよ。誰にだって好みはありますしそこまで時間もないですし。ただ、誰であっても人として尊重するってことだと思いますし、それって別にわざわざ主張しなくても人間として普段からやってることではないのでしょうか。完璧にはできなくても、やろうとしてることじゃないんですかね?

そうやって楽しそうに見てくれてる人のことを、推しも嬉しく感じてくれている、そうであってほしいなあと思ってます。推しの気持ちは推しにしかわからないので、あくまで願望ですよ。
そうね、俺のことだけを見てくれる人がいいって言われたら引くかも(笑)。ってもそれくらいで嫌いになったりしないですけどね、完璧な人間なんていませんから。

色々見かけてもやっとしたので書いてみましたが、過去に書いたことと一緒でしたね。てなわけで終わり。



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