うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

Fantasy on Ice 2014 in Toyama④

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓

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明けて翌朝。曇り空ではあったが雨は止んだ模様。部屋の窓からは今日の会場である体育館がマジでよく見えた。これは確かに近い。あの辺の道を通れば着くんだな、などとぼんやり眺めたのですが、これが後々役に立ちました。ちょこっとだけどね。

予約した時点では朝食は申し込まなかったのですが、体調が良くないのでやっぱりホテルで頂くことにする。申し込まなかった理由は「朝食だけはイマイチ」という口コミを見たからなのですが、確かに値段の割には量が少なくて微妙だったかも。でも外に出る余裕はなかったのでこれで正解だったと思います。
朝食会場は人もまばら。しかしやはり宿泊しているのは同じものを見に来た人らしい。まあ、そうなるんでしょうなあ。どこ行ってもだいたいそうだからなあ(笑)
レストランの窓からは路面電車が行き交うのが見えました。すぐ近くに電停があったのです。車体の色が様々で、見ていて面白かった。決して鉄ではない。

食後は内臓が動くせいか少々体調が悪化するので、へろへろと部屋に戻る。しばらく休んでから、当日券を求めて会場へ向かうことに。

会場にはものの数分で到着。とりあえず当日券売り場を探してみたが、あちこち見渡してもそれらしきブースは見当たらない…。どうやら当日券の販売は行われなかったようです。何のために前日入りしたのか(泣)
通常は開場まで建物内には入れなかったりするんだけど、入口は出入り自由だった。地域の子供たちがごく普通に何かの練習のために出入りしていたし、某ファンクラブの受付も建物内に設置されていて、中に入らなければ手続き等々できないっぽい構造。まだ客を並ばせる状態ではなかったようで、スタッフTシャツを着た人がウロウロしていた。本当の入口は2階だったので、1階が開放されていたのは当たり前なんだけど、本当に入っていいのか?とちょっと焦りました。
建物内には富山出身のスポーツ選手の紹介パネルらしきものが展示されていた。それを横目に眺めながらもう少しだけ当日券売り場を探したが、やはりどうしても見当たらないので諦めて撤収。

当日券が手に入らず、しょんぼりと会場のすぐそばを流れる運河に向かう私。ステファンがジョニーやジェフとスリーショットを撮っていたのはここだな、と手すりにもたれて運河を眺める。運河にかかる橋がとても美しく、整備された河川敷も清々しい。近所にこんなところがあったら散歩が楽しいだろうなあ。羨ましい。

いったんホテルに戻って荷物を片付け、チェックアウト。そろそろ開場時間だしな。付近が混雑する前に撤収撤収。
かなり快適なホテルだった上ものすごく会場に近かったので、3泊ここでも良かったな、とちょっと名残惜しかった。また泊まりたい。

さて、初回公演を見られないことは決定したので、夜までがっぽり時間が空いてしまった。とりあえず今日から宿泊するホテルに荷物を預けに行くことに決め、スーツケースを引きずって駅に向かいます。以下次号。

Fantasy on Ice 2014 in Toyama③

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予定の便まで少しだけ時間があったので駅で便箋を購入してから新幹線のホームへ。乗りたかった便は広島駅が始発なので自由席でも余裕で座れる。体調不良の身にはありがたい。そう、私が自由席を買ったのは、職場が遠過ぎて何時に帰れるかわかんなかったからです。自由席の方がちょっと安いしさ。

車内が寒いのには参ったけど、快適な座席にじっと座っているうちに多少は小康状態になってきた。やっぱり薬飲んで安静にしてるのが一番だな。真夏にもかかわらず装備中のホッカイロのおかげで冷えにもそれなりに対抗できるし。私の不調の原因は物理的なものだけど、その不調にはかなりの波があり、悪化させる最大の要因はどうやら冷えとストレスらしいです。旅行は体力が必要だから本当は家で寝てた方がいいのかもしれないけど、この先に心躍る予定があるというだけで、心身にかかるストレスはかなり軽減されるものなのかもしれません。どうにか富山に旅立てた原因はそれじゃないのかな。無事新幹線に乗車できて安心できたわけだし。
実は人と喋ってるだけでも気が紛れるせいかかなり違う気がするんですよね。職場くらいでしか誰かと話をしない日々なのも良くないのかも。慢性的な孤独は身体も蝕むようですな。
しかし、夜行バスなんぞにしなくて良かった…。絶対無理だった…。

薬を服用したあとは少し眠った方が効きが良い(気がする)のですが、新大阪には1時間半くらいで着いてしまうため、眠らないように気をつけていたら本当にあっという間に到着。特急に乗り換えです。
到着ホームで待っているとサンダーバードが滑り込んできました。大阪駅が始発らしく、もう何人か乗客がいましたが、自由席でも余裕で座れました。ここからは終点までの乗車。いくら爆睡しても大丈夫。
乗車は京都からが多く、降車は金沢が多かったかな。金沢を過ぎるともうガラガラだったと思う。金沢の前に福井を通るんだけど、過去2回の福井公演の際にも本当はこのサンダーバードで移動したかったんだよね。でも無い袖が振れず青春18切符。福井までは鈍行でも広島から10時間程度なのでそれでもどうにかなるのだが、サンダーバードでも大阪から4時間くらいかかる富山はさすがに18切符では厳しいな…。とっぷりと日が暮れていく車窓を眺めながら、つらつらとそんなことを考えていました。
車内では体調を考慮しつつ手紙の下書き。たぶん通勤時間を使って少しずつ書いてたんだけど、やっぱり間に合わなかったのだった…。

広島駅を出発してから約6時間、ようやく富山駅に到着。やれやれ遠かった。
富山駅は来春に控えた新幹線の開通のため工事中。ホテルのある方の出口へ階段で降りようとすると、「エレベーターありますよ」と男性が声をかけてきた。重そうだったから…、と親切にエレベーターの位置を教えてくれる男性。富山の好感度いきなりアップ!(笑)
改札はなんと自動じゃなかった…。勝手に箱に切符を入れて通っても良さそうだったけど、距離が距離なのでちゃんと切符を手渡しして改札を出る。お兄さんの笑顔が爽やかなんだなこれがまた。富山いいところだなー←単純

ホテルは駅から本当に僅かな距離でした。雨が降っていたけど、さほど濡れることもなく到着。
早速チェックインして部屋へ。シングルルームは広くはないけどピカピカで、陶器のカップや木のドアにこだわりを感じる良いお部屋でした。何よりベッドに座っていた小さなクマのマスコットに感激。これは持ち帰りOKのマスコット。これがもらえるという口コミもこのホテルを選んだきっかけだったりします。部屋にかわいいものが待ってるってだけで幸せな気分になるもんね。
しかし、シティホテルという名目ではあったけど、ものすごくハイレベルなビジネスホテルかなあと思った。荷物も自分で運んだし、浴室の壁にシャンプーとリンスのボトルが貼り付いてるタイプのホテルは私の中ではビジネスホテルなのである。朝食もバイキングじゃないみたいだし。

ちょうど放送してた「もののけ姫」を見ながらお風呂。確か入浴剤も置いてあったと思う。快適に過ごせるようによく考えてあるホテルだなと思った。でもやっぱりビジネスじゃないかなー。
せっかくの初富山ではあったが、ウロウロする元気などないので早めに寝ることにする。もののけ姫は最後まで見ました。やっぱり美輪様だよね。黙れ小僧。以下次号。

Fantasy on Ice 2014 in Toyama②

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ホテルの予約は早めに済ませていたものの、新幹線と特急の切符は直前に買いました。時間もお金もなかったんですよね(泣)。東京往復便のような割引切符があるわけでもないし、訳あって自由席なので急ぐ必要もなかったのですが。

そんなこんなで出発当日。実はこの日も出勤でした。土日がちょうど休みだったので、前日の金曜日に夏休みを入れて連休にするはずが、人手不足のためどうしても午前中は休めなかったのです。
でも、それだけならまだどうにでもなりました。最悪なことに、私の持病がこの日、悪化のピークを迎えてしまったのです。
本来なら仕事に行けるような状態ではありません。立ち上がるのすら辛いのだから。無理をしようものならその後も影響が出てずっと苦しむことになるし、本来ならば休むのが正解。しかし、そもそもどうしても休めないので半日しか休みが取れなかったのだし、しかも遊びには行くけど仕事は休みます、なんて理屈が通るはずもない。這ってでも出勤するしかありませんでした。
…そう、富山行きは何としてでも敢行するつもりでいたのです。当日キャンセルして宿泊料全額払うくらいなら根性で辿り着いてホテルで寝てる方がマシ。平日の方が交通機関も混まないだろうし。行かないという選択肢はハナっからありませんでした。どうせ明日になっても体調が良くないままなのはわかりきってたし。

しかし、私の体調不良は本当に絶望的に不良なのである。出発前から虫の息だったけど、駅までの道のりで完全に瀕死。実は「動くこと」がものすごく不調を悪化させるのです。歩いたりしゃがんだり、何というか二本の足で体を支えてる状態そのものがもうダメ。それを動かすともっとダメ。なので、出発前は我慢できる範囲でも職場に着く頃には息も絶え絶え、なんてことはしょっちゅう。通勤時間が長くなった(片道1時間半から2時間)のはだからとても辛い。着替えるだけでも大変なのに、最低30分、日によっては45分も早く家を出なければならなくなったし、それだけ朝早いとどうしても駅まで急ぐので…、ものすごい体には負担…。まあ、本当にどうしようもない時は座ってても寝ててもどうしようもないんだけど。歩ける状態ならまだマシ。これでマシって、っていうレベルでもまだマシ。壮絶だなー←他人事

やっとの思いで駅までたどり着き、よろよろと電車に乗り込む。さすがに通勤時間帯、空席はなし。でもとても立ってなどいられないため、とにかくそのあたりにしゃがみこむ。人目など気にしてる場合じゃない。
突然、誰かが肩を叩いた。近くの席に座っていたサラリーマンが席を譲ってくれるらしい。た、助かった…。ありがたく座らせてもらいました。やっぱりしゃがんでるのと椅子に座れるのとじゃ体への負担が全然違う。しばらくは唸り続けていたけど、そのうち多少落ち着いてきました。多少だけどね。
たいてい譲ってくれるのは女性なんだけど、男性だったのは初めてだな。そんな何度も席譲ってもらってんのかい、と言われてしまいそうだが、そんな状態でも出勤しなきゃいけない状況が何度もあったってことだよね。正社員並みに働いてバイトレベルの待遇、頼れる身内もいない上この体の不調…。そのうち気が狂うんじゃないかなあ、って最近思うようになった…。

瀕死ながらもどうにかこうにか職場に到着。しかし、よっぽど顔色が悪かったのか、いつものん気な感じの上司まで、体に負担のかかる一部の業務はしなくていい、と言い出す始末。そんな余裕なくて自分では見たことないけど、死人みたいな顔色らしいですよ←他人事
お言葉に甘えて、座ってできる仕事を淡々とこなす。仕事はいっくらでもあるからな。忙しくなってくると、しなくていいと言われたこともしなくちゃいけないんですけどね、結局。

そうこうしているうちに業務時間終了。やれやれどうにか保った(泣)。
さあ、早速帰らねばならない。ぐずぐずしていると今日のうちに富山に辿り着けなくなってしまう。大袈裟だけど、何があるかわかんないわけだしさ。
へろへろと帰宅し、急いで着替えて荷物を準備して、新幹線の駅へ移動。たぶん無理だろうけどこれに乗れたら万々歳、と思ってた新幹線に間に合った。良かった、これでだいたい予定通り富山に着ける…!一時はどうなることかと思ったよ(泣)。

とにもかくにも、いよいよ富山へ出発です!以下次号。

Fantasy on Ice 2014 in Toyama①

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2014年のファンタジー・オン・アイスツアー第2弾の舞台は富山。アイスショーの開催は初めてだという富山県に、私も初めて行って参りました。もう3ヶ月以上前のことですっかり忘却の彼方状態なのですが、どうにか記憶の糸を手繰り寄せて綴っていこうと思います。

富山での開催が判明したのは、確か今年の元旦だったかと記憶しています。富山の新聞に大きく記事が載っていたという情報が流れてきたのです。新聞はショーの開催とともに翌日のデパートの初売りでチケットの先行販売が行われることも報じていました。
初売り当日は長蛇の列だったそうです。某ファンクラブ用に確保しておかねばならないのであろうプレミア席以外は、購入枚数に制限もなかったようでした。

これは…うかうかしているとチケットが手に入らないんじゃないだろうか。だって、あまりの人気に全3公演の予定が1公演追加され4公演になったって話ですよ。大丈夫なのこれ…(汗)

しかし、必死の祈りが通じたのか、申し込んだ3公演すべて第1希望のSS席で当選。漏れ聞こえる話からして、今回はさすがにちょっと心配していました。ああ良かった。

まだ増税前なのに何故かもう手数料が8%で計算されていた某プレイガイドに聞きたいことは色々あったが、なかば諦めていたチケットが手に入ったので良しとする。最終公演だけ買ってあとは当日券で何とかするつもりでいたけど、その作戦は間違いなく成功しなかっただろうな(後述)。一般発売後でも余裕で何とかなってたあの頃がもはや懐かしいとは…とほほ(涙)

あとは交通機関と宿泊先の手配。予算の都合等々があり初回公演は先行で申し込まなかったのですが、とは言ってもできれば全公演見たい。それに富山の観光もしたい。よって、前日入りすることに決めました。そもそも我が地元から富山は最短でも5時間はかかるのです。当日出発だとかなり慌ただしい。
最終公演は夜に行われるので、その日のうちの帰宅は不可能。よって3泊4日。今年のバカンスは富山に決定。

経済事情も厳しいことだし、高速バスを乗り継いで往復するつもりでしたが、色々調べてみると、新幹線と特急の乗り継ぎ(これが最短)でも思ったほど高くない。乗り継ぎ割引でサンダーバード特急券が半額になることと、広島と富山は相当な距離があるため往復割引が適用されることによって、結構な金額が割り引かれるのです。高速バスの移動時間の長さによって発生する、入浴施設や飲食店等の利用の必要性とその料金を考えれば、素直に最短ルートを利用することが今回は得策だと思いました。体調も心配でしたし。

宿泊先は候補をふたつに絞ったはいいのですがそこからなかなか決められずにいました。
候補のひとつは会場にも駅にも近いという、立地が魅力のホテル。価格もそこそこ手頃。もうひとつは城の近くの高級ホテル。

…出た、城(笑)。コイツホントに城が好きだよな(笑)。大阪も福井も城の近くのホテルをわざわざ選んでたのを覚えてる人もいるかもしれませんが忘れてください(笑)

城の近くのホテルはひとりで泊まるにはかなりお高いホテルだったのですが、Aさんがこのホテルへの宿泊を希望されていたので、ご一緒させていただくことになりました。申し込みもしていただいて、さらに立て替えていただいて、本当にもう東に足を向けて寝られません…。毎日拝んでおります…。
面倒だし金曜日の宿泊もここにしてしまおうと思ったら、何故かシングル満室。仕方ないのでもうひとつの候補のホテルを予約しました。ここも確か土曜は予約が取れなかったので、同じホテルに3泊はどっちにしろできなかったということになりますね。

※ここで幕張旅日記の訂正です。アクロバットペアの白鳥のプログラムですが、白鳥の湖ではなくて瀕死?の白鳥でした。湖じゃチャイコフスキーだ。サン=サーンスの方だったはず。←修正しました(2017年追記)
フィナーレでのオマケもやっぱりちょっと行われてたと思います。ステファンがヴォロソジャールとデススパイラルに挑戦したりしてましたし。ステファンはペアの選手ではないのでお上手とは言い難かったですが。でもやはりいつもよりは時間が短かったような。←こちらは修正してません、すみません(2017年追記)

以下次号。

半年後の世界が、どうか穏やかであるように

まだ真偽のほどははっきりしていないようだけど、リプニツカヤが引退と聞いてびっくりしています…。まだ10代だったよね…?
拒食症という話が本当であれば、しかもそれが引退しなければならないほど深刻であるということならば、確かにオリンピックどころではないし、とにかく健康を優先して欲しいけれど、あの美しいスピンがもう競技で見られないのかと思うと…。シンドラーのリスト、印象的なプログラムでした。

ソトニコワも怪我の影響で今シーズンの試合には出場しないと明言されたようですね。競争の激しいロシアの女子、有力選手がひしめいているとは言え、団体と個人でソチの金メダルに輝いた選手たちが平昌に姿を見せないとは…。金メダリストがそのまま引退したり、休養という名の実質引退状態に入ったりすることは珍しくはないけれど、二人ともまだ若いだけに残念です。

しかし、団体のメンバーには出場の可能性のある選手もいるはずかと思いますが、個別の金メダリストのうち、確実に平昌にも出場しそうなのはもしかして羽生君だけ…?デイヴィス&ホワイトは確か平昌には出ないと宣言してたはずだし、お子さんが生まれたばかりのヴォロソジャール&トランコフは正直厳しいだろうし…。寂しい。
トリノからバンクーバー、そしてバンクーバーからソチは、有力選手の顔触れがあまり変わらなかった気がするけれど、ソチから平昌のこの激変ぶりは…。私、フィギュアスケートを真剣に見るようになったのはソルトレイクシティーオリンピックがきっかけですが、あの時からずっとオリンピックに出場し続けていたプルシェンコが、ついにこの春引退を明言したため、真剣に見るようになってから初めての、プルシェンコのいないオリンピックが待っているわけです。それだけでも、何だか異世界にやって来てしまったような感覚。そうか、プルシェンコの宇宙から別の宇宙に我々は移動したのだ←意味不明

オリンピックの金メダリストが、次のオリンピックまでほとんど競技を休むことなく出場し続けて連覇を目指す、という状況が、少なくともソルトレイク以降羽生君以外に記憶がないため(もしいたらごめんなさい)、寂しいも何もこれが普通で羽生君が特殊な例なのかもしれないけれど、それだけに、羽生君が当たり前のようにこの4年の間にやっていたことが、しかもあれだけの成績を残し続けてきたことが、どれだけ貴重で、ファンにとってはどれだけ幸せなことだったのか、しっかり胸に刻んでおかないといけないと思いました。羽生君の強烈な人気の出方にはいまだに現実ではないかのようにびっくりしているけれど、容姿が整ってるとかそういうこと以上に、選手として我々の前に姿を現し続けているからなんだろうな。そしてそれは、簡単なことではないらしい。規格外の選手だからこそ、規格外の人気も出たのでしょう。

平昌まであと半年。いや半年を切っているのか。どうかこれ以上、怪我や病に苦しむ選手が増えることなく、無事に開催されて欲しいと願うばかりです。

3年前の君の若さは3年後の君の強さ

お題「24時間テレビ」

ここ数年、チャンネルを合わせることにしているこの番組。理由はたったひとつ。羽生結弦選手が出演するからである。そうでもなければ、とりあえず流していたとしても積極的に見ることはないでしょう。

昔は時々見てたし、歌詞を募ってサライを作った時のことも覚えているが(年がバレますねうっひゃーい)、番組のコンセプトが成長するにつれて鼻についてきたような気がする。
感動させるために作られた感動、には白けちゃう方なんだよなあ。もちろん感動したい人がいるから感動させる番組を作る必要があるというのもわかるんだけど。結局需要と供給だから。
そもそも、人間というものは自分よりは地位が下だと思い込める存在を常に作って、自分の自尊心を保たないと生きていられない生物なんだな、と常々思っている。どんな綺麗事言ってる奴も皆同じだと思う。頑張ってる人なんていくらでもいるんだけど、自分が無意識に優位に立てる、そう思い込んでる相手が頑張ってることが大切なのであって、誰でもいいわけじゃない。まずそこがおかしいし、結局それって相手に対する敬意など何もないということである。それがもっと悪意をもって行われた時に、それは差別とか偏見とかいじめとかいった言葉に名前を変えるのだろう。ここでは感動という言葉にすり変わっているわけだけど。
でもそうでもしないと、実態を伝えられないという事情を抱えた例もおそらくはあるはず。だから全面的に否定はしない。たとえ綺麗事にしかならなかったとしても、何もしないよりはずっとマシ、という場合も多々あるだろうから。一方的に否定してる人の心の中にも、きっと本音では「そういったもの」を求める黒い本音があるはずだ。まずそれを認めなければ、何も変わりはしないだろう。所詮皆、偽善者として育つように教育されてきたんだから。

そんなわけで、そこまで真剣に見たりはしませんが、ギャースカ拒否反応を示すのも何か違う、という冷めた気持ちでとりあえず垂れ流してる昨今。24時間ずっと同じ内容が流れるわけじゃないですし。

今年のテーマは「告白」だそうで、羽生君は喘息患者であることを初めてテレビで告白する、という触れ込みだったが、確かに一般的にはそれほど知られてなかったのかもしれないけれど、それでもかなり有名な話じゃなかったっけ、ソチで優勝した時も総理大臣とそんな話してたよな?と首をかしげてしまった。テレビ的にはそういうことにしておいた方が色々話が早いんでしょう…。

このブログでも何度か書いてるけど、私は赤ん坊の時から小学校の高学年か中学生くらいまで(よく覚えてない)アトピーを発症していて、赤ん坊の頃などは髪の毛が抜けてほとんど禿げてしまうほど酷かったらしく、この子は将来絶対に喘息になります、と宣告されていたようです。結局喘息を発症することはなかったのだけど、普通の人よりはずっとリスクが高かったというのは事実なので、羽生君の話は決して他人事ではないと思って聞いていました。今でも各種アレルギー症状に悩まされることは少なくなく、もうそれが普通のことになっているとは言え、時々凶悪にかぶれたりするとやっぱり辛く、競技中に羽生君の唇が紫になっていたり、アルコール消毒でかぶれたなんて話を聞くと、喘息の苦しみはわからないけれど、少なくともアレルギーのしんどさは多少なりとも理解できるので、過剰に心配してしまったりすることもありました。

でも羽生君は、それは自分にとって普通のことだって言ってましたね。そう、確かに病気は辛いけど、でもそれも含めて個性であり、その人自身。健康だから普通なわけでも、病気だから特別なわけでもない。もちろん、配慮しなきゃいけないことはあるけれど、でも、個性が違うだけで皆同じ人類。
もしかしたら羽生君は、特に深い意味はなくその発言をしたのかもしれないけれど、でも羽生君の口から自然にその言葉が出てきたことは、とても大きいと思った。私のようなただ人が何を言っても耳を傾ける人はいないけれど、羽生結弦が口にする言葉には多大な影響力がある。色々批判の多い番組だけれど、今年羽生君が出演したことには、かけがえのないものがあったのではないかと個人的に思います。

そして番組の目玉のひとつであったであろう、羽生君の演技。3年ぶりの「言えないよ」。そうそう、これカメレンゴの振付なんだよね。しっかり名前がクレジットされるあたり、なかなかやるな日テレ。

このためだけに郷ひろみが埼玉のアイスリンクまでやって来て生歌も披露。3年前のファンタジー・オン・アイスでは、喉の調子が良くなかったらしく本気のひろみの歌唱が聞けなかったが、彼もその時のリベンジが出来たのではないだろうか。いい歌だよなこれ。

肝心の演技ですが、3年前は彼の全力の青さを眩しく受け止めるとともに、もう少年・羽生結弦の演技を見る機会は残り少ないのだろう、と過ぎていく時の速さを噛み締めたものでした。3年経って、確かにもう、少年の羽生君はあの幕張のリンクに置いてきてしまったけれど、全力の羽生君は、むしろもっとパワーアップして戻ってきたように感じ、わりとポカンとしながら見てしまいました(汗)。

これショーで跳ぶジャンプ構成じゃねえええええええええぇぇぇぇええええ←エコー

スケート選手としての道を歩んでいる少年に、どうせなら目標となるような技を見せたいという、羽生君の気持ちはわかるのである。少年が練習中のトゥループと、少年が好きだと言った羽生君のトリプルアクセルアイスショーでもバンバン高難度ジャンプを跳びまくっている羽生君のことだから、別に驚くことでもなかったかもしれない。

だが。だがそれでも。それでもである。
なんっじゃああああの美しい4回転トゥループは!これ加点いくつつくんだよ!しかももう一本。さらに伝家の宝刀トリプルアクセル。コンビネーションこそなかったが、ほとんど競技ですがな。しかもビールマンスピンまで。一切の手抜きなし。私があの少年だったら泣きながら土下座してるぞこれ(笑)

22歳になった、氷の世界の若武者。フリルの印象が強い羽生君の衣装としては、わりと男っぽいシャツだけど、3年前よりもよく似合っていた。その情熱を氷に叩きつけるかのような青い演技は、包容力のある青年のそれに変貌していた。それは大人の男の愛と言うよりも、自分に憧れる少年スケーターへの暖かい眼差し、といったものだったように思うけれど、3年前に感じた、歌と本人の間にあるアンバランスさは、もうどこにもなかった。それは、ひたすらに上昇する若手だった羽生君も、もう次の世代へバトンを渡す側の年齢に差し掛かっているという事実でもある。あとどれだけ、選手としての羽生結弦を、我々は応援できるのだろう。時は流れるばかりで、決して元には戻らない。後悔だけはすまいと、改めて誓った。

至福の時間だったアイスショーは終了。余韻に浸っている我々視聴者を衝撃が襲う。2回転トゥループの練習中である少年にかけた羽生君の言葉。

「あと2回転回れば4回転だから」

なんかさらっと鬼みたいなこと言ってるんですけどーーーーー!!!

そういや少年との練習中にも「一生懸命キュッてやれば跳べる」とかなんとか、わかるようなわからんようなアドバイスをなさっていた。ああ、なんか思い出すんですけど。4回転ジャンプは4回回って降りるだけ、とかなんとか言ってた人がかつていたような。家電にやたら詳しい人だったような!←笑

いやいやわかるんですよ、遠い遠い目標に思える4回転ジャンプも、あと2回回るだけなんだって。その2回に気の遠くなるような努力が必要なのだとしても、でもたったの2回でいい。羽生君も少年の年頃にはきっとまだ4回転なんて遠い世界の話だったはずだけど、でも日々の積み重ねで今がある。すごく難しいよ、って言われるよりも、あとこれだけでいいんだよ、って言われる方が、ずっとずっとイメージしやすいしモチベーションも上がる。

だがそれでも!それでもやっぱり爆笑するしかないわ!(笑)もうホント、清々しいくらいのSですね(笑)。
個人的に、今年の流行語大賞は2017年四大陸選手権における羽生結弦氏の「金が欲しい!金が!金くれ!」でほぼ決まりでしたが、ここに来て超有力候補が現れてしまった。ああでも、スケートシーズンの区切りとしては6月末で年度が変わってるっけ。それなら問題ないか?…って、このへんすべて私のひとりごとなんでお気になさらず(笑)

そんなこんなで、今年の24時間テレビは終了したわけですが、羽生君ファン的に、24時間テレビの本番は実は「news every.」。ナレーションやらテロップやらをある程度カットして再び演技を流してくれるので、最悪everyだけを見てもいいくらい。今年も本編では流れなかったエピソードも含んだ素晴らしい編集。2年前の「花になれ」はeveryで流れた映像があまりにも素晴らしくていまだに忘れられない。あの時の演技はそもそもが素晴らしく、24時間テレビの方だけど、羽生君が巫女みたいで神々しくて、初めてフィギュアスケートを見て感動した、と熱っぽく語ってくれた人もいたっけ。吐く息まで幽玄の世界のようで、あれはホントに美しかった。

何だかんだとフィナーレは見ましたが、陸上部出身でまだ若いブルゾンさんはまあ無理のない方の人選だったのでは。サライ大合唱すれば何だかんだ言って「まあいっか」な気分になるのであの曲はすごいと思います。いつか羽生君がこの曲で滑ったらどうしよう。これより「昴」の方が似合う気も…。って、わけのわからんことを言い始めたところで強制終了(笑)

氷上の覇者、さもなくば銀河の覇者

今さらですが、羽生君の今シーズンのプログラムについてひっそりと。

昨シーズン終了の時点でうっすら思っていたことは、ショートプログラムはおそらく変更だが、新しく作成するのではなく過去のプログラムを焼き直すだろう、ということ。

羽生君はここ数シーズンショートプログラムを持ち越して滑り込み、2シーズンかけて完成させている印象がある。実際、その作戦はソチオリンピックシーズンでも功を奏している。それで行けば昨シーズンのプリンスは持ち越されるはずだったが、あのプログラムはオリンピックシーズンのプログラムとしてはふさわしくないように感じていた。しかも手痛いミスが多く発生し、いいイメージも持てなかったように思う。非常に盛り上がるし、羽生君の俺様系プログラムは個人的に大歓迎なのだが、それでも今シーズンのプログラムとして選ばれることはないだろうと思った。

そうなると、新しいプログラムが作られるのか、という話になるが、昨シーズンどうも成功のイメージのなかったショートプログラムを新たに作成し、本人にフィットするか、ジャッジに評価されるかを探るには、1シーズンでは短すぎる。羽生君の背負っているものはあまりにも大きい。彼は負けられないのだ。正直、見ている側からすればいい演技であれば何位だって構わないのだが、演技をする側にとってはそうではない。前オリンピックの覇者として、彼は絶対に結果を残さねばならない。そんなのどうでもいいんだよ、楽しく滑ってくれたらそれでいいんだよ、とつい我々は言ってしまうが、それは無責任な外野の呟きでしかない。

で、結局どうなるかと言うと、過去のプログラムを再び滑ることになるわけだが、さすがに3シーズン同じものを滑ることはないんじゃないかなあ、と思っていた。そこで私が考えたのは、フリープログラムをショートプログラムに焼き直すという作戦であった。たとえばSEIMEIはどうか。あれは実に羽生君に似合う、おそらく羽生君以上に滑りこなせる人物はいないプログラムである。ショートサイズにするということは結局別のプログラムになるということかもしれないが、当時の世界最高点も叩き出したイメージのいいプログラムであり、もう一度見たいと思っている人もおそらく少なくはなく、選択肢としてはそう誤りでもない気がした。もちろんこれは私の勝手な妄想でしかないのだが。そう、私がもう一度SEIMEIが見たかっただけですごめんなさい(笑)。

そして今シーズン、蓋を開けてみれば、まさかのバラード3シーズン目。
…結構びっくりした。そう来るとは。しかし、結局それしか選択肢はなかったように思う。
バラードは「綺麗な羽生君」を堪能できるプログラムだが、彼のうちに潜む激情が顔を覗かせても違和感のないプログラムでもあり、羽生君としても滑りやすいのかもしれないと感じることはあった。ショートプログラムでの失敗は許されない。これまでの羽生君であればいくらでもフリーで巻き返していたが、これだけ4回転ジャンプや表現に長けた選手がひしめいていては、もうフリーだけに頼るのはあまりにも心もとない。バラードは非常に難易度の高いプログラムに思えるが、しかし現時点でのショートプログラムにおける世界最高点を保持しているのはこのプログラムであり、羽生君はほぼ完全にこのプログラムを体に染み込ませているはずだ。今更振付やジャッジの評価等で悩む必要もなく、ただひたすらジャンプの完成度だけ磨いていける。絶対に勝つためには、これが最適の選択肢だったと言えるだろう。もちろん、実際に試合が始まってみなければ、そう言い切れるかはわからないところだが。

そしてフリープログラム。ショートプログラムは早い段階で発表されていたが、フリーは今月の公開練習まで秘密のベールに包まれていた。ショートプログラムが過去のプログラムの持ち越しであったことから、フリーは新たに作成されるのであろうと考えていたが、こちらも蓋を開けてみれば、バラードと同じシーズンに使用していた「SEIMEI」だった。
びっくりした。びっくりしたと同時に、納得した。そうだ、これしかない。

ショートプログラムについての記述で散々持論を述べた通り、絶対に勝つためにはおそらくこれがベストの選択肢である。新たにプログラムを作るということはリスクが伴う。もし彼には「合わない」プログラムだったら?修正している時間はない。その暇があるならジャンプの精度を上げることに時間を割いた方が、少なくとも今シーズンだけは結果に繋がるように思える。1点でも多くもぎ取らなければ勝てない。
もちろん、過去のプログラムということで飽きられてしまうとか、これまで以上の滑りをしなければ評価されないだろうとか、かつて世界最高点を叩き出したプログラムでありそれを超えることが暗に要求されるという、とんでもなく高いハードルまで課される、等といったリスクもあるわけであるが、それでも、2015年のあのシーズンを戦ったこれらのプログラムを滑る方が、より確実に勝てると踏んだのだろう。私もそれは間違いではないように思う。

何よりも「SEIMEI」というプログラムは魅力的でありすぎる。誰が滑ってもいいわけではない。羽生結弦が滑るからこそあのプログラムは強烈な魔力を発生させるのだ。
何故オリンピックシーズンにこれを滑らなかったのだろう、勿体ない、と実は思っていた。何故かと言われても、オリンピックシーズンに滑るにはリスクのあるプログラムだからなのだが。題材が思いっ切り日本、しかも陰陽師というマニアックさ。果たしてジャッジに理解されるのか。そんなリスキーな題材をいきなりオリンピックシーズンにぶつけてくるのはあまりに危険である。そもそもオリンピックシーズンでなくともリスキーであった。
しかし、このプログラムは結局世界最高点を叩き出した。芸術面でも評価されなければあり得ないことだ。陰陽師が何者か等といったことはどうでも良かったのかもしれない。そもそも我々日本人であっても正確に理解している人は少ないだろうし、外国の人にとってみれば、「ニンジャ」「ゲイシャ」「フジヤマ」的な、漠然とした日本のイメージと大差なく受け入れられるものだったのかもしれない、ちょっと説明が難しいがそんな風に感じた。
何より、そんな小難しいことなど吹き飛ばすほど、羽生結弦という人物そのものがプログラムに説得力を持たせていた。
透き通る白い肌、リンクに映える漆黒の髪、相手を射抜く切れ長の瞳、細くしなやかな体躯。これほど日本人そのものであり、日本人らしい美しさに溢れた男子選手はかつて存在しなかったのではないか。彼が和のテイストに溢れた音楽と衣装に身を包んでいるというだけで、そこには日本の文化そのものが拡がる。いちいち理解などする必要がない。
しかも、その可憐とも言える容姿とは裏腹に、彼の内には修羅が棲む。その修羅が鎌首をもたげたとしても、このプログラムにおいては違和感がないどころかプログラムにますますの凄みすら持たせる。京の都に巣食う魔を調伏する陰陽師。その鋭い眼光に射抜かれただけで、低級な魔物であれば消滅してしまうだろう。
まるで漫画である。ファンタジーだ。しかしこの二次元っぽさこそが羽生結弦のほかにはない武器のひとつなのである。少年漫画の主人公のような性格や運命の持ち主である上に、現実離れした美しい容姿。本人の存在がそもそもファンタジーである。初めてSEIMEIの衣装に身を包んだ羽生君を見た時、あまりの違和感のなさっぷりに「成長したリアルハク様」などとほざいたものだが、その後「皇昴流」と言われているのを知って「それだあああああああ!」と膝を打ちまくった(笑)。そう、彼は日本が誇るオタクカルチャーの申し子。言うなれば、本人が憑依してる勢いの、死ぬほどレベルの高い安倍晴明のコスプレ。それを可能にする素質を現時点では世界最高に保有する稀有すぎる人物。まさに日本の宝。
…嬉々としながらイヤホンについて語る羽生君は欠片のオーラもないただのオタクだが、その青年が氷の上ではあれだけの怪物になるという凄まじいギャップ。そりゃ、人気も出るだろう。こんな選手は今までに存在しなかった。少なくとも私はそう思う。

延々と語りまくってしまったが(汗)、要するにこのプログラムは、あまりにも羽生君に似合っているのである。羽生君の特質をすべて捉え、しかも最大限にそれを引き出せる。フィギュアスケートというスポーツにおいては、こういった要素は決して馬鹿にできない部分である。どれだけ技術的に優れていても、魅力に欠けた心に残らないプログラムでは、「伝説」は作れないのだ。

しかもである。慣れたプログラムということで、ここぞとばかりに思いっ切りレベルを上げてきたジャンプ構成。あの美しいトリプルアクセルリカバリー用にするなんて。何言ってるのか全然わかんないんですけど!さすがジャンプの変態!←褒めてます
しかしトリプルアクセルを2本跳んだ上で4回転ジャンプを5本跳ぶには、現実問題としてもう1本4回転の種類を増やさなければならない。ライバルたちの動向によってはそれもあり得ない話ではないだろうが(かつて報道番組で流れた4回転ルッツの出来からしてもいつ実戦に投入してきたとしてもおかしくないと思った)、だがやはりリスクは大きい。超難易度の構成を確実にノーミスで滑り切ることの方がおそらくはより勝利に近い。そして世界最高点の更新も視野に入れているかのような発言。ぜんっぜん守りになんか入ってない。どれだけ攻撃的なんだ。彼は勝ちにきている。勝ちたいとはっきり言っている。そこが彼のたまらない面白さだ。もちろん、前述したように試合が始まってみなければどうなるかはわからないことだが、彼の作戦は基本的に間違っていたことがない。常に先を読んでいる。スポーツ選手のファンであることの基本は「その選手を信じる」ことにあると思っているが、そういう意味で彼ほど安心して信じられる人物もいない。強いはずだ、と改めて思った。

昌磨君が「4回転を5種類入れる」などという、あなたは世界でも征服するのですか?と土下座しながら聞きたくなるような超攻撃的な宣言をしており、今シーズンも宇宙大戦争は避けられそうにありません。我々はいつの間にか少年ジャンプの世界で暮らしていたらしい。既に緊張で吐きそうですが(←早すぎ)今シーズンが非常に楽しみです。誰か!平昌に私を!私を連れてってくれ!言っておくが生活に困窮するレベルに金はまったくないぞ!←行けるかああああああ

Fantasy on Ice 2014 in Makuhari⑭

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓

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土曜日の夜公演終了後はAさんと会場周辺で夕食をいただきました。でも夜はあまり食べないのでサラダのみ。店内は同じものを見に行ったらしい人でぎっしり(笑)。
レジの近くに夢のようなガチャガチャがあったのでついついチャレンジ。うさぎのマスコットのガチャガチャ。つぶらな瞳のネザーランドをゲット。素晴らしい。…いい大人ですけど何か?←開き直りまくり

スポーツ番組をチェックしてから(でもショーの様子はほとんど流れなかった)就寝。起床後朝食へ向かったら、日曜日の朝だからか混んでいて、しばらく廊下で待つことに。
順番が来たので中へ入る。やれやれおなか空いた。夜食べない代わりに朝はガッツリ食べるのです。
それなりのホテルの常で、ここもオムレツをその場で焼いてくれました。でもここは今まで泊まったホテルにはなかったサービスがついておりました。
焼き上がったオムレツに、ケチャップで絵を描いてくれるのです!
私はキティちゃんに「morning」のメッセージ入り、Aさんはミッフィーに「ごゆっくり」のメッセージ入り。かわいいんですよこれがまた。これ子供喜ぶだろうなあ。…大人だけどめっちゃ喜びましたが何か?
でも私の前に並んでた人には渋いトンボの絵だったので、きっと人を見て何を描くか決めているのだろう。…キティちゃんがふさわしいと思われたということっすね(笑)

おなかいっぱいになったので部屋でくつろぎつつ、手紙を清書。書き上がる頃にはチェックアウトの時間。良かった間に合った。
確かこのあとの日曜日公演だったと思うけど、ホテルから会場までの道のりで、駅で見かけたダフ屋に再び遭遇する。どうやらまさに取引中らしく、札束を握り締めている。交渉が成立したのかどうかはよくわからないけど、ダフ屋の商売に協力するのは是非ともおやめください。本当に行きたい人がチケット取れなくて困っています。

日曜日公演終了後は荷物を預けていたのでいったんホテルへ戻りました。まだ時間があったので、せっかくだから有名だという某ホテルのパンケーキを食べようと、とりあえずラウンジへ。
ロビーがとあることで少々通行困難になっており、大変困った。ちなみにホテル側の問題じゃありません。ホテルの人も大変だな…。

しかしやっとの思いでたどり着いたラウンジではパンケーキを扱っていないと言う。同じ階にあるレストランで食べられると聞いてそちらへ移動。
しかーしここではなんとパンケーキ売り切れ。がーん。だが最上階のラウンジなら材料が残ってると確認をしてくれた。ドキドキしながらエレベーターで最上階へ向かいます。

最上階の海を一望できる落ち着いた喫茶スペースで、ようやく念願のパンケーキにありつく私。お付き合いくださったAさん本当にありがとうございます。
ふわふわと焼かれたパンケーキが3枚。添えられたメロンジュレにはマカロンが刺さっています。見るからに美味しそうですが、ものすごく美味しかったです。もう安いパンケーキは食べられないだろう、というくらい。…目の玉が飛び出そうなお値段でしたが、昼も夜も食べなかったので、2食に必要な代金を考えたらそうでもなかったかも。おやつとして食べるには高過ぎる…。
メープルシロップが3種類用意してあって、甘さが違うのでいちばん甘くないのから試すように勧められその通りにしてみたが、逆の方が正解だと思った。いちばん甘いやつはホントに甘い。飲み物を頼む余裕がなかった(笑)ので甘過ぎてつらかった…。いちばん甘くないやつがちょうど良かった。まあ好みだとは思いますが。

荷物を受け取ってホテルを出ます。部屋も広いし食事も美味しかったし、何より会場から近くて、体調不良かつ悪天候だったので本当に助かった。夢の通りこのホテルにして正解でした。Aさん本当にありがとうございます♪

京葉線の車内からスカイツリーが見えることを教えていただき、密かにはじめて見たスカイツリーにわくわくしているうちに東京駅に到着。実はどうしても石鹸を買って帰りたくて(買い置きが切れた)、幕張の駅でも探したけど見つからず、東京駅で購入。うさぎのマークの石鹸。たぶん東京でしか売ってないんじゃないかな。自分用にいいお土産ができました。
東京駅までお付き合いしてくださったAさんとお別れし、新幹線で帰路につきました。幕張の旅もこれで終了。今回もあっという間だったな。

大量に買ったミルフィーユですが、お礼をしたい人には夏の私に時間があまりなかったせいで、土産として渡したい人には連絡がつかなかったりして渡せないまま賞味期限が来てしまい、結局半分くらい自分で食べました(泣笑)。ヘコむ(泣)。でも美味しかった(笑)。まあ土産云々など重要なことではないのでどうでもいいんだけど、もっと重要な局面でもなしのつぶてができる人というのはかなり疑わしいよな。そういう人の「忙しい」の言葉の裏にはほぼ間違いなく「お前の優先順位は低い」が隠れてて、要するに嘘なんだよね。それがいつもとても嫌だったので、忙しいという言い訳はできる限りすまい、事実だとしても時間を作る努力は必ずして常に誠実でありたいと心掛けているのですが、いやーもうチョー忙しくて3ヶ月以上かかっちゃいましたよ幕張旅日記エヘッ☆時間マジでないしぃそれどころじゃなかったしぃ←舌の根も乾かぬうちにというやつですな←うわあ
いやまあこれ自己満足で書いてるからほかの人から見れば何ヶ月かかろうと知ったこっちゃないんだけど(笑)なくても誰も困らないし(笑)

こんなところで幕張旅日記の筆を置きたいと思います。ショーではもっと色々なものを見たはずなのに、もはや絶望的に忘れていて悔し涙が止まりません。この調子では新潟旅日記が書き上がる頃には年が変わっているでしょう…。そしてその頃には新潟に行ったことすら忘れているかもしれない…

経済的に大変なのでショーに行くのはそろそろやめようかなと悩みながら訪れた幕張ですが、照明の海の中に広がっていた世界はあまりに魅惑的で、簡単に決意を揺るがせてしまう夢の時間でした。それを象徴するかのように幕張の会場を流れた、「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」の大サビを思い浮かべながら幕張日記を締めくくりたいと思います。次は富山旅日記でお会いしましょう。

ー幕張日記・完ー


2017年追記:
絶対無理だと思ってたんですよ、この時の幕張行き。絶対に絶対に無理だと思った。よくもまあ無事に行って帰れたものです。この頃まではネタの神様のお力添えみたいなものを強く感じておりましたが、現在は天界に帰られたようで(泣)、この調子ではもうどこにも行けなくなりそう。だって食べるものにも困ってるのにアイスショーどころじゃ…。ネタの神様の得意分野はあくまでネタだから(笑)、生きていくのもままならないほど生活が苦しいという基本的なところには弱いみたいです(笑)。って、神様に頼んでもしょうがないんだよ。助けてっていう声に応えないといけないのは人間のはずだから。でもその声が届かないから、神様に祈るしかなくなるんだよな…。とほほ。

今年の24時間テレビ郷ひろみ羽生結弦のコラボレーション再びと聞いて、ちょうど順番的にタイミングよくこの幕張レポートを掲載することになったのも面白い巡り合わせだなと思いました。きっと「言えないよ」を滑るのだろうと予想しているけれど、あの頃は若さゆえの全力そのものだった羽生君の演技が、3年の歳月を経てどのように変化しているのか、とても楽しみだったりしています。って違うプログラムだったりしてね(笑)。
声のせいか微妙な評価だった郷さんですが、私は旅日記の通り実は結構満喫してました(笑)。オープニングが「男の子女の子」でスケーターが男女半々に分かれて昭和の雰囲気たっぷりに滑り出したらどうしよう、なんて心配してましたがそんな必要まったくなかったから良かった良かった←あるわけないわそんなん(笑)

会見の当たり年だったっけ確か(笑)、懐かしいネタが…。ちょっと不謹慎かとも思いましたが、これが2014年に書かれた文章だというのがよくわかるので、あえてカットせず当時の空気を残してみました。んでホントに郷さんのファンじゃないから(笑)。結構好きな曲があるというだけで。嫌いでもないが、ファンというほどではまったくないぞ。うう、すみません。

しかし、はてなブログは歌詞を書けないのが残念だなあ。ブログサービスによっては書いても問題ないらしいと聞いて、はてなを選んだのをちょっと後悔したくらい。本人以外の人間が本人の作品で大儲けしたり、悪意ある表現が行われたりするのを防ぐための法律であって、その音楽を愛する人たちが、愛するがゆえに純粋に語りたいと思う自由まで奪うのは愚の骨頂としか言いようがないと思うのだが。そんなことするからCDも売れなくなっちゃったんでしょ。あれもこれも違反になったりお金取られたりするかもって考えたら、萎縮してしまって、音楽そのものから離れたくもなってしまうんじゃないかな…。音楽なんてまず聞いてもらえなきゃ意味ないと思うんですけど…。うーん。

Fantasy on Ice 2014 in Makuhari⑬

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ここでGOさん再び喋り出す。「ひろみー!」という歓声が起こったもののたったひとり。「これだけオーディエンスがいるのにおひとりだけ…」「誰も僕を見ていないというのは初めてです」と思いっ切り自虐ネタを炸裂させるスーパースターヒロミGO。これでヒロミのプレゼントボックスに一通もお手紙入ってなかったらどうしよう。ヒロミマジで泣いちゃうかもしれないぞ。こんな扱い受けたことほとんどないと思うぞ(汗)
でもヒロミはめげない。これをきっかけに新たな交流ができたらいい、僕のコンサートにも是非来てね、99枚目のシングルも出たよ、とちゃっかり宣伝も忘れない。正直ステージに目をやる暇はないんだけど、でも生郷ひろみを見られて私は結構満足してるぞ。誰もが知っているような歌を何曲も持っている歌手はそうそういないし、芸歴も長くそれなりの地位にあることもあって名曲も数多く提供されている。人選としては間違ってないと思うし、正直よく出てくれたなとも思う。

ひろみの紹介で安藤美姫が再登場。曲は「ハリウッド・スキャンダル」。おお、この曲かあ。これはスケートに合いそうだなあ。確か洋楽のカバーだよね。郷さん結構多いよな。哀愁のカサブランカもそうだし。
そのせいもあるのか、郷さんコラボでいちばん良かったのがこのプログラムだと思った。何より安藤さんにぴったり。「スキャンダル」とは随分挑戦的な選曲だなと思ったけど(2番の出だしなんて洒落にならない歌詞だし…)、良くも悪くも「女」そのものの生き方をしてる彼女によく合ってたし、この曲を笑顔で滑りこなしてしまう今の彼女は、色々な意味で逞しくなったんだろうな、と感じた。勇気ある選曲ではあるけれど、これ以上ない選曲だったと思う。
ゴージャスなんだけど気怠い、洒落た曲調もショーらしくていい。今回だけと言わず今後も滑り続けて欲しいくらい。あと衣装がすっごいかわいかった。

そして最後のスケーター。郷ひろみが熱唱する「言えないよ」。白いシャツの羽生結弦が、サビに合わせて背をそらせるイナバウアーを披露する。さすが金メダリストと唸りたくなるような、堂々とした演技。
…でも正直、彼はこの曲を滑るにはまだまだ子供なんだな、と思うしかなかった(笑)。今日のこの日まで気がつかなかったけど、この曲がこんなに大人の歌だったとは。これは明らかに学生の恋愛の歌じゃない。こんな心の機微を羽生君が感じたことは…間違いなくなさそう(笑)。じゃなきゃあんな全力で滑ってないと思う(笑)。でもこの青さこそが羽生君の魅力である。もうそんな羽生君を見られるのはこれが最後かもしれない。彼が少年でいられる時間は、もうあまり残されていない。このプログラムのアンバランスさを懐かしく思い出す日も、そう遠くはないのだろう。その儚く過ぎ去る一瞬に居合わせることこそが、アイスショーを鑑賞する最大の魅力であると私は思う。

ところで日曜日はスタンド最前列だったせいか羽生君と目が合った気がする。客席に向かって手を差し出す時だったかな、それがちょうど目の前だったような…。ああ、せっかくの一瞬だったのにな、3ヶ月も経つと本当にそんなことがあったのかどうかも思い出せないっていうね(泣)

ショーはとうとうフィナーレへ。ラストを飾るのは「Gold finger'99」!これやらなきゃウソでしょ。会場のテンションも一気に上昇。
スケーターも赤の衣装で盛り上がりに拍車をかける。町田君が超有名なサビの振付を踊りながら登場した時は色々どうしようかと思いました(笑)。
我々も踊らずにはいられない。しかし踊ろうにも振付がわからない。なので土曜日の夜公演のあと振付を覚えて日曜日は踊った(笑)。もちろん超有名なサビの部分のみですが。いーのいーの、誰も客席なんて見てないから(笑)。楽しかったなー。一緒に踊ってくださったAさんありがとうございます♪

いつもフィナーレのあとはジャンプ大会が行われたり何かしらボーナスタイムがあるのですが、今回は土曜日の夜は生放送、日曜日は高橋君のトークショー(P&Gの懸賞で当選コースの中にあった)が控えていたせいか、ほとんど何も行われずアッサリ終了したように記憶しています。それでも日曜日は記念撮影がありました。ステージの前に並ぶスケーターの皆さん。会場がすっごく暑かったことも手伝ってみんな汗だくだったようです。白いタオルが渡され、羽生君や高橋君がゴシゴシ顔を拭いてました。ステファンも何気なく高橋君から渡されたタオルを少し見つめたあとゴシゴシ拭いてました。ステファンしか見てなかったからあとはわかんないけど、皆さんゴシゴシしてたのではないかな。

そんなこんなで幕張公演は終了。いやー、声は残念だったけど郷ひろみ満喫した。あれで還暦近いとは驚き。「花とみつばち」とか「男の子女の子」とか歌うかなと思ったけどなくて残念。ってないか(笑)。…郷ひろみがデビューしたのは私が生まれる前だが、ベスト盤を聞き込んだのでそこそこGOの曲には詳しい。決して年齢詐称ではない(笑)。現代のベートーベンが作曲しました。STAP細胞はあります。
ジャケットプレイを見逃したのは一生の不覚です。
…って総括が郷ひろみの感想のみってそれでいいのか?(笑)

※これだけいろいろ書いといてなんですが私は郷ひろみファンではありません。本当です。STAP細胞はあります。

以下次号。

 

Fantasy on Ice 2014 in Makuhari⑫

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再び登場、ポーリシュク&ベセディン。初めて見るプログラム。ポーリシュクがスーパーマンで、ベセディンは何だ?(笑)スピード感に溢れた楽しいプログラムでした。直前がフェルナンデスだったので、フェルナンデスも恒例のスーパーマン(何回滑ったよアレ…)だったらものすごくクドくて良かったのに、などと思った(笑)

町田樹。なんと2度目の登場。ファンタジー・オン・アイスは今までずっと1プログラムだったのに…。出世したね町田君(涙)
演目はエデンの東エキシビションバージョン。アンコールでちょっとだけ見たことあるけどフルで見るのはこれが初めて。うおおおおおお(感涙)
ジャンプの数を減らしたりはしてるんだけど、とても情感こもってて素晴らしかった。町田君はなんだかすごく大きくなったように見えた。いつもそわそわしながら見ていたあの町田君はもうどこにもいなかった。幕張でいちばんいい演技をしてたのは町田君じゃないかな。

そしてステファン・ランビエール。何という素晴らしい滑走順…。
グリーグのピアノ協奏曲。グレーの衣装のステファン。もう語る言葉が出ないほどの完成度。
ステファンにはクラシックがよく似合う。炎のようなピアノの音が本当によく似合う。彼の体は鍵盤を叩く指。五線譜を踊る音符。そう、彼は音楽。長いプログラムだったけど、いつまでも見ていたい。拍手もできない。息すらできない。別格、という言葉をもう一度使おう。

ステファンの演技にすべてのエネルギーを使い果たしてしまうくらい衝撃を受け、改めてファンで良かったと思いました。けどその反面、いつものステファンらしくないかなとも思った。ステファンはいつも、スケートへの深い愛が伝わるような演技をするのに、幕張での演技はそれを観客に伝えることを忘れているように見えた。何だか客のいない会場でひとりで滑っているような印象でした。
ステファンは幕張での滞在をとても楽しんだようで、ショーの合間の舞台裏とか、ねずみ王国へ行った時の様子とか、いつもよりかなり多くの写真をインスタグラム(写真共有SNSみたいなの)にアップしていただけでなく、普段は気をつけているようなのに今回に限って宿泊先がわかってしまうような室内の写真や位置情報の出る写真もアップしてしまっていたりして、かなり浮かれている印象でした。仲のいいヴォロソジャールとトランコフがいたせいだろうと思いますが、お前遊びに来ただろ?と突っ込みたくてしょうがなかった(笑)。ファンじゃなければ今回のステファンでも十分過ぎるくらいなんですけど、ファンなので細かいところまで気になってしまいました。ごめんねステファン。でも私は、いつもリンクと観客に対して誠実なステファンが好きだから、ただ滑りに来ただけのステファンには満足できないんだ。人間だからそんな時だってあるだろうけど…。ごめんねステファン。わがままなファンで本当にごめんなさい…。

興奮冷めやらぬ中登場したのは高橋大輔。何という滑走順。テレビならこのあたりで瞬間最高視聴率に到達ですかね。
高橋君も新しいプログラム、「I'm kissing you」。どこかで聴いた曲だなと思ってたら、17歳の羽生君も使ったロミオとジュリエットではないか。高橋君のはヴォーカル入りだけど。
白いシャツにほどいた黒いタイ。ラストで客席に向かって差し出される腕が切ない。まだあまり滑り込まれていない印象でさほどピンとこなかったけど、高橋君らしいねっとりした感じはなかなか。

ここで郷ひろみタイム再び。同じく再び登場のヴォロソジャール&トランコフが滑り出したのは…
「僕がどんなに君を好きか、君は知らない」。
マジか…。マジでホントにこの曲なのか…。

この曲も大好きなんですよ。だから歌ってくれてとても嬉しかった。嬉しかったけど、でもこの曲、少々直球過ぎて痛い。決して叶わないことをわかっていながら、それでもただひとりしか見つめられない。その報われない愛こそが、見返りを求めない愛こそが本当の愛だ、なんて言われるけれど、でもそんな聖人君子は地上のどこにもいやしない。報われないもどかしさに時に憎みたくなり、勝手に膨らむイメージを持て余し、それでもどうしようもない想いを日々抱えて生きていく。この歌はストレートで、かつリアルだ。歌詞のひとつひとつが、装飾された詩ではなくただの本音である。だから胸に響くし、ごまかしがきかなくて辛いのだ。
…まあ、私が勝手にそう思ってるだけで全然違うかもしれませんが、きっと全然違いますが、とりあえず名曲だと思います。

実は、いつか郷ひろみアイスショーで歌うことはあるかもしれないとうっすら思ったことがある。その時に、もしこれを歌われたらきっと泣いてしまうんだろうなあ、と頭に浮かんだのがこの曲だった。郷さんの声は残念ながら不調だったけど、金メダルペアの演技を見つめていたらやっぱり涙が零れた。演技はあんまり覚えてないんですけどね(汗)。公私ともにパートナーで絶好調のこの二人にこれを滑られても…ってのが大きかったかも。でも元々彼らは公私ともに別のパートナーがいて(確か…。記憶違いだったらすみません)、紆余曲折を経て今に至っているんだよなあ。そんな彼らがこの曲を滑るということは、爽やかに絶望的なこの曲に、一筋の希望をもたらすのかもしれません。

わけがわからなくなったところで以下次号。