うさぎパイナップル

書き散らしてるときだけが生きてる気がするんだ(社会不適合者・居場所募集中)

魔法使いのいない教室②

昨日の続き。

五年生の時、担任の先生が変わりました。昨日も書いた通り、田舎の学校のため一学年にクラスはひとつしかなく、クラス替えは6年間一度も行われず、担任の先生も2年に一度しか変わりませんでした。
私にとっては3人目のその担任が、いじめが横行しめちゃくちゃだったクラスに初めて抜本的な改革を行ったのです。

ちょっと遠くの地域からやって来たその先生は方言丸出しで、迫力があって、男女が手も繋げないクラスなんて情けないと激怒しながら、クラスの状況を変えていきました。あの先生がいなかったら、私は自分が普通に喋ったり笑ったりしてもいいんだといまだに思えずにいたかもしれません。今こうして生きていたかどうかも正直あやしいです。
言いたいことはズバズバ言うけど、情熱を持って生徒に向き合ってくれた、いい先生でした。生徒たちの学力が低すぎると、毎日大量の宿題やテストが出ていましたが、それらの用意だけでも相当な労力だったと思います。私は人生のかなり早い段階で、自分の将来の選択から「教師」を外していました。それは、この先生のように私生活を少々犠牲にするほどの熱意が無ければ子供の心ひとつ救えない、という現実を目の当たりにして、自分にはそこまでの情熱を持ってこの仕事を勤めることはまずできないだろうと思ったからです。どんな仕事にも責任はありますが、学校の先生のそれは特に重いような気がします。先生にとっては一瞬でも生徒にとっては一生なわけで。こういった経験を基に、自分も同じ道に進みたい、と考える人は多いと思いますが、私はまったく逆でした。

おかげさまで、学校は急に楽しい場所に変わりました。たぶん元々は何も考えずにへらへらと楽しく生きていければそれでいいのが私という人間だったのだろうと思います。普通の子になりたい、が心の口癖だったけど、たぶん性根から変だったんですよコイツ(笑)。マシンガンのように喋り出した私を「今まで言いたいことも言えなかったんだからしばらく好きにさせてやれ」と先生はクラスメイトに見守るように諭して自由にさせてくれ、ダメなことはハッキリ怒られましたが、でも私の才能だと思った部分はちゃんと褒めてくれました。そう言えば全然褒められた記憶ってないんですよ。母親にはけなされてばっかだったし、学校で褒められたら生意気だコイツ、になっちゃうから嬉しくないし。卒業する時に先生のくれた言葉はまだ覚えてます。

あんたはたくさん勉強して、できれば語学をいっぱい勉強して、本を書きなさい。

すみません、色々あってすっかり勉強しなくなっちゃって今に至るのですが(笑)、本も書いちゃいないですが、でも先生の言葉は今でも自分の支えです。

その後もいじめみたいなことがなかったわけじゃないです。何となく集団から浮いてしまうことはよくありましたし、特に外見のことでは、かなり成長してからも、酷い言葉をまったく知らない人から投げ付けられたりし続けました。将来整形してやるってずっと思ってたんですけど、結局見た目が変わるより痛い思いする方が嫌だった(笑)。小学生の時に読んだ『ブラックジャック』にも影響されましたね。ブラックジャックに整形してもらって美人になる女の子の話なんですけど、あれを読むと整形する気がなくなってしまうのですよ私は。ブラックジャック先生さすがだよ。女に冷たいくせに女心をもてあそびすぎだよ(笑)。

でもね、具体的ないじめに遭うことがほとんどなくなっても、生きてる意味がない、と自分のことを思っている自分は健在だったんですよねこれが。
学校の先生やクラスメイトを恨む気持ちはほとんどないんです。様々な発言や行為は覚えていても、その主が誰だったのか全然覚えてないし。そもそも彼らのことを嫌ってすらいなかった。大人なんて何にもわかってないじゃんとか子供は馬鹿だから嫌いとか(自分も子供なのにな)、もっと大きなものに敵意が向いてたような気がする。世の中のすべてから存在を否定されてるような感覚に陥る毎日だったからそういうものなのでしょう。
決してただ落ち込んでたわけではなく、絶対にこんな悲惨な人生から抜け出してやる、っていう気持ちはずっと持ってました。めちゃくちゃ勉強して働いて、親に家でも建ててあげないと自分は生きてる価値がないって思ってたし。つまり今の自分は価値がないんですけどそれは置いといて、このままで終わるつもりなんて私にはなかったです本当に。けれど、どんなに頑張ろうとしても、必ず足を引っ張るのです。
6歳の、子供の頃の自分が。

何故そんなに自信がないのかと、本当にたくさんの人から言われてきました。自分を低く見積り過ぎ、自己評価が低すぎだと。自信のなさはチャンスや信頼を失うことにも繋がります。とりあえずやってみればいいのに、それができない。どうしても足が動かない。どれだけ頑張ったところで無駄なだけ。何やったって嫌われるだけ。失敗して笑われるだけ。だっていつもそうだったじゃない。お前には生きてる価値すらないと、そう言われてきたじゃない。だからことのほか否定されるのが怖い。失敗や嘲笑がこたえる。完璧にやらなければ許されないとひたすら緊張し、そのうちストレスが爆発してしまう。気が付いたら、安定し始めたはずの人生がまたムチャクチャになっている。
私の人生はその繰り返しでした。今もスパイラルから抜け出せないどころか、今度こそ色々無理なんじゃないかというところまで追い詰められていたりします。実は。えへ。社会のゴミですすみません。

子供の頃の自分は大人になってからも深刻な事態をいちいち呼び寄せてくれます。社会人になってからも、まだいじめみたいなことやってる奴いるんだ、とはじめはびっくりしたものです。善悪の区別もついていないような子供の時代ならともかく、大人になってもそういうことができるその人たちは、全員人間じゃない何かに見えたので、たぶん本当に人間のふりをした何かだったんでしょう。でも、たとえ相手がそういうろくでもない人だとわかっていても、また自分がいじめのターゲットになってしまうことが本当に理不尽で仕方なかった。仲良くしてもらってたはずの人にまで「あんた見てるといじめられるの当然だと思うわ」的なことまで言われる始末。確かに私クズだけどもさ。確固たる自分が何もない上、いじめられ抜いて辟易しているのにまたそんな奴に幾度も巡り会う自分に嫌気が差し、いじめられた人間は一生いじめられ続ける運命なのかと絶望。運が悪いだけだとも言えなくはないが、たぶんそれだけじゃないんじゃないのか。

最早誰かや何かを恨んでいなくても、その頃のことを思い出せなくても、いじめられていた頃の、世界中のすべてから見放されて、小さな世界で膝を抱えているしかなかった頃の記憶は、消えてなくなるどころか、いつまでも重い、重い枷となって身体中を縛り付けているのです。振り払おうと思っても離れない。どうして離れてくれないのか自分でもわからない。ただひたすら、しんどい。
だからいじめはやっちゃいけないんですよ。その頃に感じた苦しみは大人になっても残り続けるから。そしてその苦しみは、当たり前のように人生を歩んできた人には理解できずに、ますます自分を浮いた存在にしてしまうから。
いじめの規模や内容によっては、キレイさっぱり忘れられる場合も多々あると思います。その場合はその人を成長させる糧にすらできるかもしれません。でも、ある程度深刻な事態になった場合は、その人の一生を左右する重大な状況に繋がってしまう可能性が非常に高いんじゃないでしょうか。
誰かの人生を、将来に渡って破壊することの罪の重さが、わからないほどバカじゃないとそう願いたいけれど。わかってないから相変わらず横行してるんでしょうね。大人になってまでも。

それでもって、自分の周囲にこういう状況があると知りながら放置を決め込むこともいじめみたいなものだと思って欲しいです。誰かの人生が破壊されていくのを黙って見ているだけなんですから。自分に被害が及ばなければそれでいいと、自分を守ることだけに必死のあなたを、いざターゲットになった時に守ってくれる人はいません。その時に、自分が見捨てた人たちの気持ちを思い知ったとしても何もかももう遅い。こんな状況はおかしいと、誰かひとりだけでも声を上げていたら。きっとあなたはそう思うでしょう。では何故あなたがそのひとりにならなかったのですか。都合よく逃げておいてそれはないでしょうに。
こういう人たちはターゲットにはならないのかもしれないけど、自分自身に降りかかったと考えれば少しはその残酷さがわかるのではないかな。「いじめてもいい人間」を作ってゴミ箱にする浅ましさに気付いてください。あんたなりたい?ゴミ箱。

誰かに対して理不尽ないじめを行っているあなた、今すぐやめましょう。見てるだけの人も黙ってるのはやめてください。心から好きでもない誰かの人生について、将来に渡るまで責任を負えますか?負えないでしょ。相手の気持ちも考えて、なんて言ってもどうせ通じはしないけど、一生罪を背負って生きる羽目になるよって言われたら少しはやめる気になるんじゃないかな。人間なんて自分のことしか考えられない生き物だから。それでも通じないような気もするけど、私が人間不信なだけですかね。そうだったらいいんだけどな。
で、もしその人が何らかの信号を出してたら、どうか無視しないで話を聞いてあげて欲しい。たった一人、たった一人だけでもそういう人がいたら、その人の人生は生涯に渡って傷付かなくて済むかもしれないから。
あとね、いじめられる側同士で寄り集まっても実はあまりうまくいかないの。コミュニケーションの基礎が壊れてるんだもん。それで嫌な思いもしたし嫌な思いもさせてきた。だからね、その基礎をちゃんと持ってる人の存在は私みたいな人間にはとても大切なんですよ。めんどくさいと思うけど、手本になってもらえたらどれだけ救いになるか。だから見捨てないでお願い(泣笑)。
それから親御さん、働いてて忙しい人も多いとは思いますが、忙しくて子供の様子にも気付けないんだったら、働き方考えた方がいいと思うよ。あなたが働かなくても会社は回るけど、あなたの子供の人生に代わりはないんですから。そこは忘れないでほしい…。

ああ、もっと笑えるように書くつもりだったのに。スタートラインから見事に躓いてるよ人生(笑)。しかもこの話、私の暗黒ネタの中ではマシな方だと思う。人生が酷すぎて、本でも書けば?ってマジで言われたりもするんですがネタにできないよ笑えなくて(笑)。いや笑い事じゃないって?普通はこういう深刻なことって笑って話せないんだって。何で笑ってるのって言われることはよくある。でも笑いたくて笑ってるんじゃなくてたぶん笑うしかないだけなんでしょうけど。まあとにかく、誰も幸せにしない行為だってことだけ伝わればいいや。あーあ、いつまでこんな人生が続くのかしら。もう飽きたよ(笑)