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うさぎパイナップル

ただ、書くことが好きなだけです。

すぐ隣にある異世界

ひとりごと

今日の記事はきっと「嫌な内容」なんだろうけど、それでもあえて書いてみたい。

私はたぶん一般的なラインよりは「めんどくさいことを抱えてる比率」がかなり上だと思う。正直何でこんなに人生が重いのか理解できません(汗)。いちいち書くと記事がやたら長くなるし、さすがに書くには勇気のいることが多過ぎて今は語ろうとは思わないけれど、とにかく「普通の人」になりたかった。当たり前のように人生の基盤を保有し、そのことを疑いもしないような普通の人生。普通じゃなくても面白ければ構わないけど、もう面白がる元気もないしそもそも面白くはないし(汗)。

そんな私の抱えたものの一部を、10年ぶりくらいに交流が再開した友達に何かのきっかけで話すことがあった。友達は心配になったらしい。あなたは結婚した方がいい。誰かに支えてもらった方がいい。誰か紹介できる人を探してあげる。そう提案してきた。
それは有難いお話で。じゃあもしそういう話があれば、と気軽に返事をしたのだが、彼女は自分の伴侶に相談して本当に紹介できる人を探してきてくれた。
しかし、彼女の話を聞けば聞くほど、私は気軽に返事をしてしまったことを後悔する羽目になってしまったのである…。

その人の人となりを聞くに、おそらくその年齢まで未婚なのには何らかの理由があるのでは、という印象だった。人間として魅力的な人物であっても、縁がなかったばかりにずっとひとり、ということは少なくないので断言はできないけれど。
でも、そこはそれほど大きな問題ではない。会ってみれば非常に気の合ういい人で、多少の悪条件も気にならないかもしれない。要するに問題はそこじゃない。

彼女にも伴侶にも、ほとんど友達がいないようだった。だから、どうやらあまり親しくもない伴侶の元同僚の中から無理矢理見繕ってきたらしい。もしかすると彼女には面識すらないのではないか。
だから、私が是非結婚したいと強く希望しなければ紹介できない、と言うのである。名前もわからない、顔写真もない、ほんの数行で終わる簡単な家族構成や居住地や健康状態のみの情報で、私にその人物とどうしても結婚したい気持ちになれと言うのである。そうでないと話を持っていけないと。

待って。いくらなんでも無理ですそれ。
そんなんで結婚への情熱が湧き出すなんて、提示された情報が「大阪在住の真面目な石油王」くらいの内容じゃないと不可能(笑)。でも石油王だって、たったそれだけの情報で、たいして親しくもない元同僚の、しかも面識のない嫁からいきなり「どうしてもあなたと結婚したい人がいるから是非会ってあげてください」なんて言われたらドン引きでしょうよ(笑)。あからさまに金目当てだよ(笑)。
彼女が紹介しようとした人物だって、そんな男でさえあれば誰でもいいような態度の人間に会ってみたいと思うだろうか。もしかしたら面白がって会ってみようと思うかもしれないけど、でもそれってもしかすると女であれば誰でもいい人物なのかもしれない。あまりよろしい展開ではないように思われますが。

そもそもその人物に結婚願望があるかどうかすら確認できないような間柄という時点で紹介どころじゃないだろう。しかも彼女がその人に白羽の矢を当てた理由は、正直私にもだけどその人に対してかなり失礼なのではないかという気がした。もし私が首を縦に振ったところで、彼女たちはその人に、自分たちがその人を選んだ理由を言うのだろうか。その時点で断られると思うんだけど。だってその人のハンデを盾に、重荷を背負わせる目的でその人を選んだってことだから。そしていきなりそんなマイナス面ばかり提示されてしまう私の気持ちもちょっとは考えてください…。

でも彼女は一生懸命考えてくれたのである。そこは痛いほどわかるのだ。だからこそ中途半端に話を受けたくない。なので、疑問に思うことをうやむやにせず、きちんと伝えた。
しかし彼女は私の言葉に混乱してしまった。理解できなかったらしい。断るなら違う言い方をして欲しいとか言われてしまった。だからそうじゃないんだって。とにかく私の考えは伝わらなかった。丁寧に丁寧に噛み砕いたつもりだったけど伝わらなかった。まるで彼女が知らない宇宙から来た人のように思えた。

しかし、彼女のある言葉で、まったく噛み合わなかった議論に糸口が見えたのだ。
彼女は、こう言った。

自分は結婚してくれれば誰でも良かった。こういう人がいい、なんて女の子らしい気持ちが理解できなかった。

衝撃だった。
脳天に一撃をくらったかのような衝撃だった。
つまりそれって「寄生」じゃないか。
すごく嫌な言い方をするけれど、ほかに思い浮かぶ言葉がない。

じゃあ、彼女の今の伴侶は好きで選んだわけじゃないということか。その人じゃなくたって良かったということか。たまたま手近にあったから適当に掴んだだけということなのか。伴侶はそのことを知っているのだろうか。伴侶はそれでも良かったのだろうか。
そう言えば彼女は力説していた。努力次第で誰でも夫婦になれると。確かに、一昔前までは見合い結婚が主流だったのだからそれは一理あるかもしれない。けど一理はあるが絶対ではない。それが絶対ならば、別れを選ぶ人はいないはずである。どんなに努力しても、どんなに願っても叶わないことは存在する。そういう壁にぶち当たったことがないと実感は薄いのかもしれないけれど。

とにかく、彼女にとっての結婚とは、とりあえず自分の生活を維持さえできれば、寄生先さえ見つけてしまえば、あとは夫婦という体面を保つ努力をして、一生寄生し続ける、ということのようだった。それはもう最初から私と根本的に考え方が違う。話も噛み合わないはずである。噛み合わないのはそれだけが原因じゃないと思うけど、彼女はそんな彼女でも安心して生きていけるよう布石を打っているのだから、私は心配しなくてもいいのだろう。本当に弱い人間ならば、そんなたくましい生き方はできないから。

でも寄生が悪いことだとも私は思わない。すべての生物の存在する上での目的は「滅びないこと」ただそれだけである。種を維持していくことが生物に定められた義務である。人間である以前に、我々は生物である。生物としての義務は果たさねばならない。だが、人間の子供ほど手間も暇もかかる面倒で弱い存在はないだろう。安心して種を保存していける環境を本能的に選ぶのは当然のことだと思う。
ただ、生物であるというヒエラルキーよりは下であるものの、我々は同時に人間である。人間としてどのような生き方を選んでも、それは当人の自由である。それが人間だからだ。そして、非常に本能的な生き方と人間という社会だからこそ成り立つ生き方とは、時に相容れないことがあるのである。

彼女は「誰でも良かった」ことを自覚していた。でも、自覚していないだけで「誰でも良かった」のだろう、と考えられる人は彼女以外にも何人も思い当たる。

「◯◯歳を超えても結婚しない人には何かあるよ」
「一生◯◯なんて嫌でしょ?」
「その年で恋人がいないなんておかしい」
「どうして恋愛しないの?◯◯なの?」

これはすべて私が実際に言われた言葉だが。今にも◯◯歳になろうとしている友達と話をしているのにこの言葉。じゃあ私が本当に◯◯だったらどうするつもりだったのか?そんな繊細な話を、あからさまに興味本位の人間に話せると思うか?
これらの言葉は、私の心に抜けない棘となって突き刺さっている。時々どうしようもなく思い出して痛みで悶える。その言葉だけで本人を嫌いになったりはしないけど、でも忘れたくても忘れられない。言った本人は全員忘れているだろうと思うと悔しい。

あなたが、そういう人を探すために必死で動いて、そういう人を見つけた時にその人の心を自分に向けようと自ら努力した人なら、まだ発言への理解はできる。そりゃ、何の努力もしないでダラダラしているだけの人間を見れば腹も立つだろう。
でも、たまたま、誰かの助力や環境のおかげで、たまたまそういう人に出会っただけのあなたに、そんなこと言われたくない。そりゃ色々努力はしたんだろうけど、チャンスを逃さず立派だとも思うけど、でも言われたくない。
それが「上から目線」って言うんだよ。
結婚も恋愛もしない人間を無意識にクズだと思ってる証拠だよ。何様なんだよ。しかも無意識なだけにたちが悪い。

私自身はクズで結構だ。言われてもしょうがない。子供の頃に打ち立てたある考えがあっての今なのだけど、長くなるのでここでは割愛する。とりあえずはクズで結構。でも、縁がなかったとしか言い様のない人もたくさん見てきた。多くの適齢期の人間が陥っている経済状態を考慮すると、そういう人は今後もっと増えていくだろう。その一方で、「よくあの人が結婚できたね」と後ろ指を指されている人もたくさん見てきた。人間の気持ちだけは努力でどうにかできるものではない。だから皆、恋愛であったり友情であったり、人間同士の関係に悩むのではないか?人生が終了するまでうまくいかない人がいてもまったくおかしくない。そして、そこに「運」の要素が一切ないとは言えないのではないか。それなのに、全員まとめて「クズ」にされてしまうのだろうか。

そんなに結婚も恋愛もしない人間が奇異に映るなら、話している相手が恋愛や結婚をすべきだと思うのなら、じゃあ具体的な対策でも考えて提案すればいいのではないか?何らかの理由が、ポリシーがあってのことなのか、無茶苦茶にそういうのが苦手なだけなのか、聞いてみた上でアドバイスでもすればいいのではないか?でももちろんそんなことはしない。自分はそんな努力してないから。自分の寄生先さえ安泰ならばそれでいいから。そういう生き方をしていない人間を笑って、自分は間違ってなかったと確認したいだけだから。でもそれはすべて無意識下のことで、おそらく本人にまったく自覚はない。
彼女は自覚があったからこそ私のために一生懸命になってくれたのだ。実際には彼女はまったく弱くはないと思うけど、本来ならばひとりでは生きていけない弱い人間こそが寄生先を、頼れる相手を見つけなければならない。彼女はそれをよくわかってたんだと思う。なかなか実際に行動してくれる人なんていないから、そこは気持ちがとても嬉しかった。心配しているかのような素振りだけで実際はただ奇異な目を向けてくるだけの人より、ずっとずっと私のことを本当に、純粋に考えてくれたんだから。ただ、私が彼女のような考え方を知らなくて、うまく対応できなかっただけの話である。当然あの話は無しになったが、そういうことではなしに、もう少し何とかできなかったのかな、と今でも時々考える。でも、彼女とのやり取りのおかげで色々なことに気付けた気がするから、それは良かったのだと思う。気が付かない方が良かったのかもしれないけれど。見えたくないものが見えてしまうから。

この話は本当はもう少しだけ別の方向で続くのだけど、あまりに長くなったので別の機会に譲る。
自分のことは棚上げばかりするクズだと思われているんだろうな今頃。お前の努力不足なだけなくせに他人を僻んでばかりのろくでもない奴だと。お前みたいなクズがひとりで生きていくのは当然だと。それは非常に正しい。
でもね、気にしてないふりをして黙って笑ってるだけなのも疲れるんだよ。クズにもクズの言い分があるんだよ。
前述したように、それだけのことで嫌いになったりはしない。人には様々な側面があるから。でも、「どうせあんたにはわからないでしょ」という、その上から目線だけはやめてほしい。確かに私にはわからないよ。けどあなたにだって私の立場はわからない。知っていたけど忘れたのかもしれないし、もう永遠にわかる立場には戻れないのだろうし、そもそも最初からわからなかったのかもしれないけど。
私たちは同じ世界を共有してるけど、でも別の宇宙でも生きている。ただそれだけ、それだけだよ。