うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

谷底に転がり落ちてきた硝子玉

番組の途中ですが(笑)、幕張旅日記はいったん中断とさせていただきます。後日またしれっと再開しますので、もし目を通してくださっている方がいらしたら、2日ほどお待ち下さい。しれっと再開します(笑)

さて、中断してまで何を書きたかったのかというと。

はてなブログで紹介されたーーーーー!

ブログを開設して来月で1年。管理と計算がしやすいから1日あたり1記事を何となく(笑)、というやる気あるのかないのかわからないスタンスで続けてきたこのブログ。あまりに疲労が酷くて更新が辛いこともよくあるのだが、それよりも書くことの方が楽しいのでどうにか継続できてる感じです。過去の遺産(汗)が大量にあるというのも大きいのですけど。あれ載せてるだけでも余裕で半年以上更新できるもんな…。自分の記録と記憶を積み重ねてある種の作品を作り上げていくのは本当に面白いもの。自分のためにやっている部分が大半とはいえ、その過程をもしも気に入ってくださる方がいたらこれほど嬉しいことはありません。

でもってこのブログ、ほとんどがフィギュアスケートとお題の記事で構成されております。お題に沿って書くの、意外と面白いんですよ。書こうと思っていなかったテーマを掘り出していけるのが楽しくて。自分の書きたいものだけ書いてると偏っちゃうし、飽きちゃうし。私がね。もちろん、まったく興味のなかったり知識のないお題については書けませんが。

しかし、お題に挑戦してもいつも微妙に主旨から外れた内容ばかり書いていた私(汗)。様々なキャンペーンに関連する記事の中で優秀なものや、「今週のお題」として5つの記事がピックアップされ紹介されているのは当然知っていましたし時折読んでもいましたが、自分の記事がそこに連なることは永久にないだろうと思っていたら!ら!

 

blog.hatenablog.com

 

最後にひっそりと連なっている。連なっている…!

いやあ、嬉しかったです(感涙)。こんな場末のブログを見つけてくださった方がいて、お盆時期にも関わらず見に来てくださった方がいる、それだけで本当の本当に感激でした。
載った内容はね、苦手な人はごめんなさい、というものですけど(泣)。霊感的なものが一切なくて、わけのわからない予知夢を見たことがあるくらいの私には、すぐに思い出せたネタはこれくらいでした。あれは痛かった。時期的に多数徘徊しておられると思われますので、皆様どうぞお気をつけて。ここ数年は比較的小さなものしか見かけてませんが、台所のシンクに出現した時、別の黒いもの(名前を言ってはいけないというか言いたくないあの存在)と勘違いして食器用洗剤を大量にかけたら、あっさりと天国へ行かれました。名前を(以下略)にも非常に効くけど、彼等にも効くみたい?食器用洗剤ってすげーな。

以前にも書いたことがありますが、記事のタイトルは「内容から外れない程度にわざとわかりにくいものを付ける」というこだわりを持っておりまして、何故かと言うと、タイトルに惹かれて、いわゆるお役立ち記事だと思って覗いたら、死ぬほど薄っぺらくてどうでもいい記事で、「なんだこりゃ時間返せバカヤロー」って人様に思わせるのが嫌だから。つまり自分がそういうのが好きじゃないからです。ブログで稼いだりブログを仕事の手段にしてる人はアクセスしてもらってナンボだ、というのはものすごくわかるのですが、私の美学には反する。全然面白くないもん。まあ、ほぼ完全にただの趣味でブログを書いてるからこそそういうこだわりも持てる、というのもわかるんですけどね。有用性のカケラもないことがタイトルからも滲み出ていれば、このブログに不要な期待をする人もいないでしょう。その方がいいのです。時間は無限ではないのだから。それでもここを見つけてくださった方には、本当に本当に感謝しております。
てなわけで、タイトルを考えるのは時折異常な苦労が伴うのですが(何せ無駄な努力に近いから←笑)、この紹介していただいた記事のタイトルも実はそうでした。まったく思い付かず、一時間くらいああでもないこうでもないとこねくりまわした結果、自分では面白くないと思ったけれどもうこれしか浮かばないや、というタイトルを適当に付けたのだった。それが紹介されることになるとは。まあそういうものかもしれませんな。

しかし、素敵なことというのは最悪の状況に救いを与えるために発生するのかもしれないですね。実は今、色々色々色々で、わりと自分の肩にはもう背負い切れない、と倒れかかってる状態です。
身内のほとんどが、乗り越えた者とこれから直面する者との差こそあれ、健康上に大いに問題のある状況に陥り、しかも貧困家庭にとってそれがどういうことかは火を見るよりも明らかなわけで。
そんな状況下で、私の直面している大問題のことなど、言い出せるはずもなく。ショックで死人が出るわい。もちろん誰にも話していないわけじゃないけれど、話したところで助けてはもらえないので、ひとりで頭痛や吐き気と戦いながら向き合っています。
生活費がほとんどなくなっても、以前ならネタにして笑い飛ばして、空腹にも頑張って耐えたりしていたけれど、もうそんな気分にもなれない…。ほとんど空っぽの財布と冷蔵庫、このところずっと悩まされている体調不良、そしてその原因とのあれこれ…。ここ数年、必要最低限のこと以外誰とも喋らない日がほとんど。話すことで生きる気力を得ていたのだな、と今にして思うけれど、話す価値もない相手と認識されていることを理解した今は、孤独が自分を殺す日を黙って待つしかないだろう、そんな気持ち。

ある程度のことをブログにぶちまけてみようか、と思ったことは何度もありますが…。基本は自分が書きたいと思うことを楽しく書いてるだけで、読んでもらえたら嬉しい、という気持ちで独りよがりにならないよう気をつけて書いてはいるものの、どうしても誰かに伝えたい、という欲求はあまりないので、反応が全然なくても平気なのですけど、これが、わかって欲しい、助けて欲しいという思いを込めて書いてしまうと、誰にも伝わらない、読まれても一切反応がない、という状況にますます苦しんでしまうことになるのですよね…。本当は、本当にピンチの時などはブログでも何でもいいから発信して助けを求めた方がいいのだろうけど、その声をリアル知人が無視する可能性の方が9割8分くらいだと思う。それってもう色々な意味で絶望しかもたらさないわけでな。
このブログにそういう部分を求めてたと思われる知人は実際にいたけれど。でも、なーんにも連絡してこないよ、たまに毒吐いてるのに(笑)。つまり読んでないんだろう。そんなもんですよね。そんなもんだ。本人の自由だしさ。

てなわけで、「これまでの人生をできるだけ笑いながら話したのにあまりに悲惨だったらしくて話した相手に本気で泣かれたことがある」という(もちろん実話…)底辺人生の私めは何度目だかもうわからないドン底で目下よれよれしています。そんな時に、つたないブログが紹介されてどれだけ嬉しかったか、それがちょっとでも伝わったら、ちょっとだけ嬉しいな。

※紹介していただいた記事をいつでも読み返せるようにするためとこの記事を書くために初めてはてなブックマークを使ってみたのですが、何が何だかよくわからない。これでいいのか?合ってるの?(汗)←誰に聞いてるんだ

Fantasy on Ice 2014 in Makuhari⑥

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓

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相変わらずのどんよりした天気の中、本日2回目の幕張メッセ。雨はもうそれほででもなかった気がしたけど、やはり寒い。

入場の際、何やらチラシと柔軟剤のサンプルが手渡される。そう言えば今回の幕張公演はP&Gがメインスポンサーだった。柔軟剤はボールドでした。実用品は助かる。もっとくれ←オイ

P&Gプレゼンツなので、狭いロビーの至る所にP&Gの展示やらモニターやらが設置されていました。最も目を引くのは会場に入ってすぐ目の前で行われていた展示。P&Gの様々な事業の報告や羽生君や高橋君のインタビューの掲載されたパネルと、東北の震災に対する出演者たちのコメントの入ったサイン色紙が並べられていて、長蛇の列ができていました。
我々も日曜日公演の前に並んだのですが、人が多くて立ち止まることがほぼ許されないためパネルの文章を読むこともできず何となく写真撮って募金して流されるままに終了。写真撮影可だっただけマシなのか。サイン色紙は安藤さん、高橋君、羽生君、織田君、ヴォロソジャール&トランコフ、ステファン、フェルナンデス、のものがそれぞれ飾ってあったかと思います。ステファンも比較的丁寧に書いてました。彼の字は正直申し上げると、その、読めな(以下略)

その展示よりさらに長蛇の列だったのが、すぐ隣にあった写真撮影コーナー。高橋君と羽生君の等身大パネルと一緒に写真が撮れるというコーナーね。あまりの人の多さに諦めましたよ(泣)

さらにこの幕張公演、今までのファンタジー・オン・アイスでは存在しなかった物を売っていた。それは公式グッズ。Tシャツとエコバッグとタオル。意外というか何というか、この手のグッズが売り出されたことがなかったんですよね、パンフレット以外の。
公式グッズ売り場も長蛇の列だったし財布も寒かったので、とりあえずTシャツのみ購入。売り場には羽生君とステファンがTシャツを着て笑っている写真が飾られており、ステファンの着てるサイズを聞いて同じものを買ってやろうかと思ったけど(笑)、普通にレディースのMサイズが残ってたのでそれを購入。ステファンは細いけどごく普通にメンズのMじゃないのかしら。でも羽生君が着ているのは私の買った女性用Mらしい。どれだけ驚異的に細いの?てか絶対私より細い…。町田君も同じサイズ入るんじゃないかなあ…。スケーター恐ろしい…
ちなみにこのTシャツ、私が今回パジャマとして持参したTシャツと同じ会社の製品っぽい。仕事の関係でもらったTシャツで、Sでも結構ゆったりだからレディースのMじゃ大きいんじゃないのかなあ、と心配してたら、私のもらったTシャツはたぶんメンズのSだったっぽい。今回購入したTシャツはわりとちょうど良かった。それだけに羽生君の細さが…。ちょっと身投げしてきていい?(泣)

公式グッズ売り場の近くにはモニターがあって、P&GのPR映像らしきものが流れていましたが、羽生君がかわいらしく映っておりました。この子自分がかわいいの絶対知ってるよね。
それにしてもロビーは狭かった。いろいろ販売されてたけど、狭くて移動も大変な上あちこち長蛇の列が出来てたのでろくに見られなかったです。

パンフレットも購入していよいよ場内へ。土曜日の座席はものすごく前ってわけじゃないけどほぼ中央。日曜日は土曜日の席からステージと反対方向に端に寄った微妙な席。でもなんとSS最前列。たとえ端でも視界を他人の頭で遮られないのは爽快。土曜日が土曜日だっただけに(血の涙)

そう、その土曜日ですが。素晴らしくいい席だ、と喜んだのも束の間、開演ギリギリくらいに入ってきて私の斜め左前に座った男性になんだか嫌な予感を覚える。まだらな金髪、金のネックレス、何というかチンピラ風?注意とかするとめっちゃ怖そうな感じ?(汗)
私の目の前の4席はギリギリまで空席だったのですが、左端にその男性が座り、その男性の連れらしい女性と少女2名が次々と着席。男性の妻と娘であろう。あまり今まで会場で見掛けなかった感じの皆々様である。
私の目の前の席にはその妻が座ったのですが。
が。

座高たっけええええ←旦那より高い
しかもポニーテールゥゥウ←さらに座高上がる
おまけにリボン付きカチューシャァァ←さらに視界隠れる
自分の目の前のはずなのにリンク半分くらい見えなーい←スケーターが近付けば近付くほど見えない

…天国から地獄(呆然)
泣きわめきたいのを必死でこらえたが、この一家に本当に泣かされるのはまだまだこれからなのだった…(血の涙)

それにしても暑い。外はあんなに寒かったのに信じられないほど暑い。羽織物なんてなくてもまったく平気。一応着てたけど。
ああ、ホテルでお風呂に入らなくて良かった。しっかり温まっていたら絶対汗だくだった…。特設リンクはたいてい暑いけど、今回も例に漏れず。

お待たせしました(笑)、いよいよ開幕です。以下次号。

Fantasy on Ice 2014 in Makuhari⑤

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓

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ホームに降り立つと、あれ、なかなか混んでいる。どうやら何かのライブだかイベントだかも開催される模様。似たようなTシャツを着た人を幕張メッセ周辺で何人も見かけました。
駅の建物を出て真っ先に声をかけられたのはダフ屋…。チケットアルヨ、だったかチケットカウヨ、だったか、何人なのかイマイチわからない男性が何やら呟いていました。久々に見たな、明らかなダフ屋。4年前の長野以来か?

とりあえず駅から吐き出される行列について行ったのですが、行列の向かう先はやはり幕張メッセのようで、先にホテルへ行きたい私は途中で行列とは別の道へ。どうやらかなり大回りしてしかもホテルの裏口?から入る羽目になったことに気付いたのは翌日だったけど、無事に到着できたのでまあ良しとする。

とりあえず荷物を預けて幕張メッセへ。チェックイン時間よりもかなり早く到着したのは昼公演の当日券のためである。結局今日のこの日まで手に入らなかったので、もう当日券に賭ける以外方法がなかったのです。やっぱり3公演とも見たいもん。だってゲストが郷ひろみだよ?生の郷ひろみを見る機会なんてたぶんもう二度とないよ?…ってポイントは郷ひろみなんかい(笑)

雨の中会場へ向かい、当日券売り場を探したものの、どうやってもそれらしき看板が見つからない。普通の入場口と某ファンクラブの引換所があるだけ…。
まさか当日券の販売は行われないのか?(泣)わざわざ前日入りしたのに?(泣)

だが実際はごくわずかだけど販売していたらしいです。ごくわずかだったので、私が到着した時には既に完売していたのでしょう。開場3時間前くらいには着いてなきゃダメだったってことですね…。
あああああああああああ(泣)

がっくりする私に追い討ちをかけるように、雨に打たれた体は冷え切って、私は寒さに震えながらホテルに戻りました。一刻も早く休みたかった。でもホテル予約してくださったのはAさんだしチェックインできるのかなあ、とおそるおそるフロントに聞いたら、別に私でもいいらしい。支払い済みだからかもしれないが、いいんだろうかそれで。でも部屋に入れるのは2時だって。じゃあ無理矢理チェックインしなくても良かったなあ、ととりあえず食事に向かったら、Aさんが幕張に到着された模様。既に店に着席してメニュー選ぶ寸前だったけど、また来ますと言って慌ててホテルに戻った。ああ、お久しぶりですいろいろありがとうございます(泣)

Aさんは昼公演もご覧になるので会場に向かわれ、私は律儀にさっきの店に戻りました。店員にやる気が感じられなかったので別の店にしようかなと思ったんだけどさ。
とりあえずいちばん熱そうなメニューを注文。石焼きミートソースパスタとかなんとかいうやつ。熱々なんてもんじゃない皿に盛られてじゅうじゅう焼けながら出てくるため(当然のようにうっかり触ってヤケドした←お前…)一気に体温上昇。飲み物もセルフだったので温かい紅茶を飲みまくってさらに体温上昇。ああ良かった、寒過ぎて死ぬかと思った(泣)。新幹線が寒いと思って長袖のパーカーを持参してはいたのだけれど、そんなものでは足りず厚手のコートが欲しいくらい冷えてたんですよ(泣)

2時になったのでホテルへ。預けておいた荷物を部屋まで運んでくれたホテルのお姉さんが、晴れていれば綺麗に海が見えるんですけどね、と開けてくれたカーテンの向こうに広がる景色は、なんつーか絶望的に真っ白。建物や道路はそれなりに見えるけど、海と思われるあたりは絶望的に真っ白。
リゾートが…。海辺のリゾートライフが…(泣)

でも少し広い部屋を用意してくれたとのことで、お風呂も大きいし開放感あるしなかなか快適。天気は悪いけどリゾート気分はなかなか味わえました。ホテルの机は壁にくっつけてあることが多いけど、ここは独立した机が隅に置いてあって、なんか社長みたーい、とひとりでウキウキしながら手紙の下書きを直してみたりしてました。アホ(笑)

当日券が買えなければ葛西臨海公園の水族館に行く予定だったのですが、幕張からわりと距離もあったし天候も悪いし、何より私が既に疲れ切っていたので断念…。水族館大好きなんですけどね。とほほほほ…

そんな感じで当日券ショックがかなり尾を引いていたこともあり部屋でグダグダしていたわけですが、正直体調も微妙だったので、ゆっくり休めて逆に良かったのかもしれません。精神的ダメージと旅の疲れと寒さと体調不良と、疲労の要因としてはこれだけでもう十分なのですが、日頃の疲れがかなりたたっていたような気がしました。仕事が忙しいのは言うまでもないけど通勤時間が往復で1時間延びたのがやはり辛い。毎月の休みが1日減る計算。体調が良くない日が増えているため休みに寝込んでる場合も多々あるし、職場が遠いため病院とか買い物とかの日常の用事を済ませるのにも苦労する状況で、通勤時間の増大はまさに死活問題…。忙しい分収入に跳ね返れば時間や贅沢を金で買えるけど、私の収入はたぶん同じ年齢の正社員の半分以下。疲労やストレスが蓄積する一方なわけですよ。
実家に帰れば、とか引っ越せば、と気軽に言う人々を見ると、この人は何も知らず幸せに生きてきたんだな、とその人と自分との間に横たわる絶望的に深い溝の存在に思い至り、ついつい冷めた目をしてしまうのですが、深淵なんて覗かない方が絶対に幸せなのだから、そのままでいて欲しいと思うのです。私の立っている側にやって来ても何もいいことないからね。…ま、これくらいでやめとく。て言うか、わずか数年の転勤のために自分にとって何の魅力もメリットもない土地にわざわざ転居するほど酔狂じゃないから。

そう言えばホテルの広いロビーには、大きな天井に七夕飾りがしつらえてありました。笹や短冊が涼しげだった。
…ん?季節の飾り?どこかで聞いたような話だなあ…。

そうこうしているうちに昼公演をご覧になったAさんが戻ってこられました。何よりもまずホテル代を返済(泣)。本当の本当にありがとうございました(泣)。いろいろお土産までいただいてしまってすみません。うさぎのポーチめっちゃかわいい。早速化粧ポーチにさせていただきました。ふふふ。

さて、体も温まったし疲れも少し取れたし、気を取り直して夜公演へ向かうとしましょう。以下次号。

Fantasy on Ice 2014 in Makuhari④

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出発の日の朝、私はまず歯医者へ行きました。定期的に歯のチェックや掃除をしてもらうことにしているのですが、予約がこの日しか取れなかったのです。ギリギリまで予約入れるのを忘れてたせいだからなんだけど、幕張の前に行ってしまいたかったんですよね。
掃除がてら噛み合わせる相手のいなくなった奥歯が伸びているという恐ろしい話を聞かされる。私は歯科矯正の際顎が小さくて全部生えきれないらしい下の歯を2本抜き、元々親知らずのない上の歯の数と合わせていたのですが、下の親知らずを絶望的な虫歯が原因で抜いたため、噛み合わせる相手のない歯が生まれてしまったのです。歯って空間があるとそっちに向かって伸びていくんだって。こわいよう。皆さん歯は大切に。

歯医者の帰り道にお気に入りの喫茶店でランチ。ここのランチは本当においしい。量の多過ぎるココアもたまりません。もっと流行って欲しいけど人にはあまり教えたくないそんな店。

腹ごしらえも済ませるといよいよ東京へ出発。広島発の便にしたので早くからホームに車両が停まっている。せわしなく乗車しなくてもいいのって楽でいいな。
車内では町田君宛てのファンレターを下書き。どうしても伝えたいことがあって、最初で最後のつもりで書くことに決めました。ステファンへのファンレターもあとは清書だけだったのですが、新幹線もなかなか揺れるのでさすがに清書は難しかった。相変わらず家で書き上げてこいよって話なのですが、下書きが済んでるだけマシだと思う…←その基準でいいのかお前

予報ではこの週末も雨だったけど、広島は曇だったし、関西に入ると晴れ間さえ見えてきたので、関東の天気も持ち直すのかなと期待していたら、静岡県に入ったあたりでいきなり窓を激しく流れ始める水滴。横浜のあたりまで来るとなんかもう絶望的に降ってる。当然東京も大雨。
プリンスホテルの水族館に行きたくてわざわざ品川で降りたのに、すっかりやる気をなくす私。荷物もあるしできる限り外を歩きたくない(泣)。傘も日傘しか持って来なかったんですけど(泣)。

ところで新幹線の車内で何故か神奈川県警(男性)を見かけた。わたくし何かしでかしたのかしら、とびくびくしていたら、新幹線を降りたあとの品川駅でその人と女性の神奈川県警のジャケットを着た人を見かけました。何が乗ってたんだ、あの便には。大阪から私の隣に乗ってきた人、ものすごく長いこと席外してた上確か新横浜で降りたけど関係あるのか←妄想

Bさんとの待ち合わせのため新宿へ。新宿の人の多さに酔ってげっそりしながら小田急へ向かい、ベルンのミルフィーユを山盛り(たぶん50本くらい)購入。大量だったせいかクッキーを2枚オマケしてくれました。幸せ。
もちろんほとんどがお土産用である。気軽に配れる価格と分量の3個入りを売っているのがベルンの強み。しかも美味しいからお土産には最適。1本の単価は8個入りがいちばん安いらしいけど。なので今回買ったのは3個入りと8個入りのみ(笑)
東京に来る度に小田急でこのミルフィーユを大量購入してるので、そろそろ小田急のポイントカードを作った方がいいんじゃないかとちょっと思ってたりして(笑)。

待ち合わせの時間まで小田急のカフェでアールグレイを飲みながらグッタリ。本格的に人に酔ったらしい(泣)。これだから田舎者は…。あとは単純に、この湿気で体力を消耗したのだろう。そもそも体調良くなかったし。

小田急が閉店したので、待ち合わせのお店のある地下街へ。この地下街、入口がわかりづらくていつも迷う(泣)
待ち合わせのお店は人気店らしく、いつも混んでいるのですが、この日も店の前に並べられた椅子に座りきれない程の人が。回転が早いらしくすぐ空いたのですが、それでも入店までは結構待った。Bさん到着時にちょうど順番が回ってきてラッキー。

このお店は雰囲気も落ち着いてるし(客の年齢層も比較的高めに感じる)接客も丁寧だし、何よりお料理が美味しいのでついつい足を運んでしまいます。比較的夜遅くまで開いていることも今回わかったので、ますます利用してしまいそうです(笑)

閉店頃までお店で過ごしてからBさんの豪邸へ。新宿から地下鉄1本で行けるのか、便利だなあ。しかも駅からも近い。便利だなあ。
…雨が降っていなければ(泣)
ビル街というものは風が強いそうで、台風かこれは?と聞きたくなるくらいの風雨にさらされながらようやく豪邸に到着。
本人は否定していたけど、東京でこの立地でこの広さなら十分に豪邸じゃあないのか。知らんけど(笑)。また遊びに行くぜ。

朝は結局いつもの時間に起きて手紙の清書。家主が寝てるのに朝からごそごそしててすみません。でもおかげで手紙も完成。Bさんに玄関で見送られていよいよ幕張へ出発。
そう、わかりやすい道順だからって、昨日初めて豪邸を訪れた私にひとりで駅まで行けって言ったんだよこの人(笑)。いやわかったからいいけど、さすがのスパルタ(笑)

今朝も空は雨模様。去年トランクを買い直しておいて良かった。去年まで使ってた小さなトランクはビニール製で、防水はされてるんだろうけどやはり心もとなかったので。

Bさんの豪邸からは東京駅までも地下鉄1本。ホントに便利なところだなー。休日なので空いている。今日もあまり体調が良くなかったので助かった。
東京駅で京葉線に乗り換え。距離があると聞いていたので迷子にならないか心配したけれど、空いていたこともあって迷うことなく到着。ちょうど電車もホームで待っていたので余裕で乗り換えできました。良かった良かった。

車窓から某ねずみの国が見える。潤沢な資金さえあればねずみの国へ入国することもやぶさかではなかったが、そんな余裕あるわけもなく、そもそもひとりでねずみの国へ行こうと考えるほどねずみの国に興味もなかったりするのでスルー。実はいちども行ったことないので、人生の思い出にいちどくらいは入国してやってもいい、とは思ってるんだけどね。三途の川の向こうにねずみの国があるのなら、もうそこでもいいや←もう先がない気がしてる今日この頃

そうこうしてるうちに電車は海浜幕張駅に到着。やっと幕張に着きましたよー!以下次号。

Fantasy on Ice 2014 in Makuhari③

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さて私は、日曜日公演の席以外は当日券でどうにかしようと考えていました。だがしかし一般発売でチケットは完売。当日券が出るのかどうかは大変不透明な状況に。
無い袖は振れなかったとは言え、見通しの甘さに泣きたくなる私(嘆)

しかし臨時収入のあったちょうどその頃、某プレイガイドで完売したはずのチケットが売り出されているのを発見する。たまに、と言うかわりとこういうことはあるのです。そこは全日本選手権のチケットが欲しくて登録したキョードー東京でした。とりあえず土曜日の夜公演のSS席を購入、即セブンイレブンで発券。6列目だけどほぼ中央。なかなかいい席でラッキー。
昼公演も欲しかったけど、土曜日の朝に家を出ると間に合わない可能性があるので一旦保留。しかしこれが完全に判断ミスでしてねえ(血涙)

ところで私、実はこの春職場異動の憂き目に遭っていたのです。まったく予想していなかった異動で、仕事は中途半端に手をつけたまま放置する羽目になるわ残務処理のため楽しみにしていた世界選手権もほとんど見られないわ、なかなか散々だったのですが、兎にも角にも異動すれば当然シフトも変更されるわけです。しばらくして現職場のシフトのパターンをようやく掴めてきた頃、私はあることに気がつきました。

ん?これひょっとして前日の金曜日は休日なんじゃないのか?

金曜日が休めるなら金曜日のうちに出発してしまいたい。ちょうどこの春東京に転勤した竹馬の友Bさんにも会えるまたとないチャンス。Bさんの豪邸に行けるまたとないチャンス!(笑)
ローテが正確にわかったのは実は6月に入ってからという超綱渡りでしたが、金曜日はBさん邸に泊めてもらうことに決め、新幹線の切符も金曜日出発で予定を組んで早割で購入。のぞみスーパー早得切符は往復で1万円近く安くなるという非常に格安な切符なのですが(風呂とか時間潰しの問題を考えれば金額的に夜行バスと大差ないと思われる。時期にもよるけど)、出発の2週間前までに購入しなければならず、しかも購入後の変更が一切きかないという制約があるのです。また往復できる日数にも制限があり、2泊3日が限度。つまり長期の旅行には向かず、さらに予定をきっちり決めてその通りに動けない場合に使うのはとても難しい切符だということ。
それでも一か八かスーパー早得を購入してしまいました。格安で確実だし。東京行きはこれが使えるのが大きいんですよねえ。一応万が一のことも考えて昼過ぎ出発の便にはしたけど。

そんなこんなで、土曜日の昼の公演も余裕を持って見られるという状況に変わったため、早速チケットを手配しようとしたのだが。

売ってない。
絶望的に売ってない(泣)

実は今年のファンタジー・オン・アイスは、3公演すべてに高橋大輔が出演するのです。そのことが明らかになった途端、瞬く間に完売したチケット。4年前から行ってるけどこのショーのチケットが完売したという話はこれまでに聞いたことがなかった気がするんだが…。恐ろしい。金メダル恐ろしい。
結局、私が昼も見ようと決意してから、プレイガイドでチケットの再販売が行われることは一度もなかったと思う。恐ろしい。オリンピック恐ろしい。
ああ…夜公演のチケット買った時に無理してでも買っておくんだった…。あれが最後のチャンスだった…(泣)

そんなこんなで(2回目)、昼公演のチケットを手にすることの無いままついに出発当日を迎えるのです。以下次号。

Fantasy on Ice 2014 in Makuhari②

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チケット先行発売が行われたのは年明けから3月くらいにかけてだったろうか。幕張、富山、新潟の先行すべてがほぼ同時期に行われ、はっきり言って絶望的な状況。地元の人向けの先行でどうやらほとんど売れてしまったらしく、一般発売での購入は不可能に近いであろう富山と、やはり一般での購入が厳しそうな新潟の最終公演はここで買っておきたい。本音を言うと全公演購入したいのだけど、予算的に2公演、ギリギリ3公演が限界。そうなると幕張公演を購入する資金はどうやっても残らないことになる。もし余裕ができたら当日券を狙うことにして、今回は涙をのんで諦めよう、と断腸の思いで先行を見送ることにしたのですが…。

色々色々ありまして、神の助けにより1公演分だけですが資金が確保できることに…。結局、幕張の最終公演のみ先行へ申し込むことに決定。そして無事当選。
優しい奇跡が起こらなかったら、私はかなり間違いなく幕張は諦めていたと思う。でも日曜日公演のチケットが手中に収まったことで、どうにかして幕張まで行こう、厳しいけどとにかくやってみよう、と開き直ることができました。神よ、本当にありがとう…。

開き直ってはみたものの、経済的に厳しい状況は変わらないので土曜日の公演のチケットは当日券を狙うことにしてしばらく保留。この決断は実は間違っていたのですが、無い袖は振れなかったので…(泣)

そうなのです、富山のプレイガイド先行に全然当たらないと嘆くAさんの話やらその他諸々を聞いていると、果たして当日券など発売されるのか?と大いに疑問が…。何故なら、オリンピック直後のシーズンでありしかもそのオリンピックで日本人選手が大活躍したということもあって、毎週のようにショーが行われているにも関わらず、そのほとんどが完売するという恐ろしい状況だったからです。このあと私もイヤと言うほど実感することになりますが、本当の本当にチケット取れません(泣)。それについては後述。

ホテルは何となく予約はしてみていましたが、4万とはいかなくてもシングルだと相当高い。ツインだとそうでもないんだけど、要するに基本的に2人以上で泊まるホテルだということ。これは無理だろうけど、あの夢がいつもの正夢ならかなり間違いなくここなんだよなあ、と逡巡していたところ、Aさんの「一緒に泊まりますか?」というお優しいお優しいお言葉が…(涙)。私の予約していたプランは宿泊人数を増やせなかったのでキャンセルして、もっと安いプランを探し直して、Aさんに予約していただきました。
…何で自分で予約しなかったのかって?お手頃なプランは事前払いプランしか見つからずその時の私にはとても払えなかったからです!(泣)いつもニコニコ現地払い!(号泣)
お前土下座して感謝しろよって感じですね。本当にお世話になりました(涙)。

とりあえずある程度の目処はついたし、残るは交通機関だけ。元気なら迷うことなく夜行バスですが、体調が心配だったので新幹線の早割にしようと決め、あとはその発売開始を待つだけとなったある日。
本当に突然、予想していなかった臨時収入が発生。それはちょうど、幕張で必要となるくらいの資金を賄える金額。私にとっては大金。
その収入が何故発生したかに思いを馳せると寂しい気持ちに今もなるけれど、何故このタイミングだったのかを考えると、私はそこに人智を超えた何かを感じずにはいられない。それでも、それでもこれは偶然なんだろうか。そこまでして私を幕張に行かせようとするのは何故なんだろうか。

そう、これが正夢の力。夢は記憶の整理であり願望の表出であり、そして時に逆らうことのできない未来の図。でも相変わらず、私に見えるのはステファンのことだけ。
もし私に何かしら能力があったり、感受性が通常よりも強いという事実が存在するのならきっとわかったはずのことが、私にはいつも何ひとつわからなかった。それまでに正夢じゃないかと思う夢を見たのは人生でいちどきりだった。なのにステファンのことは、ステファンのことだけは、年に数回という僅かな頻度ではあるけれど、未来を確かに夢に見るのだ。偶然とは思えないほどの整合性を持って。
私はわからないことをそのままにしておくのも、無駄なことを続けるのも好きじゃない。これが意味のない偶然ならば、そう解答して欲しいのだ。それを誰に求めたらいいのかわからないので答えは今も出てこない。結局、私にできるのは、ステファンの演技をひとつでも多くこの目に焼き付けることだけ。すべてはたぶん、4年前の春から始まったことだから。そう、初めてステファンの演技をこの目で見た、あの日から。

この不可思議な話題は置いとくしかないのでとりあえず放置しといて、以下次号。

Fantasy on Ice 2014 in Makuhari①

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2014年最初の旅日記です。今年も変わらぬご愛顧よろしくお願いいたします。

6月に開催されたファンタジー・オン・アイス幕張公演。実はかなり早く、確か昨年の段階で開催は判明していました。理由はP&Gが自社製品を購入すれば抽選でショーのチケット等が当たるという懸賞を実施していたから。ステファンもおそらく出演するのだろう、と予想してはみたものの、私はこの公演には行かないつもりでいました。
何故ならば、開催時期が6月初旬だから。思いっ切りボーナス前じゃないですか!(泣)しかもその後、富山公演と新潟公演の開催も発表され、ステファンの名前がそこに連なることはもはや火を見るよりも明らかという状況。富山は観光地として面白そうだから行ってみたいし、新潟は最終公演にあたるので是非とも行きたい。そうなると経済的な問題で幕張行きは実質不可能。おまけに夏休みが取れる時期でもない。
幕張、富山、そして新潟。どこもかしこもこの中国地方最大の都市からは遠く遠く離れたはるかな地平。交通費だけでも相当な出費。3カ所とも行くのはかなり間違いなく無理。

そんなわけで、ものすごく行きたかったけれど「経済的な問題」という高過ぎる壁の前になすすべもなく諦めていたある日のこと。

関東の、東京の端の方の海沿いにあるホテル。ショーの会場のすぐ近くにあるそのホテルに泊まりたいのに、1泊4万円の部屋しか空いておらず慌てる私。季節ごとに替えるらしい飾りつけが華やかで、どうやらかなり高級なホテルの様子。それでもって、ショーにはもちろんステファンも出演してるんだけど、ステファンは何故かパイプ椅子に座ってショーの様子を見ていて、ファンに丁寧に対応しているトランコフの姿を目にしてファン対応のあり方を考え直す。
…っていう夢を見た。まあいつものように意味不明。ちなみに見たのは1月4日、幕張公演開催が判明してからそれほど経っていない頃。←検証のためステファンの夢は覚えている限りメモを取っています
さらにその2ヶ月後くらいには、ステファンが幕張・富山・新潟すべての公演に出演することが発表されて煩悶しまくる、という夢も見る。それは確か10日もしないうちに寸分の狂いもなく正夢だと判明したんじゃないかと思う。もしかしたらほかのショーと日程がかぶって幕張には出演しないんじゃないかなあ、などとうっすら思って自分を慰めていたけれど、やっぱりというか何というか、全公演か。困ったなあどうしよう。まさに夢の通りに煩悶。

ここで問題なのはこの後者の夢ではなく前者の夢である。これって…、立地からしても幕張じゃないのか?しかも、開催発表後に「泊まるならここがいいんじゃないかな」とすっかりお馴染み、ステファン仲間のAさんと話していたのが会場から最も近い某ホテルだったのである。Aさんは食事も美味しくてお勧めだとおっしゃっていたし、私は以前同じ系列のホテルを2回利用したことがあるんだけどどちらも印象が良かったので(特に体調を崩したり携帯を落としたりして大変だった某地方…)、利用するならここがいいな、とうっすら思っていたのです。

これは…。今までに何度か発生した「行きたいんだけど諸事情で諦めていたステファン絡みのショーやイベントの夢を見ると何故か結局行くことになる」パターンの正夢ではないのだろうか。ステファンに関する夢はもう何度も正夢になったことがあるけれど、最も状況を正確に当てるのがこのパターンの夢である。ということは、私にどんなにその気がなくても幕張には必ず行くことになるだろう。だからこそ「正夢」で、だからこそ私は真剣に悩んでいるのである。どう考えたって普通じゃない…。一体何なのよこれ怖いんだけど(泣)
でも今回立ちふさがっている「経済的問題」という壁は、残念ながら絶望的なほど高く、とても崩せるとは思えなかった。ちょうどチケットの先行発売が行われた頃にイレギュラーな出費が重なったこともあり、ある程度購入費用は残していたものの、正直生活にも困るような有り様だったのです。全財産が129円になってしまい自販機のジュースすら買えず「お前すげえな!」と感心されたくらい←それ誉めてねえええええ

しかし正夢の力はやはり強力であり、私はこのあとそれを嫌と言うほど思い知ることになるのでした…。以下次号。

侵入者は黙って潜む

今週のお題「ちょっとコワい話」

私が中学生だった頃の話です。

ある朝、私はいつものように登校しようと、いつものように玄関へ向かいました。いつもと何も変わらない、慌ただしい朝でした。
学校指定の靴に足を滑り込ませようとすると、どうもいつものようにするりと履けない。午後になると靴がきつくなることはあるけれど、それにしては変だなあ、などと当時の私が思ったかどうかは知らないが(笑)、確かに妙な違和感があったように記憶しています。
しかし、多少苦戦はしたもののとりあえず問題なく履けた。きっと気のせいだろう。無理矢理靴に足を押し込んだ私は、違和感のことなど即座に忘れて、学校への道のりを早足で歩き始めました。

家を出てからわずか30秒程だったでしょうか。
突然、かつて味わったことのないような激痛が私を襲いました。
突き刺すような、なんとも形容しがたい強烈な痛み。それが襲いかかってきたのは、私の片方の足の爪先でした。

あまりの激痛に無我夢中で靴を脱いだ私は、おそらく悲鳴を上げたのではないでしょうか。
何故なら、私の足には、黒々とした巨大な生物が張りついていたからです。

黒く長い、不気味なシルエット。
そう、それは大きな大きなムカデでした…。

激痛の正体に気付いた瞬間、思いっきり足を振り上げる私。そのままさらに思いっきり降り下ろします。がっちりと噛み付いているムカデを振り落とすためでした。
危機的状況に遭遇した人間というものにはやはり「火事場の馬鹿力」が備わっているようです。巨大なムカデの姿は、あっけなく近くの草むらへと消えていきました。あんなに必死で足から何かを振り払ったのは、後にも先にもあの時だけです。ってそうそうないか、そんな機会(笑)

激痛の原因はとりあえず去ったものの、激痛そのものは去るどころか、痛みの原因がハッキリしたせいで気が緩んだものか、もう歩くのも辛い程に悪化。ほうほうのていで踵を返し、私は家に戻りました。徒歩30秒の場所で噛まれたのは不幸中の幸いだったのかもしれないです。もっと先まで歩いていたら、にっちもさっちもいかなくなってたかもしれません。携帯電話が現在のように当たり前に普及していなかった頃の話なので…。

よく覚えていませんが、確かその日は学校指定の靴が履けずサンダルで過ごしたので、足が腫れ上がってしまったのでしょう。単に痛くて履けなかったのかもしれないけど、どっちにしろ凶悪な痛みだったわけです。
結局、病院に寄ってから登校することになりました。事の次第を説明するため親が学校に電話すると、受話器を取ったのは当時の校長先生だったそうで、
「いやあ、自然が一杯でいいところですなあ」
と感心していたということです。
…そこ褒めるとこじゃないから!校長!(汗)

確か、あれは梅雨の季節だったように記憶しています。雨に濡れて湿気を含んだ靴は、奴にとって快適な寝床だったのでしょう…。
それから当分の間、靴を履く前によくよく注意するようになってしまったのは言うまでもありません(泣)。

皆様も、湿気の多い季節の靴には十分にお気をつけください…。恐ろしいものが忍び込んでいるかもしれませんよ…。

ってか、気付けよ当時の私(汗)

約束をするその指は、あなたが忘れた誰かの温もり

広島出身の知人が関東で働いていた頃、こんなことを言われたことがあるそうである。

「まあ、あなた広島なの?じゃあうちの子とは結婚しないでね」

「あの夏」から、もはや半世紀程度経っていた頃の話であると思われる。呆れ返るしかなかった。
しかし、こういった話は決して少なくないのだと、その後も時折耳にすることがあった。それは、ごく当たり前に平和学習というものを受けて育つ広島の人間には、衝撃とも呼べる出来事だった。

私の祖母は、あの日広島に住んでいた。爆心地から遠く離れた場所に住まいはあったが、行方不明になった家族を探すため、直後に広島市内にも入っていたようである。ちなみに、その時行方不明になった家族は今も見つかっていないそうだ。
私は祖母に一度も会ったことがない。若くして亡くなったからだ。私の知る祖母は、古ぼけた写真の中の、それも幼い頃に見たきりの、ぼんやりとした記憶の中に在るだけだ。
ただ、両親にも兄弟にも、おそらく親戚の誰とも似ても似つかない、私の肌の色は、この祖母から受け継いだものであるという。
(自分ではよくわからないのですが、北海道出身の知人が「北海道には確かに色の白い人が多いけどあなたほど白い人はそうそういません」との発言を残した程度には白いらしいです…)

母は祖母に何度か進言したそうだ。原爆手帳を取得した方がいいのではないかと。
しかし祖母は首を縦に振らなかったという。当時は被爆者への差別がそれは凄まじかったらしく、被爆の事実を隠してしまう人も少なくなかったようだ。
祖母が若くして亡くなった原因が被爆によるものかどうかは、当然ながら今となってはわからない。理由などなくても突然亡くなってしまう人などはこの現代にもいるし、まったく関係ない可能性も十二分にある。祖母の子供も孫も、皆それなりに元気で暮らしているし。

「広島駅から宇品の海が見えたんだ」と当時を知る人が直接話してくれたことがあったけど、それほどに何も無くなってしまった広島の街には、今や当時の面影はまったくない。少なくとも広島駅から宇品の海は決して見えないはずだ。わりと最近完成した高層ビルからは見えるかもしれないが。見える場所があったらごめんなさい。

街には人が溢れ、次の世代へと着実にバトンは渡されている。病気にかかる人もいれば、健康で長生きする人もいる。それは世界中のどこであっても、変わらない光景であるはずだ。

それでも、半世紀以上経ってもなお、無知による誤解を抱いたまま、平気で他人の心を抉る人間がいる。
あれだけ、あれだけたくさんの人が、当時の記憶を、原子爆弾の恐怖を、風化させてはならないと、事実を残していかねばならないと、何度も何度も、必死で、次の世代に、世界中の人に、伝えていく努力を続けているというのに。
広島で育った人には常識中の常識であろう、原子爆弾の投下された日付と時刻を、正確に言えない日本人は少なくないらしい。伝えられる本人が、無知のままであることを望んでいては、伝わるものも伝わらない。

東北で甚大な被害をもたらす地震が起こった。二次災害的に、原子力発電所で事故が発生した。

風評被害。いじめ。差別。
あの日から60年以上にもわたって、被爆者の方々を中心に必死で訴え続けてきたことが、よりにもよって世界最初の被爆国の住人に、まったく伝わっていないことが露呈した。
なんにも、変わっていなかった。

個人的な意見であるが、いじめや差別や偏見の根幹は「主に無知による自分の快を守るための他者への排斥の感情」だと思っている。知らないことに対して抵抗感を持つのは人間としてまあ当然のことではあるのだが、その状態から進歩できない人間がいる。
自分の物差しでは測れない。自分の常識では説明ができない。そういった存在に対して、とにかく自分の理解できる範疇に相手を閉じ込めようとする人たち。それは相手に対する、まったく愛情のない説教などといったものに形を変えていく。
それだけならまだいい。本当はよろしくないが、鈍い人間なら相手の意図に気付かないこともあるだろうから。閉じ込めることに失敗すれば、その感情は容赦のない攻撃へと変貌することがある。理解できないことへの不快感から逃れようと、それは段々とエスカレートしていく。

要するに、自分のことしか考えていないのである。この場合、当人の家族と呼ばれるものも、だいたい自分自身のことを指す。家族への愛情とかいう都合のいいものにすりかえているだけだ。
自分だけが助かればいい。自分だけが安全ならいい。自分だけが快適ならそれでいい。
「自分以外にも人間がこの世界に生きていて、彼等は全員自分とは違う人間である」ということを、理解できない人がいる。
知ろうとさえすれば、それはたいした問題ではないと気付くかもしれないのに。目を向けさえすれば、相手は自分と何も変わらないかもしれないのに。
事実かどうかなんて、何が正しいのかどうかなんて、どうだっていいのだ。自分自身以外にも視線を向けられれば、世界はひとつではないと気付く。気付くかどうか。ただそれだけ。
いかに自然に、「知ろうとする」能力を身に付けさせるか、それこそが家庭や学校における教育と呼ばれるものなのだろうとも思う。

しかし、この「無知による暴力」は、今日本の至るところで広がっていると感じる。このままでは日本は崩壊するだろうと何となく思っているが、その原因は政治でも経済でもなく、我々が幼稚になってしまった、ただそれだけのことではないか。いや政治が悪い経済が悪い、自分は悪くない自分には関係ない、と今ここで騒いでいるあなたこそが、この国を滅ぼすのだ。それはいつか、世界へと拡大していくのかもしれない。絶望的だ。

昨年、アメリカの前大統領が平和記念公園を訪問したことで、71年かけてやっと、本当に戦争が終わったように感じた。その71年の間に、どれほどたくさんの人の尽力があったのだろう。想像するにあまりある。
それなのに、その努力すら理解できないほど我々が愚かになってしまったとあっては、情けないを通り越して恐怖すら感じる。このままでいいはずはないだろう。どうしたらいいのかはわからないのだけれど…。

今こそ、勇気を出して原爆資料館に行ってみる時なのかもしれない。普通はその機会があるのだが、実は一度も恵まれず、また私自身が「あなたはあそこに行かない方がいい」と何度も言われてしまうような脆弱な心の持ち主であることから、今までずっと避けていた。東日本大震災もショックが強すぎて、実はいまだに映像などが見られない。ただ、無知のままでいいとは思っていない。

72年目の空も青かった。73年目の夏もいつものように暑い1日になるのだろう。変わらないものがある。変えてはいけないものがある。だけど、我々がこのまま自分自身を変えないことに固執するならば、夏は再び我々に訪れると、いつか約束してくれなくなるのかもしれない。

夏は還ってくるもの

お題「一気読みした本」

小学生の頃、私はかなりの読書家でした。その日も私は、学校の図書室で1冊の本を手に取り、夢中で読んでいました。

授業が始まっても続きが気になって仕方ない。今しかないと、給食の時間に食べながらこっそり読んでいたら、先生に怒られてしまいました(汗)。
非常に面白いと思った本はたくさんあるけれど、それほどに続きが気になり読むのを止められなかった本は、子供の頃に触れた作品としてはその物語くらいだったように思います。

その本とは、松谷みよ子さんの『ふたりのイーダ』。

小学生の頃に読んだきりなので、ほとんど内容は覚えていないのですが、どことなくミステリー仕立てで、少しずつ少しずつ提示されていくヒントが絶妙なため、ついつい先が読みたくなる展開だったように記憶しています。しかし決して「推理モノ」ではなく、そこにはファンタジックな要素やホラー的とも言える要素もごく自然に織り込まれ、子供の自由な発想にも応える間口のある、良質な児童書でもあったように思います。

いつかまた読み返したい、とずっと思っている作品なのですが、あの頃の、夢中で読んだといううっすらした記憶のままの方がいいような気もして、どことなく手に取らないまま今日まで来てしまっています。

今、この本を話題にしたのは、偶然でも必然でもあります。私がこの本を忘れられなかったのは、物語の核となるその要素に、衝撃を受けたからでもあったのでしょう。

蝉の声と入道雲と、高く広がる青い空。72年目の夏が、もうすぐやってきます。