うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい(物書き始めました2018・生活の糧と居場所募集中)

全日本選手権2019雑感③

地上波に移り、男子ショートプログラム後半グループの生放送。第4グループが個人的に息ができないくらいのクライマックスでした。長い感想文になりますが、本日も是非最後までお付き合いください。

男子ショートプログラム

第4グループ

19:宇野昌磨
公式練習から昌磨君の復調ぶりが明らかで、いい演技をするのではないかとひっそり期待していたんだけど、本当にものすっっごくいい演技だった…!昌磨君の演技の中でも最高レベルでは…?
しかも昌磨君めちゃくちゃ楽しそうなんですよ。こんな楽しそうな表情してるの久しぶりでは。こういう楽しそうな昌磨君はいい演技をしてる印象がある。本当に面白い選手。非常に素直で、いいことも悪いこともそのまま滑りに表れてくるように私は感じてます。

キスクラでも目の輝きがまったく違う。ほんの1ヶ月ほど前に、くすんだ世界に包まれて涙ぐんでいたように見えた彼が…。以前の彼に戻ったというよりも、活躍する選手のモードに少なくともこの全日本では移行しているように見えた。
彼の瞳を輝かせた人物がステファンだなんて。どうやら正式にコーチに就任するようだが、昌磨君がコーチ探しを始めた時に、私の頭にはステファンに決まるという解はまったく存在していなかった。しかし、まるでなついている誰かのそばで安心しているかのような昌磨君の姿に、こんな温かな正解があったのか、と驚きを禁じ得ない。

やっとこのプログラムの本当の良さを伝えられたんじゃないだろうか。いつも淡々と滑る印象のある昌磨君がこれだけ感情剥き出しに見えるように滑っているのも珍しい気がした。
遠回りをしても涙を流しても、ただ降ってくる答えよりは、掴み取った答えの方がきっとしっくりと腕に馴染む。昌磨君はきっと深く考えるより昌磨君そのものでいた方がいい。これからの彼が楽しみです。


20:島田高志郎
4回転降りた!降りた!これは彼にとって大きい!コンビネーションジャンプのルッツがダブルになってしまってそこは得点的にちょっと痛いけど、昌磨君に続いていい演技。高志郎君もとてもいい笑顔で滑ってる。ステファンが生徒に教えるのは、スケートと己を愛することそのものなのかもしれない…。
ステファンもやっとゆっくりキスクラに座れますね(笑)。袖から見えるシャツの柄なんとなく派手なんですけど。高得点も出た!


21:田中刑事
4回転サルコウ、手をついてしまったか。転倒扱いか…。コンビネーションジャンプもこらえた。得点にどう響いてくるか…。
しかし全体的なレベルはやはり高い。ステップは非常にキレがあって、今日滑った選手たちの中でも特に目を惹く出来だったと思う。競技の刑事君にしてはかなり感情も出せていて良かったと思うので、ジャンプが少し乱れたのがホントめちゃくちゃもったいない…。それでも80点出た!


22:佐藤洸彬
いい位置引いたね…!絶対注目されるわよ。持ってるなあ(笑)。
4回転トゥループは大きくステップアウトしてしまいましたが、それ以外はとても良かったですね。ここ1、2年で非常に滑りが良くなったと感じるので、引退はもったいない気もします。明るいキャラで和ませてくれる、このキャラクターも私は大好きですよ…!


23:羽生結弦
昌磨君が相当な高得点を出した上、あの調子ではフリーもおそらくいい演技をする。羽生君はミスが許されない状況になった。報道によると、相当疲れている様子。3年ぶりにフル参戦しているのだ、無理もない。
果たして大丈夫だろうかとさすがに心配してしまったのだが、まったくの杞憂だった…。

冷静に勝利を見据える眼差しを伏せたその瞬間が、合図だった。落ち葉舞う氷の国の街角に、硝子の彫刻のような美しい青年が佇む。黒い硝子玉の瞳に、硝子玉が弾けるようにピアノの音がこぼれる。

4回転サルコウは一瞬ヒヤリとしたが、綺麗に着氷させて加点のつくジャンプに変えた。続くのは、ツイズルで挟まれた華やかなトリプルアクセルではなく、4回転トゥループのコンビネーションジャンプ。セカンドはトリプルトゥループのタノジャンプ。非常に美しい。タノジャンプを跳べる選手は多いが、羽生結弦が最も美しく跳べるのではないかと個人的には感じている。もちろん大幅な加点。この2本のジャンプだけで技術点は既に30点を超える。

ラストのジャンプは必然的にトリプルアクセルとなるのだが、着氷が彼比で美しくはなかったかもしれない。コンビネーションジャンプを跳んでいた時もこらえるジャンプになっていたことが多かったが、この位置で跳ぶのがそもそも難しいのだろうか。

ステップに入る前のスピンが今日もまた絶品であった。これだけ多彩で華やかでしなやかなスピンは、男子ではあまり見かけない気がする。女子のスピンに見られるような繊細さや柔らかさも感じる。しかし完全に女子のそれではなく、そこには男子選手のパワーも加わっている。ジャンプが最も得点を稼ぐ要素なのでどうしても目が行きがちだが、現役選手の中では羽生君のスピンが最も華があって美しいと個人的には感じています。

あっという間に終わってしまった…。今日のオトナルはいつにも増してクールだった。ただ当たり前のようにそこにいた。真冬の魔都東京は、艶やかな黒髪の青年によって異世界に引きずり込まれていた。さら、と音が一瞬鳴る間に、すべての物語を閉じて、青年は二度と振り返ることなく去っていったように感じた。

国内大会なので参考記録にしかならないが、凄まじい得点が出る。昌磨君のあの演技からさらに5点を引き離し、トップに立つ。平昌オリンピックの金銀メダリストがいかに飛び抜けたトップ選手であるか、それほどの選手を今まさに国内に擁した我々がどれだけ幸せな時代を生きているのか、まざまざと実感させた。

ところで、キスクラでの様子が美しいんですけど。したたる汗と宝石のような黒目が光を帯びて輝いている。何これ。両脇のコーチ陣がかわいいのがまたすごいギャップ…。今回二人とも来てくれて良かったね。


24:山隈太一朗
ステップがすっごいすっごい良かった。あれレベル2なんだ…。ジャンプがちょっと乱れてしまいましたね。フリップの転倒はゴツッと音がして痛そうだったけど、最後まで滑り切れてホッ。不思議な曲をよく捉えた動きも面白いので、ジャンプのミスがもったいなかったわ…。

第5グループ

25:須本光希
エキゾチックな曲に彼の滑らかなスケーティングが非常によく溶け合っていましたね。コンビネーションジャンプも綺麗だったし、手のひらまで物語を紡ぐスピンも良かった。それだけにトリプルアクセルのステップアウトがもったいなかった。けど、昨年出場できなかった悔しさを晴らす演技になったのではないかな。


26:鎌田英嗣
送り出すコーチの励ましにグッと来てしまう…。1年引退を延ばしてでも懸けてきた舞台、想いが伝わってきました。動きのひとつひとつに熱い想いが込められていた…。ジャンプに乱れもありましたし、ラストのスピンもミスが出てしまって無得点。演技としては決して良くはなかったかもしれないですが、きっと観客や視聴者に伝わるものがあったと思います。衣装のピンクがとても綺麗な色でした。


27:山本草
冒頭の振付、後ろに躓いてしまったのかな、あれは転倒扱いかな…。うん、やはりディダクションが…。4回転サルコウのコンビネーション綺麗だったのに4回転トゥループがパンク。トリプルアクセルも綺麗だったのに…。ミスがなければきっともっとグイグイ伸びる美しい演技を見せてくれたと思うので、あああああああー!と叫びだしたくなるほどもったいないわ…。しかも回転不足もあるようだ。ううう、得点伸びない…。


28:髙橋大輔
緊張してるようにも感じたけど、顔を上げた目付きでバンッとスイッチ入ったように見えた。コンビネーションジャンプもトリプルアクセルも回転が足りてないし、ルッツも転倒。スピンもステップもレベルが取れていなかったが、これを、この髙橋君らしい胸焼けするほど濃いプログラムを競技で滑ろうとするあたり、生きざまを見せてくれましたね。
どう考えても競技で滑るには激し過ぎるプログラムである。しかし、髙橋君はいつもパイオニアでもあった。とても彼らしい。思わずハッと息を飲むほどかっこいい振付を違和感なくこなすその姿は、ほかの選手に同じ事をやれと言ってもおそらく無理だろうとも思った。これだけ強烈な個性を我々は何年も当たり前のように見ていたのだな、と彼が数年のブランクを経て戻ってきたことで強烈に感じた。

技術点だけ見ると決していい演技ではないのだが、高い演技構成点には納得してしまう。さすがにトップクラスの振付師が手掛けただけあって非常に洗練されていたし、なおかつ非常に独自性も高い。そしてもちろん、その振付を無駄にするような踊りではまったくない。ある種の常識を突き破るプログラムを観客もジャッジもきっと何処かで待っていたはずだ。
競技ではこのたった1回しか披露されなかったのが非常にもったいなく、同時にそれだからこその鮮烈さでもあったと感じた。会場で見られた人は、一生の思い出にしてもいい経験になったのではないだろうか。


29:友野一希
うーん、悔しい演技になってしまったか。4回転のコンビネーションジャンプ、高さもあってすごく良かったんだけど、単独のサルコウがダブルになって無得点。トリプルアクセルもこらえた。最初のスピンはレベル1だったの…?
表現面でももっと出来るはずの選手だよな、と感じはしたけども、すごく個性的で野心的で面白いプログラムなので、またいい出来で披露して欲しいと切に願う。


30:日野龍樹
群青の身ごろに白い襟。襟まわりの模様がとても品があって、正統派王子衣装ですごく素敵です。派手じゃないのに素敵。
ステップに非常にキレがあり、選曲も非常に彼に合っていましたね。それだけにジャンプが…。トリプルアクセルも転倒してしまいましたし、得点はどこまで伸ばせるか。うっ、伸びない…。回転不足がふたつ…。


なかなかクリーンに滑れる選手がいない中、平昌のメダリスト2名はいわゆる平常運転で化け物ぶりを遺憾なく発揮していました。髙橋君はフリーは地上波乗らないか。あとで振り返りやるだろうけども。
しかし、この3人が揃ってる大会なんてもう贅沢過ぎて胸がいっぱい。羽生君が元気に滑っていて、髙橋君が現役に戻ってきて、昌磨君はとても楽しそうで…。3人とも個性は全然違うけど、みんなスケートが好きな、愛されて育ってきた愛すべき可愛い男の子たち。ああ、フィギュアスケートっていいな…。

ではでは、次回は女子フリーの記事でお会いしましょう。




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