うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

NHK杯2017⑥

羽生君の一件でこの2日ほどほぼ何も手につかず、準備しようとして引っ張り出してきたスーツケースなどが床に散乱したままなのに放送が終わってからやっと気付く。もう仕方ない、明日の朝どうにかしよう…。お風呂に入ってとりあえずは眠る。あまりよく眠れなかったが。

まだ暗いうちからごそごそと起き出すと、荷物の準備を完了させていざ出発。しかし、予定を1時間も遅れて家を出ることになった。もう家を出るだけでいいのに、1時間も玄関で悩んでいた。自分でも気付かないくらいに羽生君のことがショックだったのかもしれない、久々に強烈な不安に襲われて死ぬほど苦しかった…。トラウマだらけ人生の私には覚えてないけどどこかで何かあったのだろう、最悪のことを考えて、考えたくないのに勝手に頭が考えて動けなくなってしまうことがある。大抵は置かれている環境のストレスが酷い時で、もう性格だと思ってうまく付き合うようにはしているのだけど…。他人にはわかってもらえないし奇異な目で見られることも多く、最悪無能のレッテルも貼られる。自分の心なのに言うことを聞いてくれない苦しみは、実際に襲われてみなければ理解できないものなのかもしれないが、では私のような人間は、ただ黙って壊れてしまうしかないのだろうか…。

もうこれ以上遅れたら間に合わない、という段階になってやっと出掛けられた。いったん家を出てしまうと大抵は大丈夫なのだ。自分でもよくわからない。
ホームで待っていた新幹線の自由席に乗り込む。本当はこの駅始発の便に乗りたかったが、始発ではないはずなのにそこそこ空いていた。良かった。それとも、随分長く停まっていたので実は始発だったんだろうか。どっちでもいいけれど。

あっという間に新大阪に到着。さあ、急がなければ。このまま会場に直行すれば余裕で間に合うのだが、荷物を持ったままでは会場内で邪魔になるだけだ。どこかの駅のロッカーに預けることも想定しながら、とりあえずホテルを目指した。
どうしようか考えながら電車に揺られ続けていたが、結局ホテルに到着、荷物を預かってもらう。初めて利用するホテルなので、明るいうちに場所を確かめておきたかったのだ。そのままホテルの近くにいたタクシーに飛び乗った。一応自分でも調べてはいたがホテルマンにも確かめたところ、会場まで思ったより時間も運賃もかからないことが改めてわかったし、もうタクシー以外の方法では間に合いそうになかったからである。何より、駅の階段を上がるだけで息が切れる程、私の体力は落ちていた。会場にたどり着くまでに疲れ果ててしまいそうだったのだ。

穏やかな語り口の運転手さんの話を聞いているうちに、タクシーは大阪市中央体育館に到着する。良かった、どうにかアイスダンスの競技開始に間に合った…。ああもう、予定通りに出発していたらこんなに焦らなくても余裕だったのに!(泣)しかし、1時間遅れ程度ならどうにか修正できてしまうあたり、やはり大阪は近いし大都会だな、と思った。
会場の前には出場選手の写真入りオブジェ?が建っていたのだが、ゆっくり見ている暇はないので(泣)、とにかく建物内へと向かう。入口付近でパンフレットを買ってから、手荷物検査などを受け、会場内へ。
どうも電子が信用できない古い人間の私は紙のチケットである。初めて行く会場なのに見取図等をきちんと調べてこなかったせいで、よく場所がわからない。ちょっと階段の位置と座席番号の関係がわかりづらかったかもしれないな…。結局不安になって隣の人にも聞く羽目に。申し訳ございません(泣)。

リンクよりも天井の方が確実に近いだろうな、という席だったので、正直あまり期待はしていなかったのだが、いざ実際に座ってみると、思ったよりもずっとよく見えたのでびっくりした。確かにリンクからは遠いし、キスクラも一応見える、という程度である。表情などはほとんどわからないのでモニターを見るしかない。それでも、目の前がショートサイドやらステージやらの壁だったりする席に座ったこともある身にしてみれば、十二分に視界良好で、おまけに前の人の頭でリンクが隠れるようなこともなく、ストレスを感じることはほぼ無かった。どこからも見やすくていい会場だ、とは聞いていたが、なるほど納得である。

場内は少し冷えたが寒くはなかった。知り合いの皆さんは暑いとまで言っていた。実は、出発前は何故か会場がなみはやドームだと勘違いしていて(ちゃんと会場の位置を把握してホテル予約してるのに何ゆえ…)ガッツリ防寒して行くつもりだったのだが、よく考えればまだ11月だし、中央体育館は寒くない、という話も聞いたので、当初の予定よりもずっと薄着に切り替えて、膝掛けやストールで調整できるようにしてから向かったのだが、どうもそれで正解だったようだ。少し冷えたように感じたのも、たぶん私が冷えに弱いのとうっかり薄着にし過ぎただけで、膝掛けをしている人も私の近くにはいなかったし、男子の競技中には暖房でも入ったのか確かに暑かった。凍えるよりはいいんですけどね、暖かい方が。

そんなわけで、超ギリギリだったけど無事アイスダンスから観戦してきました。ソルトレイクヤグディンのファンになってから約15年、実はこれが初めての国際大会生観戦。こんな日が来るなんて思ってなかったな。色々あり過ぎで開催前後は深く考えてる暇がなかったので今更しみじみ思うけど、たいへんな感激でございます。

以下次号。

NHK杯2017⑤

続いて男子ショートプログラム。女子は冷静に見ていたものの、その後緊張の糸が切れたようで、涙が止まらず少しぼんやりしながら見ていたため、ちょっと記憶が曖昧かもです。ごめんなさい…(泣)。

地上波は3番滑走のキーガンのキスクラから。演技は映らず無念。
てなわけで、第1グループの4人目のナム君からざっと感想。

④ナム・ニューエン
4回転2本とも転倒、2本目の転び方痛そう…。大丈夫だろうか。表情も冴えなくて心配。

ミハル・ブレジナ
あああ、4回転サルコウ転倒。でもアクセルは素晴らしかったし滑りはやはり綺麗だしスピンもさすが。地上波しか映そうとしないテレビと暮らしているせいか久しぶりにミハルを見た気がする…。ところでこの髪型は何故?(汗)

セルゲイ・ヴォロノフ
ジャンプノーミス、素晴らしい!衣装は…、前衛芸術っていうのかなこういうの?基本芸術的過ぎてよくわからないのがロシア←汗
おおおお、いい点出たぞ。30歳すごいぞ。ああ、もう30だったのか…。

第2グループの6分間練習でわざわざステファンを映すNHK。説明も入る。コーチなんですけど。滑ってないんですけど。やっぱステファン大好きだろ、NHK…。

⑦デニス・ヴァシリエフス
ギャー、アクセル転倒。プログラムに最初から4回転が入っておらずノーミスが必須なので厳しいか。でも最後の方はとても良い演技だった。
何故かステファンの話ばっかりしてる解説。本田君もステファンの話を振られ頭の動かし方がデニスと似てるとか何とか。そりゃかつての人気選手でオリンピックのメダリストですから気持ちはわかるけどさ、やっぱり単に大好きなだけだろNHK!おまけにキスクラのステファンのカメラ目線が堂に入り過ぎ。そりゃカメラも抜きたくなるわ。ステファン今日は髪型もいいな、ちゃんと切ってるな。ってどこ見てんだよ(汗)

⑧ドミトリー・アリエフ
うーん、ルッツ転倒。なんか転倒多いな男子。でもロステレコムの時よりは少しプログラムから固さがなくなってたかな。うーん、点も伸びない…。

アダム・リッポン
ノーミス!素晴らしい!4回転も入ってないしアクセルもぶれぶれだったけどよく降りた。スケスケ衣装に髪型も超個性的、全体的に彼だけの世界。これ会場で見たいやつだ。「リアル萩尾望都」って勝手に呼んでた頃から見てる選手だけど、あの妖精みたいだった彼ももう28歳になるんだな…。

⑩アレクセイ・ビチェンコ
うおおおお、いい演技だー!ジャンプもノーミスだ、アクセルも4回転もコンビネーションも!滑りも曲と合ってて重厚感あるのに重くなくて、ベテランの余裕に溢れていた。衣装もかっこいい。ホント、男子のフィギュアスケートって面白いよなあ。皆個性の塊。

⑪ジェイソン・ブラウン
アクセルはステップアウトだったけど、そういう振付って言われたら信じてしまいそうな華麗な回り方。とにかくステップをガン見してしまう。素晴らしい足元。
キスクラで掲げていたメッセージに止まっていた涙がまた溢れそうになってしまった…。いい人だなあ…。メッセージへの織田君のコメントでさらに泣いてしまった。フラワーガールたちにハグしてるの超かわいい(笑)。

今回の大会にはアラサーでないとノーミスさせない神でもいるのか?とか思ってたら、まさかの日本人男子二人のVTRが流れ出す。羽生君が欠場した分、彼の演技の時間とそれを振り返る時間とインタビューの時間とががっぽり空いてしまったからだろうけど、でもグッジョブ!地上波では見られないままかと思ってました(泣)。

友野一希
ダイスの代わりに急遽出場が決まったにも関わらず、めっちゃ堂々としてる。サルコウもアクセルもズバッ!って感じで爽快に決まった。スピードも落ちずめっちゃイキイキしたいい演技。失うものが無いからなのかもしれないけれど、勢いに溢れていて素晴らしかったです。

・佐藤洸彬
ああああ、いい演技だ。むっちゃ彼の世界だ!ジャンプも決まったあああ!何故点はあんなものなのだろうか。そういうものなのだろうか。ああ、もういっかい見たい。
インタビューの喋り方も落ち着いてていいですね。たぶん初めて声聞いたけど。

嫌な言い方にはなってしまうがいわゆる「本命不在」の大会になってしまったせいか、なかなかの接戦になってる気がする。これはこれで読めなくて面白い。フリーどうなるか。まさかのアラサー表彰台?

しかし、織田君の元気が明らかにないのが気にかかる…。羽生君と仲がいいみたいだし、今回の件は彼にとっても残念だったんだろうな…。もうステファンと一緒に滑っちゃいなよ織田君。元気出るかもしれないよ。男子アラサーシングル第2部門とかでさ←意味不明

以上で金曜日の競技は終了。ああ、やっぱりNHK杯が家で見るスケートのテレビ放送としていちばん楽しいな。トイレ行ったりお茶淹れたりしてる暇がないのが困るくらいで。スポーツ中継は淡々としてるのがいちばんいいのよ。その分凄いプレイが生まれた時の興奮が際立つのよ。個人的な感想ですけどね。

そんなこんなで、明日はいよいよ大阪へ出発です。以下次号。

NHK杯2017④

さて、金曜日の競技は家で見たので、いつものようにテレビ観戦記をざざっと。うちのテレビは地上波しか映す気がないので(←早く生活何とかしてBSを契約しろ…)ペアのショートプログラムは見ていません(泣)。でも結局見られなかったのはペアと男子のキーガンショートプログラムだけなので、たぶん自分史上最高にしっかり見られたNHK杯です。ちょっと感動…。

てなわけで女子ショートプログラム
急なことだったので差し替えもできなかっただろうけど、オープニングの羽生君の姿にうっかり涙しそうになる…。やはり冒頭は羽生君欠場のニュースから。触れないわけにはいかないだろうから…。残念だけど、今回は視聴率も稼げないのだろうな…。

第1グループの6分間練習の様子が流れるということは、最初の選手から生放送か!うおおおお!やっぱりNHKの放送がいちばん落ち着くし見応えあるなあ。
生放送だし最初からだったので、今回は素直に滑走順に番号も振って感想が書ける…。

アリョーナ・レオノワ
レオノワと言えば不思議な衣装のイメージが強かったんだけど、今回は黒いシックな衣装で髪型やメイクも地味な感じ。随分印象が変わったな。そうか、もう26歳なのか彼女も…。
すごい、ジャンプノーミス。派手さはないけど実直ないい滑りだったと思う。

②ポリーナ・ツルスカヤ
最初のルッツとトゥループのコンビネーション、カメラ引きすぎでよくわからんと思ったけど私の目が悪いだけだろう、きっと(泣)。シニアデビュー戦だからか慎重だったかな、と思ったりもしたけど、彼女もノーミス。すごい。デビュー戦とは思えない貫禄と落ち着きだったし、奇をてらわず確実に滑ったのが良かったのかな。

③アレーヌ・シャルトラン(チャートランド?)
あああ、ルッツ転倒…。リカバリーのコンビネーションはなんか重そうだった。転倒が響いたかな…。アクセルも素人目にもうまくいってない感じ。ステップは味があったけど最後までピリッとしなかったかな。得点が出たあとキスクラでうつむいてる姿がつらい(泣)。フリー頑張ってね…。

④パク・ソヨン
ブラックスワンだけど、衣装真っ黒じゃないし振付もあまりバレエっぽくない。コンビネーションが2回転と2回転になってしまった以外はノーミスだったと思うけどどうだろう。点が伸びなかったし。
険しい顔して滑ってるな、と思ってたら後半は笑顔に。ハッピーエンドなのかな?

⑤白岩優奈
わあ、綺麗な衣装。裾がアイスクリームみたいで美味しそう←何その感想(汗)
コンビネーションのセカンドジャンプとアクセルの着氷が…。緊張してたのか、少し固かったかもしれない。でも選曲は良かったように思う。伸び伸びした滑りに合っていた。スピンも素敵でした。

⑥ニコル・ライチョバ(ラジコワ?)
コンビネーションが決まってこのまま調子よくいくか、と思ったらルッツで転倒、残念…。悪くはないんだけど大雑把に感じて、少し印象が薄いかな。

第2グループの挨拶が始まったかと思ったらニュースが挟み込まれてしまった…。ファイナルみたいなメンツだなしかし。
ニュースが終わったらもう6分間練習が始まってました。生放送だししょうがないか。てなわけで第2グループ。

⑦マライア・ベル
単独ジャンプが2回転に。2回転だと点もらえないんだっけ(泣)?あとは良かったしステップもイキイキしてたし、笑顔も最後まで絶やさず。でも演技が終わった途端に笑顔が消える…。つらい(泣)。
かわいいばっかりではなく扇情的な振り付けもあるのね。きらきらしてて凝った衣装も素敵だし、いいプログラムだったんだけどなあ。

カロリーナ・コストナー
『Ne me quitte pas』。むちゃくちゃいい演技…。思わずひとりでそう呟いちゃったよ(汗)。
リンクに出てきたときの腕の下ろしかたからもう綺麗。最初のジャンプがちょっとあやしかったくらいでほぼノーミス?ループの降り方がめちゃ柔らかくて羽根みたい。腕の表情も豊かでスピンは腕までも絶品。ステップも、てか全体的な足元も何も言うことがない。格が違う…。

長洲未来
なんか言ってたのかな?最初。口が動いてましたね。
トリプルアクセル高い!着氷は乱れたけどすごい!ほかのジャンプも決まったしスピンも美しかった。気合いの入った、強くていい演技だった。でも点が渋いような…。うーん。
最後までずっと挑みかかるような表情だったので、どこか痛いのかと思ってたんだけど違ったみたいでホッ。気合いが凄かったってことですかね。

本郷理華
カルミナ・ブラーナ。いやー、いい演技だった。テレビに向かって拍手しちゃった。コンビネーションも決まったし、ルッツとアクセルもタノ入りできっちり成功。このプログラムの白眉はステップ。ものすごく表情豊かで、強さと柔らかさと美しさ、すべて兼ね備えている。プログラムの持ち越しは大正解じゃないかな。もっと点が出てもいいのに…。
しかし、ここまで赤い衣装が3人続いたけど皆素敵だったな…。

宮原知子
滑り出しから美しい。さすがの安定ぶりで、ああ、帰って来たんだなって感じ。コンビネーションは3回転2回転になってしまったけど、怪我の療養中に色々吸収したのだろうか、演技が固すぎる感じが少し減ったように思えたし、滑りは本当に素晴らしかった。
だが、公式練習でも思ったけどジャンプは低すぎる…。怪我をする前より低いような…。加点がつかないのではないかと今後少し心配。やはり点も伸びなかった…。

⑫エフゲニア・メドベージェワ
ジャンプは全部後半、コンビネーションは片手タノに両手タノ、アクセルもタノ。見慣れてきたとは言えタノすげーな。ジャンプを畳み掛ける後半までのプログラムもするりさらりと流れていきあっという間に終わる。心臓の音みたいなので始まって終わる?のかな?あれで世界に入れるようにうまく仕掛けてある感じ。
もうノーミスするとかしないとかの話じゃないな。彼女の演技には覚悟みたいなものがあるように今回思った。

うーん、女子いい試合。面白かった。4位から7位までは接戦ですね。フリーでどうなるか。以下次号。

NHK杯2017③

羽生君が公式練習中に怪我をしたらしい。

その一報を知った時、頭が真っ白になった。真っ白になった頭に浮かんだのは、「棄権」の文字だった。

皆さんにも同様の方は多いと勝手に思っているのだが、「ある事象についていちばん最初に頭に思い浮かんだこと」というのは正解である確率が高い。少なくとも私はそうなのだ。私はどちらかと言うと何でも論理的に説明をつけてしまいたいタイプの人間なのだが、それでいて人間の第六感というものは決して馬鹿にはできないとも常々思っている。世の中に絶対はないし、すべてが説明のつく事象とは限らない。我々はすべてを把握できる程大それた存在じゃない。その感覚は忘れてはいけないと思っている。

だが、まったく詳細がわからないのに棄権だと思うなんて、とすぐにその考えは打ち消した。怪我と言ってもどの程度かわからない。そもそも本当に怪我なのかもわからない。スケーターがジャンプで転倒するのは日常茶飯事のはずだからだ。たまたま人前で派手に転んでしまった、ということがないわけではないだろう。

そもそも羽生君は前日の練習にもその日の午前中の練習にも出ていなかった。そのことも含めて、体調が良くないのかもしれないと思っていた。羽生君は体調が良くないと予想される場合に肌が荒れていることが多いように思うので、インタビューなどでアップの映像があればもう少しはっきりしたことがわかるのに、と思ったのだが、今回私はそのような映像を見る機会がなかった。
もし体調が良くないのであればジャンプもうまくいかなかったのだろうし、大事を取って流すだけの練習にとどめた可能性があると考えたのだ。それはそれで心配だが、少なくとも最悪の状況ではないはずだから。
前日に高熱を出していた、という事実がわかったのは、少しあとになってのことである。無理をしたのが影響したのだろうか…。

少しずつ情報がわかってくる。転倒後にいったん離れたがリンクには戻ってきていたこと。ジャンプは跳ばずともスピンも行っていたし普通に滑れていたこと。もしも緊急を要するような酷い怪我であれば滑ることも歩くこともできないはずだ。おそらく最悪の状況ではあるまい、とその点ではとりあえず安心した。もし骨折等であれば、事はNHK杯だけでは済まないからだ。そんなことになっていたら、スケートの神は我々によってその地位から引きずり下ろされていただろう。

オリンピックと日程がさほど離れていない四大陸選手権には出場しないと仮定した場合、もうオリンピックまでに試合のチャンスは3回しかない。が、試合に出場せず温存するという作戦も有効だとは思うし、実際羽生君をオリンピックに出さない理由は何一つない。建前上の問題でしかないのであれば選考など最初から不要では、と思うほどである。しかも今シーズンは特別である。四年に一度しか行われない競技が開催されるシーズンである。たとえさほどの怪我でなかったとしても、NHK杯にもファイナルにも敢えて出場せず回復に努める、という決断はこと今シーズンにおいては有用であるように思われる。
だが、もうあと3回しか試合ができないというのも事実なのだ。ジャッジや客の反応、競技会の空気、それらを感じた上でのプログラム等の調整など、実際に試合を行った上でしか掴めない感覚もあるだろう。ロステレコムで試合に投入したルッツを今後どうするか、競技の中で確かめたいと考えたとしてもおかしくはない。そうでなくても、好戦的な性格の羽生君にとって、よほどのことがない限り競技に出ないという選択肢は存在しないのではないか。自分がどれだけ期待され、望まれているのかも知っているだろうし、そういった責任感も人一倍強いように感じる。そのよほどのことが起きるということは、すなわち楽観視できない怪我であるという可能性が出てくる。NHK杯に出られる状態であることが、結局は羽生君にとっていちばんいい状況なのである。どうか出場出来るようにと、そうであるようにと、必死で祈った。

しかし、確かNHKのニュースで流れた転倒の映像を見て、楽観視しようとしていた自分の考えは修正しなければならないと思うことになった。
あれは…。あの転び方は…。
普段から鍛えておりさらに転倒に慣れているスケート選手だからこそ立って歩けているだけで、我々一般人であれば酷い怪我を負ってしまうような足の曲がり方に見えた。ほかの映像や画像と角度が違ったので、素人の私にも容赦なくそう感じてしまったと言おうか…。これは覚悟しなければ、とこの時点で腹を括ってはいたが、やはりどうにかなって欲しいという気持ちの方が強かった。

夜に行われた会見にも羽生君の姿はなかった。翌朝の公式練習で出場を判断するという話だったが、ここにも羽生君の姿は結局なかった。羽生君が諦めていないことは関係者の話からも伝わってきた。出させてあげたかった。何とかなって欲しかった。羽生君が諦めないのなら、我々にできることは諦めず祈ることだけだ。

けれど、無情にもその瞬間はやってきた。
羽生君の棄権が、発表された。

無理矢理出場することもできない状態だったのかと思うと心配だったが、少なくとも出るかどうかギリギリまで粘れる怪我であったということだ。そうでなければとっくに棄権していたはずだ。今シーズンは特別なのだ、仕方あるまい。
別の名称を聞くと恐ろしい怪我に思えたが、どうやらいわゆる捻挫のようだし、しばらく安静にしていればきっと大丈夫なのだろう。確かに残念だし歓迎される出来事ではないのだが、まだ11月だ。これが逆にいい結果に繋がる可能性だってなくはないのだ。人生など何がどう影響するかその時になってみなければわからない。あとは信じて待つしかないと思った。

けど、だけれども。
女子の試合は、冷静に見られたのだけれど。
男子の試合が始まる前に、思いっきり泣いてしまった。そのままなかなか止まらなかった。仕方ないのだ。今回はたまたま運が悪かったとしか言いようがないし、治らない怪我ではおそらくないのだから過度に心配する必要もないのだ。

けれど、羽生君は、泣いていたという。

どんなに悔しかっただろう。我々は安易にオリンピックを最重要視しがちだが、彼にとってNHK杯はきっと「出なくてもいい試合」などではなかったのだ。きっとそんな試合は彼には存在しないのだ。オリンピックシーズンのファイナルのジンクスもきっと知っていただろうし、連覇も成し遂げたかっただろう。試合で試したかったことなどもたくさんあるだろう。
泣くほど、泣いてしまうほど悔しかったのだろうか。胸が潰れそうだった。

今回のNHK杯は既にパトリック・チャンの欠場も発表されており、実はその時点で私は相当なショックを受けていた。たった一度だけエキシビションで見たパトリックの演技を、私は今でも忘れていない。彼の足の動きだけを、何十分でも何時間でも見ていられる、と思った。絶品だった。もう一度見られる、しかも競技の場であの足さばきが見られる、と、本当の本当に楽しみにしていたので、欠場発表は相当に堪えた。さらに、昨年出向いた全日本に姿がなく、今度こそ演技が見られると期待していた村上大介も、肺炎のため欠場するという。せっかく取れたNHK杯なのに残念なことが続く、と落ち込んでいたところに、羽生君の欠場でとどめを刺されてしまった。

パトリックやダイスや羽生君を責めたいのではなく、そんな気はひとかけらもないのである。むしろオリンピックやその先の競技や様々な場面で素晴らしい演技を見せてくれるならいくらだって我慢する。
だが。
経済的な事情からアイスショーに絞って会場に出向いていた私が、そのポリシーを曲げてでも競技での演技をこの目で見たい、と思った選手が羽生君だったのだ。一寸の先も見えなくなってしまった自分の人生に、唯一後悔があるとすれば羽生君を試合の場で見ていないことだ。全日本で叶わなかったその夢を、今度こそ実現させられるのだと心から嬉しく思っていた。しかしその夢は、またしても断たれてしまった。どんなに祈っても私にこたえてくれる神はいないらしい。たったひとつの希望すら、奪っていってしまうのだから。

この先にまだ人生が残っているとしても、これはもう私に競技のチケットを取るなという天からの警告だと思った…。わかったよ、今まで通り大人しく家で見るよ。出過ぎた真似をしてすいませんでしたね!(血涙)

ほんの一瞬だったけれど、NHK杯に行かないという選択肢も考えた。羽生君が出ないから見たくないというのではなく、チケットは諦めるとしても交通費や宿泊費が浮くことになれば、それを生活費に回せるからである。もう私には来月から住む家はないのだ。電気が使えるうちに、先の方までブログを書いておこうと思っている。こんな状況で自分を諦めさせるには、羽生君の欠場くらいしか理由がなかった。生きるか死ぬかの話なので、もし私が本当に会場へ行かなかったとしても、責められるのは困る。心の底から私の勝手だ。自分のやっていることを棚に上げて他人を断罪する人間が多過ぎる。あなた方が責められないのはあなた方には責められていることすら理解できないからで、そもそもお話にならないだけのことだ。自分の大好きな選手のことしか見えていないあなたに、自分の大好きな選手の動向で判断を行う誰かを責める資格などない。もちろん程度にもよるし、便乗して自己満足の道具に使うような輩などは言語道断だけれど、大切なのは競技が滞りなく行われることのみではないのかといつも思っている。

ちょっと言葉では説明できないほどのショックではあったが、自分の生活がずっと最低の状況だったにも関わらず、今回のNHK杯には行った方がいい、という漠然とした予感は最後まで去ることがなく、予定通り私は大阪へ発つことを決めた。諦めるという選択肢など、結局私には最初から存在しなかったようである。そうなんだよ、馬鹿なんだよ。ほっといてくれ(笑)。既に前日入りしていて、グランフロントのパネルの写真とか送ってきてくれて、待ってるよって言ってくれた羽生君ファン仲間のAさんありがとうございました(涙)。

羽生君のみならず、欠場の多かった今年のNHK杯ですが、皆さんが次の機会に、素晴らしい演技を披露してくださることを、心から願っています。

以下次号。

NHK杯2017②

その日、ドキドキしながら届いたメールをチェックした私は、あんなに嫌がっていたうだるような暑さを忘れたかのようにぶるぶると震えていた。

あ、当たってる…。2日とも当たってる…!←衝撃

NHK杯のチケットって幻じゃなかったんだ…(汗)

あの羽生君が記録を大幅に更新した長野のNHK杯を会場で見てた知り合いもいるんだから幻なわけないんだけど(笑)、やはり一度も取れたことがないという知人の話の印象が強かったのである。絶対、絶対取れないと思ってた…。ありえん…。

そうか、これは昨年の全日本と同じパターンだな。NHK杯の頃まで頑張って生きてたらどうにかなるかもってことだな神よ…。どん底から這い上がったはずがまた叩き落とされたり色々色々でバッキバキに心が折れていた私は超勝手にそう解釈することにした。てかすべての運をチケットに回しているってことでは、これ(泣笑)
しかも知り合いも皆今回の土曜日のチケットが取れたらしい。たぶん一番競争率の高い日なのに。良かった、これでみんな大阪に集結できる。11月のことなんてこの時点ではまったく考えられなかったけど、とりあえずは楽しみができた。もちろんお金はない。11月になってもきっとないだろうし今以上にないかもしれないしたぶんない。けど、何となく大丈夫な気がした。6月にファンタジー・オン・アイスに行った時は、あまりに日々ぼろぼろだったせいか行くのを止めようかと真剣に悩んだ程だったけれど、その時のような焦燥感や絶望感は、何故かあまり感じなかった。チケット代を払ってしまうと全然お金が残らず、まともに食べられなくて大変だったにも関わらず。…ホント自分で書いててなんだけど生活酷すぎるよな(汗)

早速ホテルを探す。土曜日はどうしても宿泊しなければならない。土曜日だから高いはずだし、会場へのアクセスが便利な場所は早めに満室になってしまうだろう。便利がよく手頃な価格のホテルを探すなら早い方がいい。
大阪はホテルの数も多いので、選択肢が色々あって楽しいんだけれども、お金のない私には結局限られた条件で探す羽目になってしまってつらい(泣)。観光客の増加に対応しているのかな、新しいホテルも多いなあ。壁紙が剥がれてたりタバコ臭かったりするのはたいして気にならないんだけど、風呂だけは綺麗じゃないと神経が参るので(潔癖症じゃなくてなんか別のものだと思うけどやっぱり潔癖症なのかな、よくわからないのよ…)新しいホテルだったらたぶん安心なんだけど、やっぱり土曜日はどこも値段が張るのでなかなか厳しい…。
結局、会場へのアクセスがそこそこ良さそうな場所のそこそこリーズナブルなホテルに決定。今回の会場初めて行くんだけれど、さらにホテルも行ったことのない場所に取ったので多少不安はあったけど、まあ何とかなるんじゃないかと高を括ることにした。子供の頃は関西に住んでいたせいか、関西だったらきっと大丈夫、というよくわからない安心感があったりするのである。ほんの子供の頃にいただけだからほとんど何も覚えてないのにね(汗)。ちなみに兵庫県民でした。

交通手段はそこそこ近い日付になってからでも調整できるだろうと踏み、USJだの京都だのついでに行きたい場所を色々考えてはみるものの、経済的に無理だろうと詳細な計画を立てるまでには至らずに過ごしていたある日、とある情報が目に飛び込んでくる。
なんと、大阪駅の近くでNHKによるパブリックビューイングが開催されるというではないか!
お金がなくて諦めたが、もちろん金曜日も見たいのである。パブリックビューイングならば少なくとも家のテレビよりは大きな画面で競技を見られるし、無料だ。もう1日宿泊しなければならないのはネックだが、金曜日の朝バスで出発すれば交通費は新幹線の半分で済む。金曜日の競技を家でしっかり見てから出発したいので、金曜日の夜のバスの利用は諦めて土曜日の朝新幹線に乗る予定だったのである。浮いた交通費を宿泊費に回せば良いのだ。どうしても足は出てしまうが。

そんなわけで、ダメ元で男子のショートプログラムの観覧に応募してみる。有り難いことに現在週休7日制なのでね(泣)。…また頑張ればいいやと思っていたはずが、自分の社会不適合っぷりが改めて浮き彫りになってしまい、家族にも友達にも社会からも立て続けに「要らない」宣告をされるというのはさすがに受け止めきれない程のショックなわけで、ああもう私は本当の本当に要らない人間なんだ、と完全に生きる気力を無くしてしまい、寂しいどころか人の目が恐ろしくなり、焦ることももがくこともなくなり、壊れてばらばらになった感情が膝を抱えた自分のそばに落ちていても拾う気にもなれず、とりあえずNHK杯に行く、それまでは生きる、ということだけを支えに、ただ日をなぞっていた。大阪には私を知っている人は誰もいない。普通に笑うことも喋ることもできるだろう。人間に戻りに行くのだ。そのまま人間に戻れればいいけど、戻れなかったら今度こそ諦める覚悟もできていた。もう生きていくあては残っていないのだから。

ギリギリまで悩んで応募したパブリックビューイングだったが、結果は見事にハズレ。チケットが取れずに阿鼻叫喚、という話は聞こえていたので予想のできた結果ではあったけど、やはり残念。ファイナルも全日本も経済的に不可能過ぎて諦めてしまったので(泣)、おそらく今年最後の観戦になるであろうNHK杯にすべてのエネルギーを注ぎ込むつもりでいたんですよね。体力的なことを考えると金曜日のうちに大阪入りしていた方がいい気もしたし…。でもまあ、チケットがあるだけマシだもの、贅沢は言っちゃいけないか。

パブリックビューイングの結果が出たところで旅程は確定。土曜日の朝新幹線を利用して大阪入りし、日曜日の夜にバスで地元へ帰る。本当は日曜日も宿泊して月曜日に観光などしたかったのですが、どう考えても経済的に不可能なのでバッサリ諦めた。てなわけで、日曜日のバスはパブリックビューイングの結果が出る前に実は押さえてました。前日入りの計画も白紙撤回となったので、本当に観戦するだけの旅行になってしまうけど、そんなんいつものことだし余計なお金使わなくて済むからいいってことにしよう。余計なお金使いたいんだけどね本当は。余計なお金そのものが無いからどうしようもないよとほほ(泣)。
新幹線は自由席で購入。節約目的もあるけれど、実は私は指定席がちょっと苦手。どうしてもその時間に乗らなきゃいけないと思うとプレッシャーなんですよね(汗)。色々考えるとそうやって時間を決めた方がたぶんいいんだけれど…。うん。大阪はそこそこ近いし競技も昼からだし、最低限間に合う時間までに家を出ればいいから当日ゆるく決めよう、と今回は自由席にしておいた。と言っても大抵いつも自由席なんだけどね。

てな感じで、ほぼすべての準備も済ませ、開催を心待ちにしていたその前日に、それは起こってしまったのだった…。

以下次号。

NHK杯2017①

底辺までテンション下がったり最後の最後に急激に上昇したり、感情の起伏が激し過ぎて、旅の疲れともあいまってぐったりしております。って幼稚園児か。でも老体に鞭打って急いで書き上げてみようと思う。
そんなわけで、今年のNHK杯を会場で観戦してきました。つたない旅日記ですが、よろしければ最後までお付き合いください。

うだるような暑さに「アイスクリームを食べても涼しくならないのならもうこれからはアイスクリームそのものとして生きていきたい」と自分で書いててかわいそうになる程意味不明なことを考えながら生きていた夏のある日、私は悩んでいた。アイスクリームになれないことではない。自分で振っといてなんですがそこからは離れてください(笑)。
そうではなく、NHK杯に申し込みをするかどうか、である。

ただでさえ貧民だった私は昨年あたりから貧民度に拍車がかかってしまい、さらに頭の痛い問題が頻発してほとほと疲れ果てていた。毎日頭痛や吐き気に悩まされ、人間ってこんな状況に陥ってても誰かに「助けて」って言っちゃいけないし言っても助けてもらえないんだな、と何もかもどうでもよくなっていた。一体どうやって日々を過ごしていたのか、この夏のことなのに思い出せない…。
気が付けば、今シーズンのNHK杯の詳細が発表されている。オリンピックシーズンなので、NHK杯かグランプリファイナルか全日本、日本で開催されるこれらの試合のいずれかには必ず行きたいと思っていた。最も距離的に近いNHK杯、日本開催は数年に一度の上オリンピック前で盛り上がるであろうファイナル、絶対に胃の痛い思いをするのでそれなら会場で見た方が覚悟が決まるはずだと思う全日本。どれも行きたい。とても行きたい。てか、どれかには行く、と無理矢理にでも予定を決めないと、このままでは確実に心が折れる…←既に折れてるんだけどね(汗)

しかしあまりの貧困にもはや生活のレベルは最低である。どこにも誰にも吐き出せないストレスを、美味しいものでも食べて忘れよう、と解決策を考えても、食事にかけられるお金が残らない。生きているのがギリギリの毎日。人間らしさはどこにもない。何のために働いているのかもはや全然わからない…。
とてもスケートなど見に行ける状況ではありません。今年も諦めるしかないかな、と半ば絶望しながらNHK杯の情報を眺めていた私は、あることに気付いた。

え、チケットこんなに安いの?!

フィギュアスケート関連における私の金銭感覚は崩壊しているのですが(笑)、それを差し引いても安い。ショーのチケットの半額といったところか。これでも高い、と言う人はいるだろうが、そんな人は一生スケートを観に行くことはできないだろう。まあ、行く気もないんでしょうけど。
今までも似たような価格だったはずなのだけれど、私は基本的にNHK杯はスルーだったので気付かなかったのだ。一番の理由はお金がないから。私の収入ではショーや試合を厳選しないととてもすべてには行けない。ステファンのファンである私はアイスショーを優先してきた。私がショーにちょくちょく出向くようになった頃はまだそれほどショーのテレビ放送は行われていなかったので、見たいなら会場へ行くしかなかったからです。その点、競技は放送される率が高く、中でもNHK杯は最も充実した放送を、しかも地上波でも見られるという、最も会場へ行く必要性から遠い大会である。諦める条件が一番揃っていたのですね。

しかし、今回は大阪での開催。前述した3つの大会の中では最も近い。かなりギリギリだが、安い席なら払えるかもしれない。NHK杯を例年通りスルーしたところで、ファイナルだって全日本だって行ける保証なんかない。オリンピックシーズンなのだ。会場で見たいという気持ちは皆同じだ。

よし、申し込むだけ申し込んでみよう。清水の舞台から飛び降りるつもりで、私はそう決意した。申し込んでも当たらないかもしれないが、申し込まなきゃ絶対当たらない。私の知人に一度もNHK杯は取れたことがない、という人がいる。そうだ、きっとNHK杯のチケットは幻なんだ。幻なんだから当たることもないだろう。当たったら考えればいいけどきっと考えなくてもいいや。参加することに意義がある

…などといったいい加減な思考に基づき決断したものの(笑)、本当に当たった時のことももちろん考えてから行動に移す。当然3日間とも見たいが、安い席を選んでもそれは難しい。どれだけ底辺の生活してんだ、と言われそうだが、これが私の現実なのだ。息も絶え絶えです。
では何を優先するか、と問われれば、実はエキシビションである。NHK杯エキシビションはおそらく地上波での生放送が行われないからだ。選手へのインタビューコーナーなどもあり充実しているのに、ここ数年は私の事情で見られなくてフラストレーションが溜まっていた。
エキシビションのある日曜日を優先するなら、必然的に次点は土曜日になる。宿泊などの旅程を考慮しなければならないから。旅費は徹底的に削る方向で考えなければならない。そうなると諦めるのは金曜日ということになる。そもそも休めるかどうかもわからない。平日ですからね。

以上、綿密(笑)なシミュレーションの結果、土曜日と日曜日を安い席で1枚だけ申し込み。大阪なら日帰りも出来るし、どちらか1日だけ当たったらバスで往復すれば交通費もかなり安くあげられる。両方外れたらあっさり諦めてファイナルなり全日本なりを改めて狙えばいいや。てか当たらないだろうどう考えたって。

そんな感じで、かなり気楽な気持ちで申し込み、頭痛や吐き気に苦しむ日々で適当にNHK杯のことを忘れて過ごしていた私の元に、信じられないメールが届いたのであった…。

以下次号。

フランス杯2017雑感②

さて、フリーです。いやー、グランプリシリーズがここまで荒れるなんて2か月前は考えてもいませんでした…。いちばん慌ててるのはテレ朝でしょうけどね…。

もう今大会の結果が出ている状態で見るオープニングはますますつらいものがあるよ(泣)。こうなったら三原さんの煽り映像もじゃんじゃん流すがいい、お宝映像あるなら今のうちにじゃんじゃん…。我々スケートファンは誰がファイナルに残っても楽しいけれど、それは我々がスケートファンなだけだからね…。所詮オタクはオタクであり一般の意見とは相容れないってことは忘れちゃいけないんだよね…。とほほ。

てなわけで女子フリー。


三原舞依
うおおおおおおお、ジャンプノーミス!中国でも思ったが最後のタノ入りサルコウがめちゃめちゃ綺麗。見とれる。いいプログラムだなあ。技術的には素晴らしいと思うので、あとはスケートファン以外の心も掴めるようになれば。彼女ならできるかもしれない。今後の演技にも期待。
しかし、この出来で表彰台乗れないとか意味がわからない…。強過ぎだろこの大会のメンツ…。キイロイトリのぬいぐるみ持って帰ってきてたのが超かわいかった。なんかすごい似合ってた(笑)


ザギトワ
ドンキホーテ。素晴らしい…!素晴らしいノーミス演技。美しいジャンプは全部後半に入っていて、さらに後半の後半に要素が詰まってる感じで、絶対に失敗できないプログラムなので見てる方も手に汗握るし、あんまりこういう構成で滑る選手がいないせいか意外と偏りなく見られてしまう。それをノーミスで滑り切ってしまう才能…。素晴らしかった。文句なしに優勝でしょう。


・白岩優奈
そうだ、『展覧会の絵』だ。NHK杯では会場で思い出せなかったんですよ曲のタイトルが。
途中で壁にぶつかりかけたのと最後のジャンプが本当に惜しかったけど、スピードもキレもあるいい演技で、世界にその名を知らしめたのではないかな。年齢のわりに子供っぽさをあまり感じないプログラムだが、でも決して背伸びをしている感じでもないところも好感が持てました。このメンツで6位は立派だよ…。


・ソツコワ
月の光。最初のコンビネーションのルッツがめっちゃ高くて美しい。惚れ惚れ。ただ滑ってるだけでも美しい姿なので見とれてしまうが、それに加えて素晴らしいパーフェクト演技。良かったです。タノはすごいんだけど、もしかして入れない方が余裕のある美しい演技になりそうな気もした。でも点の方が大事か…。フランスのメンツが強過ぎて、ファイナルどうだろうか、と思ってたがさすがである。


・オズモンド
ブラックスワン。最初のコンビネーションジャンプ、空に飛び立って行きそう。高い!しかし転倒したりシングルになったり、うまく決まらないジャンプがちらほらと…。ううむ。
鍛えられた肉体がまるで荒々しい大自然に翼を広げる黒い鳥のようだけど、どうしても彼女のかわいい笑顔を思い出しちゃうので王子を誘惑する悪女にはもうちょっとかな。映画は未見なのでバレエとか音楽のイメージですみません。よく使われる曲だし見ようかなと思ったんだけど、大雑把なストーリーを聞いただけで「これトラウマになるやつだ」と直感しそっと諦めた…(汗)。


これで女子はファイナル出場者が5人まで決定。あとはスケートアメリカの結果次第で最後のひとりがはっきりするのか。樋口さんは大丈夫だろうと思っていたのにかなり厳しいとは…。ものすごーくハイレベルな女子の戦いが見られそうで、てか絶対見られるはずだからワクワクするけど、せっかくの日本開催なのにちょっと寂しいかな。まだどうなるかはわからないんだけど、NHK杯を見た限りではツルスカヤが崩れるとは思えない…。

続いて男子フリー。6分間練習の様子が少し流れたけど、昌磨君ジャンプ決まってないが大丈夫か。結果わかってるんですけどね…。


・ビチェンコ
おおお、4回転かっこいいな。しかし抜けてしまうジャンプがちらほら…。連戦の疲れだろうか。それでもファイナルがかかっているからかとても気合いが入っていて、今まで見たこのプログラムの中でいちばん良かったと個人的に思う。風にたなびく衣装が雰囲気あって素敵でした。


・ミーシャ
素晴らしかった、本当に素晴らしかった。涙出てきた…。腕の下ろし方までも計算され尽くした美しさ。コレオシークエンスが絶品だった。これを目の前で見られたフランスの客が羨ましい…。表彰台本当におめでとう。


・サマリン
顔がいない…。衣装の肩にいた顔がいない…。なんかちょっとさびしい←見るとこそこじゃない(汗)
ああ4回転ルッツ、手をついてしまった。全体的にジャンプがピリッとしなかったなあ。表彰台が見えて気負ってしまったかな…。体力も最後までもってない感じだった。軍人というか、現代文学における若者のいい意味での陰みたいなものがかっこいいし雰囲気のあるスケーターになりそうなので、ジャンプ以外もどんどん頑張って欲しいです←個人の感想の上意味不明です


・フェルナンデス
最初のジャンプの着氷、ミスのはずなんだけど、うまく振付の一部に溶け込んだように見えた。織田君もミスって指摘してた気がするが、プロトコル確認したら減点ないみたい?ふーむ。次のコンビネーションも良かったんだけど、それ以降が…。転倒やらステップアウトやら、中国ほど壊滅的ではないけどかなり残念な演技だった…。でもオリンピックにピッタリのプログラム。素晴らしい出来で披露してくれるその時が楽しみですよね。…ヨーロッパ選手権?我が家のテレビは映りませんけど何か?(泣)
全然関係ないんだけど、このタイミングになって初めて、新しい恋人が出現なさっていたらしいことを知った情報の遅すぎるわたくし…。いつぞやの世界選手権で、悔しくて泣き出してしまった羽生君に優しく微笑むハビエルを見て「ありゃモテなきゃ嘘だわ」としみじみ思ったものですが…。そうか…。


宇野昌磨
冒頭のループ綺麗だ。最初からすごく気合いが入ってるように見えたけど、体力がキツくて必死だったのかもしれない。転倒が2回、コンビネーションもひとつ入らない等々、なかなかクリーンに決まらないジャンプが多かったが、ハビエルほど崩れてはいなかったのかな。うん、今回は仕方ないさ、次回頑張れ。そう言えば時差調整はどうしたんだろう今回?
キスクラでひとつ空いた椅子に犬のぬいぐるみが座ってて、かわいいんだけど何故そこを映すのかと突っ込んだ(笑)。
日本からファイナルに出場するのは彼一人だけになるかもしれないけど、彼ならプレッシャーにも負けないだろう。素晴らしいファイナルになりますように。ちっちゃい時の写真かわいいな、ファイナルはこの作戦で来るのかテレ朝…。


てか表彰式で選手たちが貰ってたあの大きな星は一体?まさかメダル?フランスのスケート連盟お金がないって聞いたけどまさか?(泣)客席もガラガラでしたね…。

フランスが終わってもコリヤダ君と昌磨君しか決まってない男子。荒れすぎですね…。怪我とか病気はもう勘弁して欲しいけど(泣)、試合の結果的な意味でアメリカが荒れたら本当にハビエルのファイナルが有り得るな、面白い大会になりそうだな、と放送を楽しみにしてたら、
スケートアメリカ地上波でやらんのかい!
道理で番組表に予定が出てこないと思ったよ(血涙)。正確には関東ローカルですか、そうですか…。って来年NHK杯やるんだろ某県。放送自体はNHKでもファイナルのために色々あるだろ、ほれ取材とか!来年に向けて流そうよ!某県のテレビ局!(泣)
とほほほほ。たとえ真夜中でも地上波でやってくれるんだって楽しみにしてたのに、関東だけだったのか、とほほほほ(泣)。もういいよ、カープの優勝パレード見るから(泣)←ちなみにNHK教育以外全局で中継ですよ某県は←もはや誰も驚かない

てなわけで次はファイナルまでお預けを食らう私でございます。泣いていい?(悲)そもそも私はファイナル見られるのか?来月はちゃんと住所のある状態なのか?←ブログ書いてる場合なのかお前←ブログ書いてごまかしてるけど心折れ過ぎて気力ゼロで誰にも会いたくないレベルでなんつーかヤバい☆えへ☆←ヤバい

フランス杯2017雑感①

NHK杯の記事がまだ載せられてませんが、先にフランス杯について。NHK杯は現在鋭意執筆中でございます。案の定長くなっちゃったんでフランス終わったら掲載で…。

オープニングの羽生君の姿がつらい(泣)。最初にやはり怪我情報が告げられて、仕方ないんだけどつらい(泣)。とりあえず煽りから始まる放送に、テレ朝のターンに戻ったんだなって感じがひしひしと…。

会場の広告が相変わらず日本語ばっかりだなと思ったら、チャオちゅ~るって、チャオちゅ~るって!猫のえさのあれだよね?かわいいけど気がついたら頭にあのCMの歌が流れてくるから危険なんだが(汗)
キスクラは今年も椅子が3つ?キスクラの後ろがモニターになっていて、広告が流れていくのがかなりシュール…。チャオちゅ~る…。←羽生君並に滑る←羽生君のギャグのスケーティングスキルは(強制終了)

てなわけで女子ショートプログラムから。相変わらず地上波のみで視聴しております。結果はとっくにチェック済みの状態で見てました。


・白岩優奈
うわああノーミス!素晴らしい!動きも曲にぴったりでさらさらっと流れるように終わっていった。なんだかシャンプーのコマーシャルみたい。画面に花とか鳥とか飛んでるような。めっちゃさらさらになりそう(笑)
ジャンプが鋭くて、それが演技にメリハリをつけてた感じが。連戦なので心配してましたがいい出来で良かった。コーチは相変わらずのイケメンのようで(笑)


ザギトワ
ブラックスワン。てか彼女もブラックスワン。オリンピックシーズンだからとは言えどんだけブラックスワン祭りなんだ?
スピンから始まりジャンプを全部後半に詰め込んだプログラムですが、最初のジャンプで転倒…。次のジャンプを意地でコンビネーションにしたっぽいけど着氷が乱れてしまう。最低限のミスに押さえたのだろうけど…。何だか焦ってた感じがしたが後半は特にそう思った。ジャンプが後半に続くプログラムだからかもしれないけれども。しかし綺麗な子だなあ。顔ちっちゃい…。


・トゥクタミシェワ
トリプルアクセルは豪快に転倒、ルッツはシングルに、コンビネーションもセカンドが2回転…。もちろん最後までちゃんと滑ってたけど、なんだかもう気が抜けちゃったように見えた…。転倒でリズムが狂ってしまったのかな。体調悪いとかじゃなきゃいいけど…。
キスクラでの座り方とか肘のつき方とか、完全に絵になっててさすがでした。かわいい。貫禄あるのにかわいい…。


三原舞依
あああああ壁が…。壁に当たらないようにセカンドジャンプ降りちゃったのかなあ、もったいない…。スケートがよく伸びるからとかなのかなと思ったけど、氷が滑りやすいのかもとかなんとか織田君言ってたような。なんか転倒が多いのと関係あるのかなあ。
でもよく腐らずに最後まで頑張った。中国より明らかに良くなってたと思うし、これは全日本が楽しみ。その前にファイナルだって可能性あるもんね。頑張って欲しい。


・ソツコワ
すげえ、ジャンプ全部タノか。でも織田君がタノの腕の上げ方につっこんでいた。織田君の解説は技術面も細かくわかりやすく説明してくれるからいいよな。織田君が解説始めてからかなり知識が増えたような。
二つ目のジャンプの着氷が微妙だったけどそれ以外はノーミス?スケートカナダは衣装やっぱり間に合ってなかったのか、新しい衣装超かわいい。一目見てそう思うほどかわいい。プログラムは『白鳥の湖』だけどあまり聞いたことない部分が使われていて、ほかの選手と差別化が図れていいかも。


・オズモンド
コンビネーションのセカンドが2回転、ルッツも手をついてしまった。でもアクセルはものすごいスピードで飛んでたし、最低限のミスなのかなと思うけど、カナダの時ほどの鉄壁感はなかったかなあ。でもさすがでした。インタビューの笑顔が超かわいかった…。


なかなか苦戦してる感じの女子(やっぱり氷?)に続いて、男子ショートプログラム


・クビテラシビリ
テレ朝が地上波で映してくれたのもしかして初めてかな、この選手。私もたぶん初めて演技見ます、ごめんなさい(泣)。
最初は王族が出てきたのかと思った…。男子ではわりと定番な感じの『Feeling Good』。アクセルも4回転のコンビネーションも決まった!最後の4回転は転倒だったが、ジャンプ高いな。足も長いな。また見てみたいな。


第2グループの6分間練習が流れる。そうか、各大会の3位の選手がひしめきあってるんだ。これは注目だな。だってこの時点でファイナル進出決定してるのがコリヤダのみで、しかもあの6人じゃなくてコリヤダって荒れすぎだろう…。コリヤダ君ごめんね、君が悪いという意味ではまったくもってないのだが、あの6人でファイナルだろうって大抵の人は思ってたんじゃないかな…。


・アーロン
4回転のコンビネーションはセカンドジャンプで転倒、単発の4回転もあらら…。めちゃくちゃ悪い演技って程でもなかったけど、やっぱりアーロンはこの曲じゃない気がする。なんか盛り上がらないというか、見所がないまま終わっちゃう感じが。


・サマリン
あれ、衣装変わった?もっとテカテカしてた気が。
4回転ルッツのコンビネーションはもともと単発予定だったのか?うまくルッツが跳べたからコンビネーションにしちゃったのかな、すげーな。単発のジャンプはステップからただちに跳ばなければいけないとか、それがカナダに比べてどうとか、織田君の指摘がいちいち専門的でいい。男子の解説も織田君で嬉しい。まだまだジャンプ跳んでるだけ感はアリアリなのだが、いい点出た、すごいぞ。


・ビチェンコ
連戦の疲れも見せない素晴らしい演技。NHK杯よりさらに良かったかもしれない。ジャンプもほぼノーミス?「フィギュアスケート=ヨーロッパ男子」という図式がいまだに頭のどこかにある私には、これが見たかったんだ、と思わず呟いてしまう演技だった。かっこ良かったです。


・フェルナンデス
中国の演技には心配したけれど、どうやらお腹が痛かったらしいと聞いて、それなら治るはずだからフランスは大丈夫だろうと思ってたら、ホントのホントに中国の鬱憤を晴らすようなパーフェクト演技。ジャンプも何でもないみたいに跳んでるよ。これが本来の彼ですよね。これでファイナル出られないなんてもったいなさすぎる…。でもギリギリ可能性がないわけじゃないのかな。
チャップリンは前にも滑ってたけど、そうか、大幅に変えたのか。チャップリンだったことしか覚えてないので(汗)、まったく別のプログラムとして楽しもう。プレゼントに帽子もらってましたね、かわいい。


宇野昌磨
ああああ、フリップ転倒。アクセルもどうにか降りた感じ。昌磨君比でピリッとしない演技だったし、前半はだれてる感じすらあった。しかし後半に4回転のコンビネーション!あれは得点的にでかい。よく決めた。インフルエンザから完全に回復してなかったっぽいけどそれはいずれ治るはずだから、また調子も出てくるだろう。大丈夫大丈夫。
煽り映像のファンの叫び声に笑ってしまった…。昌磨君整った顔立ちだったけど、大人になってきてますますイケメンになったよなあ。


NHK杯から帰宅して案の定というか何というか体調を崩してしまい、テレビの前に座ってるのは少ししんどかったのですが、明日も頑張って見届けたいと思います!女子はいっくらでもひっくり返りそうでなんかすげえ緊張するよ!男子もどうなる?ホント今シーズン色々ありすぎだよね(泣)。

得意料理を食べるのが得意←本文の内容はお察しください

今週のお題「得意料理」

…ありません。

では終わってしまうので(笑)、もうちょっと続けると、基本的に料理は苦手です。と言うかあんまり興味がありません。食べるのは好きですが自分で作ろうとはあまり思わないのです。時間もかかるし、片付けも面倒だし、食べたら無くなっちゃうし、お金ないから食べるものなんか買えないのに食べないと死んじゃうし。ぶっちゃけめんどくさい。霞かアイスクリームだけ食って生きていきたい。

それでもちょっと前までは電子レンジ用のボウルで作れる電子レンジレシピを、本やら何やらを参考に作ったりはしてた。意外と美味しく出来たりするんですよこれが。ガラス製のボウルが欲しい、とか思ってたっけ。
でも今はそれすらしていない…。お金がかかるからごはんを食べたくない、でもお腹が空くし美味しいものを食べたい欲求が消えた訳じゃないから食べるけど、食べることに抵抗感があるせいかとりあえず空腹が満たせればいいので支度諸々に手をかける気にならない、よって適当なものしか食べてない、という状況。
おまけに炊飯器はもうぼろぼろで使うのをためらうようになるレベルだし、牛乳飲んだらお腹壊すようになって大好きだったのに飲めないし、なんかもうつかれた(泣)。健康でまともな生活がしたい(泣)。お金ないからむり(泣)。

まあ、仮に余裕があったとしても、私の料理の腕ではまっとうなものは作れまい。実際作ってなかったしな!

…塩と砂糖を間違えて吐き出しそうになったこともあるし、水を入れ忘れて米を炊いちゃって泣く泣く捨てたこともあるし(その後この炊飯器が壊れてきてまともに炊けなくなった頃にはうまく炊けなかったのを鍋で煮てリゾットにしてみたりはしてたけど、この時の失敗した米はそれすら無理そうだった…泣)、何故か凶悪な辛さのたまごサンドイッチが出来てあまりの不味さに泣いたこともあるし、色々色々…。てかこれ全部まだまともな方の話でもっと酷いのがまだまだあるんだけどもう書かない…。

お題に参加する資格がまったくないので、アホにでも出来る超簡単レシピ的なものとか美味しそうな写真とかを楽しむだけに今回はとどめたいと思います…。号泣。

シリーズ・間黒男氏を主役とする一連の物語が如何に好きであるかを語る・第3回(実質第4回)←だからまわりくどいって

早くも説明がめんどくさくなってきましたが、月に1回くらいのペースで手塚治虫先生の傑作医療漫画『ブラック・ジャック』の好きなエピソードについて勝手に語っています。今回で実質4回目ですね。月イチって随分スローペースだな、と思っていたが、いざ書いてみると1ヶ月なんてあっという間だな…。まあ今はフィギュアスケートもシーズンたけなわですしね。

今回取り上げるのは、秋田書店少年チャンピオンミックス版第9巻のラストに収録されている「幸運な男」。もしファンによる好きなエピソードの人気投票があったなら、おそらく上位に入る話ではないかな。
以下、ネタバレにくれぐれもご注意ください。内容知らない方は先に読んでからまた来てください、と言いたいくらいの傑作なので。

イランで起こった石油タンクの爆発事故。事故に巻き込まれたものの軽傷で助かったイラン人の男は、爆発により死亡した日本人の技師になりすますことを思いつき、ブラック・ジャックの元を訪ねるのですが…。

これが序盤の展開。その後、物語は二転三転し、思いもよらなかった結末を迎えることになります。詳しく語りたいんですけども、是非読んでいただきたい話なので出来る限り控えますが、初めて読んだ小学生当時、こんなに面白い物語があるのかと感動したのがこの話です。細かい点を挙げれば確かにツッコミどころは満載なのですけど、とりあえずそんなことは忘れてグイグイ読めてしまう力が、特にラスト3ページにはふんだんに詰め込まれている。たった22ページ程度の作品なのに、死ぬほど面白い映画を1本見終わったような素晴らしい読後感です。

第1回で取り上げた「二度死んだ少年」が私にとっての『ブラック・ジャック』への入口であったのだとしたら、この「幸運な男」が本格的に『ブラック・ジャック』にハマる決定打となる作品だったように今にして思います。この漫画家はすごい、何かが違う、と子供心に思いました。
自分の好きな話には何故かブラック・ジャックが出ずっぱりではないものが多く、この作品も実はそうなのですが、それでいてブラック・ジャックがいなければ成り立たない話です。どの話も結局そんな感じでちゃんと『ブラック・ジャック』なので、毎週毎週こんなレベルの短編を連載していたのかと思うと正直めまいが…。リアルタイムで読めたチャンピオンの読者がうらやましいくらい。たまに何じゃこりゃな話もあったりするけど、それくらいはご愛嬌じゃないのかしら(笑)。
出番の少ないブラック・ジャック先生が最後に言う台詞もさりげなく名台詞ですね。名台詞って言っていいのかどうかわかんないけど、こうやってさりげなくなんか言ってる先生がめっちゃ好きなんですよね(笑)。

「幸運な男」というタイトルの意味が、小学生の時分にはよくわかっていなかったけれど、今読み返してみると素晴らしく味わいのあるタイトル…。ああ、やっぱりこの作品も3本の指の1本に入れたいなあ。よし、5本の指にして入れとこう。ってそんな解決法でいいのかよ。そのうち10本になるんだろそれ(笑)。