うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい(ライター始めました2018・生活の糧と居場所募集中)

NHK杯2018①

2017年11月。大阪市中央体育館の天井に近いくらいの席で、スクリーンに映し出されたその文字を見た私は、思わず叫び声を上げていた。

広島。
来年の、2018年のNHK杯の開催地は広島。
ずっとずっと長い間、見果てぬ夢だと思っていた「地元で開催される大きな大会」への1年が、あの日から始まった。


スケートファンにとって不毛の地に近かった広島に、まるで盆と正月が一緒に来たかのようにショーやスケート関連のイベントが開催され続けた2018年。その中でも最大の催しが、やはりNHK杯だったのではないかと思います。なんと27年ぶり、前回の開催はカープがリーグ三連覇する前に最後に優勝した年と同じ。カープの優勝は四半世紀ぶりだと随分騒がれ、熱狂し感涙にむせぶ街の様子がおそらくは全国の番組でも流されたのではと思いますが、是非それを思い出していただきたい。あれと同じことが広島のフィギュアスケートファンにも起こったと思っていただきたい。どれだけ長いこと待っていたかを想像していただけたら、今回の開催にどれだけファンが喜んだかはおわかりいただけるのではないでしょうか。

それに、広島ではもう10年くらい、フィギュアスケートのイベントと言えば毎年ビッグウェーブで開催されるスケートヒロシマやスケート感謝祭くらいで、プリンスアイスワールドのように一般的にスケートファンが連想するそれなりの規模のあるアイスショーすら行われていなかったのです。人口や街の規模を考えたら、「広島だけ綺麗に飛ばされてる」感は否めなかった。
そもそも広島は集客が難しい土地だという噂で、ライブなどもよく飛ばされているのでそういう点も関係していたのかもしれませんが…。確かデューク更家さんが東京の次に支店?を出したのが広島で、「広島で流行れば全国どこでも流行る」と言われたらしいというエピソードをうちの母親がテレビで見たと言って話していたことがあったのですが、そういうお土地柄なのかもしれません。そう言えばよく新商品の実験だかテストだかが行われるとも聞いたことがあったな。新しいものに飛び付きにくかったり、形として残らない経験にお金を出さない人が多いのかもしれないです。

ところがこの2018年になって突然、約10年ぶりにプリンスアイスワールドが、さらに浅田真央サンクスツアーが、そして27年ぶりにNHK杯が開催されるという「まったくなーんにもなかったのに突然なんだよ」とあわあわ震え続ける事態が大発生…。広島で何か開催してくれ、と叫び続けていた私の声がついに天に届いたのか。ああネタの神様お前か。って絶対関係ないわ(笑)。


そうだよ、ずーーーーーーっと妄想し続けていたよ。ソルトレイクシティーオリンピックヤグディンの演技に新たな世界への扉を開けられたあの日から16年ずっと。昔は開催されていたプリンスや、スケートヒロシマを見にビッグウェーブへ足を運んだことは何度かあったけど、比較的小さな会場のビッグウェーブでは今のスケート人気を考えたら大きな大会やショーは厳しいだろう、それならばグリーンアリーナしかないと。

広島では最も便利な場所にあるグリーンアリーナ。交通やら食事やらには何の問題もない繁華街で、おまけに徒歩圏内には世界遺産。しかもそこは平和を祈る場所として地球規模で知られた地である。
ここでフィギュアスケートのイベントが行われたなら。外国のスケーターはきっと、すぐ近くにある広島城平和公園を訪れるだろう。何故かスケーターが大好きらしいスタバも地下街にあるぞ。もしかしたら市民球場の跡地でイベントやってて観戦のついでに楽しめるかもしれない。

札幌から福岡まで全国津々浦々出掛け続け、それはそれですごく楽しいしまたやりたいと思ってはいるけれど、時間や経済的な面ではかなり大変なのは疑いようもなく事実。まるで通勤や通学の感覚で自宅から通えてしまう場所でフィギュアスケートのイベントが行われたなら。どんなにどんなに助かるか。
そして、コンパクトに都市機能や観光地が詰まったこの街を、海にも山にも囲まれたこの土地を、スケーターや関係者、スケートファンの皆様に楽しんでもらえたら。

真央ちゃん、高橋君、そして羽生君。スター選手が次々に生まれても、広島だけはフィギュアスケートのイベントとほぼ無縁のままだった。試合の放送が流れなかったり、ほかの土地では行列が出来たというオリンピックの記念切手がごく普通に買えたり、確かに盛り上がりにも欠けていた。いわゆる「田舎」ならば諦めもつくけれど、仮にも政令指定都市であり、町田樹というオリンピック選手も輩出した街なのに、と日本各地で行われるショーや試合を羨ましく眺めていた。もうこのまま、何も開催されることのないまま、妄想は妄想のまま終わり、私はいつか広島を離れるのだろうとぼんやり思っていた。

だから、だから1年前に大阪のNHK杯で「広島」の文字を見た時に、あまりの衝撃にとても信じられず、同時に味わったことのないほどの喜びに包まれたのである。どんなに、どんなに嬉しかったか。どれだけ首を長くして待っていたか。ちょっとだけでもその気持ちが伝わったのなら嬉しいし、今回の一連の記事はそれを前提に読んでいただけたらと思っております。

というわけで、旅には出ていませんが今年の旅日記のメイン、NHK杯の観戦日記を本日より綴って参ります。たいへん長い記事になりますが、どうか最後までお付き合いください。

以下次号。


2018年9月より「うさぎパイナップルnote分室」を開設しました。以前はこちらにも書いていたフィギュアスケート以外の話題は現在ほぼnoteに集約させております。自分自身の話や日常の話題など、日記的に使ったり小説書いたりしてます。noteにも是非遊びに来てくださいね。
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