うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

押してダメならやっぱり押してみろ

「大冒険」の記事書いてて楽しかったので(笑)、自分のためだけに再び同系列の記事を書くことにする。

てなわけで、今日はこれ行っとこうかな。ひたすらボタンを押しまくる超シュールなゲーム、「スイッチ」(発売/セガ) 。

まずオープニングの曲が秀逸。作曲はあの谷啓さんらしいのだけど、洒落た軽快なメロディで、明るい昭和の香りのするなかなかの名曲です。その一方で、ゲームの内容に合わせた非常に変な曲でもあります(笑)。私は大好きだけどね。乗り物酔いする方は車の中で聞いてはいけません(笑)。

確実にもう15年以上は遊んでいないので、細かい内容は忘れちゃったんだけども、一応ゲームの目的みたいなものもあったし、エンディングもあったはず。でもそんなのほとんど意味なかったと思う。
このゲームのメインは、タイトル通りとにかくスイッチを押していくことなんですもの。スイッチの中には別の場所にワープするものがあって、そのスイッチを見つけ続けることで本来の目的地にたどり着くのが確かに一応の目的なんですけど、どうしてもそれを見つけてエンディングを見なきゃいけないゲームじゃないんですよこれ。そりゃ一応は見るけれども、本当の目的は「すべてのスイッチを押してその結果を楽しむ」ことに他ならないと思う。
でもスイッチを押した結果はほとんどがクソくだらないギャグだったりする(笑)。すごく綺麗だったりメルヘンだったりする映像が見られることもあるんだけど、◯ロネタの方が圧倒的に多かったような記憶が(笑)。ちょっとウンザリしたくらいあったような、◯ロネタ…。

主人公を強くしたり、頑張って敵を倒したり、難しい謎を解いたり、感動的な物語を味わったり、といった、大抵のゲームに設定されている何らかの意味のある目標がこのゲームには存在しない。ただひたすら際限なく繰り出されるギャグを楽しむだけ。意味も生産性も皆無。
なので、受け付けない人は本当に全然受け付けないゲームだと思います。得手不得手などではなく、こういう風に遊ぶ人を選ぶゲームというのも面白いものだなと思いますが。
確かに、テレビの前にじっと座って、ひたすらスイッチを押すだけなのは辛いものがあるかもしれません。そのためにいちいちメガCD(プレステでも出てるそうですが私はメガCD版しか遊んだことないです)を起動させて、何度も何度も遊びたいか?と問われれば、確かにそれは辛いと答えてしまうでしょう。こういうしょうもないゲームが好きな私でも。

でもね、そんな「スイッチ」を、無性に遊びたくなる時があるんですよ。
それは、銀行などで行列に並んでいる時。今は携帯やらiPodやらがあるのでこういう時の暇潰しがしやすくなったけれど、スイッチが発売された当時はまだそういう時代ではなかったはずだと思います。なので当時はよくその衝動に駆られてました。並ばなきゃいけない時に限って本とか雑誌とか持ってないんだよね(泣)
後ろに大行列が出来ているにも関わらず、何冊も通帳を出しては振込だか何かをやってる人に占領されたATM。イライラしますね、それはもうイライラします。そんな時、列の側にそっと用意された画面。何となくスイッチを押すと、シュールなギャグが淡々と繰り出される。続きが見たいとも、すべてのギャグが見たいとも思わないけど、イライラする心は少なくとも多少収まるのではないでしょうか。うっかり「押してはいけないボタン」を押して世界遺産を爆破させるのもご愛敬(笑)。てか逆にスカッとしそう(笑)。めっちゃ不謹慎なギャグですけどね…。

そう、このゲームが最も有効に活用される場面は「暇潰し」だと思うのです。ちょっとした時間に、ちょっとだけ楽しめればそれでOKで、きっとそれがいちばん楽しい。一気に遊ぼうとすると胸焼けがしちゃうけど。
操作したくなければ延々とオープニングデモを見ててもいいし、逆にがっつりエンディングまで進めてしまってもいい。誰かと待ち合わせをしてるのに相手が全然来なくて、時間がありすぎて一通り遊んでしまうなんてことがあるかもしれない。でも、突然友達が来ても遠慮なくゲームを途中のまま放置してその場を離れられる。その後にやって来た人はその続きから遊ぶことになるのだけれど、どこから始めても構わないゲームなのでまったく問題ない。
こんなに暇潰しに最適なゲームほかにないと思う。携帯の待ち受けにしょうもないミニゲームを設定して暇潰しにたまに触るような感覚でしょうか。でも待ち受けにしちゃったらメガCDで遊ぶのと変わらないような気がしないでもない。

そんなわけで、最近様々なお店で接客を頑張っているペッパー君に是非とも「スイッチ」を搭載して欲しい(笑)。絶対無理だと思うのでここで呟くだけだけど(笑)。
だってペッパー君、時々全然相手にされてなくて可哀想になるんですよ(泣)。とある銀行を訪れた時にもこのペッパー君がいたのですが、僕とお話しませんかー、とか、無視しないでくださーい、とか必死で呼び掛けてるのに誰も立ち止まらないの(泣)。あまりに可哀想でつい相手をしてしまいましたよ私(泣)。んで、銀行の人に、ここペッパー君がいるんですね、みたいなことを話したら、「そうなんです、いつもひとりで、無視しないでくださーい、とか叫んでるので相手してあげてください」と言われてしまいました(泣)。
で、また別の機会にその銀行に行ったら、

ペッパー君は電源を切られてうなだれて立っていました

ペッパアアアアアアアアアア(号泣)

スイッチが搭載されようが、忙しい客の多いお店ではペッパー君の立場は変わらないかもしれないですが(泣)、少なくとも私は暇潰しに遊ぶからスイッチを。そのためにペッパー君に話しかけるから。ゲ◯ネタは企業のロゴが飛び出す仕様にでも変更すれば問題ない!って私ひとりが遊びたがっても意味ないから(笑)!

ペッパー君云々は冗談としても、実際に「スイッチ」が遊べる機械的なものがその辺に置いてあったら、子供は喜んでスイッチ押しまくるんじゃないかな。好きですよね小さい子、ボタンとかスイッチとか。ほら、電話のおもちゃとかさ。大人になっても、スイッチ見ると何となく押したくなる衝動に駆られることはあるけど、子供の頃ほどその欲求は強くないでしょう。
そういう子供の感覚を、大人が本気で作品に仕立てたのが、この「スイッチ」というゲームなのかな、と思ったりします。本気でバカをやってしまえる、遊び心に溢れたとても素敵な大人たちの作ったバカ過ぎるゲーム。でも、子供向けでは決してない。
こういう作品が大ヒットすることもままあるので、売り方によっては一大センセーショナルを巻き起こした可能性がなくはないんじゃないかと思ったりもしますが、でもやっぱり「わかる人にしかわからない」ゲームかもしれません。それでも是非、このゲームにしかない独特の魅力を味わってみて欲しいな、と今でも時々思うのです。

それにしてもメガCDかあ、懐かしすぎる。好きなゲームいっぱいあったな。ルナ・エターナルブルーは本気で名作だったなあ。遠い目。