えー、去年から温めてたネタです。っても単なるゲームの感想ですけど。去年、はっ、しまった、この日付は、と気付いてから1年間、この日が来るのを待っておりました。ピンとくる人はとっくにピンときていらっしゃることでしょう。今年は曜日までピッタリ同じだということなので、1年間待って正解だったのかな、と思っていたりします。
というわけで、本日はゲームの話題。取り上げるのは、20年近く前に発売されたサウンドノベルの傑作、
『街~運命の交差点~』(発売/チュンソフト)。
初めて遊んだ時にさらさらっと書いた感想文が残っていたので、それを大幅に加筆修正する形で語っていこうと思います。最初にプレイした時から多少感想も変わったりしてますし。長くなりそうなので、2回に分ける予定です。ネタバレ無しで述べるのはかなり難しいので、これから遊んでみようと思われる方はこの先をお読みにならないでください。
先ほど「初めて遊んだ」と書きましたが、これは友達にもらったプレイステーション版を遊んだ時のことを指します。引っ越し祝いだと言って友達がプレゼントしてくれたのが何故かこのゲームソフト(笑)。単に友達のお気に入りだからだと思いますが、前々から遊んでみたかったので嬉しく思いました。思ったんだけど、それから数年間放置し続けました、実は(汗)。ゲームを遊ぶ気力がたぶん全然無かったんですよ、その頃の私に。
ホントのホントに初めて遊んだのは、実はそれよりもずっとずっと前、たぶん『街』がセガサターンで発売された前後だったりします。そう、体験版をプレイしたのですね。
開始1分くらいで突入するバッドエンドに大爆笑し、これは面白い、是非遊びたいと思ったんですけど、当時から貧民だった私はどうやらソフトが買えなかったっぽい(汗)。体験版はたぶん兄弟がなんかゲーム買った時にでももらったんじゃないかと思うし(まっっったく記憶なし)、兄弟も体験版にバカウケしてたので、たぶんこれ幸いと兄弟に買わせようと思ってたんだけど「めんどくさそう」とか言って買ってきてくれなかったんじゃなかったかな(笑)。って自分で買えよ(汗)。
けれども、そう言えばあれ面白そうだったよなあ、という思いはずっと心に残ったまま長い月日が過ぎ、ずっと残っていたその思いが形になったかのように手渡された『街』のソフト。あの時プレゼントしてくれて感謝しているぞ、友よ。ちなみにその友達とは、その昔一緒に『弟切草』やら『かまいたちの夜』やらを遊んだあの友達なのだが、覚えてる人はいないだろうと思いつつも一応書き記しておく。厭きっぽい奴だったが、チュンソフトのサウンドノベルシリーズは本当に好きだったんだな、と今振り返ってそう思った。
当時憧れたセガサターン版ではないけれど(確か当時家にプレイステーションは無くゲームはセガサターンでばかり遊んでいた)、廉価版らしきプレイステーション版のソフト。兄弟のお下がりのプレイステーションにそれをセットして、なんて金のかからない余暇なんだ、とよくわからない感動も覚えつつスタートボタンを押したのは、とある三連休の初日だった、10月11日。
…このゲームは、渋谷の街を舞台に、8人の主人公が過ごす数奇な5日間の物語を、映像と音楽とゲーム要素の付随した読書のように味わう、という、一種独特なシステムのゲームなのだが、その5日間の初日が、実は「10月11日」なのである。
まったく知りませんでした。いや、昔体験版を遊んだ時にその日付は目にしていたはずだけれど、当然のようにまるで覚えていなかった。でも私は、何かに導かれるかのように、ゲームなんて何年も触っていなかったにも関わらず、その三連休を『街』を遊んで過ごそうと思ったのです。
…偶然に間違いはないのだが、偶然にしては出来すぎているような。すべての偶然は必然、みたいな文章がゲーム中にもあったような気がするけど(うろ覚えなので違うかも)、すべての偶然は最初から運命なのかも、とこんなところでも考えてしまう。ゲームの内容もまさにそんな感じなので余計に。
誰かの行動が誰かの運命を変えていく。知らない者同士の間でもそれは起こる。その過程を目で見ることのできるのがこの作品、といったところだろうか。
8人の主人公に8つの物語。彼らの運命が正しい道から外れた時は戻してやらなければいけないし、逆に、この道を選んだらどうなる、という興味の元にいじってみてもいい。そうすると、意外な人物が意外な人物の運命を握っていることに気付く。運命を握られた方は破滅するけど握っていた方はそのことに気付きもせず己の運命を進めていけたり、自分も含めた何人もを一網打尽にする選択肢が存在したり。それぞれの人物に深く関わる人物は何人も存在するけれど、ある二人の主人公を除いた6人は、おそらくはお互いの名前も知らぬままその運命の5日間を終える。
可能性は無限にあるけれど、我々がひとつの次元でしか生きられないように、結局道は最初から決まっているのだ。そしてその道には、我々の意識に上るか否かとはまるで関係なく、無数の誰かの運命が繋がっているのである。
そう、これは神の視点に立って運命を操作するゲームである。そもそもゲームとはそういったものなのだろうが、このゲームには「プレイヤーを投影する存在」がいないため、よりその感覚は強くなる。
基本的にプレイヤーは画面に表示される文章を読み、時折出現する選択肢を選ぶだけで、これは過去に発売されたチュンソフトのサウンドノベル『弟切草』や『かまいたちの夜』と何ら変わりはないのだが、本作にはさらに「知らず知らずのうちにお互いがお互いの運命に隣接している」ことを示すかのような「ザッピング」と呼ばれるシステムが存在し、ゲームをクリアするにはこれを駆使しなければならない。誰か別の人物の物語から別の人物の物語へと移っていけるポイントを見つけなければ物語が止まったままになってしまうことがあるのだ。そのため、全二作に比べると難易度は高めだと思われる。そもそも、「選ぶだけ」の選択肢も、その選択が別の人物の運命を巻き込んでいることが多々あるのである。選択が間違っている場合は、当然誰かの運命が正解の結末を迎えられず、ゲームをクリアすることができない。
プレイステーション版にはフローチャート機能とバッドエンドリストが存在するため、この独特で複雑な相関図を理解しやすい。セガサターン版にはどうやらこれが無かったようなので、やり込み派の私は恐ろしい時間を費やす羽目になったであろう…(汗)。
相当難易度が下がったと思われるプレイステーション版だが、それでもコンプリートにかかったのは2日半ほど。引きこもってほぼぶっ続けで遊んでもそれくらいかかりました。1日ずつ全員のバッドエンドと選択肢とザッピングを全部試してから次の日に進めてたんだけど、実はバッドエンドリストがあるのにコンプリートしてから気付いたのです…。アホです…。
1日ずつコンプリートしながら進めるとシナリオとシナリオの相関関係がわかりやすかった。5日目にもなると初日のこと忘れちゃうのが難だけど。でも、後から遡ってバッドエンドを回収するよりはこうやって1日ずつ確実に潰していくのが結局楽な気もする。好みの問題なんでしょうけど。
渋谷が消滅しまくったりデブしかいなくなって地球が消滅したり、開始直後にいきなり終わったり(笑)、ある意味超楽しいのでついつい夢中でバッドエンドを集めてしまう(笑)。
その後2回目を遊んだ時もたぶん同じくらいかかってコンプリート。やっぱりどうしても2日半くらいは必要なのか。TIPもZAPもくまなく見るし。
この記事を書くためにさらに3回目に挑戦したのだけど、時間切れにより青ムシ(注:隠しシナリオ)は1日目の途中まで進めて放り投げました…。ごめんね青ムシ。メイン8人はほぼコンプリートしましたが、バグなのかどうか知らんけど何故かザッピングできないいくつかの箇所は放置したまま。あれって回収できたっけな?出来たような気もするけど忘れちゃったな。でもピンクも金もしおりは出してて、最後はもちろんあのシナリオで締める。これでも丸2日ってとこでしたね。2回目に比べてわりと展開を覚えていたのでサクサクバッドエンドを集めてたつもりでいたが…。もう私に体力がなくてぶっ続けられなくなってたからかも(泣)。
そんなところで、長くなったので明日へ続く。明日はこんなものでなくネタバレになりそうなので気を付けてください!
2日目につづく