うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

君を育む青空が、いつだってスタート

一足早い夏の訪れのような1日に、東北の青空の下でその人は優しいその腕を振っていた。
故郷に戻ってきた王者を讃えるパレード。そう、羽生結弦の2連覇を祝したパレードが4月22日、仙台で行われたのである。

続々と北の地に集結するファンを、私は羨ましく眺めていた。平昌で羽生君の優勝が決まった瞬間から、今度こそパレードを現地で見たいと強く思っていたけれど、私の現状ではおそらく不可能だろうということもどこかで悟っていた。せっかく地元から航空機の直通便もあるし、親戚も知人もかの地には住んでいる。時間と金銭的余裕さえあれば、どうにでもなるはずだった。後者をクリア出来ずに、様々なことを諦め続けてもう何年になるだろう。ずっと最低限の生活すらギリギリ、という毎日を送ってきたけれど、そのダメージはあまりにも大きかったようだ。

しかし天は私を完全に見捨てたわけではなかったらしい。なんと、NHKがパレードの様子を全国中継するというではないか。
えっっっっ、リーグ連覇したカープのパレードすら中国地方だけでしたよね生中継?羽生君ひとりで全国中継って!えええええ!?えええええええええ!!??
…教育以外全局で生中継していた広島県を「控えめに言って狂ってますよね」と評していた人は私以外にもたくさんいたが(※広島県民)、もしかして我々狂ってないのかなこれ?これがスタンダードってことかな?なんか仙台でも便乗商法みたいなのいっぱいやってるみたいだし!大丈夫、広島県と全世界だけの違いだよ!良かったな我々!
…んなわけない(笑)。広島県民のカープへの熱狂ぶりはいちばん近い言葉を当てはめるなら「宗教」である。私は「地元の球団だからチェックはしてる」という程度だけど、やはり長年の暮らしの中で洗脳…もとい(笑)、自然に染み付いた何かをかなり感じてはいる…。まあ熱中できるものがあるのはいいことですよ。みんなで盛り上がれるし、楽しいじゃん。それに、黒田の引退セレモニーの感動は生中継の威力だと本当に思ったよ。演出の差し挟まれる余地のない、ただ純粋に素晴らしい映像だった。

しかし、これがオリンピックの力か。フィギュアスケートのシングル競技でオリンピックを連覇するのが如何に困難かということは「66年振り」という数字からして明らかで、その偉業に対して全国でお祝いする価値があると判断するのは何もおかしくないだろう。そこに羽生結弦という人物の膨れ上がる人気が加わる。世界に名の知られた日本人は何人もいるし、一般層にも大人気となったスケーターもたくさんいるけど、羽生君の人気はそれらとはまた違う、ちょっと過去に経験したことのない段階に進んでいる気がする。こんなコンテンツを見逃すほど皆愚かではあるまい。

そんなわけで、中継の随分前からそわそわとテレビの前でスタンバイ。でもねー、実はサブチャンネルの刑に処せられた地なんだよねー、ここ…。元々の放送予定があってしょうがなかったんだろうけど、画質…。落ちるよねきっと(血涙)。

はてさて放送が開始。やっぱり画質…(泣)。もうしょうがない、ソチの時はこんな中継なんて無かったもん、見られるだけマシ。
「ホテル取れなくて今日来た」って言ってる小塚君に「改めてすげえ騒ぎだし経済効果だな」とうっすら感心してるうちに出発式?が始まる。こんにちはー、って、やると思ったけどなんだこれかわいいな。もう負けたよ…。
お皿とかお米とかオルゴールとか、次々贈呈される羽生君。お米四年分…。ここまでハッキリ次も、って方々から期待される人あんまりいないような…。

そしてパレードが開始。おお、SEIMEIとロミオとジュリエットを演奏しながらなんだ。勇ましくていいね。
んでこれ…。カープのパレードくらい人いない?公式発表では10万8千人だったそうだけど、正直もっといるように見えた。カープのパレードはもっと距離があったから、距離が短い分ギュッと人が詰まっててそう感じたのかもしれない。パレードの距離も人数もカープは羽生君のだいたい3倍だったはずなので、そう考えると私の抱いた感想もあながち間違いではなかったのかも…。
しかし歓声が黄色い。ジャニーズのライブってこんな感じなのかな?(行ったことない)フィギュアスケートのファンは女性が多いからこうなるだろうけど。SEIMEIポーズは分かるがあっかんべーは何でやってたの?(笑)うちわアピールか?羽生君メガネ男子だけど、実は目はいいのだろうか?

テレビ中継が終了したあとはネットで配信された映像をガン見してたんですが、すげーな野外ライブみたいだな、という感想は最後には「むしろこれ戴冠式」「祝賀通り越して建国パレード」に変わっていた…。ものすごい熱気が画面越しからでも伝わりました。この人一体どこまで行くんだろう。この閉塞した時代に、神はわざわざ日本を選んでこの宝物を与えてくれたんだという気がしてならない。彼がこれからどうするかはわからないけど、一スケートファンとして、後悔することのないように彼の物語を追っていきたい。

記者会見までガン見して、この熱い熱い1日は終了した。いや、まだ終わってない。ニュース番組をひたすらザッピングして最後まで見終わるまでが遠足←録画機器がない←そして遠足ではない
かなり気温が高かったようですが、羽生君、日に焼けて肌が痛くなったりしてないかな、とちょっと心配した。私はちょっと焼けるとすぐにヒリヒリして痛くなるタイプなので。羽生君が同じかどうかわかんないけどさ。正直羽生君と張れるのは色の白さくらいです←張り合う意味ねえええええ←北海道出身の知人が「北海道には色の白い人が確かに多いけどあなたほど白い人はそうそう歩いてません」という名言を残した時に初めて自分の白さに気付きました←ずっとどうでも良かった、今もどうでもいいがまあ話のネタにはなるよね

知っている顔を見つけたのであろう羽生君の、少年の素の顔を捉えた写真を温かい気持ちで眺めたりして、スケートファンとしてこんな選手に出会えるのは最高の幸せだな、と改めて思ったのですけど、同時にめちゃくちゃ悔しくも思いました。
…行きたかったわ、私だって。現地でおめでとうって叫びたかったわ。てかそのつもりでおったんじゃ。平昌同様そこまで計画に入れとったんじゃ。貧民過ぎてどうにもならんかったんじゃ!!ホントははらわた煮えくり返るほど悔しいんじゃーーーーーー!!!

こういうモードの時は私は悔しすぎて情報をシャットダウンしてしまうタイプなのだが、今回はしっかりこの目に焼き付けようと誓っていた。この悔しさを忘れないために。絶対に今の状況を脱出するために。脱出どころか、もっと遠くまで行くために。今はまだ何も見えないし、きっと夢を語れば語るほど笑われてしまうけど。何となく四年単位で物事を考えてしまうのはフィギュアスケートファンにはよくあるんじゃないかと思うけど(笑)、四年後には追いたいものを好きなだけ追える自分になってやる。今日がそのスタートだ。

滅多に飲まない酒を口にして、案の定すぐ回ってくらくらする頭でこれを書いてる。缶チューハイ一本ですぐ酔えるんだから安いよな(笑)。これはあることへの自分へのお祝いであり、羽生君をお祝いする気持ちの表れでもある。どうせどこかで深淵に飲み込まれてぷっつり終わるだろうと、夢も希望も目標も抱いたことのなかった私の人生のテンションが、地に落ちたままの日々は今日で終わり。またすぐに心折れるかもしれないけどね(笑)。

しかし、羽生君におめでとうって言いたいとか口にはするものの、いざ本人が目の前にいたら「私のようなふざけた者がファンだなどと申し上げてたいへん申し訳ございません」とダッシュで逃げてしまうのが私なのである。逃げるならまだいい、手を振ってもらったりしても完全に固まってしまって一切反応できないタイプ(泣)。違うの嫌いなんじゃないの、むしろその逆なんだよう(号泣)。なので家でのんびり見てるのが性に合ってるというのが本当のところかもしれない(汗)。
いやいや、堂々と「ファンです」って言える自分にこれからなったらいいんだよな。ホントもう色々今更なんだけど、この足が動くと信じて私は地平線まで走っていくよ。いつか堂々と、大ファンですって言えますように。その日が来ても来なくても、いつまでも応援しています。本当におめでとう。遠く広島の地から、そっと叫んでます。


※羽生君と全然関係ないんですが急ぎなのでここで。数日前にブログをhttps化したのですが、その影響で過去記事へのリンクが相当数消えてしまっているようです。急ぎ手作業で修正しましたが、何せ600記事近くある上どれにリンク貼ったかなんていちいち覚えてないので(泣)抜けがあるかもしれません。原因はたぶん把握できたのでもう大丈夫だろうとは思うのですが…。もしお気付きの点があればご指摘いただければ幸いです。