うさぎパイナップル

フィギュアスケート旅日記とテレビ観戦記とその他色々色々・ただ書き散らして生きていたい(ライター始めました2018・生活の糧と居場所募集中)

プリンスアイスワールド2018 広島公演⑤

あの豪雨災害が発生した時、プリンスは本当に開催できるのだろうかと率直に思った。新幹線はすぐに復旧したから人は運べるだろうけど、高速道路も国道も電車の線路も「これ簡単には復旧しないだろ」と背筋が凍るような状況だった。あまりにも被害の範囲が広くて、人的被害のあったところを中心に報道されていたように思うけど、本当はもっともっと、本当ならその一ヶ所だけで大きなニュースになってしまうはずだった場所がたくさんあったと思う。
高速道路は思ったよりずっと早く復旧した。よっぽど急いでくれたのだろう。そのおかげでスカスカだったスーパーにはものが入るようになったし、これでプリンスも大丈夫だろうと確信はできた。川に削られて崩落し、これは当分無理なんじゃないかと思っていた国道2号線も復旧した。まだまだ通行止めの箇所もあるし、JRも完全復旧には遠い。プリンスのチケットはあっても、予定していた交通機関が使えなかった人もたくさんいたと思う。代替輸送も行われているから何とかなっただろうけど、正直災害発生時やその後の見通しが立てられていた頃には「何とかなる」とはとても思えなかったのも確かだった。

ダイヤは元に戻っていなかったけど、アルパークまで来られる状態になるまで復旧したのが、何だか不思議な気持ちだった。あれから1ヶ月と少し、その短期間でこれだけ戻すにはどれだけの人の尽力があっただろう。だが、ライフラインや道路は優先的に復旧させなければならない事項というだけで、実際には手付かずの場所が山ほどあるはずだ。胸が痛い。

今回の会場であるサンプラザ周辺を含め、広島市の南西部には大きな被害は出ていなかったようだ。山口県に入るとまた状況は変わると思うけれど。小さな被害はおそらくあったにせよ、広島駅から西の地域はおおむねすぐに日常に戻っていたように感じる。だから、大丈夫だろうとは思ってはいたけど…。無事開催できて本当に良かった、とにかくそう思おう。

家の周辺くらいしかうろうろしないという人もいるだろうが、あれだけ被害範囲が広ければ、ほとんどの人が被害地域に知り合いがいたり取引先がいたり、何らかの馴染みがあるのではないだろうか。それなのに、特に被害のなかった人の中にあからさまに「他人事」の人間がいるのが私はどうしてもしんどかった。人それぞれだからしょうがないけど、同じ広島に住んでいながら、しかも直接の知り合いが困っている状況にあっても何もしない、それで平気だということに私は深いダメージを受けた。
弱者に配慮しない、と復旧状況を政治家のせいにしてる人も知っている人の中にいたけれど、個人が弱者に配慮しないのだから政治家が配慮などするわけがない。政治家は国民の鏡だ。何もしないから何もしてくれない。それだけだ。見ようとしないから見えてないだけで、政治や行政にしかできない仕事をしている人はたくさんいる。でも政治や行政は万能じゃない。個人にしかできないことなど山ほどある。それすらも政治や行政に押し付け、本当は自分にできることすらも何もしようとしないのがその発言をした人を含めた多くの国民だ。次に被害者になっても、あなたは何もしてもらえないだろう。だって何もしなかったから。何もしなかった人のことを、少なくとも私は忘れることはない。あなたがしたように、政治や行政に押し付けるよ、あなたのことを。何もしてもらえないのをわかった上で、調べもせずに適当なことを上から目線で言っていいことをしたような気分になっておくよ。
…あなたがしてることは、そういうことなんだ。わかって欲しかった。

それくらい、温度差の存在は感じ続けていた。だから色々複雑だった。複雑な気持ちで募金列に並んでいた。

家に被害はなくても、知っているお店や場所など被害のあった地域が身近に本当にたくさんあって、正直ものすごくショックだった。避難を躊躇うほどの周辺状況に、一晩中眠れずに過ごしたのも事実だ。でもその強いショックを話せる相手もいなかった。誰にも聞いてはもらえなかった。自分も実は色々なことで困ったし今も地味に困っているけれど、自分を本当の意味で心配してくれたのは結局父親ひとりだけだった。冷たい言葉を吐かれたり、無視されてしまうことすらあった。人間不信に陥っていたし、こんな人間関係しか築けなかった自分という事実に打ちのめされていた。そして、こんな時にお金も体力もなく、何もできない、何の力もない自分が情けなくてもどかしくて仕方なかった。
だから、トークショーや募金の間だけでも、そのショックやもどかしさを忘れられたことはありがたかった。私個人においては、そういった機会すら災害後まったくなかったから。それどころか、会いに来てくれる、電話一本くれる人すらいなかったのだ。その孤独と絶望は精神を蝕むほど深かった。わかってはもらえないのだろうしわかってもらおうとするのももう疲れたけれど…。だから、この時期に開催されることに決まっていて良かったのかもしれない。勝手な思いではあるけれど。

暗い話になってしまってごめんなさい。私は直接被害があったわけじゃないからあれこれ言える立場では本当はないけれど、今回の件が本当にショックで、色々複雑な思いを抱えて苦しく、その気持ちが実はまったく解消されていないのです…。


たまってた用事もサクッと済ませられたし、思い切って出向いて良かったです。かなり間違いなく、この日アルパークへ行ったことは正解だったと思います。しばらくは近所のスーパーしか行かないという生活で(お金がないのでスーパー以外どこにも行けない、が本当は正解)、人間と話すこともまったくなかったので、すごくリフレッシュになったし色々楽しかったし。
まあ、出掛けてたおかげで『5up!』は見逃しちゃいましたけどね(泣)。

以下次号。