うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

スケートカナダ2018雑感③

本日の日本シリーズはフジテレビでの放送なので時間通りに地上波放送開始。野球の展開も気になっていたのでちょっと後ろ髪引かれましたが…。
ショートプログラムの振り返りも最低限だったかな。以前ならここで昌磨君の演技がノーカットで流れたはずだ…。大昔の放送の内容を考えたら今はちゃんと「スポーツ番組」になってる。選手たちのひたむきな努力と素晴らしい演技がいろんな人たちの心を動かしてきたんだろうと私は思ってるよ…。

地上波放送のほかにBSでの放送も視聴しての感想です。お名前の前に★がついてる方は地上波でも放送があった選手です。

男子フリー

第1グループ

1:ジェイソン・ブラウン
4回転は抜けてしまったけど、全体的には良かったんじゃないかなあ。アクセルのコンビネーションも綺麗だったー。それにスピンやステップ、何より動きそのものが素晴らしい。彼らしいラインではありつつもお手本のようにピタリと決まって無駄がない。ジャンプが入るようになれば間違いなくもっと点が出る選手である。
オーサーとキスクラに並んでるのが新鮮な光景である。これからこの光景が通常になるんだな。新しいスタートが切られたんだな、と改めて思った。


2:ケヴィン・エイモズ
最初のアクセルくらいかな、大きなミスは。最後のステップももう疲れてるように見えましたが、プログラムを通してはそれなりにいい出来に思えました。2回目に跳んだアクセルの幅も凄かったなあ。
織田君も褒めていたように、あまり見ることのない面白い動きがたくさん入っていて、ふんだんに工夫が凝らされていてすごく新鮮。また見たいプログラム。


3:ローマン・サドフスキー
ジャンプのミスが非常に多くて、演技としてはあまり良くなかったですね、残念。冒頭のサルコウはとても美しかったのですが…。
しかし足の長い選手である。足が長過ぎてスピンが別の種類のスピンに見える。ほかの選手と同じ事をやってるはずなのに…。
シンドラーのリストの物哀しいメロディ(映画見たことないんだけどフィギュアスケートではよく使われる曲なので覚えちゃったよ)に『鐘』のメロディが混ざってるんですね。切ないピアノの音色を弾き出すようなフィニッシュが素敵でした。


4:ナム・ニューエン
着氷にちょっと「ん?」と思うジャンプがあったくらいで、素晴らしい出来でしたね。そう言えばナム君アメリカから連戦なのに、カナダのこの歓声が疲労より力を彼に与えたのだな。演技時間が短く感じたので、いい演技だったんだなとしみじみ思います。観客に手を振ってるのは振付なのかアドリブなのか(笑)。
ショートプログラムではかなり回転不足を取られてたようだったけど、フリーは得点的に大丈夫だったのかな?いや、やっぱり取られてるのか…。


★5:友野一希
4回転やトリプルアクセルといった高得点のジャンプが決まらなかったのでスコア的には厳しいだろう。コンビネーションのリカバリーもできていて冷静ではあったが、終盤はもうあまり体が動いていないように見えた。
今回は残念な出来だったけど、もっとビシバシジャンプが決まればとんでもなく観客を惹き付けるプログラムになりそうである。リバーダンスはもれなく傑作が生まれる曲だというイメージで、ハズレのない選曲だと思う。人類の心をかきたてるメロディなのかもしれません。
ファンが投げ入れた緑の大きな帽子をかぶる友野君。さすが大阪の子(笑)。そのエンターテインメント精神が彼の魅力ですね、そういう部分って演技にも出るから。面白い競技だよなフィギュアスケートって。


6:ブレンダン・ケリー
いい感じに進んでるかなと思ったんだけど、だんだんジャンプの抜けが出てたりして、後半はかなり乱れてしまったか。うーん残念。エキシビションみたいな衣装だな、と思ってたら後半がノリノリパートで楽しい雰囲気。でもジャンプの乱れもあったようにかなりガチャガチャした印象で、時間が短くなった影響もあるのかもしれないが、せわしなく感じてしまった。
彼の顔立ちは誰かを思い出すな、とずっと気になってるんだけどまだ名前が浮かばない。一人思い付いたがそんなに似てないような気がするし…。

第2グループ

昌磨君がこんな顔して挨拶してるなんて珍しいな…。あれは阿修羅の専売特許かと思っておりましたが…。6分間練習でも厳しい表情が崩れない。昨日の失敗がよほど納得いかなかったのだろうか。


7:アレクサンドル・マヨロフ
えっ、これ衣装替えプログラム?ネクタイがステップに入る前にキラッキラになったよね?解説も突っ込んで!そこ突っ込んで!
ジャンプはあまり出来が良くなくて全体的には残念だったのですが、ネクタイの仕掛けとか、スケートファンを虜にしてきた(笑)スウェーデンの選手っぽい音楽のチョイスとか、観客を楽しませようとしてくれてるプログラムで私は結構好きだわ…。


★8:アレクサンドル・サマリン
前半のジャンプは着氷の乱れもあったが、転倒がなかったのは大きかったのでは。あのジャンプの高さは痺れるね。後半明らかに顔が真っ赤になってて、やっぱり演技時間が短くなって大変なのかなと感じたりもしたけど。
トランプの図柄みたいな衣装だな、と思ったがこれ流行ったあの曲かあ。編曲がなんかまとまりないというか演技のテーマがぼやけてて、ザ・ロシアって感じでしたが、私に理解力が足りないだけかもしれません、すみません(汗)。


★9:ダニエル・サモヒン
うううう、ジャンプの乱れがちょっと多すぎましたね…。前半だけならまだ良かったが後半にもパンクしたジャンプや着氷の乱れ。これはちょっと厳しい。かっこいいステップで終わるあたりなど見せ場のあるプログラムだったんだけど。
衣装が素敵だった。白いシャツにもパンツにも赤紫の模様が入ってるんだけどシャツのデザインが好きだわこれ。パンツのデザインはシンプルな人が多いので、そこがちょっと凝ってるだけでも目を惹いていいですね。


★10:チャ・ジュンファン
冒頭の4回転は転倒してしまったが、それ以外はとても良かったんじゃないかな。さすがクリケットのスケーターである。特に2本目の4回転綺麗でしたね。
ロミオとジュリエットなのだが、なんかすんごいテクノなパートが入ってたり叫び声が入ってたり、とにかくせわしない。今シーズン非常に多いロミオとジュリエットのプログラムの中でも際立って特徴があり、インパクトは十分なのだが、私は今回もよくわからなかった(汗)。ロミオとジュリエット・宇宙編?←ぜってー違う


★11:宇野昌磨
冒頭から4回転ジャンプが4本続くが、どれも素人目には完璧な出来である。実際には回転不足もあったとは言え、トリプルアクセルまでは恐ろしいくらいの完成度だったが、ラスト2本のジャンプで大きく転倒。途中からしんどそうな表情にも見えたが、ステップもスピンも凄かった。ものすごかった…!
こんな鬼気迫る昌磨君の演技初めて見た…。もしかしたらこのまま無色透明なまま終わってしまうかもしれないと思っていた月光が、ここに来て突然昌磨君の色に染まり始めた。あたかも衣装が白から深い青に変わったことがそれを示しているかのようだ。何者かに追い詰められた主人公の背中に絶望的に浮かび上がる巨大な満月というイメージが浮かんだ。真っ黒に塗られた夜空に皮肉なくらい白い月。厳しく、冷たく、無慈悲な月光。でも主人公はすべてをさらけ出すこの月明かりの中でも生き延びねばならないのだ。
これまでの昌磨君の演技の中ではこれがベストだと私は思った。得点的な話ではなく演技の内容的に。昌磨君は物語や感情が演技から読み取れるタイプではなかったので、ここまで本人の想いが伝わってきたのは初めてのような気がする。昌磨君の平常心は最大の武器でもあるのだが、フィギュアスケートという競技においては暴れ出すくらいの強い感情が演技を何十倍にも面白くすることが多々あるのである。
ああ、キスクラでやっと笑った。いつもの昌磨君に戻った…。ものすごく集中してたんだろうなあ。見てる方もホッとしたわ…。


★12:キーガン・メッシング
冒頭のルッツ、4回転の予定だったらしいがトリプルでも良かったんじゃないかと思うくらい綺麗。前半は完璧だった、ジャンプの高さが凄まじい。それだけに後半の4回転の転倒だけが惜しかった。本人も優勝を狙っていただろうから転倒後は少し厳しい表情にも見えたが、すぐに笑顔に戻って最後まで素晴らしい出来で滑り切った。コレオが最高でしたねー。いやあ、いいスケーターだわ。


なんかすごいかわいい表彰台。ここは本当にあのカナダなのか←お前カナダを何だと
やはり昌磨君はフリーが強い。逆転するだろうとは思っていたものの、改めて彼の強さを実感する。ここにきて昌磨君が「ついに覚醒した」感があり、今シーズンが読めなくなってきた。ルール変更もあり、ずっとハラハラが止まらないシーズンになりそうな気がします。

スケートカナダの感想はまだまだ続く。明日は女子フリーです。


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