うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

瀬戸内ノスタルジア

お題「もう一度行きたい場所」


何度も足を運んでいるのだけど、不思議といつも「また来よう」という気持ちになる場所があります。それは尾道

何度も足を運んでいるのは「近いから」というのも大きな理由。ふらりと在来線に乗って、あるいはドライブがてら日帰りできる場所なので、ひとりでも友達とでも、片手の指の数以上は確実に訪れているはずです。


JRの駅を一歩出ると、目の前に広がるのは海と、向かいの島と、船。しかし海に吸い寄せられる目を背中に向ければ、山がすぐそこに、覆い被さるように立っている。海に山が迫る広島の地形をさらにギュッと濃縮したような、いつも見ているようでいつもとは違う風景。

海の群青、島の緑。空の水色に、行き交う船の色。豊かな色彩、瀬戸内海の穏やかな潮風。平成が訪れないまま昭和が生きているような商店街、建物、路地。
テーマパークでも何でもなく、ここは人々が日常を過ごす日常の街。郷愁やロマンやレトロを感じるのは我々の勝手な感傷で、幻のようなものです。けれど、この場所には「何か」ある。ここを舞台に作品を作りたい、と思った人々のその気持ちは、この箱庭のような街を眺め、歩き、味わっているうちに、痛いほど自分の胸にも「よくわかる」という言葉と共に去来してくるのです。

一週間ほど尾道に滞在して創作活動をするというイベントの情報を見かけたのだけど、もう今年度は終わっちゃってるっぽくて残念でした。自称物書きでもいいらしい(まさにお前じゃん…)。きっと参加費が払えなかったけど(そんなに高くないのにね…。私がそれだけ貧乏だってことだよ…)、文豪気分に浸ってみたかった。
っても、そんなに創作しないでふらふらなんか食べたりぐーすか寝てたりぼけーっと海を眺めてたりするだけのような気がしないでも(汗)。ってかものすごくそんな気が(汗)。むしろ創作のためのアイデアを補充しにってことで…、って駄目か(汗)。


最も有名なスポットはやはり千光寺なのかな。山の上にあるのでロープウェイも設置されているのですが、高所恐怖症の私はひとりでは怖くて乗れず、いつも坂道を歩いて登っています。
…相当な坂です。昔はそれでも登っていましたが、貧血が悪化した今は確実にぶっ倒れそうなので、たぶん最後に登ったのは3年くらい前かな…(泣)。苦労した分、千光寺から一望できる景色は最高です。空と雲、海と山、街と島、そして時が閉じ込められた小さな箱。静かな静かなおもちゃ箱。瞼がそのまま額になる。

坂はきついけど、道案内をするようについてくる猫がいたり、ひっそりと佇むお店を見つけたり、千光寺までの道のりも物語の世界に迷い込んだように楽しめると思います。


時が止まったような看板や、独特な個性のお店が並ぶ商店街を歩くのも好きです。近年は火事が多いようで、尾道に行く度に気になっていた乳母車のお店が無くなっていて残念でした。乳母車と言ってもご老人が押している手押し車を扱っているようでしたけど、乳母車のお店なんてほかで見たことがなかったから、このお店まだちゃんとある、って尾道に行く度に確認しては、今日も私は尾道に来たんだ、っていう気分になってたんですよね。ううむ、うまく説明できてないかも、すみません。

商店街と言えばオバQですね。50円とか100円とか入れて動かす、子供が乗って遊ぶ遊具があるじゃないですか。それのめちゃくちゃ年季入ったオバQがいるんですよ。レトロ感を演出しようとかなんとかいう感じではなく、なんか普通に道端にいる。尾道オバQ何にも関係がないと思うんだけど(笑)、オバQも必ず視界に入れないと尾道に来た気がしないのだった。
木曜日が定休日のお店が多いのですかね、木曜日に訪れた際には観光案内に載っているようなお店は軒並み閉まっていた気が…。もちろん開いてるお店もたくさんあるからそこに行けばいいんだけども。

有名店と言えば最初に思い出すのが「朱華園」だけど、今月でまさかまさかの休業だとか。尾道ラーメンの話題となるとほぼ必ず名前の出てくるお店じゃないかと思うくらいだったので、衝撃を受けてしまいました。最後に食べたの3年くらい前だし行きたいんだけど、貧乏過ぎてたぶん無理←遠い目

アイスクリームが大好きな私がたいてい寄ってしまうのが「からさわ」。イートインできるのをずっと知らなくて、お店で食べたのは一度だけ。たまたま観光客の少ない日で、窓際の席が空いててラッキーでした。外で食べたり持ち帰って食べたりする人がひっきりなしに訪れてはいたのですけど。
窓枠がもうね、めっちゃくちゃかわいいの。その窓から、尾道の海と島とが見えるわけですよ。私が少女漫画家なら、この風景をスケッチして扉絵や表紙にしちゃうだろうな、お店に頼んで。
アイスクリームの浮かんだジュース。もうちょっとだけお金持ちだったら、追加でアイスを3個注文して、2個は普通に食べて、1個はアイスが溶けてきたジュースに追加して、ものすごくクリーミーなジュースにしてしまいたい。最高に贅沢で楽しいに違いない。やりたい…。アイスは溶けたら液体になるから何個でも食べられる←何言ってるのかわからない


一度も泊まりで来たことがなく、いつも数時間の滞在で帰ってしまうのだけど、何度来てもいつも何かを発見して帰れる、何だかとても不思議な場所。ラバーダックも見に来たっけな。どうしてもどうしても見たくて体調悪かったけど無理矢理出向いたっけ。尾道のノスタルジックな海に浮かぶラバーダック、最高でしたね…。
バーダックちゃんかわいい、追っかけになりたい…←突然の告白

広島の二大観光スポット・平和記念公園や宮島からは距離がありますが(広島は意外に広い)、是非足を伸ばして欲しい場所です。広島市の中心部にあるバスセンターから長距離バスも出ているし、在来線にのんびり揺られてもいいし。新幹線で向かったことはないけどきっと早いはず(だから新尾道駅周辺のことはまったく知らない)。

街角から物語が飛び出してきて、心に音楽が踊り始める。群青の海と緑の島と、水色の空。歩く度に風が絵筆をとって、瞼の裏に絵日記を書き留めていく。私にとっての尾道は、何故だかわからないけど、そんな場所。




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