うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

全日本選手権2020雑感⑮

長々と綴って参りました全日本の感想もついに今回で最終回。羽生君の記事が長すぎたことはもちろん(笑)熱い戦いが続いたため執筆やチェックに時間がかかってしまいなかなか大変でしたけど、ほぼ書き上げた今はどこか清々しい気持ちです。
本日はエキシビションの続きです。最後まで目を通していただければとっても嬉しいです。

メダリスト・オン・アイス②

★小松原美里&小松原尊
情感溢れるスピンからスタート。未来に希望の言葉を送り届けるような、懐の深さみたいなもの感じる演技でしたね。日本国籍を取得できたことも関係あるのか、自信がみなぎっているように感じます。

優勝者なのでアンコールがあるらしい。そういや毎年そうだっけ。リズムダンスの方だったのですが、さっきまで母性溢れる演技をしていた美里さんがまったく違う女性に変貌してるのが凄い。当然ながら衣装をチェンジしてないことを考えると、素晴らしい演じ分け。


宮原知子
昨シーズンのエキシビションショートプログラムをチェンジしたってとこですかね。このチェンジは正解かもしれない、ショーの照明の中で見ると面白いや。衣装はずいぶんシックなものに変わったのかな?こちらの方が宮原さんには合ってるかもしれないですね。彼女もこんなシックな衣装が良く似合うお年頃になったのですねえ…。

アンコールはフリーのトスカ。黒い衣装のトスカもいいですね、これはこれで渋い魅力がある…。


★鍵山優真
テイクファイブはスケートの鉄板ですねえ。競技プログラムとしても見てみたい気がしますが、この照明の中で見るけだるい雰囲気も捨てがたいなあ…。あっという間に終わっちゃいますね、もうちょっと長く見ていたくなっちゃう。

アンコールはショートプログラム。この衣装での滑りや照明の中で見るのもなかなか面白いですね、印象が全然違う。グッと大人っぽく感じるような。


あ、インタビューまた入った。3位、2位、1位でやるんだな。昔に比べたら随分シンプルにインタビューだけするようになったよね(笑)。なんか二人並んで座ってると可愛いな…(笑)。


★坂本花織
ロシュフォールの恋人たち。こんなスピード感と迫力と、後腐れのなさ(笑)みたいなものを感じるカラッとしたロシュフォールは初めてかもしれないですねえ(笑)。やっぱ滑り見てるだけで気持ちがいいですなあ。

アンコールはマトリックス。アンコールとしても最高に盛り上がるプログラムかもしれませんねえ。ジャンプもばっちり決まってスピードに酔いしれてるうちに終わってしまうのだった。あんな可憐な感じの衣装なのに(笑)。


宇野昌磨
おお、なんかすごくいいですねこのプログラム。昌磨君のイメージに今まであったようでなかった感じ…。こんな風に音を感じて音に乗ってる昌磨君があまり記憶がなかったので…。もう1回見たいなあ。

この衣装でのグレートスピリット!!アンコール!!全然合わないはずなのですが、プログラムがカッコいいので全く気にならずに見てしまう(笑)。元々エキシビションプログラムだったから盛り上がりますよね。


勿論インタビューあり。なんか今にも名言が飛び出しそうな組み合わせだな(笑)。昌磨君そう言えば客席いたね、見る方が緊張するって、やっぱそういうものなのかな。


紀平梨花
新しいエキシビションでしょうかね、黒いスカートにサイケな柄のパーカーがかわいい。今シーズンほとんど彼女を見てなかったことに気付いて愕然としましたよ…。本来ならショーに引っ張りだこだったでしょうに。

この衣装でのアンコールがあの黒く燃えるようなショートプログラムなのか…。これはこれでギャップが面白いですね。側転も披露。これショーでやったら盛り上がるだろうな。

おや、1位の選手はひとりだけでインタビューらしい。衣装の柄がはっきりわかるなあ。髪型も良く見ると凝ってる。


羽生結弦
「春よ、来い」。おそらくこのプログラムだろうと思っていました。今の時期にこれほどふさわしいプログラムもないでしょうから。

羽生君の心境によるのでしょうか、演じられるたびに印象の違うプログラムだと思っています。2020年の年末を飾った今回は、桜の精でも春の使者でもなく「羽生結弦」だと思いました。いえ、桜の精も春の使者もすべてを内包した「羽生結弦」と呼ぶべきでしょうか。

ショートプログラムから一貫して、今大会は「羽生君が一貫してずっと羽生君だった」大会のような気がします。ショートプログラムのようにファンを煽りまくる俺様な羽生君も昔から彼の中にいましたし、フリーで見せた戦いの神のような羽生君もこれまでに何度も我々の前に現れてきた「神の依代であり稀代のスポーツ選手である」羽生君です。和のテイストを前面に押し出しているプログラムでもあり、羽生君の外見などキャラクターそのものもプログラムの一部に組み込まれているかのような、おそらく羽生君にしかできないプログラムでした。
そしてエキシビションの羽生君は「少女のように儚い、壊れもののような」羽生君。男子選手がこれほど「性別がそもそもないかのような」タイプの中性的な雰囲気を醸し出すのは珍しいことのような気がします。これもまた羽生君にしかできないでしょう。

何かを演じようとしなくても、羽生君は羽生君のままでいくつもの顔を持っている。それらは同じ人物の中に存在していると思えないほど落差があって、私たちは一人の人間しか見ていないはずなのに、毎回万華鏡を覗いているかのようにハッとさせられる。
それらは卓越した、確かな技術があるからこそ見る者の心を揺さぶる。羽生結弦が今まさに現役選手として活躍しているこの時を見逃すのはあまりにももったいないと思ってしまうほど。
それほどの存在が、未来を願って、想いをのせて滑る。ただそれだけで神はその手に降りてくるような気がする。彼はもうそれだけの存在になったのでしょう、もちろん氷の上だけの話ですけれど。そして彼は、自らが依代となることを受け入れている。神が選んだ少年は、神を受け入れて、神をその身に宿した青年に成長したのです、氷の上で。

全日本に向けて調子を整えてきたのであろうことが競技だけでなくエキシビションにも現れているかのような出来の滑りでした。「羽生結弦」の身体を使って「羽生結弦」が届けるメッセージ。私の地域では地上波放送がありませんでしたが、エキシビションまでセットで流して欲しかったという気持ちです。

アンコールはショートプログラム。あんなひらひらした衣装で滑っているのに違和感なくて笑った。なんすかその前髪かきあげは!!!←震える声
これ絶対今後長くショーやアンコールで喜ばれるナンバーになるでしょうね。思いっ切り大声でギャーギャー言いたい観客や視聴者、そしてそれを聞きたいであろう羽生君のためにもコロナさんには人間と上手に付き合っていく道を見つけてもらいたいものです。人間側はなんかさ、きっと完全には対抗できないんだろうからさ。


★フィナーレ★
藤澤ノリマサ氏再び登場。ファンタジー・オン・アイスでも歌ってた第九ですね。まさかまた使うとは。コロナで開催できるかも微妙だったでしょうし、新たに大物ゲストを連れてくるのではなく、勝手を知ってる人で滞りなく進行させたってとこでしょうか。勝手な想像ですけど。

紀平さんと羽生君の片手側転、すごいもの見せてもらっちゃいましたね。同じ順位の男女が組んで技を見せてくれることは過去にもあったと思うけど、こんな度肝を抜かれるパフォーマンスはなかなか存在しなかったかも。普通は男女揃ってできないんじゃ…。抜群の運動神経があるからこそトップ中のトップに立てるのね、と感心しちゃいました。


2時間の枠では全員の演技を放送できなかったようで、カットされていた選手がいたのは残念でしたけど、大半は見られたのでこれでも満足です。見られないよりは全然いいですしね。

そんなこんなで、2020年の全日本も終わってしまいました。開催できるかどうか最後まで心配したけれど、結果的にはとても大きなものを私たちの心に残してくれた大会になったのではないかと思います。テレビを通してですけれど、きらきらと熱く燃えるその魂の数々に心で触れることができたような気がして、開催に尽力してくださったすべての皆様に心からの感謝をささげたい気持ちでいます。

その感動や不安や涙のすべてをステファンが全部さらっていく流れも健在で(笑)、こうやって笑ったり泣いたりできることって軽視されがちだけど、人間の生活には何より欠かせないんだよって改めて感じたような気もしています。
「何かを好きだ」という気持ちは時にその人が歩くための杖になる。けど、その気持ちが持てるのは生活の安定や健康の維持ができてこそでもあるかもしれない。人と人は助け合うだなんて幻想だとコロナ騒動は改めて我々の前に突きつけたと私は思っています。それでも、「何かを好きだ」という気持ちを保っていられる世界であって欲しい。そこに光は灯されるかもしれないから。
自分がその気持ちを忘れないために、そして誰かに「大好きな気持ち」をこっそりとでも共有してもらって少しだけ笑ってもらったり元気になってもらえることを願って、2021年もブログを書き続けていけたらと願っています。
…試合もショーもなかなか見られないので、存続の危機ではありますけどね(泣笑)。

長い長い記事に最後までお付き合いくださった方がいらっしゃいましたら、本当にありがとうございました。また次回の記事も読んでいただけたらとっても嬉しいです。



「うさぎパイナップルnote分室」を開設しました。フィギュアスケート以外の話題は2018年9月よりこちらに集約させております。心の叫びや日々の呟き、小説から趣味の話、フィギュアスケートの話も時々、要するに何でもあり。タロット鑑定についてもこちらに書いています。週2、3回のペースで更新中なので、お気軽に遊びに来てくださいね。
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