うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

世界選手権2021雑感⑫

長々と綴ってきた世界選手権の記事も本日で最終回。エキシビションの放送がないらしいので、貧民の私は「諦めるしかない」という結論に至りました(泣)。
最終回は特に長い記事となりますが、最後までお付き合いいただければ嬉しいです。

男子フリー②

第3グループ

13:ハン・ヤン
よく考えなくてもハンヤン地上波!!あの絶品のトリプルアクセルが地上波でー!!!うおおおお!!!!号泣!!!
ジャンプは4回転を入れずに出来栄えで攻める作戦か。そうなるとラスト2本のジャンプにミスが出てしまったのが痛い。
しかしコレオの粋さ。絶品。派手なパフォーマンスを入れなくてもこんなに魅せられるコレオがあるなんて。ステップも言うことなし。この美しい滑りそのものを地上波で堪能できてありがたいよ…!!


14:マッテオ・リッツォ
4回転2本入れた構成。最初の方は両足着氷だと解説も言ってたし、あとトリプルアクセルでの転倒もあったけど、やるべきことはしっかりやった演技だったように思います。そんなに派手なスケーターじゃないんだけど、基本的な力の質が高い感じがありますよね。
力強さを増していく曲に乗ったステップも見せ場でしたね。滑り終わってもいい表情…!!


15:エフゲニー・セメネンコ
4回転もトリプルアクセルも、ジャンプのほとんどを転倒することもなくしっかり降りた。衣装替えもあって、真っ赤なものに。
ショートに続き、なかなか鮮烈な世界選手権デビューになったのでは。初出場で気負うものが無いからかもしれないけど、それでも枠取りのことも知ってるだろうし、堂々とこの演技を披露できたのはすごいです。GOEにも全然マイナスがない。単独のアクセルにはすごい加点。
鍵山君と同じ17歳なんですね。二人ともすごいね。おお、暫定1位きたぞー。


16:ケヴィン・エイモズ
ヨーロッパ選手権でフリーに進めなかったって情報が…。彼くらい成績残しててもそんなことあるんだなあ、ショートの恐ろしさ…。
トリプルアクセルのミスなどは見ててもわかるんだけど、ほかの要素にもものすごーくレビューがついてるなあ…。成功してるように見えて回転足りてないのかなあ…。
ゆったりした曲調でしたけど、どこか壮大さもあり、彼の独特のスケートにも不思議と合ってた気がする。
回転不足はそれほどでもなかったのかな、暫定2位。4回転の回転不足がひとつとフリップのエラーがひとつか。


17:チャ・ジュンファン
紀平さんも使ってる曲ですね。どこかで聞いたことがあると思ったらジュンファンが使ってたんだな。ジュンファンのノーブルな魅力に危うげな炎みたいなものが加わってすごくいい選曲とかなんとか思ったんだよ、そうだそうだ思い出した。
冒頭の4回転は回避して、クリーンにまとめる作戦にしたのか。1本は跳んだけども。
コンビネーションジャンプで転倒もありましたが、全体的にはなかなか安定した演技だったと思います。途中オーサーの声がめっちゃ聞こえてましたが(笑)無観客試合だからでしょうか(笑)。
キスクラの間に、あえて構成を下げてくる選手が多いと実況。枠取りのためにあえてそうする選手が多いのだろうとのこと。自分の結果が国の未来に繋がるとなると皆必死…。
それほど点が伸びなかったのは、構成を下げていたから?セカンドループも跳んでないですね。


18:ジェイソン・ブラウン
4回転サルコウ降りた…!悲願の4回転。レビューは付いてるが。トリプルアクセルもか?結構レビューがかかってるけど、最終的に得点にはどう出るだろう。
ぎっしりと情報の詰まったプログラムは、しっかり見ていても何かを見逃しているんじゃないかと思うくらい彼の技術や要素が溢れている。関係者にも大人気ってことかなこの歓声?
やはり4回転は回転不足だったけど、そのひとつだけ。高得点で暫定1位。さすがですな。

第4グループ

挨拶の昌磨君、ニヤニヤした感じで笑ってて、試合ができて楽しくて仕方ないんじゃないかという印象。キーガンと鍵山君一回り違うのか。意外と年齢層高めのグループかと思いきや、ネイサンはなんだかんだとまだ21歳で若いんだなと実感してしまうな。


19:宇野昌磨
冒頭から4回転が3本続く。どれもレビューがかかっていて、サルコウは本田君によると両足着氷、トゥループも微妙。フリップは大丈夫そうだけど。続いてのアクセルも乱れて、前半のジャンプでは加点が稼げない。
しかし昌磨君は後半に強い選手である。後半のコンビネーションはすべてクリーンに降りた!!これができるのが昌磨君の強さである。ステップもスピンもしっかりレベル4で、もちろん暫定1位に。
ミスはあったけれども、すっかりひとつの壁を越えて、「どんな状況でも凄くいい意味でいつも昌磨君でしかない」昌磨君を取り戻し、さらにその先へ向かっているように見えました。少し前のシーズンのことを思うと、なんだかほっとした気持ちです。
ステファンも興奮気味に昌磨君を迎えている。さあ、最終グループは始まったばかり!


20:キーガン・メッシング
4回転にトリプルアクセル、前半はスピードある滑りからのジャンプが気持ちいいくらいに決まっていく。素晴らしい。後半に乱れや抜けは出てきてパーフェクトではなかったけど、キーガンの多彩な技を詰め込んだコレオまで見ごたえたっぷりで、彼の気持ちも伝わってくるようないい演技だったと思います。たった一人で背負う大国カナダの出場枠を、そのスケートを愛してやまない心で守ろうとしているようだ…。素敵な演技でした。
暫定2位。そうか、これでカナダ二枠の可能性が…!!


21:ミハイル・コリヤダ
バレエダンサーのような振付。滑りが綺麗なので映えますね。
前半のジャンプは素晴らしかったですね、特に2本の4回転トゥループ。無理して4回転ルッツを入れなくても十分に高い加点で得点源になる。
しかし後半は疲れも出たのか、転倒など乱れも。後半の方がジャンプの難易度は下がるし、4回転もトゥループだけのなのでパーフェクトに滑りたかったでしょうが…。スピンなども美しく、やはり力のある選手だと思うだけに、なかなかパーフェクト演技が見られないのがもったいないです。


22:ネイサン・チェン
ショートのミスがあったので、フリーは超絶ネイサンが降臨するのではないかと思っていましたが、超絶どころじゃないネイサンが降臨したああああああああ…。日本語忘れる…。
4回転5本の驚異の構成なんですが、1本もミスしないどころか加点のつきまくる出来。トリプルルッツは箸休めくらいに見える。最後のコレオはもうジャンプ全部成功させてすべてを出し切った鬼気迫るものに思えました。
絶対にチャンピオンの座を明け渡さないという自負と、その自負に応える凄まじい演技。呆然としてる間に終わってしまった。ここは地球かい…?←錯乱
総合得点は圧巻。これは…どうなる…!!!


23:鍵山優真
鍵山君がどこまでネイサンの演技を見ていたか分からないけど、会場の空気は感じていたはず。それにまったく気圧されることのない演技でしたね。4回転ジャンプをどれも非常にいい出来で降りたのは大きい。
最後の2本、ルッツとループのコンビネーションとアクセルは乱れてしまいましたが、パーフェクト演技は王者になる時のために取っておけと神様に言われたのでしょうか。
失うものがまだないからとは言え、初出場にこの滑走順で、まさに快挙だと思います。のびのびと野心を秘めた若い牙。目の前にしか道のない、若さという何よりも強い可能性。この先何年もトップクラスで戦っていくであろう才能の、鮮烈な世界選手権デビュー。
高得点は出るでしょうが…。やはり表彰台確定!!!!すごい!!!!


24:羽生結弦
最初からスピードがなかったような気がする。ループは手をついてしまったが、サルコウまで乱れるなんて。しかもq、回転が足りない判定。
4回転2本はともかく、トリプルアクセルはどうしたことだ。トリプルアクセルが不調ということは、何かあったのではないかと心配になってしまう。
前半のジャンプはまったく羽生君らしくない。後半のトゥループ2本のコンビネーションはさすがの出来だったが、羽生君の凄まじい時を知っている我々としてはこれでも心配が抜けない。
その心配は現実となり、最後のアクセルをコンビネーションにできない。ここで踏ん張れなかったことが結果的に大きく響いたのではないか。
スピンとステップをレベル4で揃えたが、我々の胸を打ちふるわせてくれる時の羽生君の演技ではない。ショートを1位で折り返した時の、彼の悪い癖が久しぶりに出てしまった気がする。こんな噛み合わない羽生君をここで見ることになるとは…。転倒しなかったのが不思議なくらいだった。

キスクラでもまったく余裕のない表情。ネイサンはともかく、鍵山君の総合点も超えられず結果は3位。フリーだけなら4位。十分な成績ではあるのだが、彼はこれまでの実績がまったく違う。負けられない立場である。
久しぶりに、自分自身に激怒しているあの羽生結弦を見たような気がした。視聴者や観客に愛想を振ることすら忘れてキスクラを去って行く。凄まじい演技をしたネイサンはともかく、素晴らしい演技をしたからとは言え鍵山君に銀メダルをさらわれた事にはおそらく後輩の活躍への喜びとともにプライドが許さない気持ちがあったのではないか。

思い出す。これはいつかの髙橋大輔の姿。急激に頭角を現してきた9歳年下の若手。それが髙橋大輔にとっての羽生結弦だった。まったく同じ構図が、今、この世界選手権の場で発生しているとしたら。
それでも羽生結弦は氷から離れようとはしないだろう。髙橋大輔が結局戻ってきたように。
羽生君にも鍵山君にもスケートを楽しみながら活躍し続けて欲しい。ファンの嫉妬や僻みや不満が、二人の、いやもっとたくさんの日本の宝を歪めていかないように、私たちはただ純粋に応援していければなと思う。できる限り、過去を繰り返さないように。

そういえば、バックヤードの羽生君が、マスクを外してもたれかかるように椅子に座っていた姿に、妙な違和感があった。ひどく疲れているように見えたのだ。演技前に集中しているとか、リラックスしているとかいう様子ではなく、体調が悪そうに見えた。ちょっと嫌な予感はしていた。
喘息の発作が出ていたという海外の報道の真偽のほどは明らかではないけれど、それが正しい可能性は十二分にあると思う。これまでにもそうではないかと思われた試合がいくつかあった。唇の色が紫で、明らかに体調が悪そうに見えた。
けど、彼はそのことを口にしないことにしているようだ。関係者からの話でもなければ、今回も真偽のほどはわからないだろうけど、トリプルアクセルをミスしているあたりからしても、何かあったのだろうとやはり推測してしまう。公式練習から体調が急変したのもそれが理由なら納得もできてしまうし。
会見などでそこまで目が怒っているように見えなかったのは、彼が体の状態を分かっていたからかもしれないし、その体の状態ゆえにギラギラと対抗心を燃やすような余裕もなかったのかもしれない。体調にまったく問題がないのにあの出来なら、本人は納得いかずにもっと饒舌に喋っていたような気もする。

すべて推測でしかないけれど、羽生君には運のない大会になってしまったということなのかもしれない。彼はこれまでにも怪我や病気が多く、それらとも戦いながら試合に臨んできた人なので、こんなことは初めてではないけれど。
色々な声が飛ぶだろうけれど、羽生君が何よりも愛しているスケートの道で、彼自身が満ち足りたと思えるその日まで、我々はただ応援するのみである。ジェットコースターに最後まで乗る覚悟はできてます。今はとりあえず、それだけ書いておきます。


終わってみれば、男子もまたなかなか波乱の結果でしたね。ネイサンも平昌の再来状態ですごかったけど、今大会は鍵山君がMVPではないかなあ。今からこれだけ安定していれば、今後表現力が深まる頃には第2のネイサン状態になってるかもしれない。こうして次々に若い力が、それも日本から出てくるなんて日本のスケートファンは幸せですよね。

そう、日本男子の強さが実証された大会でもありました。昌磨君も結局4位で、表彰台独占まであと一歩。男女ともにこの大会で3枠確保したの日本だけなんじゃない?強いわー、最高だわー。そりゃ、各大会ごとに毎回メダリストがいたりはしなかったかもしれないですけど。

開催国なのに中国は1枠なのか。ハンヤン頑張ったけどな…。アメリカはヴィンスがまさかの結果でしたがまだ3枠に望みは繋げるんですよね。次は来シーズンのネーベルホルンに注目ですな。開催されるかはわからないけど。
そうそう、羽生君が北京のことを明言を避けてるのは、単に「開催されるかどうかはっきりしないから」だけなのだと私は思いますけども。私は地球で一番信頼できる予言者はプルシェンコだと思っていて、彼の予言に照らせば、羽生君は出場することになるでしょうが、それは「開催されれば」の話ですからね。東京が開催されるなら北京もされるでしょうけど、先のことは誰にもわかりませんし。さすがのプルシェンコにもコロナの動向は読めないだろうしさ。彼が「予言者」なのはあくまでスケートにおいてだけなので。そもそも、あの羽生結弦とかいう人オリンピックの魔物本人じゃなかったっけ?←違います(笑)

いろいろあった大会ですけど、とりあえずこんなところで置いておこうかな。もしエキシビションの放送が実施されたり、追加で書きたくなったらまた記事を載せますね。

長い長い記事にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。エキシビション当日にはここまですべて書き上げて、いつでも掲載できる状態にはしていたのですけど、いつものようにのんびりペースでごめんなさい。熱い戦いをのんびり思い出して、思い出に浸るお手伝いができてたらなと思います。

ではでは、また次回の記事でお会いしましょう。



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