うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

Fantasy on Ice 2015 in Kanazawa③

※この記事は昔書いたものを修正して今更載せています。詳細についてはこちらをご覧ください↓

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続いてハビエル・フェルナンデス。静岡でも滑っていた映画音楽のプログラム。サスペンダーがなんかかわいい。照明もとても凝っていて、音楽にピッタリ合ってて本当に映画の一場面みたい。ってどんな映画が知らないけれど(汗)。

ここで福間さん三度登場。しかもコラボレーションの相手はステファン・ランビエール!まさかまさかのラフマニノフ!ちょっと待って、大っ好きなんですけどこのプログラム!まさかもう一度見られるなんて!しかもピアノの生演奏。どうしよう始まる前から息が苦しい。
土曜日はピアノの音色が優しすぎるような気がした。まだお互いに手探り状態のように見えました。日曜日は呼吸が合ってきたのかピアノも強い音になり、明らかに土曜日よりも完成されていました。とても、とても良かったです。素晴らしい。
実は土曜日は途中で手拍子が起こっていたのですが、手拍子するような曲でも演技でもないので正直止めてほしかったです…。確かに手拍子は盛り上がるけど、だからって何でも手拍子するのはちょっと考えて欲しいかも…。

ステファンの演技の後は誰か出てきてもだいたい脱け殻状態になってしまい辛いのですが、今回は脱け殻化を阻止する超強力な人物とプログラムが後ろに控えていました。そうです、羽生結弦の登場です。演目は新しいフリープログラム、「SEIMEI」。

羽生君の新しいプログラムが陰陽師をモチーフにした内容だと知った時、ずっと願っていたことが現実になった喜びと期待とで、私の心は膨らむどころか弾け飛びそうでした。
羽生君の少年のような身軽さ、和の美しさを凝縮したような外見、世界を燃やし尽くしそうな勢いで彼の内側から吹き出す修羅の炎。それらを最大限に活かせる音楽とプログラムは、おそらく日本の文化をテーマとしたものだろうとずっと考えていたのです。金沢公演の一週間前に行われたドリーム・オン・アイスで披露された演技や衣装の一部は、思わず何度も繰り返し見てしまう程の強烈な吸引力に満ちていて、これは羽生君の代表作になる、という予感を抱かせるに十分なものでした。きっと金沢でも見られるに違いない。過去に抱いたことのない類いの期待と高揚感とともに、私はこの金沢へとやって来たのです。

土曜日はあまりにも凄い歓声で、羽生君を紹介する場内アナウンスが聞こえなかったほどです。しかしこの日の羽生君はかなり調子が悪かったようで、イマイチなジャンプが続いた上、どうやら氷に穴も空いてしまったらしく、指差して何か言ってるのかなと思ったら、氷の穴を直しているような様子が伺えました。席が遠かったのでよくわからなかったのですよ。サンキューユヅル、とかアナウンスも言ってたような。
しかし日曜日。散々書いてますがリンクに非常に近い上真ん中付近。過去最高に良い席。この席で見たSEIMEIは、生涯忘れられそうにありません。
SEIMEIは競技用のプログラムなので、印象的な振付は基本的にジャッジに向かって行うようにプログラムが組まれています。もちろん最も演技を見やすい場所にはジャッジが座るので、一般の客が会場でそれらの振付をすべて正面で見ることは難しく、見られたとしても少々遠い席になってしまう可能性が高いと思われます。
でも、日曜日の私の席は、まさにジャッジに用意されるような距離と位置でした。つまり、テレビで繰り返し流れた印象的な場面を、ほぼすべて正面に見ることができたのです。
唇に指を立て、印を結ぶ仕草が印象的な出だし。両手を勢いよく広げ、魑魅魍魎の調伏が完了したことを伺わせる力強いラスト。すべてを射抜くあの眼差しとともに、それらを目の前に見た自分は、羽生結弦という平成の世が生んだ怪物の、天井知らずの才能と迫力に、一切の声も出せずただひれ伏すしかありませんでした。
日曜日はジャンプの調子も戻っていて、4回転サルコウは美しく成功。次の4回転トゥループは抜けてしまいましたが、フリップは着氷が少々よろしくなかったものの、コンビネーションジャンプのセカンドは手を上げた体勢で成功。あともう1本ジャンプあったと思うけど忘れちゃった。ショー用に実際のフリープログラムよりも短くしてあるのでジャンプはそれだけだったと思いますが、4回転複数入れてます。ショーですよこれ。何考えてるんですかね(汗)。ものすごい気合を感じてやはりただひれ伏すしかない私。
音楽も本人のイメージピッタリ過ぎるし振付もその音楽にピッタリ合っていて、競技の舞台で完成版が披露された暁にはどれほどの名演技が生まれるのかと、震え上がるほどの期待を未来に抱かせる金沢公演の安倍晴明でした。その結果は既に皆さんご存知のことと思います。
あと、会場にいた霊的な何かはだいたい成仏したんじゃないかと思った(笑)。あの晴明様つええ。

晴明様が色々薙ぎ祓っていったリンクに現れたのはメーガン・デュハメル&エリック・ラドフォード。カナダのペアです。スポーツの楽しさを感じさせる演技だなあと思った。デュハメルが完全に逆さまになって振り回されるリフトがすごすぎ。

第一部ラストは、やっぱりお前か、エフゲニー・プルシェンコ!そしてエドウィンマートン!まさかまさかのトスカ!マジかよ!
日曜日はマートンがずっと近くで熱演していたのでひたすらガン見(笑)。マートンのヴァイオリンまた聞きたかったから嬉しくてしょうがない。マートンに拍手するプルシェンコもガン見。あれ、マートンのことしか覚えてないんだけど私(汗)。
ところでトスカでも手拍子が起こってたのですが、この曲に手拍子必要…?だから何でも手拍子するのは考えてってあれほど(泣)。

日曜日の休憩時間中ずっとAさんに「いい人生でしたありがとうございました」とうわごとのように繰り返していました。晴明様が凄すぎて。落ち着け(笑)。どうやら悪霊の私も成仏させられかけていたようだ(笑)。そのまま本当に天に召されてしまえば良かったのに(笑)。

以下次号。

Fantasy on Ice 2015 in Kanazawa②

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ほの暗い会場に響き渡る歌声。昨年も出演していたサラ・オレインの声。その歌声は闇に溶け、真っ白に霞む湖の霧を溶かし、少しずつその凍りついた湖面を月の光に晒す。さっきまで近代的で洗練された建物に座っていたはずの我々の精神は、近くて遠い幻想の物語の中へと、ゆるやかに落ちていく。
いつもの音楽。白い衣装でその姿を統一したスケーターたちが、きらきらと氷の宝石を撒き散らすように次々とリンクに現れる。夢でも見ているかのようで、でも決して夢じゃない。たった数時間だけ我々に許された、目覚めても忘れることのない夢を見る権利。

静岡もいい加減豪華な面子だったのに、金沢は輪をかけてさらにヤバいことになっていた。だってトマシュも出てるんだよ金沢から。ちょっと待ってマジでこれどうなってるのどうすればいいの(魂分離)。トリノとかバンクーバーとか必死で見てた層、大号泣。主催に足を向けて寝られない…。
やはり羽生君の人気は絶大。日曜日はきっちりジャンプも決め、ねっとりとした視線を客席に向けながらすぐ近くを滑っていった。…なんだあのなまめかしい、この世のものではないような妖しい目付きは。たぶん本人全然意識してないんでしょうけど。
さらに日曜日はフィニッシュでのジュベールの立ち位置が自分の目の前で、しかもすぐ近くにはプルシェンコがいて、迫力のありすぎる光景にオープニングだけでもはや魂が抜けきってしまいそうでした(笑)。

個人演技に移ります。席が本当にリンクに近くて魂の抜けかけた状態で見てたせいか、なんと静岡以上に記憶がありません(汗)。メモを頼りに書いていきますが、1年以上前の思い出を掘り起こしているということも手伝い、本当の本当にザックリとしか書けそうにないので予めお許しください(泣)。

最初のスケーターは本田真凜。妹の望結ちゃんは生で演技を見たことあるけど、真凜ちゃんはもしかして初めて?
新しいショートプログラムだったはず。可能性を感じる子だなと思った。日曜日は近くでアピールもしてくれてかわいかったです。

続いてナム・ニューエン。なんだか見るたびに手足が伸びてるような。曲はラフマニノフだったはず。

お次はイリナ・ウセンコ。登場の仕方は静岡と同じだったんだけど、今回はマニキャンさんが出演していないので、ウセンコさんを動かしてスイッチを入れる?役はナム君でした。

そしてトマシュ・ベルネル。もう会えないのかもしれないと勝手に思ってたから、嬉しくてしょうがない。新しいプログラムだったと思います。
トマシュのスケートは人を幸せにすると思うんだ。トマシュが滑り出してきた瞬間、雪の国みたいなリンクにお日さまが顔を出したような気分にさえなった。いつまでもそんなトマシュでいて欲しい。

ここでコラボレーションタイム。ピアニスト・福間洸太郎の演奏による「月の光」のメロディにのせて、鈴木明子が優雅に氷の上を駆ける。演技もピアノも素晴らしかった。福間さんのピアノは初めて聞いたけど、とても柔らかく優しい音で、思わず目を閉じて聞き入ってしまいそうだった。凄いと思う。
でも緊張されていたのか、土曜日に挨拶された時はちょっと噛み気味で、私とステファン仲間のAさんは福井の指田さんを思い出さずにはいられなかった(笑)。指田さんと言えば確かこの年にフラワーフェスティバル(※毎年ゴールデンウィーク広島市で行われる大規模なイベント)に出演されたので出演時間を狙って人波をかき分け向かったんだけど、すっかり洗練されて噛み噛み指田さんの面影はどこにもなかったです(笑)。花になれも歌ってくれたし羽生君のことも少しだけ話してくれて嬉しかったけど、ライブとしてもとても聞き応えがありました。行って良かったな。

何曲かコラボが続くのかと思ったら、福間さんは一旦退場され、登場したのは織田信成。土曜日がリバーダンス、日曜日は愛の夢でした。
リバーダンスについては以前も書いたけど、本当に名作。また見られて最高です。愛の夢も本当に素晴らしくて、しかも日曜日は席が中央付近だったためか4回ほどこっち側に向けたアピールポイントがあったので、なんかとても得した気分でした(笑)。

ブライアン・ジュベール。静岡と同じく「Time」。へー、こういう曲をプログレッシブ・ロックって言うんですか。
ルームランナー(笑)みたいなと言うか、ヤグディンを彷彿とさせるステップにはついつい盛り上がってしまいますね。

再び福間さんとのコラボレーション、今度は安藤美姫。初めて聞いた曲でしたが、子守歌らしいです。日曜日の演技が非常に良かったです。伝わるものがありました。

福間さんは1曲弾いては退場のようで、続いてはジョニー・ウィアーカルメンでした。静岡と同じプログラムですね。
響く靴音。リンクに映る大輪の薔薇。照明もとても素敵でした。ジョニーは迂闊に摘み取ると棘に刺されてしまう、でも手を伸ばさずにはいられない、濃いピンクの混ざった強烈な赤い色の薔薇のようでした。ってわかりにくいわ(笑)

長くなってきたので、以下次号。

Fantasy on Ice 2015 in Kanazawa①

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静岡に続いて1年以上前のことを今更書き残します。記憶が曖昧どころかほぼ抜け落ちているいい加減なレポートですが、よろしければ最後までお付き合いください(泣)。

静岡公演の2週間後に開催されたファンタジー・オン・アイス金沢公演。発表の段階から行くつもりで計画を立てました。場所としては遠いんだけど、私にとっては参加しやすい時期の開催だったのですよね。折しも北陸新幹線が金沢まで開通したばかり。やはりこれも開催地の選定に一役買ってたのかなあ。西日本からの出発だとあまり関係ないですけどね。

そうと決まれば交通機関とホテルの手配。いつものように夜行バスでの移動も考えたのですが、バスを乗り継ぐとやはり長時間の移動になるため、待ち時間の暇潰しや食事にかかる費用なども考えると、素直に新幹線と特急で移動する方が得策だと考えました。何と言っても長距離移動による往復割引と新幹線と特急の乗り継ぎ割引とを合わせてかなりの金額を節約できるのは大きいです。青春18きっぷが使える時期なら無理矢理バスや在来線を乗り継いでたと思うけどね←以前にも何度か似たようなことやってる
切符は開催直前にやっと買ったと思うけど(とにかく絶望的にお金なかったからな…)、ホテルはそこそこ早めにおさえてたはず。さすがに観光地だけあって、おまけに新幹線が開通したこともあってなかなかお安くはなかったと思う…

さて、出発当日。早朝の新幹線に乗って新大阪へ向かい、サンダーバードに乗り継ぎ。たぶん行きのサンダーバードだけ指定席を買って、あとは全部自由席で移動したと思う。早朝に広島から乗ることのできる新幹線はたいてい広島始発なので、自由席でも余裕で座れるからです。帰りは平日だったし、帰る時間も決めてなかったので自由席。基本的に指定席が苦手なんですよ、その時間の便でないといけない、っていう縛られた感じが。行きのサンダーバードは土曜日の朝ということもあって混雑を避けるため素直に指定席にしたけどね。たぶん。

どうせ手紙が書けてなくて必死になってたんだと思う、あっという間に金沢に着いていたような気がする(笑)。
長岡のショーに行った時に途中下車して駅の有名らしいお店でお昼を食べたことがあるだけで、確か当時はまだ古かったか工事中だった駅の構内から一歩も出なかった金沢に、しかも体調を崩し始めてほんのちょこっとでも観光したいと思ったのにそれどころじゃまったくなくなってしまった(泣)あの金沢に、ついにきちんとした滞在目的で降り立ったぞ。なんかちょっと感激。あの長岡旅行は過去のアイスショーの旅の中で最も過酷であった…(血涙)

駅のコンビニは位置も変わってなかったし記憶があったんだけど、駅全体はものすごく綺麗になっていた。土曜日だしなあ、すごい混んでるなあ。観光客が多いんだろうなあ。私と同じ目的の人もいっぱいいるだろうしなあ(笑)。
その足でホテルに向かい、荷物を預かってもらう。すっごい素敵なロビー。こんなとこ泊まっていいのかな私。そわそわ。ステファン仲間のAさんとも合流。今回も超お世話になります←マジで
再び駅に戻って、西口から出発して会場へ向かうバスに乗車。確か乗車前から雨が降ってきてたと思うのですが、会場に着いたらもはや完全に暴風雨。外の階段を上って、3階?の入口から入場するんですけど、一応屋根はあった気がするものの屋外には変わりなく、吹き付ける雨と風で酷い目に遭いましたとさ…。

建物の中は、打って変わって綺麗で暖かくて天国でした(涙)。スポーツセンターということだったので、それらしき設備も色々見えたし、白を基調としたロビーは落ち着いていて、なかなか過ごしやすそうな施設でした。
パンフレットを購入して物販をうろうろ。静岡ではまったくもって何も買えなかったけど、今回も実は全然余裕ないんだけど、でもこれくらいなら何とかなる、とプルシェンコの写真が散りばめられたスカーフを1枚だけ購入する。だってお土産として最強だもんこのスカーフ。だいたいどう折り畳んでもプルシェンコが不敵な眼差しを向けてくるんだもん。ワンコインでこんな笑いが取れる土産が他にあるだろうか、いやない(笑)。神戸でも同じものを買ってプルシェンコファンの人たちにあげたけど、案の定皆さん見るなり吹き出してて楽しかったです(笑)。さすがロシアの皇帝だぜ!←違う(笑)

リンクが特設されたホールもとても綺麗で落ち着いた空間でした。椅子は木製で、固かったけど何となく安らげる感じ。土曜日の席は相当上の方だったのですが、確かに遠かったけど見やすかったし、音響も非常に良くて、とてもいい会場のように思えました。リンクから遠く離れた席にも関わらず土曜日はかなり寒かったのですが、これは天候が悪かったせいかもしれません。反対に日曜日はリンクに非常に近い席だったのにあまり冷えませんでした。…出演者や規模を考えるとたぶん過去最高にいい席。SS席とプレミア席との間がほとんどなくてSS席でもびっくりするほどリンクが近い…。もう信じられないくらい楽しかったです…。
土曜日は確か早めに着いたので、トイレにも混む前に行けたのですが、我々が出てきた後にはさっそく長蛇の列ができてたと思う。トイレだけは早め早めに動いておくのが正解ですね。そう言えばプレゼントボックスが珍しくロビーではなくてリンクと同じホール内にありました。広々としていて良かった。
ファンタジー・オン・アイスでは過去に記憶がないのですが、今回は立ち見席も用意されていました。それだけ需要が高かったということなのでしょう。土曜日の席は立ち見席とあまり変わらないような位置でしたが、遮るものもなく見やすかったので、体力さえどうにかなれば立ち見席もアリかもしれません。スタオベで後ろの席の人に怒られることはまずないし、金沢がそうだったかはわからないけど、早めに来ればある程度場所も選べるはずだし、かなりのコストパフォーマンスではないのかな。

そんなところでそろそろ開演ですよ。以下次号。

プリンスでアイスなトリプル役満

本日は別の記事の予定でしたが、んで羽生君のこととか書きたいこといっぱいあるのですが、とりあえず翌日以降にすべて回して今日はとにかくこれについて熱い想いをぶつけておきます!

プリンスアイスワールド、10年ぶりに広島で開催!!!

今週の木曜日、私は広島ホームテレビというローカル局の夕方の番組を流しっぱなしにしておりました。目的はコインです。って広島の方だけにしか通じないと思いますが。旅行券を当てて優勝パレードとファンタジー・オン・アイスの旅費に全額投じるんじゃああああああ←なお後者については全財産が漱石2名という冗談でもなんでもない現状によりチケットの入手はほぼ絶望的←たぶん生存も不可能

番組終了直前、ふと流れてきた言葉によって画面に引き寄せられる。テレビ画面には男性のスケーターがどこかのショーで滑っている姿が映っていた。しかも明日、番組に小塚崇彦氏が生出演すると言うではないか。

小塚崇彦氏?
生出演?

え?
えっ?
ええええええええええええええええええええええええ??!!

なにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい←永遠に続く

なんでだ。なんで小塚君が広島のローカル番組に出演するんだ。なんか10年ぶりとか聞こえたけど何のことだ。一瞬真央ちゃんのショーのことかと思ったが、それなら真央ちゃんが出演するはずだ。小塚君だということは、これはもしかしたらプリンスでは…?

翌日、私の読みが正しかったことが証明される。正しいも何もある程度スケートに詳しい人なら簡単に予想できたとは思うけどね。
でも本当だ。本当だったんだ。プリンスが本当に開催される。しかもなんだこの豪華な出演者の面々は。プルシェンコを広島で見られるなんて一生ないと思ってたよ…。引退後は関東のショーにしか出演していなかったように思う町田君も出演する。ある意味主役は彼かもしれない。町田君が広島に戻ってくることを、誰よりも待っていたのは我々広島のファンだ。

8月にプリンスアイスワールド。
11月(予想)に浅田真央サンクスツアー。
そして同じく11月にNHK杯

…おとといの記事で「長年流局し続けてきたテーブルに突如成立したダブル役満」とかなんとか書いたけどさ、ダブルじゃなかったよ。まさかのトリプル役満だよ…。トリプル役満って理論的には可能だよね?たぶん私には一生回ってこないだろうけど(血へど)
…全然麻雀の役がわからない兄弟(※ただし私もあんまり覚えてない)と対戦したら速攻ダブル役満出されてボロ負けして「二度と貴様と麻雀はやらん」と本気で泣いた、それが私(吐血)。たぶん博打の才能って遺伝だと私は思います。何故ってギャンブルの強い父親の血を引いたのはこれまでのエピソードからも間違いなくコイツだからです。なのでダブル役満出されても納得しちゃったんですけどね(笑)。私はどうも隔世遺伝が多いので全然継いでないです。強いのはせいぜいビンゴくらいです。昔は懸賞も強かったけどここ数年はびっくりするほど当たらないです(泣)

…余計な話が混ざりました(汗)。本筋に戻ります。

本当に、もう本当にワクワクしながら夕方の放送を待った。番組の冒頭からビッグウェーブで滑る小塚君の姿が映し出される。あの達者な滑り。絶品のイーグル…。広島のリンクで小塚君が滑ってる。夢じゃないんだ…。「イーグルお願いします」「はーい」みたいな会話が流れてくるので泣きそうになる前に笑ってしまったけど(笑)。スピンの際には「よいしょ」「あーぶれた」とか聞こえてくるし。マイクが全部拾っちゃってる(笑)。かわいい…。
広島で練習している子供たちの紹介なども。彼らにとっても地元でトップスケーターの生の滑りを見られる絶好の機会ですよね。

その後小塚君はスタジオに移動。番組内の各コーナーにも参加してくれる。カープの選手たちと焼肉のお店で偶然居合わせて撮ったという写真には驚愕。偶然居合わせるかフツー。新井さんと小塚君が同じ写真におさまっているという図に何故か強烈な癒しというか世界平和を感じました。疲れている、私はきっと疲れている←虚ろな目

そしてそして、やはり行われるプリンスアイスワールドの告知。ゲスト歌手のサラ・オレインさんもスタジオに登場。明日(これが載る時には今日だな)コンサートですよね。実は行きたかったんだけどそんなお金はなかったです…。号泣。
番組特別先行の案内もあったが、メンツを考えるとここで申し込むのがベストだと思ったが、小塚君の「電話してねポーズ」を見てるとかけずにはいられない気持ちになってしまったが、
漱石さんふたりしかいないんだぞ。それ以上に増える気配もないんだぞ。落ち着けお前。どうせこのままだと病院にも行けないし痛み止めも買えないから下手すりゃ痛みの恐怖で絶命だ。夢だけ見とこう。大袈裟か(笑)。ああでも激痛に苦しみながら死ぬよりはネロみたいにルーベンスの絵を見てから笑って死にたい←混乱
…つまるところ、諦めました(血涙)。広島はコンサートなどでも基本飛ばされるお土地柄で、それはつまり客が入らないということだと考えられます。開催時期も盆か盆明けくらいという微妙と言えば微妙な時期なので、どうせ広島だし当日券でも何とかなるんじゃないか、と少し高を括っていたのですが、
高橋大輔町田樹小塚崇彦プルシェンコだろ…。ディープなファンのいるスケーターばっかじゃねーか…。さらに織田君に本田君に安藤さんに佳菜子ちゃんもいるし現役(中国地方のスケーターかなあ)も出るんだろ…。
あー…。たぶん厳しいわこれ…。ゲハッ←血へど

本気で血の涙を流しながらも、番組の終盤近くまで出演してくれた小塚君の姿を最後まで見守った。もう選手としての彼の滑りを見ることはできないけど、スポーツの普及に真剣な眼差しを向けている彼の姿は、彼の歩んできた長い道の延長線上に今があり、これからもその道が真っ直ぐ続いていくだろうと感じさせるものだった。なんだか、とても嬉しかった。
昨年の10月に小塚君がビッグウェーブでデモンストレーション?を行った時、こんなことはもう二度とないかもしれない、と思ってどうしても観覧に行きたかった。けれどその日の私の体調は最悪だった。自力では動くこともできず、本当に断腸の思いで諦めた。だから、テレビ越しだけどまた地元で小塚君の滑りが見られたことが私には本当に本当に嬉しかった。あの時、折角の機会だからと知り合いには連絡したけど、そのうちの誰かが気付いて見に行ってくれてたらと願ってる。誰からも返信はなかったから、どうしたのかは知らないけれど。私はもう彼らの世界からは抹消されていると改めて思い知った。それを確認するために連絡したような気もする。これを繰り返していくうちに、自分から人と関わろうとするのは諦めを通り越して恐怖に変わる。好きだったものに一方的に別れを告げられるのは、やっぱりつらい。覚え切れないくらい繰り返しても、慣れない。

…涙拭きます。はい、OK。本筋に戻るよ。今日は脱線が多いな。いかん←いやいつものことじゃないか?(汗)

そんな感じで、これからもCM流れたり街にポスター貼られたりするのかなと思うとワクワクです。待ち望んでいた地元のショーなのに行ける可能性が現時点では非常に低いという現実に打ちのめされてはいますけど、もし生きていたら最後まで希望を捨てず当日券に賭けます…。アハハハハハ(血涙)
しかしこの突然のトリプル役満、突然に思えるけれど、やっぱり四年前の町田君の活躍とオリンピック出場がこの結果に繋がったんじゃないのかな。町田君の演技を見たくてもその場がないこと、あれだけの選手を生んだ土地に満足な練習環境がなかったことにやっと気付いて、少しずつ動いてくれた人たちがいたんじゃないのかな。オリンピックってそれだけ影響力が大きいんだと思った。あくまで予想ですけどね。
広島が本社の中国新聞は、町田君が優勝したりソチの代表に選ばれたりと大きな活躍をするたびに一面で取り上げていた。引退の時も一面だった。それらの記事は今も大切にスクラップして保管してる。どれだけの人が凱旋を待っていただろう。だから、待っていた地元の人たちができる限り見に行ける状況であって欲しいと願ってる。私もずっとずっと待っていたひとりだけど、たぶん無理なんだろう。生きていることすら難しいくらいだもの。ああ、平昌と同じ。また間に合わなかった。ただ一生懸命にひとりで生きていこうとしてた、生きていける道を探してただけなんだけど、私はこうやっていつまでも覚えのない罪で罰を受け続ける人生なんだろう。神様はいるんだろうけど、私の世界には絶対に降りてはこない。

ところで、真央ちゃんのショーについては詳細が発表されていないのであくまで予想ですが、3つのイベントはすべて会場が異なると考えられます。私の予想では真央ちゃんのショーはビッグウェーブではないかと思います。一方、プリンスは広島サンプラザNHK杯はグリーンアリーナでの開催です。どこも不便な場所ではありませんが、土地勘のない方は「あそこと同じ場所でしょ」などと思い込むと面倒なことになりかねませんのでご注意下さい。もし真央ちゃんのショーがビッグウェーブでなければ、やはりグリーンアリーナかサンプラザのどちらかでの開催となる可能性が高いかなと思います。
サンプラザはJR新井口駅広島電鉄商工センター入口駅が最寄りです。少し時間はかかりますがバスも利用できます。アルパークを経由するバスなら何でもいいので(広島バスの25号線か50号線かな)のんびり揺られてアルパークで下車なされば目と鼻の先です。あまり混んでないから私は好きなんだけど、広島駅からだとJRの方が断然早いです(汗)。あ、路面電車も基本のんびり乗るものです(笑)。アクセスについてはプリンスやサンプラザのホームページに載っているので、必ずそちらでご確認を。
アルパークというのはそこそこ大規模なショッピングセンターです。食事や買い物は問題なくここで行えると思います。私はアルパークが大好きで、かつてはアホみたいに買い物しまくってた時期もありました(笑)。羽生君の『蒼い炎2』のパネル展を開催した書店がこのアルパークの構内にあります。羽生君はカープファンであると強調されていてさすが地元だなあと思ったものです(笑)。広島駅とアルパークと2ヶ所で開催されたんだよね。結局両方行ったし(汗)。
アルパークからシャトルバスに乗れば(100円だったかな)レクトというやはりそこそこ大規模なショッピングセンターにも5分とか10分くらいで到着します。ここも食事どころが多いので寄ってみるのもいいかもしれません。新しい施設なので綺麗です。羽生君ファンの方には個人的にオススメのスポットがあるのですが、まだオススメのままかどうか不明なので調査次第またネタにできたらと思ってます(汗)。

そうそう、広島と言えば牡蠣で、牡蠣が大好きだったはずのプルシェンコには是非堪能してもらいたいと思ったのですが、牡蠣の旬って冬だよね確か…。牡蠣が大の苦手で滅多に食べないのでよくわかりません、すみません。何度かチャレンジしたんだけど生臭すぎてどうしてもダメだった…。
あとこれだけは言っておきたい。広島焼きなんていう名前の食べ物は存在しないので、決して注文しないことをオススメします。観光客相手のお店は慣れてるかもしれないけどね。広島で食べられるのは「お好み焼き」です。店の人や周囲の客にムッとされる程度ならまだしも、うっかりSNSにあの単語を書き込んで写真でも載せようものなら最悪の場合炎上するのでわりと本気でお気をつけください…。

白いおひげのあの人に出動要請をする(1か月ぶり2回目)

今週のお題「ホワイトデー」

えっ、ホワイトデーってものがもらえる日なんですか?そんな律儀な人いるんですか?えっっっ、それが普通?ウソ??!!

…傷を抉ってみました…

これだけじゃなんなので(笑)。このかわいいカードどんな顔して選んだのかなあって微笑ましくなったりすることもあったけど、そんな人ばっかじゃないですよねえ。それがすべてとは言わないし様々な事情も理由もあるだろうけど、物や心を貰ったその人の反応ってその人がわかるなあと思うのですよ。わりといつまでも親切は忘れずお礼したいって延々念じ続けてるタイプなので余計そう思うのかも。裏を返せば嫌だったこともなかなか忘れられないってことなんですけどね。言っとくけど覚えてたくて覚えてるわけじゃないからな。楽しいことだけ考えて生きていたいですよ…。
実際には親切の押し売りだったりすることもあるしさ。ほかの人の前で堂々とお気に入りの人物だけに渡して翌月にお礼をせしめる(嫌な言い方ですが)人なんかを見てると、本当に必要なイベントなのかなあって正直思います。人前でやられたらお礼しないわけにもいかんよねえ。その気なくても。

そうだよ、バレンタインの時にも書いたけどさ、サンタさん少子化でまあまあ暇じゃあないのか。3月にも配り歩いてみないか。貰ってなくてもあげるんだよ。あげればいいじゃないか。ギブアンドギブ!立候補したら投票するからさ←だから何にだよ

まあでも、この手のイベントは「美味しいものが食べられる」以上の価値が自分には感じられないですね。「リア充にあらずんば人にあらず」みたいな考えにいまだにとらわれてる世代とかその教育を色濃く受けた彼らの直系とかにとっては欠かせないイベントなのだろうが、真面目に働いてるのに一寸の先も見えず自分ひとりをまともに生活させるのもギリギリ、ってか崩壊寸前、という生活を長年送っていた自分にとっては、そんな浮かれた気分になんてとてもなれなかった。浮かれられていた頃は、悩みは様々あれども少なくとも「生きていく」心配はしなくて良かったんだな、って今思い返すと涙が出てくる。うん、思い出すのやめよう。あの頃一緒に笑ってた人や世界は、もう帰ってはこないんだよ。

サンタさん、とりあえず飴とかマシュマロはいらないです。だっておなかいっぱいにならないじゃん。おなかいっぱいになるものがいい。で、甘いのより塩分がいい。ずばりポテトチップス100袋がいい。うち50袋はのり塩ね。梅味とかわさび味とかはいらん。え、それしかない?だったら男らしく全部うす塩な。なに、ポテトチップスはかさばる?だったら諭吉をよこしなさい。100人程度でいいです。20人くらいでも泣いて喜ぶ。もー、3人でもいいって。ていうか梱包とか品物の手配とかやるんで雇ってくれ…。むしろサンタの家に住まわせろ追い出されそうなんだ…。

意味不明になってきたところで強制終了(汗)。いつもいつもお題の主旨とずれててすみません(泣)。

ステッカーとオリーブオイルとダブル役満

長々とオリンピックについて書き続けていたので、今日は適当に気の抜けた内容で。書きたい気持ちをすごくかきたててくれたオリンピックの日々は私にはとても情熱的で楽しい体験でした。テレビ見てただけですけどね(笑)。好きなことについて書くことってこんなにも楽しい。感動すればするほどポエム化するのは私の悪い癖ですが(汗)

日本選手団の帰国の様子や羽生君の会見などもがっつり見てました。羽生君の驚異の頭身に今更ながら震えたり、頭の回転の速さが簡単に伺えるその受け答えに感心したり。彼はいつでも逃げてないし、誠実なんだな、きっと。この言葉が正しいのかはわからないのだけど。
ジャンプの説明等々技術的な解説はもっと時間取ってやって欲しいくらい。報道ステーションなんかを見てても思ったんだけど、羽生君の解説的なものをじっくり聞いてみたい、すごーく。
「食べても太らない」ことはファンは皆気付いていたと思うが、改めて本人の口から聞くと超説得力ありますね…。マクドナルドも行くしポテトチップスなんて主食にしたいくらい好きだけどそんな私がどうなってるかと言うと(無言)
わりといつもの羽生君に戻ってきてるように見えてちょっと嬉しいというか、ホッとしたというか。本当に、じっくりしっかり足を治してね。きっとみんないつまででも待ってるから。そうか、羽生君がこれだけ何試合も競技に出られなかったのはたぶんシニアデビュー後は初めてなんじゃないかな。その寂しさがどれだけ大きかったのかはオリンピックの喧騒に如実に表れていたけれど、その寂しさがわかったからこそ、この人を待っていて大丈夫なんだってみんなわかったからこそ、もう一度待てると思うから。

やっと報道も落ち着いたと思ったら今度は国民栄誉賞のニュースでびっくり。それだけ人の心を動かす力が彼の演技にはあったんですね…。個人的には重要無形文化財とか国宝とか世界遺産とか言われた方がしっくりくるんだけど(笑)。自分がファンだからという贔屓目なしに、彼の活躍を見続けられる今この世に在る我々って本当に幸せだと思うのよ。「世界を動かす人」はこうやって生まれるんだって、その過程をまさに目にしてるんだって、そう感じるたびに、この奇跡に巡り会えたことを神に感謝したいと思うのよ。
でもどれだけの名誉が彼を飾っても、彼の軸はぶれることなくずっと変わらないままだろう、と確信できるこの絶対的な信頼感。きっとこれからもギャグのスケーティングスキルは満点に近いだろうし、前髪切り過ぎてファンから総ツッコミ食らったり、イヤホンやらゲームやらへのマニアックな愛を語ったり、そう、「普通の羽生君」はいつでも鬼神・羽生結弦と共にあるだろう。彼はほかの誰でもない、いつだって羽生結弦、なんだよね。

そんな怒濤の日々の隙間を縫って洗剤類を買いに出たところ、見つけたよ。ついに見つけちゃったよ、レノアハピネス!羽生君のステッカーついてるやつ!実はまだゲットしてなかったんだよ…。これ幸いと購入したが、全三種類のはずが二種類しかなかった。黒の入荷しない地域であるという噂は本当だったっぽいなー…。違う柔軟剤を買うつもりだったはずだけど、いいです。悔いはないです。柔軟できればそれでいいです←本当は肌弱いので多少慎重でないといけないのだが

さて、このところの大きなニュースと言えば、真央ちゃんのアイスショーが広島でも開催されるということでしょうか。ご存知の通り今年のNHK杯は広島開催。大きな大会もショーも10年は行われていなかったはずの広島に突然訪れたビッグイベント2連発。言わば長年流局し続けていたテーブルに突然成立したダブル役満!って意味不明だっつの(笑)
ほかの地域から推察して、11月の第一週にビッグウェーブでの開催かな。あくまで私の勝手な推測なので、信用せず今後の発表を待っていただきたいと思いますが、仮に私の推理通りだとしたら、カープの成績次第では街がカオスになってそう(汗)。もし遠方から来られる人がいればその雰囲気も楽しんでいただければ、なんて思ったりもしてます。どっちにしろたぶんバーゲンはやってると思うよ(笑)

NHK杯についてはそろそろ地元情報でも発信しようかねえ、などと思っているのですが、お店の情報とか写真とかをどこまで載せてもいいものか何とも判断し難くて、ホントにやるならそこはクリアにしておきたいなあ、と思ってます。写真撮影禁止のお店もあるくらいだし、たぶん話題にされたい店ばかりじゃないのに、どこまで勝手にネタにしてもいいものか。リンクもどこまで貼っていいものか。お店等々に断るのがいちばんなんだけれどさ。あと写真もな、写り込みはどこまで許されるのか、などと悩み出すとキリがない…。写真については私の腕が酷すぎて使えるような写真がいつも撮れない、というのもめっちゃ大きいんですけどね(泣笑)
まあ、フィギュアスケートのファンしか注目しないような超ピンポイントな話題以外は皆さん自分で調査出来るだろうし、このブログにたどり着く人はたぶんほとんどいないので(汗)、よっぽどコアな内容以外の情報発信は必要ないかな、なんて思い直したりもしてます。うーん、どうしようかなあ…。

アイスショーのチケット販売も始まる時期で、このままだと夏のショーはどこにも行けそうになく、ショックで死にそうなんですけど(泣)。てか行けないとか耐えられない(血涙)。NHK杯のことなどを考えても夏にはある程度問題なく観戦や鑑賞に行ける状態まで自分を持っていけるだろうか。全然先が見えなくてドン詰まりだからな、今…。

何で私がうだうだと悩み続けてるかというと、体調があまり良くないからです。体調を最優先にした働き方を考えない限りこれ以上頑張れないと痛感したから。
死ぬことはまずないだろうし、問題ない時は普通に暮らせるしむしろ元気なのですが、どうしても酷い不調に陥ることがあるのですね。薬を服用した上で、無理をしないでじっと横になっていればあまり悪化させずにやり過ごせることも多いのですが(ダメな時もあるけどね)、それってすぐに横になれる自宅だからこそ可能なわけですよ。通勤中や会社内で横になるのは実質無理でしょ。床に寝るしかない。会社の床に寝たこと何度かあるぞ私は。ホコリまみれになるとかならんとか、そんなこと言ってる場合じゃねーんですよ。

無理してでも頑張るつもりでいたし実際頑張ってもいたのです。楽しみを設定することで無理がきくように仕向けてもいました。けど、結局人間って「自分がいちばん損をしたくない生き物」なんですよね。トイレに立つ暇も水を飲む時間も取れないほど忙しかったり、毎日四時間も五時間も残業しないと回らないような職場では、その特性がさらに強化されるんじゃないかと思うわけですよ。
頓服薬を飲むために、トイレで吐くために数分休憩を取っても「サボってる」ことになるし、長い通勤に耐えて出勤するので「勤務開始時間前」に休憩を入れて業務に備えるようにしてると「勤務時間前から全員平等に仕事をしましょう」なんて命令が出るわけですよ。出勤前には何とか動けても通勤時間が長いので到着時にはどうしようもなく悪化することも多々ありそれを読むことが難しくても「自己管理が足りない」ことになるし、休めば休んだで「有休使いすぎ」だし、挙げ句の果てには「あなたは体調が悪くて人に迷惑をかけることを当たり前だと思ってる」なんて言われてみたりするわけで。本人が思ってるほど発言者は立派な人間ではないとわかっていても、言われた言葉はいつまでもぐるぐる頭を回って私を押し潰すわけでね。平等に仕事しなきゃいけないなら給料にどうして3倍も4倍も差があるのか説明してくれないか。バカだからわかんないです。迷惑かけまいと、仕事に穴を開けまいと歯を食いしばって仕事してた気持ちが全然伝わってないのも、私がバカだからなんですよね。

実際に「これ以上無理したらヤバい」こともわかったし、基本座れない通勤時間がたぶんいちばんキツいというのも身に染みたし、迷惑をかけないで働くにはどうすればいいのか。そうだ家で働くしかないな、と判断してその道を探っていたのですが、「これパソコンがないと無理じゃね」という現実に行き着いて頭を抱えたまま動けないでいる、のが現状です。パソコンないのに、できます、とか、やります、とか言えなくて。当然そんなもの買う金はない(泣)。
なので、また壊れるのをわかっていて元の道に戻るしかないかな、と諦めたところですけど、元気な時だけ働ける都合のいい仕事なんてあるわけなくて(笑)これまた頓挫中。色々法律が変わってめんどくせーことになってるし、探しにくいったらない…。見つけたところで、仮に潜り込めたところで「ロボットになりきれないなら要らない」って言われる恒例のパターンじゃないっすかね。
床に倒れるしかなかった過去の数回、床以外のところへ背負って連れていってくれた職場と、遠巻きに見ているだけで「自力で帰れないなら救急車呼ぶから返事して」って声も出せない人間に延々言い続けた職場があったんですけど、どちらに属するかは入ってみないとわかんないし、些細なことで前者が後者に変わることもよくある話で、そのリスクを承知の上で飛び込んで頑張れるか?と問われたら「ノー」なんですよ。もうしんどい。でも生活は破綻してる。どうする?で、結局、この世からおさらばするのがいちばん簡単、という結論になるのだった。積極的にそうしたいわけではなく、単に選択肢がない。身内や行政に頼れば?って人も多いけど、いざ頼ったら「何の努力もしないで生きててずるい」って言い出すんでしょ。知ってるよ。自分が損した気分になるのが嫌なだけだよ。誰かが破滅していくの面白がってんだよ。それが君らの本音だよ。もう付き合ってらんない。生きてるのめんどくさい←結論

好きで家にいるわけでもサボってるわけでもない。むしろやれることはどんどんやりたい。元気な時にはしっかり動きたい。でも、まだ平均寿命の半分にも満たない自分に人生が残っているのなら、それを取り返しのつかなくなった体で過ごしたくない。そこまで考えた上で動きたい。そう願う私の前に「息をするだけでもお金が必要」という現実がのしかかる。
ごめんなさい、もう頑張れないんです。何度も何度も言ってる。叫んでる。話を聞いてください。一度だってちゃんと聞いてくれたことないでしょう?
元気な時はまったく元気、というのがいけないんでしょうけどね(汗)。たいしたことないと思われてるのはいつも感じてた。いちばん酷い人は仮病扱いだったし。最悪の状態の時の私と3分くらい代わってもらったら「ごめんなさい」って言わせる自信あるけどさ。もー色々ありすぎて、子育てや介護の人が優先、とか会社で言われたりするたびに「もういっそ死なせてくれ」という気分でした。自分が働けないと死が待ってる人より、たぶん働かなくても何とかなる人が優先とか意味わかんなかった。バカだから。ああ、さっさと死ねってことなんだなって思いました。
うん、もっともっと色々あったけど、これでもずいぶん抑えて書いてる…。伝わるのかなあ。もうね、つらいとか苦しいとか思う以前に何も感じない。麻痺。

今は毎日友達の実家で収穫したのを分けてくれたお米(これがたいへん美味しい)にオリーブオイルと醤油と塩をちょっとだけかけてレンジで温めて食べて生命を維持してます。ほんのり味がついて美味しい。オリーブオイルって美味しいんですね、知らなかったよ。懸賞で当たったのを未開封のまま放置してたのが役に立ったよ。あとうどんスープの素がちょっとあるからチーズとネギでも買えば米だけで何とか生きられるかな。お茶もあるし。家にある食糧は以上で、私の全財産は漱石さんが3人です。ちーん。チーズとネギ買ったら漱石さんが家出しそうだしやっぱりやめとくか。ちーん。
「美味しい」って思うようになったし米を炊く気力も湧いてきたのでわりと元気になった気もするんですけど、これからどうしたらいいのかわからないです。もう心が麻痺してるので焦ってすらいない。人として終わっている…。けどわりとどうだっていい。とりあえずシフトの融通のきく都合のいい仕事があったらどなたか教えてください…。これでも真面目に働く方です、人としてはクズだけど。

ほかにも色々書きたかったんですが長いので(汗)また次回で。こんな感じのだらっとした記事を週一くらいで混ぜようかな。NHKスペシャル等々テレビ番組の感想も書きたいし。あ、そうだ、いいこと一個だけありました。ツイッターの懸賞で飲み物当たった。ホントに当たるんですね、びっくり。

平昌オリンピック雑感:23

平昌の聖火が消える日がやって来ました。熱狂の日々を名残惜しみながら、別れを告げるセレモニーについてさらりと感想を述べて観戦の日々の締めくくりとしたいと思います。


★2月25日・閉会式

メルヘンな帽子の子供たちが出てきたり、相変わらずこの路線かなと思ったら、いやいや閉会式はロックで行くのか?エレキの少年とか出てきたぞ。

今回のオリンピックの名場面集が流れて選手入場。
リフトしながら登場するフランスのペアと中国のペア。ジェームス&シプレとスイ&ハン、でいいのよねきっと。こうでもしてないとどこをどの選手が歩いてるのかまったくわからんので、目立てて良かったのでは(笑)。
日本代表が入ってくる。何故か田村コーチに最初に気付きました。イケメンオーラか?(笑)おお宮原さんに坂本さん。ふたりともいい笑顔だ。
しかし我々の主なミッションはこれである。そう、「羽生結弦を探せ!」。が、ニット帽を被ってると皆似たような人間に見えるため遠目ではなかなか気付きにくかったりする…(汗)。
だがついにカメラが羽生君を抜く。ニット帽似合うなおい。中学生くらいに見えるんだけどどういうことですかー。てかこのやんごとない雰囲気はどういうことですかー!!ソチの頃などに比べるとやはり精悍にはなってるんだけれども、世の男性の半分以上は高校生くらいの時には既にオッサン、という感覚だった私にしてみれば、羽生君の傾国の美少年ぶりは常識の範疇をはるかに超えた何かだという気がしてなりません…。キノコみたいだった頃にはこんなに美しく生い立つなんて思ってなかったです…。ごめん(汗)。
ところで昌磨君はいないのかな。もしかしたら寝てるのか?(汗)それならいいんだけど、体調が悪いとかでなければ…。大丈夫かな。うーん、今回は羽生君がひとりぼっちにならないと思ったのに。刑事君も帰っちゃったみたいだし。ソチの閉会式ではフィギュアスケートの日本代表はきゅっと固まって歩いてたり座ってたりしてたのでよくカメラに抜かれていたのだが、何故か羽生君だけそこから離れていたんですよね。色々考えがあったのかもしれないし心配することではなかったのかもしれないけど、その様子は私の目には切なく映ってしまったので…。

ソウルオリンピックのマスコットうっすら怖い。こんなんだったっけ?記憶にねえー。そう考えると今回のマスコットやっぱりかわいいよな。ぬいぐるみちょっと欲しかった。
だらだら入場は閉会式の定番ですかね。緊張から解き放たれてるって感じでこれはこれで。

客席が映る。羽生結弦を探せ再び!映りませんねー。全然映りませんねー。私の記憶が正しければ羽生君は入場行進の時以降まったく映っていない。映っていても小さすぎてわからなかったと考えられる。

入場が済むと弔いの式典、でいいのかなこれは。幻想的。続いて全メダリストの紹介でも始まるのか?と思ったら、ああこれ今日あった競技のメダルセレモニーか!ある意味いちばん盛大に祝ってもらえるラッキーな人たちかも。

色々催しは続くが、教育から総合へチャンネルが移動したりして気分的に落ち着かない…。
ソチの時と違ってなかなか客席抜いてくれないなあ。あの時みたいにフィギュアスケートの面々が固まってないのかも。それ以上に暗くてどなたがどなただかかなりわかりにくい。
K-POPコンサートみたいなのも始まったが、全然わかんないので、へー、と思いながら見てるだけ。あーこれ1回だけ行ったフレンズで田村コーチが滑ってた曲だなー、なんてことだけはすぐ気付くあたりもう何だか(笑)。その時の記事はまだ載せてないだけでとっくに書いてるので、そのうち掲載されたら是非読んでいただければ。

オリンピックの旗が降ろされる。綺麗に畳むのね。そうか、次は北京か。
北京オリンピックの催しが始まる。やっぱりパンダなのか。そして冬はやっぱり光で演出なのか。中国っぽい極彩色な感じは派手でいいかも。

トンガの人閉会式にも登場だー!開会式同様てかてかです。風邪引かないでね。

閉会宣言。またK-POPコンサートかな、相変わらずわかんない、すみません。こんな感じで東京オリンピックのアイドル枠?を務めあげられるのはSMAPしかいないと思ってたんだけどねえ。しょうがないのかもしれないけど、本当に日本にとって大きな損失だったよな、と今でも思います。

閉会式もクライマックスを迎え、またメルヘンモードに。待ってスノードームにおさめた想い出ってプーさんの山なの?(汗)確かにある意味超メルヘンだけどさ(汗)。未来ちゃんとかマルケイとかの映像もあったのでプーさんの「何でそれ?!」感がすごい…。

みんなで踊っておしまい、は定番なのかな。ソチと一緒だよね。てかまさかの人面鳥きたーーーー!!夢に出るほど忘れられないオリンピック決定!(笑)大反響を受けての再登場ですかねひょっとして(笑)。もうあんまり怖く感じなくて「おお!お前来てくれたのか」って思っちゃったからオリンピックの魔力って怖いわ…。
羽生結弦を探せミッションをNHKは入場時以外クリアできなかった模様。ほかの選手も全然わかんなかったなあ。でも楽しそうな様子が伺えて何よりでした。


以上で平昌オリンピックは終了です。そして私のテレビ観戦記も終了です。帰国会見などももちろん見てるので、またぽつぽつと書くかもしれませんけど。会見の様子を見ると昌磨君も風邪などではなさそうね、ほっ。
記事が長過ぎて数日に分けたりしてたので、大会がとっくに終了しているのに延々と記事だけが載る事態になってしまいましたが、これは私の単なる観戦記なのでそれでいいのです。開き直り万歳!男子シングルの記事は特に長くて、特に最終回(平昌オリンピック雑感⑭)は凶悪に長くて失礼いたしました(汗)。最終回を半分に分けて全6回にしようかなと考えてはいたんですけど、一気に最後まで読んでもらわないと今回は意味がないな、と強く思ったのであえて分割せずに載せました。あとから読み返して「何このポエム」と頭抱えたんですけど(汗)。書いた時と載せる時の時差があるから、たまにこんなん書いたっけ?と自分でも思う記事があって、あれはその最たるものですね(汗)。

ほぼフィギュアスケートだけではありましたが、こんなにオリンピックを堪能したのはたぶん初めてだと思います。もうちょっとほかの競技もじっくり見たかったなあ、と少し後悔してますが、ブログに自分のワクワクした気持ちを書き残したい、という思いの方が強かったので、やはり悔いはないと言い直すことにします。
オリンピックというと意図的に感動させようと仕向ける演出がメディアに見られる傾向にあり、それは好きではありませんが、そういった意図をはるかに乗り越えて直接我々の心に揺さぶりをかける、本当の意味での「感動」を選手の皆さんの活躍が自然に生み出した、とてもいい大会だったのではないかと思います。
この平昌オリンピックまでに生活を立て直せず、現地観戦を計画する段階にすら至れなかったということは、これからも一生後悔して生きていくことになるのかな、とそこは悲しいところではありますが。テレビ観戦の環境が意図せず整っただけでも今回は十分だと思わなきゃいけないかな。せめて羽生君の優勝パレードだけでも、と思うのだけど、現状では絶対無理。「クラウドファンディングすれば?」と外食中に居合わせた酔っ払いに提案されたりもしたが(笑)、私に金を出して得をする人間が世界のどこにいるというのか(笑)。実は仙台には親戚がいるので、交通費さえ出せれば何とかなるんじゃね?と思ったりはしてるんだけど。甘いか。うん甘いな。まあいいや、色々考え出すと辛くなるからやめよう…。

長い長い駄文に最後までお付き合いいただいた皆さん、2、3人いらっしゃったら万々歳、くらいかなと自分では思ってますけど(笑)、もし本当にいらっしゃったら、心からありがとうございました。オリンピックの感想は絶対にしっかり書こうと決めていて、あとから自分が読み返して思い出せればいいや、くらいの気持ちではありましたけど、でももしこれを読んでワクワクした気持ちを共有してくださる方がいたら、その人にも届くように、と願いを込めながら書いていたので、読んでくださった方がいらしたのなら、それは本当に嬉しいです。
今後は今年に入ってから自分なりに打ち立てた大言壮語な目標に向かって道を模索しつつ、自分なりの情熱を込めて楽しくブログを続けていけたらいいなと思っています。本当に自分の能力を活かせる世界で生きたいと思って方向転換を決意したものの、物理的に足りないものがあったりそもそもどうすればいいのかわからずに次の一歩を踏み出せない状態で、これは能力がないということだろう、もう諦めて元の道に戻るしかないかな、と辛い気持ちでもいますけど、もう少しだけ道が拓けることを信じたいかな、とも思っています。
四年後の私が自分なりに望んで自分なりに見つけた居場所で自分なりに生きていることを願いながら、そして何よりも羽生君の右足が回復することを心から祈りながら、この長い観戦記の筆を置きたいと思います。次は世界選手権でお会いしましょう。そしてまた、北京オリンピックで…!

平昌オリンピック雑感:22

昨日の続きです。それでは早速早速。


★2月25日・エキシビション

さてさて後半。後半のオープニングには韓国のジュニア選手が二人登場。イム・ウンスとユ・ヨンでいいのかな?綺麗な色の衣装、照明もファンタジック。すごく素敵なプログラムでした。


13:キム・ギュウン&アレックス・ガンチャン・カム
まさかのグラサン二枚重ね。あのオリンピックマークのメガネ、日常生活では使い途がまったく無さそうなところがいかにもお土産ものですよね(笑)。ん、お土産なのかあれ?
彼らもノリノリプログラム。K-POPはよくわからなくてすみません。技術はまだまだにも思えるけど、この自国のオリンピックで滑るという滅多にない経験を礎にこれからもっと上を目指して欲しいなあ。


ハベル&ドノヒューはここで登場予定だったっぽいけど、やはり残念ながら出演できない模様。悔しいだろうな…。


14:宮原知子
エキシビションまでノーミスだった。オリンピックにピタリと合わせた完璧な仕上げっぷりに感心しかないです。衣装が日本の国旗カラーなので、壁の日の丸ともすごくマッチしてた。前にも書いたが、ショートよりもフリーよりもこのプログラムに「和」を感じるんだよなあ。変かな?


15:メーガン・デュハメル&エリック・ラドフォード
メーガンの晴れやかな笑顔。きっとこれが彼らの現役最後の演技、集大成。なおかつ客を飽きさせない派手な技が随所に盛り込まれている。有終の美という言葉がふさわしい、リンクにさわやかな余韻を残していく素晴らしい演技でした。


16:ボーヤン・ジン
スパイダーマンだああああ!ジャンプ完璧過ぎだろ。もー、さすがボーヤン。でもちょっとお疲れ気味に見えた。今回のオリンピックに色々懸けてたのかもなあ…。2年くらい前はまだあどけなかったボーヤンもすっかり精悍になった。北京が彼を待っている。


17:ガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン
素人が見てもその美しいという言葉では足りない滑りに圧倒される。体重あるのだろうか…。動いている美術品だよこれ…。ものすんごく高級なファッション誌に載ってる写真のモデルが突然現実世界に飛び出してきて滑り出してるみたいだ…。


18:エフゲニア・メドベージェワ
やはり本調子ではないのかな、足は大丈夫かな…。でも前を向く彼女の強い気合いが感じられる演技だった。映画の内容全然知らないけど、主人公の生き方までも伝わってくるような。そしてそのストイックさが彼女と重なるような…。全然違うかもしれないけど。年齢を考えると引き出しが本当に多い。これからも目が離せないです。


19:ヴァレンティーナ・マルケイ&オンドレイ・ホタレック
マルケイ、それはスタイルが悪く見えるセーター…。ギャー、リフト凄いいい!!凄い技だらけ!ホタレックのTシャツはよく見ると二枚重ねで、一枚脱いでオリンピックのマスコットがプリントされたTシャツを披露するという念の入れっぷり。
大技大連発でお客は絶対楽しかったはず。韓国の選手でもメダリストでもないスケーターのエキシビションはどれも盛り上がり系だったので、意図して出演者を選んでたのですかね。


20:ミーシャ・ジー
ミーシャの本領発揮。ボクシンググローブ姿かっこいい。でもどんどん脱いでいく。最後はスッケスケ。キレッキレのスッケスケ!
四年前のソチで「好きな人見つけた。面白いお兄ちゃん」ってミーシャに大注目していた某さんがこのエキシビションに気付いてくれてることを心から願う。あなたの好きなミーシャがここにいますよ!面白いお兄ちゃん全開ですよ!


21:テッサ・ヴァーチュー&スコット・モイヤ
彼らを競技者として見られるのもこれが最後なのかな…。何も言葉がいらないですね。テッサとスコットの強い絆が演技の中心にいつもあったんだなあって、今更ながらそんなことを思った。


22:アリーナ・ザギトワ
虎柄の全身タイツは一般の視聴者にはさぞインパクトが強かったことだろう…。まだ子供だからこそ、ギリギリ色気が出過ぎずに神聖なものとしてプログラムが成り立っているのかなと思います。手を触れてはいけない幻の気高い獣のような体のうねり、しなり。簡単そうに滑ってるけど、ああこの人凄いんだなってなんとなく伝わるものがあるよな…。


次に滑るはずだったサフチェンコ&マッソーの欠場を告げる場内アナウンスが入る。金メダリストが出演できないなんてあまり聞かない事態だよな。今は大事にして、また素晴らしい滑りを見せて欲しい。


23:羽生結弦
衣装のストーンがきらめく。漆黒の瞳が夢を見るように天を仰ぐ。リンクにデネブの輝きが降りそそぐ。
これまででいちばんいい出来の『Notte Stellata』。涙が出そうだ。信じられないほど美しい…。
ジャンプにしか注目しない人は考えることもないのだろうが、このプログラムはおそらく羽生君を極限まで美しく見せるためのプログラムだ。それを可能にしているのは、羽生君の圧倒的な滑りの技術である。何気なく滑っているように見えるひとつひとつが、ただひたすらに美しい。しなやかに弓を描く背中、羽根が舞い散るようなスピン。最後に宝物のように挟まれる、ディレイドアクセルとトリプルアクセル羽生結弦という宝石を、その星のような断面のすべてを、世界中の人類の記憶にしまっておけるように、神が与えてくれた贈り物。
そう、これは奇跡だ。星をリンクに閉じ込めるにはどうしたらいいのか、知恵を出しあって生まれた奇跡。この曲を選んだタラソワ、振付をしたウィルソン、ほかにもきっと数多くの人が、輝く星をいとおしむように作り出した奇跡。
繊細で、無垢で、少女のように微笑む少年の瞳。性別も、年齢も、生命さえも超越した、満天の星空を駆ける白い翼。この星がいつか人になってしまっても、この日の記憶は映像という人類の知恵の中にいつまでも残る。繰り返し繰り返し、同じ夢を見て人は思う。あの日の記憶は幻ではなかったと。あの日見た夢としか思えなかった奇跡は、オリンピックのリンクに永遠に閉じ込められているのだと。星の見えない夜にも、歌の聞こえない朝にも、閉じ込めた記憶を紐解けば、そこには空からこぼれ落ちるように星が瞬いている。美しいものを美しいと呼べること、それは人間の生きる喜び。人であることの幸せ。
…今まで書いてきたノッテ・ステラータに関するポエムがすべて霞むほどのポエムが生まれてしまって今頭抱えてますが、こんな場末のブログ読む人いないので恥ずかしげもなく載せます。もういい、ポエムを量産するほど感動したってことにしとくからいい…。
どうしてもこれを会場で見たかったので正直悔し泣きでもありますが、こんな素晴らしいものを見られたからもういいことにする…。録画できない環境なので延々と再生して味わい尽くせないのは残念だけど。基本的に録画しても見ないタイプなんですけど、これは別。将来絶対ボケたくない。この日のノッテ・ステラータを忘れたくない…。
何度も何度もショーで本人を見てるのに、本当にこの人存在してるのかなと今更考えてしまうほどこの世のものとは思えなかった。こんな演技のできる男子選手もう出てこないと思うよ…。普通の男にはこの繊細さと清らかさは出せない。そんなもの備わってない…。中身阿修羅なのに、たぶん相当なオタクなのにもう地球どうなってるの←混乱←どっちの羽生君も大好きです


滑り終えた羽生君がリンクにとどまっている。普通は挨拶をして捌けていくのだが…。そこにテッサ、スコット、ザギトワが近寄って来る。テッサがマイクを手にスピーチ。そうか、金メダリストからの挨拶か。

そしてエキシビションはフィナーレへ。まずペアの女性だけ出て来る。リンクに広がる華やかさ。その中央には本当はアリオナがいたんだろうな、と思うと少し切ない。
女性たちを相手の男性たちが待っている。アイスダンス、それからシングル。頂点を目指しこの地に集った才能のきらめきがリンクを駆ける。
ひとり加速して滑っていく羽生君。リンクの中ほどで立ち止まり両手を広げる。その慈悲深い腕の中へ皆が集まってくる。抱きしめ合う笑顔。めちゃくちゃ感動的な絵だった。まさに世界平和だった。今までに見たどのオリンピックのエキシビションよりも優しく、温かかった。チープな言葉だけれど、そこにあったのは、愛。
挨拶。羽生君の両隣はザギトワとメドベージェワ。もうその二人にしか許されないというか、3人の並びの異次元感がすごい…。そのあとオープニングに出てきたスケーターかフラワーガールか、女の子たちが間に入って手を繋いでいたのだが、羽生君と繋げた子は一生の想い出になったんじゃないかなあ。周回ではSEIMEIの振りとか客席にやってた。知り合いが見に行ってたはずなのだが、それらの光景も目に焼き付けたのかなあと思うととってもとってもうらやましい。スーツケースに入れて連れてってくれとか言ってたんですけどね←無理

地上波で放送された時にはホタレックにリフトされる羽生君と「ありがとうございました」を叫んでるのであろう羽生君が映ってた。グッジョブ。叫んでいたのは後にニュース番組等で「カムサハムニダ」だったことが判明。ちゃんと韓国の言葉に合わせたのね。

いやー、いいエキシビションでした。プログラムのバランスも取れてたと思うし、ラストのノッテ・ステラータは世界を浄化した気さえする。何よりスケーターたちが皆楽しそうだった。このオリンピックにおけるフィギュアスケート競技はかつてないほど見応えがある戦いばかりだった。それをもたらしたのは選手たちの競技へのひたむきさだ。スケートが大好きだという気持ちだ。「大好き」という想いは、きっといちばん簡単にかけられる幸せの魔法なのである。


平昌オリンピックについて長々と書き散らすのもおそらく次回で最後です。よろしければ明日もお付き合いください。

平昌オリンピック雑感:21

ついにオリンピックも最終日。フィギュアスケートの競技もエキシビションで終了です。始まる前は緊張し過ぎて死にそうで、オリンピックが終わらないと生きている心地がしないレベルでしたが、こうして終了が目前となると、ああ、終わって欲しくないなあ、とそんな気持ちになってしまう自分ってホントに現金…。

テレビ東京などというものが存在しない地域のため(泣)BSでの視聴です。生放送してくれることになって本当に良かった…。当初はNHKでは録画放送しか予定がなくて、テレ東なんか入んないよー、と半泣きだったので…。CMがないのでNHKで放送してもらえるのが本来はいちばんいいのですよね。整氷以外はノーカットで見たいのですよ。贅沢言ってるのはわかってますけどね。

ハベル&ドノヒューとサフチェンコ&マッソーは出演しないというアナウンス。ええっ、インフルかな、大丈夫か?サフチェンコはインフルにかかったみたいな話は聞いてたが、もう回復したのかと思ってた。金メダリストなのに無念だろうな…。ネイサンもインフルで辞退したらしいし、かなり流行ってたようですね。ネイサンのあのフリーはエキシビションに呼ばれるのに十分過ぎるくらいの内容だったと思うし、男子の上位選手は「4回転入れてるからプログラムが崩れ気味だけど普通に滑ったらはっきり言ってむちゃくちゃ上手い」というスケーターばかりで、それを実感できるエキシビションは本当に眼福なんだよ。ネイサンのエキシビションはその筆頭とも言えるほどで、ああこれで世界中にファンを増やすだろうなとワクワクしてたので、かなり残念だったりします。でもしょうがないよね、お大事に。
ところで客席ガラガラじゃないか?朝も早いからかなあ。頼むからそこに座らせてくれええええ…。生活すら維持できないレベルの貧民から脱出できなかった自分を一生呪って過ごしそうだよ(泣)。


★2月25日・エキシビション

幻想的なオープニングからエキシビションはスタート。青紫の衣装のスケーターたちは群舞を滑り終え、灯り?を手に2列に並ぶ。その間を通ってリンクに現れる、おそらくは史上最高峰の舞台で戦い抜いた選手たち。ってハビエルその格好は!まさか四年越しであれやるのか?!
特に群舞などもなく紹介だけであっさり終わった。最後に出てきた羽生君を見てると、今日の白鳥は壮絶に美しいという予感しかなくて震える…。


1:ミン・ユラ&アレクサンダー・ガメリン
派手な衣装のノリノリプログラム。ラストで飴を投げまくるのであんまり滑ってないかも(汗)。トップバッターなのにいきなりフィナーレっぽいな、客席に物を撒いてると(笑)。実況によるとガメリンさんは双子で、組んでいたその双子の兄弟が引退したから新たなパートナーを見つけて韓国に帰化したんだとか。へー知らなかった。


2:チャ・ジュンファン
こちらも派手な衣装のノリノリプログラム。シャツの背中に謎の柄(笑)。サングラスしたままジャンプしてたんですが何気に凄いような気がする。ラスト付近でやっとサングラスを外したのですが、天井カメラのせいでその外す瞬間がわかんなかったでーす!


3:エカテリーナ・ボブロワ&ドミトリー・ソロビエフ
今大会で天井カメラが初めていい仕事した。もしかしたら唯一かもしれない。出だしはリンクに寝そべっているので視線が上からになると別の見応えが出てたし、カメラが広くリンクを映してくれたおかげで演技にさらに広がりが生まれたように感じた。


4:宇野昌磨
さっき上がった天井カメラの地位が早速地に落ちる。スピンを上から映すなあああああ!
ちょっと眠そうに見える。10時前だもんな、普通こんな時間に滑らないわな…。やっぱり男子のトップ選手はエキシビションの難易度だとものすごく上手いのわかるよな。それだけ4回転って難しいんだよね…。


5:マイア・シブタニアレックス・シブタニ
シンクロというのかユニゾンというのか、とにかくすごいわの一言。ショートもフリーも素晴らしかった、その充実ぶりがエキシビションでも伺える。アレックスかっこいいなおい!


6:チェ・ダビン
アリラン大人気。今日も素晴らしい演技だった。ラスト付近はすごく情感がこもってて見入った。凛とした強さを感じました。


7:リョム・テオク&キム・ジュシク
昭和のNHK教育の香りがする謎の曲。めっちゃ耳に残る…。歌ではなく滑るお兄さんとお姉さん。新機軸…。でもいいペアですよね彼ら。観客も盛り上がってた。


8:アンナ・カッペリーニ&ルカ・ラノッテ
カメラがポイントを押さえてないでーす!きえええええ!ひとりで滑るアイスダンサーの姿って珍しい気がする。エキシビションならでは。最後のスピンがロマンチックだった。ラノッテの演技ものすごく上手いなあ…。


9:エフゲニア・タラソワ&ウラジミール・モロゾフ
リフトの手が震えてるのを見て、ペア競技の過酷さを思い知る。スロージャンプすげええ。フリーのキスクラで顔を覆っていた姿が本当につらかったので、笑顔見られて良かった。やっぱりエキシビションは黒い衣装が好まれるのかしら。


10:ケイトリン・オズモンド
ハレルヤ…。今大会何度目のハレルヤ…。こんなに被ることもあるんだなあ。
心持ちメイク薄目のケイトリン。超可愛い。演技もものすごく良かった。ひとつ上のステージに行った、清らかなケイトリンという感じだった。ああ、勝利する人のオーラだなあ…。


11:ウェンジン・スイ&ツォン・ハン
これいいプログラムだよな。初めてこの曲はいい曲なんだなって思ったもん。駆け抜けていく静かな感情の嵐。雄大かつ叙情的。いいペアですね。ミスもあり怪我の状態が心配ですが、焦らず治して欲しいです。


12:ハビエル・フェルナンデス
まさかの四年前のソチと同じプログラム?5年くらい滑ってますよねこれ?!マジかー!!まあリンクむちゃくちゃにしてもいい滑走順だしね、思い切りやってしまえ!水も撒いちゃえ、小道具も散らかしちゃえ!(笑)
解説の八木沼さんが大笑い。どうやらかなりお気に入りの様子。「長いですよね」って、それ言っちゃダメだから実況(汗)。長いけどね←おい
同じエキシビションプログラムを続けてオリンピックでやる人もあんまりいない気がする。連続で出られる方がそもそも大変か…。水をぶっかける役はラノッテでした。ヨーロッパ男子はエキシビションが本番、の伝統は未来永劫続いて欲しい←そんな伝統ねえよ


ここで前半が終了。整氷が入るのかなたぶん。
かなりサクサク進行してますね。ノリノリ系のプログラムがわりと多いので、観客も飽きずに見られたんじゃないかな。しっとりプログラムは素敵なんだけど、あんまり続くと会場の暗さも手伝って眠くなってくるかもしれない。

やっぱり後半が長くなったので(汗)、いったんここで終了。明日に続きます。これが載る頃には完全にオリンピックは終了してるので、もういくら延びても一緒です←投げやり

平昌オリンピック雑感⑳

あれから四年、これから四年。四年リズムの物語が、ひとつの結末に導かれていく。その最終章を書き上げる神は、どうやらこれまでに担当してきたどの神よりも高い文才の持ち主であるようだ。それを読まずにいることなどできようか。


★2月23日・女子フリー②

第3グループです。メダルに手を伸ばそうと思えば伸ばせる選手たちなので、一気に緊張感が増してきますね。


13:マリア・ソツコワ
素晴らしかった。全然心配なく見られた。まさにトップ選手の貫禄だった。ネイサンもそうだったけど、よくショートの順位から腐らずにフリーでここまで心を込めて滑り切ったと思う。本来の実力がオリンピックで出せて本当に良かった…。ところでやっぱりタノの方が回転が安定するのかな彼女は。


14:カレン・チェン
ジャンプもきっちりリカバリーするなどなかなかの出来で進んでいたが、後半になって転倒に着氷ミスと大きく乱れてしまった。スパイラルはものすごく美しい、加点ボタン押したい…。音にきっちり合ったスピンで終了し盛り上がるいいプログラムだが、ジャンプがこれでは上位は厳しいか…。身に付けてたペンダント綺麗な色だったな…。


15:ブレイディ・テネル
素晴らしい出だしでこのまま行けるかと思ったが、中盤でジャンプがステップアウト。足にきてるように見えた。そのあとよく立て直した。ステップは魔法の解ける時間までに帰らなければならないというあのシーンなのだろうが、どっちかというと「追っ手から逃げるスパイ・コードネームシンデレラ」みたいな緊迫感(汗)。どうなることかと思ったが、最後はハッピーエンドでしたね。


16:ガブリエル・デールマン
ものすごいスピードでワクワクする冒頭だったのだが、いきなりコンビネーションのセカンドジャンプをミスし以降厳しい展開に…。ジャンプはミスなく跳べたのは一本、いや二本だけだろうか。転倒も続き、減点されるスピンも。この出来は怪我でもしているのだろうか…。メダル候補だったのでこれは悔しいだろう…。


17:チェ・ダビン
ジャンプの助走が長くすごく慎重に跳んでいて、コンビネーションジャンプもかなりのったりなので、ノーミスでとても綺麗に滑ってるのに見ててヒヤヒヤするという…。本当にジャンプを失敗しないためのプログラムという感じを受けて戸惑ってしまったが、ここは自国開催のプレッシャーの中でノーミスできたことを素晴らしいと思うべきか。そうだよね、きっとすごく頑張ったはずだよね。団体戦からいい演技をたくさんありがとう。


18:長洲未来
軌道からこれは、と思ったが、やはりトリプルアクセルはうまく跳べなかった。あれは1回転にすらならないのか…。そのあとは良かったのだが、後半でジャンプが一本シングルに。さらに疲れてきたのが動きが重くなってきたような。何とか最後まで滑り切った。うーん、団体戦が素晴らしかっただけに残念です。もう一度豪快なトリプルアクセル見たかった。でも団体戦であれだけのものを見せてもらえたんだもん、贅沢言っちゃいけないよね。


ついにこの時が訪れました。第4グループの選手たちがリンクに滑り出してくる。その緊張感ですっかり眠気も飛びました…。女子の試合でこんなに緊張したのたぶん初めてです。


19:宮原知子
滑り出した瞬間から、今日はいい演技するなと思った。最初のコンビネーションにレビューついてるので、あそこがどうなるかだけだろう。本当によくオリンピックに間に合わせた。もし怪我を負うことがなければ、彼女の順位はもっと下だったんじゃないかと思う。怪我は辛いことだったに違いないけれど、その怪我が彼女に足りなかったものを最後に引き寄せたような気がしてならない。無口な人形のように滑っていた彼女の、こんな魂の入った演技が見られるなんて…。貪欲に勝ちを欲する、しなやかで強い青い魚みたいだった。今まででいちばんいい演技をこのオリンピックでやってのけるなんて。怪我がこの結果に繋がったんだなあ、人生ってホントに何がどう影響するのかわからない…。
実況と解説の力の入れ具合がすごい。ドキドキしながら得点を待つ。おお、回転不足取られてない!すごい点が出た!これはどうなる…。


20:カロリーナ・コストナー
うーん、ジャンプのミスが痛い。転倒しなかったのは良かったのだが…。出だしからいつも以上に動きが美しくて、とても心を込めて滑ってたと思う。ステップは圧巻の一言だった。やっぱり一人だけ別の競技やってるように見えた。
うーん、すごいカロリーナが見たかったなあ。でもこの目まぐるしく情勢が変わった四年間を経てなお彼女がこの順位を叩き出したのってものすごいことだと思う。ミスと言っても本来はたぶん致命的なものじゃない。何という戦いなんだ…。


21:坂本花織
あああループがステップアウト。ルッツのエッジは大丈夫じゃなかったのかな、速報から点が下がってしまった。でもこの最終グループにいきなり入って本当によく頑張ったと思う。彼女がこの順位なのはシーズン序盤を思ったら考えられないほどの快挙だ。ぐいぐいリンクを駆けていく疾走感。少しはすに構えた若い横顔の写真が、ひらひらと白い氷で舞うような不思議な郷愁。磨くことはまだまだあるだろうけど、きっと今日の演技は誰かの心を風のように吹き抜けていったはずだ。
坂本さんの活躍に今シーズンいちばんワクワクしました。楽しませてくれて本当にありがとう。


22:アリーナ・ザギトワ
ルッツのコンビネーションが跳べず、ああこれは、と思ったが、そのあとリカバリーしてきた。しかも素晴らしいセカンドループで…。もう言葉失いました。ミスがミスじゃなくなってしまった。ノーミスするとかしないとかいう話じゃない。そういうレベルにはこの人はもうない…。圧倒的なものを目の前にした時の、無力感に近いような衝撃に、ただ呆然とその滑りを見つめることしかできない…。
心臓がバクバクしっぱなしだった。皆のいい演技にワクワクしていたさっきまでの時間が遠い昔のように思える。もう金メダル争いの行方しか目に入らない…。


23:ケイトリン・オズモンド
ミスらしいミスは三つ目のルッツの着氷だけだろう。それも最小限のミスだ。今日は素晴らしく黒鳥になりきっていた。やっとこのプログラムを本当に自分のものにした。ビリビリくるような、これまでででいちばんいいケイトリン。リンクを余すところなく舞台に変えた。嵐に乗ってやってきた、気高く禍々しい漆黒の鳥。黒い女王。迫力あるジャンプはまさに目一杯に広げた黒い翼。むちゃくちゃ良かった。これを滑るには優し過ぎるんじゃないかなんて思ってたのに、こんな素晴らしい演技を見せてくれるなんて…!これはいい点出して欲しい、と思ってたらああやっぱり出た、ものすごい得点!
実はいちばん心配していたのが彼女だった。くじ運が無さすぎる…。彼女次第でメダルの行方が決まることもわかってただろうし、先に滑った選手たちがいい演技をしてミスが許されないことも知ってたんじゃないのか。おまけに直前はザギトワ。ものすごいプレッシャーがかかっていてもおかしくない。これまでの試合からフリーで崩れる印象が強かったので、本当にドキドキしながら見守ったのだが、そんな心配全然いらなかったですね。ああ本当に良かったです…。


24:エフゲニア・メドベージェワ
オリンピックの最終滑走でこの演技。もう何も言葉が出ない。あの彼女が、いつも鉄のように強い覚悟をその表情に浮かべていたあの彼女が、演技終了と共に涙を流している。ザギトワの結果も知っていただろう。どれだけプレッシャーがあったか…。本当によく頑張った。もう何も言えない…。
これはどうなる。勝利するために必要、と表示された得点は信じられないほど高い数値。心臓の鼓動が止まらない。ああ、僅差でザギトワが勝った…!コンビネーションを前半に持ってこなければメドベージェワが勝てたのかもしれないが、確実性を取る理由があったのだろう。いつもまだまだできるという強気な表情だった彼女が流した涙。本調子ではなかったのかもしれない。上質な物語を読んでいるような演技は最終グループ内でも際立っていた。どちらが勝ってもおかしくない、という言葉がこれほどふさわしい勝負もそうそうないのではないか。

私はわりと「勝負だから仕方ない」とスパッと斬ってしまう方である。どんなに好きな選手のことでもそう思う。何が敗因か、勝った選手は何が良かったのかを考え、納得させる。もちろん本音では悔しくて衝動買いしてしまったりもするんだけど(笑)、でも結果は結果できちんと受け入れる。それはスポーツ観戦においては基本中の基本で、そこを受け入れられないのであればそもそもスポーツを見るべきではないだろうと思っている。
けれど、今回初めて、金メダルをふたつあげて欲しいと思ってしまった。ザギトワもメドベージェワも、ルールを駆使し、駆使できるほどの技術を磨きあげ、その技術を最大限に発揮して完璧に演技したのである。相手のミスを待たなければ勝てない、というような次元じゃない。どちらも勝者にふさわしい演技だったのだ。しかもフリーはまったくの同点だった。信じられないような話だ。だからショートの点差がそのまま勝負を分けたことになる。これが勝負だ。勝負だけれど、この二人のずば抜けた実力を思うと、王座がひとつしかないという事実に、何ともやりきれない思いがした。
なんだかソチシーズンのパトリックと羽生君をなぞっているような気がしてしまう。オリンピックが一年早く開催されていたら、金メダルは間違いなくパトリックだった。昔のパトリックは羽生君が苦手そうだったけど、自分の後ろから急激な勢いで追い付いてくる羽生君の存在は恐ろしかったに違いない。そのプレッシャーはおそらく彼にしかわからないものだっただろう。オリンピックで勝つということが何故難しいのかは、「四年に一度しかない」というそのことに尽きるのではないか。才能、努力、運。どれかひとつ欠けても真の勝利者にはなれないのである。


ものすごい戦いだった。最終グループの前半のことを後半に入った瞬間に忘れるくらい、後半に滑った3人が凄かった。超納得の表彰台でした。こんなに心臓がバクバクしっぱなしだった女子の試合初めてです。
皆素晴らしかったということも強調したいけれど、その上でいちばん頑張ったのはやっぱりケイトリンじゃないかな。あの滑走順で本当によくあれだけの演技ができたと思う。宮原さんもミスをして負けたのなら悔いも残ったろうが、あの完璧な演技でも勝てなかったのなら仕方ないと割り切れるんじゃないかな。上位3人がもっと強かっただけ。今回は本当にただそれだけだ。どうやったら勝てるのか、また考えていけばいい。今回の彼女の演技に心を揺さぶられた人たちがきっといる。本当に人の心を打った演技であれば、いつまでもその記憶に残っていく。それでいいんだよ。
いやもう、ホントに凄かったです、最終グループ。もはや伝説ですね。せめて末端の語り部としてその記憶を後世に残しておきたい。誰がこのブログにたどり着くのかという事実は置いておいて(笑)。

しかし、「オリンピックの魔物」なんて単語を思い出す暇もなかったよ今回の女子は。通常とは異なる特殊な状況下における過度の緊張や思いもよらないアクシデントを魔物と称しているのだと思うが、皆それをコントロールできるよう練習を重ねてきたのだろう。そしてやはり女性は肝が座っているってことなのかも。
実は、数日前表彰台の中央に立つ羽生君の姿を見届けながら、私はこんなことを思ってた。「オリンピックの魔物って羽生結弦本人じゃないのかな…」
泣き疲れるほど泣きわめいてたのに、随分冷静にそんなこと考えたもんだな、と今にして思うのだけど(笑)、どうやら同じ事を考えていたのは私だけじゃなかったらしい。やっぱり思いますよね?(笑)本人の才能と努力の賜物である勝利だともちろんわかってはいますが、その上で「魔物かな」なんて思わせる羽生君ってやっぱり規格外…。ああ、あの方は神かもしれない、と震える程感動してる人たちに「あの人ギャグ猛烈に寒いっすよ」と教えてあげたい。ちょっと面白過ぎな人だということに気付いて混乱してますます深みにはまるその過程をそっとスピードアップさせてあげたい…。って余計なお世話じゃ(笑)
そう、魔物はカーリングごっことかして遊んでたから女子の試合には来る暇なかったんですよ。もうそういうことにしておこう(笑)。ああ、羽生君が金メダルをロシアのふたり両方にあげたいとフジテレビの番組で言っていたことを、誰かメドベージェワに教えてあげて欲しいとすごくすごく思った…。

残すはエキシビションだけとなりました。これを書いている今は前日の2月24日で、もう明日で終わってしまうのだなと寂しい気持ちです。思いっ切り時差が発生しているので、もう既に忘却の彼方という方も少なくないでしょうが(泣)、よろしければ最後までお付き合いください。