うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

平昌オリンピック雑感⑲

二週間にわたる長いオリンピックでの戦いも今日ですべてが決着します。こんなに女子の試合を緊張しながら見るのって初めてかもしれない。最終グループを見たあとに生きていられるのか自信ないんですけど…。


★2月23日・女子フリー①

6分間練習をじっくり眺めるのも今日が最後かあ。なんか不思議な気分だよ。そんなわけで第1グループ。


1:アレクシア・パガニーニ
定番中の定番・オペラ座の怪人。でも何だかこの史上最高となるであろう戦いの開幕にふさわしい曲のような気がしてならない。コンビネーションジャンプのアクセルがすっぽ抜けたけど、それ以外は見た目上大きなミスはなかったように思う。ループは苦手なのかな、助走が長い…。プログラムがオペラ座の怪人である意味が感じられないところはまだまだだけど、第一滑走のプレッシャーを考えるとすごく頑張ったんじゃないかな。


2:ルナ・ヘンドリクス
おお、いい演技だー。タノジャンプ得意なのかな?最初のルッツはすごく綺麗。ミスは最後に跳んだコンビネーションのセカンドジャンプで乱れたくらいかな。スピードのある滑りで指先までちゃんと演技してた。第1グループに出てくる選手とは思えなかった。良かったです。


3:マエ・ベレニス・メイテ
ノクターンに乗せて静かな滑り出し。あれ、突然止まっちゃった?かと思ったらスカートの一部がキラキラに。おお、衣装替えプログラムなんだこれ。キラキラスカートとともにプログラムもノリノリに。転倒があったのとスピンとか少し疲れてる感じでいい演技とは言えなかったが、どうにか最後まで滑り切った。スカートだけじゃなく全体的にキラキラが多い衣装なのですな。


4:キム・ハヌル
カメラの角度的によくわからなかったが、3番目のジャンプにミスがあったのか。でも最後に三連続でリカバリー。プログラムは間延びしてる感じはあったけど全体的にとても良かったと思う。コーチに泣きながら抱きつく姿に実況も感動してる。韓国の選手たちホントに今回よく頑張ってるな。キスクラでも涙。いい点出て良かったね。


5:シャンニン・リー
好調な滑り出し。3番目のコンビネーションのサルコウが両足着氷だったくらいでほぼノーミスなのでは。でも回転不足を解説に指摘されてるが大丈夫かな、とプロトコル確認したらめちゃめちゃ回転不足判定…。ああ…。一見ノーミスに見えてもこれが怖いんだよな…。
回転不足はともかく、第1グループからいい演技が続出。凄い大会になりそう。


6:イヴェット・トス
カルメンなんですが、何曲繋ぎ合わせてあるんだこれ…。コーラス入りの曲が流れるステップは謎の迫力。最後は撃たれたのかあの振付は。インパクトのあるカルメンだなあ…(汗)。
転倒が2回。2回目の転倒は自分でも跳んだ瞬間に転ぶのがわかってしまった。不思議なプログラム過ぎてぼやっと見てるうちに終わった(汗)。しかしかわいい子ですな。


続いて第2グループのはずが、まさかのBSニュースがぶちこまれる。6分間練習はカットする気か?!整氷タイムにやってくれよー(泣)。CMないから地上波じゃなくてBSにしてんのにー(泣)。少しは流れたけどね…。


7:エリザベート・トゥルシンバエワ
前半でひとつジャンプの転倒があったが、後半でリカバリーしてきた。転倒したジャンプ以外は良かったと思う。最後のサルコウも美しかった。回転不足もあったようだが、気持ちのこもった演技だった。余裕や余韻がもう少しあるともっといい選手になれるんじゃないかなあ。頑張って!


8:エミー・ペルトネン
前半はジャンプが不調。手をついたり転倒も。中盤で少し立て直したかと思ったのだが後半でもいくつか抜けてしまう。ジャンプに集中するあまり演技がおろそかになってた印象。ただ後半のステップからは息を吹き返したような演技で非常に良かった。何があったんだろうと考えてしまう切なそうな歌に耳を傾けられたくらいだったので、演技に感情こもってたんだなあ。うーん、ジャンプが惜しい。


9:カイラニ・クレイン
おおおおまとめた!滑り出しから表情もちゃんと作りながら最後まで気を抜かず、終盤には笑顔も見せる。いい演技。気になるのはルッツ?の助走が長かったことくらいじゃないのかな。回転不足判定は私にはたいていわからずプロトコルを見てそうだったんだと気付くのだが、彼女もふたつついていて、ミスはそこだけですかね。よく頑張った。


10:ニコル・ショット
中盤は少しジャンプ乱れてたかな。でもそれくらいで全体的には良かった。哀愁漂うメロディーを適度に抑えた滑りでよく表現してた。まだ21歳なのか、既に熟女感が…(汗)。衣装はシンプルだけどとても上品で綺麗。久々に好きな感じの衣装見つけたわ。


11:ニコル・ラジコワ
素晴らしいジャンプが続く。ノーミス!序盤からずっと滑らかに滑っていき、ステップも気を抜かず力強い。最後のスピンだけもしかしてミス?回転不足もあったようだが、それでもいい演技だった。ガッツポーズ!


12:イサドラ・ウィリアムズ
うーん、かなりジャンプに乱れが出てしまった。転倒もあり、本人も納得いかない表情。スピードがあまりなくて後半はとにかく最後まで頑張って、という感じだった。緊張していたのかもしれないが、曲を聞いて滑ってるようにあまり見えなかったのでそこも頑張って欲しい。うーん、点が伸びなかった…。


第3グループの前に整氷タイムに入るので、ショートの振り返りが挟まれる。おいBSニュースここでいいだろ…。
体調が微妙で放送前に痛み止めを飲んだので、第2グループの途中でちょっと眠くなってきてヤバかった。毎日ではないがわりと痛み止めによって私の生活は支えられており、痛み止めがないともはや生きていけないです。できるだけ飲まなくて済むようにしたいんだけどね、はっきり言って不可能ですね(泣)。頑張って生きてるのでもう適当に楽しく暮らしたいです(遠い目)

長いので本日はここまで。緊迫の後半グループは以下次号!←みんなとっっっっくの昔に結果知ってる←時差が酷すぎて泣きたい←一応翌日までには仕上げてるんですけどねとほほ

平昌オリンピック雑感⑱

昨日の続きです。


★2月21日・女子ショートプログラム

第4グループです。一気に緊張感が高まりますね。
未来ちゃんの挨拶めっちゃかっこいい…。今日はいい演技見られそう。テネルさんの技術点がとうとう撃ち落とされるか。すごいよな、まだカウンターの上段に君臨してらっしゃるよ。


19:坂本花織
出だしは緊張してるように感じ、最初のスピン回ってる間にほぐしたらいいんだぞとかわけのわからん応援をしていたが(汗)、本当にスピン終わるといつもの彼女になってた。後半に入るとスピードもぐんぐん上がる。ジャンプ全部降りた時奇声発したよ私(汗)。演技の最後には思わずよっしゃああ!って叫んだわ。オッサンか!そうさオッサンだよ!←やかまし
テネルの技術点を撃ち落とせるのはやっぱり彼女だった。いやー、素晴らしいノーミス演技だった。オリンピック出て欲しいってひっそりずっと思ってたからホントに嬉しい。非常に熾烈な争いになることは火を見るより明らかだったし、誰が選ばれてもおかしくなかったし、誰が選ばれても応援するのにも変わりないので、誰に出場して欲しいか、といったことはブログでは書かないようにしていたのですが、私がオリンピックで見たいと思った選手は坂本さんだったんですよね。でもこれだけ実力者が揃ってたら難しいよなあ、とシーズン序盤なんかは過度に期待しないようにしてたんですが、ここまで駆け上がってくるなんて、本当にこれが嬉しい悲鳴ってやつですね。自分が好きな選手ということもあるけれど、それ以上に、ロシア極強の現状に割って入るには「爆発力」のある選手を選ぶのがいいのではないかという思いがあって、それがあると感じるのは坂本さんと真凜ちゃんかな、と何となく考えていたのでした。まったくの素人の意見ですので、そっと流していただければ。


20:長洲未来
冒頭はトリプルアクセルだ!悲鳴みたいな実況。こらえられると思ったが転倒してしまった。しかしスピードすごかった。まさに爆走。そのあとはしっかり滑ってたし、さすがの演技でうっとりと見てしまいました。


21:ガブリエル・デールマン
鉄壁のコンビネーションジャンプでまさかのミス。そのあとは良かったが上位争いに割り込むには少し厳しい得点に。曲と演技の絡み具合はさすが。トップ選手の演技はやはり前半グループとは全然違うよな。さっきから迫力のあるジャンプが続くので見てて超楽しい。


22:カレン・チェン
出だしのポーズから世界に入ってる。冒頭のジャンプをコンビネーションにできなかったが、後半でしっかりリカバリー。冒頭以外はミスはなかったはず。まるで朝もやの中にいるようだな、と演技を眺めてたのだが、曲のタイトル(映画のタイトルだったかも)は黄昏とか実況言ってたっけ?(汗)全然違うやん自分(汗)。


23:エリザベート・トゥルシンバエワ
相変わらず細いなあ。冒頭のジャンプ、途中で降りたというか落ちてしまった感じ。回転数が足りず無得点か…。そのあとは良かったんだけれど。スピンの回転の速さは見応えあるし、特に最初のスピンは曲に合わせてあり素晴らしかった。決して雑ではないのだが、どうも演技が美しく見えないのは気になる。今回カルメン大人気ですね、女子のショート。


24:チェ・ダビン
滑り出した時からミスする気がまったくしなかった。素晴らしい演技だった。何かに静かに想いを捧げているように感じた。最後まで見入ってしまいました。自国でこれだけの演技ができて本当に良かった。見に来た地元の人たちも感無量ではないかな。団体戦ではコーチが泣いてたけど、まだフリーもあるし今日は冷静?


もう一度整氷タイム。その間に坂本さんのインタビューが流れる。男子は素晴らしい演技だったから続こう的なこと言われて苦笑いしてたが、それ振ったらかわいそうだよ…。だってあの男子二人化け物だよ(汗)。

さあ、第5グループです。これである程度メダル候補は決まるはず。痺れるような最終グループ!


25:エフゲニア・メドベージェワ
素晴らしい素晴らしい素晴らしい…!ああもうこの人すごい…。演技に繋ぎ目が全然ない。全体的にジャンプもふわりとして力が入りきってなくてなんかもう絶品だった。ファイナルに出られない怪我してた選手ですよこの人…。少しだけいつもの強さがない気はしたけれど、それが演技にえもいわれぬ重力のない空気感をもたらしてたように感じる。今までの彼女の演技の中でもいちばんくらいに良かった。世界記録更新!はあ、緊張したわ…。


26:宮原知子
コンビネーションジャンプ、今日は回ってると思ったがレビューついてる。どうなってたんだろう。解説は大丈夫と太鼓判だが…。
団体戦の方が演技自体は良かったと思う。今日はちょっと慎重に見えた。得点が出る。おお、今日は回転不足なかったようだ、いいところに入ってきたぞ!良かった!回転不足は素人には一瞬のことでわかりにくいから、それが心配な選手は点が出るまで気が抜けないというのは心臓に悪いなあ…。特に彼女は転倒の心配等がほぼないだけに。


27:ケイトリン・オズモンド
素晴らしい素晴らしい素晴らしい!ジャンプの高さに幅、降り方の余裕、全部絶品。アクセルでは唸ってしまいました。そして彼女の笑顔に合わせて作ったみたいなプログラム。これはすごい点が出るだろうな、と思ってたらやっぱ出たああああああ!カナダの応援席は相変わらず温かいなあ。


28:アリーナ・ザギトワ
コンビネーションのセカンドループえげつない。フリップの入り方もえげつない何かに見えましたが気のせいですか。後半の支配感っぷりは恐ろしいくらいだった。技術点の速報、ちょっと待って何あれ。言語中枢が崩壊して呆然とテレビ画面眺めてたら、ぎゃあああああああああああさっき更新されたばかりの世界記録がさらに更新ってぎゃあああああああああああ←崩壊


29:カロリーナ・コストナー
コンビネーションのセカンドはわざとダブルにしたのかな、トリプルにできなかったのかな。なのでループは絶対跳びたかったと思うが手をついてしまった。ジャンプミスを除いても、全体的に団体戦の方が有無を言わさぬ求心力があった気がする。でも今日の出場者の中ではひとりだけ別人だったのは間違いない。別の競技を見てる感じ。ジャンプのミスがなければすごい点が出たんだろうと思うと、それ見たかったなあ、と無い物ねだりをしてしまう。彼女の半分の年齢の少女が才能とルールを駆使して世界を震撼させた直後に、それとはまったく逆のフィギュアスケートの魅力を見せつけられる選手は彼女くらいでしょうな。


30:マリア・ソツコワ
ああ最初のジャンプで転倒…。今シーズン調子良かったのになあ。今日は少し重たそうな演技に見えた。最終滑走だものね、やっぱり緊張するよね…。レビューがものすごくつきまくってるけど大丈夫だろうかと思ってたら、うーんやっぱり点が全然伸びなかった。回転不足もあったのか、うーん…。


上位3人は男子に混ざってても問題なさそうですね…。ものすごい戦いだった…。これ書いてるのショートの当日なので、まさに最終グループを見ていた時の緊張感が頭や目や指先に残ったままです。宮原さんは全然心配してなかったけど、坂本さんについては最後までわからない部分も大きかったので、最終グループ入りはまさに快挙。フリーの滑走順を見る限りケイトリンが心配ですが、こうなったら全員ノーミス達成で伝説の大会になって欲しい!

某番組にチャンネル変えたら出演者が採点に不満言ってて、行って黙らせようかと思った…。そういうこと私情で言ったら信じるバカな視聴者が多いからやめて欲しい。テレビに出てお金もらってる以上はちゃんと勉強してから発言して欲しいです。ほかの選手もきちんと見ていたらそんなこと言えないと思う。テレビに以前ほどの力はもうないとは言え、それでも影響力は小さくなく、鵜呑みにしてしまう人は少なくない。そういった人に「それは違う」と説いて聞かせるのはものすごく大変で、場合によってはそれが純粋なものや美しいものを歪めてしまうことだってあるのです。
普段こういうこと言わないようにしてるんですけど、こういう人はテレビに限らずこれまでにも掃いて捨てる程いて、ちょっといい加減にして欲しいと長年腹に据えかねてたところなので…。誰が言ってたかは覚えてなくても言ってた内容は頭に残る。見る者の感情を揺さぶる競技なので自身の感情を乗せやすいというのはわかりますが、そこで私情を挟まず冷静に状況を判断するのが必要な場合というのは多々あるのではないでしょうか。またそれは、我々一般人も意識しておかねばならないことだと思っています。

女子フリーに続く!

平昌オリンピック雑感⑰

長いオリンピックもついに終盤。残すは女子シングルとエキシビションのみとなりました。ええもう、これが載る頃にはとっくにオリンピックは終わってるのですがそこは突っ込まないでスルーで。スルーで!!(泣)普通に考えて、このオリンピックに関する膨大な情報量の中で、わざわざこのブログにたどり着くのは難しいでしょうから、これくらいのズレ具合でちょうどいいんじゃないのかな←開き直り


★2月21日・女子ショートプログラム

女子も第1グループからしっかり生放送。冬のオリンピックの花形ですからな。
6分間練習中にリンクサイドのステファンが抜かれる。コーチは皆抜かれているのだが彼だけは何となく笑ってしまう…。今まで色々あったやん、ほれ(笑)。


1:ブレイディ・テネル
コンビネーションジャンプで転倒。そのショックか緊張か、団体戦に比べると全体的に動きが小さく覇気がないように見えた。どうにかこなしていた感じ。うーん、団体戦すごく良かったのに残念。でもそれなりに点は出てる。


2:イサドラ・ウィリアムズ
ノーミス、素晴らしい。とても丁寧に滑ってた。もう少し表現面に気が回るといいかな。南半球の選手はなかなかいないので気になっちゃいますね。しかし今シーズンハレルヤ大人気過ぎ。何曲目ですかい。ハレルヤ元年っすな。


3:アンナ・フニチェンコワ
ジャンプの転倒が2回。身体が重そうだし、滑ってないというかスピードもない。ステップやスピンものろのろ…。緊張が強かったのだろうか。本人も落ち込んだ顔…。衣装は強そうなイメージ。左だけ手袋が赤いのがインパクトありますね。


4:ディアナ・ニキチナ
おお、ノーミス。本人も涙で喜ぶ。かっこいい系のプログラムと衣装なのでもう少しキレが欲しいかな。足に鉛でも入ってるのかなという重さもちょっと気になった。回転不足もあったようで点が伸びず。
コーチがステファン。フリーに進めなかったので、コーチ姿のステファンに騒ぐのも今回のオリンピックでは今日が最後ですな。四年後のステファンは誰のキスクラに座っているのだろう。


5:キム・ハヌル
このグループではいちばん見応えがあったかな。最初のジャンプはよく転倒せずに済んだ。でも回転不足?それ以外はノーミスだったしスピンも上手いなあ。衣装もかわいい。韓国の選手は今大会皆いい演技してますね。点はあまり伸びなかったが、やはり回転不足か。あ、ほんとだふたつもある回転不足…。それじゃ得点的には厳しいよな…。


6:アニータ・オストルンド
冒頭のジャンプが1回転になってしまい無得点。これは痛い…。コンビネーションもどうにか降りた。曲に乗れてなく、カルメンで滑ってる意味があまり感じられない。手足長くて美しいのに活かしきれてない。キスクラでがっくりしてしまった。また頑張れ。


続いて第2グループ。6分間練習中の様子を見て皆動きが固いと言う解説。第1グループの選手たちもあまりいい演技ではなかったし、ちょっと心配。


7:シャンニン・リー
冒頭のジャンプで転倒。やはり動きが固い気がする。しかし美しいスピンのあとはバチッと切り替えてきた感じの演技に。リカバリーもしっかりと。それでもやはり団体戦より固いかな…。団体戦の演技はすごく良かったのでちょっと残念だが、フリー頑張って欲しい。って進める?あ、ギリギリ進めるね。思ったほど点が出なかったのはやはり回転不足か。ああ、やはりそのようですな。


8:アレクシア・パガニーニ
衣装も名前も豪華で華やか。やっとあまり緊張感の見られない選手が現れた。オリンピックの重圧ってやっぱり凄いのね…。安心して演技を見られました。ミスもなくまとめあげていて良かったです。本人も嬉しそう。


9:アイザ・マムベコワ
単独のジャンプよく転ばなかったな。全体的に少しだけ重そうというか、もう少しキレが欲しいかなあ…。ステップは楽しそうだった。レビューいっぱいついてるし回転不足が多かったのかな。ああ、やっぱりそうか…。うん…。衣装はブラックでクールな感じ。


10:エミー・ペルトネン
最初のコンビネーションジャンプ、高くて綺麗。単独ジャンプは転倒かな、ここが惜しかった。緊張のせいか曲を掴んで演技と合わせてる選手が今のところいなかったので、そこが出来てるとやっぱり見応えも出て面白くなってくるな、と改めて。悩ましげな表情と整った顔立ちも雰囲気出してた。


11:ラーキン・オーストマン
ショートヘアかわいい、モデルみたい。これは久しぶりに超美人の選手が現れた気が…。実は6分間練習から釘付けになってたくらい美しいです。素敵…。
コンビネーションのセカンドで転倒してしまったが、迫力とスピードのあるジャンプはさすがカナダ女子。しっかり曲も聞いて踊ってるし引き込まれる。強豪国の代表選手だけある。後半は少しだけお疲れかな?うーん、点が伸びないな。フリーでもう一度見たかったので残念。


12:マエ・ベレニス・メイテ
コンビネーションジャンプ、手をついてしまったがよくセカンドつけた。そのミスはあっても団体戦よりずっといい内容だったと思う。もっとキレのある滑りができるんじゃないかなとは思ったけど、ベテランの余裕があった。衣装がとっても豪華。近くでじっくり見たい。


整氷タイム中に日本フィギュアスケート界が歩んできたオリンピックの歴史の映像がぶちこまれる。伊藤みどりがもし今現役の選手だったら全種類4回転跳べそうだなっていつも思います。めっちゃ見たいけど男子の大会に出てくれって言われそうだなそれ(汗)。ソルトレイクの本田君とソチの真央ちゃんはメダル取ってないけどこの映像に入ってるのすごいよな。でもやっぱり羽生君の今回のSEIMEIの究極感がこうして見ると凄まじい。自分の生きてる間にこれ以上の選手もう見られないだろうな…。
どうやらあまり客入ってない様子。前半グループだし平日だからかな。その席に座らせてくれ(泣)。お金さえあればそこ行ってるようおおおおお(泣)。

競技に戻って第3グループ。6分間練習中に画面切り替えを要求される。まあこのタイミングなら問題ないかな。よく考えなくても第2グループ終わってもずっとテネルの技術点がカウンターに表示されっぱなしなのすげえな…。


13:カイラニ・クレイン
とりあえず大きなミスはなしかな?助走長かったけどタノジャンプもしっかり。おおオールグリーン。楽しそうに滑ってて見ててウキウキ。白い手袋がいいアクセントになってる。固い演技が続いてるのでここからいい空気になるといいなあ。


14:イヴェット・トス
かっこいい衣装。選曲も含め女子の競技でこういうの珍しい気が。面白いな。なかなかの演技だったので単独ジャンプの着氷がもったいないなあ。しかも回転不足のようだ。ちょっと痛いですね。最後の挨拶でつまずいてたけど大丈夫?


15:ジャーダ・ルッソ
最初のジャンプをコンビネーションにできず、次でコンビネーションとして跳ぶはずが転倒してしまった。これは得点が厳しいか。滑り自体は良かったと思うが、ちょっと難解な曲で、こんなところで終わっちゃうんだという唐突感もあるプログラムは謎かも。黒一色の衣装はシックで素敵でした。ジャンプ逆回転?


16:ルナ・ヘンドリクス
上手いなこの選手。手の表現がとても目を引く。豪快なタノジャンプから入るコンビネーションは良かったが回転不足の様子。単独ジャンプも抜けてしまったのか。これは得点的に痛い。てかこの辺で画面切り替えを要求されたので気が削がれて実はよくわかりませんでしたよ!バカー!せめてスローの時に切り替えがあればなあ(泣)。


17:ニコル・ショット
いい演技だ…。ジャンプも全部成功。コンビネーションは一瞬ちょっと怪しかったように見えたが問題なかったみたい。曲の余韻を噛み締めるようにアクセルからスピンに続くラストがとても良かった。曲のイメージを損なわないゆるやかな演技。素晴らしかったです。


18:ニコル・ラジコワ
緊張してるのかなと最初の表情で思ったけど、大丈夫だった。彼女もしっかりまとめた。ジャンプ降りたあと綺麗に流れるので印象がいい。確実な演技だったと思う。さっきからよく咳き込む音が入るが実況の皆さん大丈夫か?


長くなったので、第4グループ以降はまた明日。

答えのないことにもっともらしくあてはめた答えだとわかっていても

今週のお題「ねこ」

平昌オリンピックの記事はまだまだ続くのですが、この話は書き留めておきたいかな、と思うお題が提示されたので、いったん休止してお題の記事を書いてみます。オリンピックも終わっちゃったので、1日2日延ばしてももうそんなに変わらないかなって(汗)。記事が長過ぎて数日に分けて掲載していたのでどんどん時差が発生しちゃってたんですよね…。既に記事は最後まで書いて予約投稿してあるのですけど、最後の記事が載る頃にはもうオリンピックも世間的には遠い昔のことになってそうでちょっと切ない。


よくある質問に「犬派か猫派か」尋ねるものがありますが、もしどうしてもどちらかを選ばないといけないとなれば、私は猫派です。どちらか以外を選べるなら即答でうさぎ派なんだけど(笑)。犬よりは猫の方がうさぎに近いような気がするじゃないですか。だから猫かな。もちろん犬もかわいいですけどね。動物は裏切らないから人間より好きです←闇を感じる発言

動物に関する不思議な話は時々耳にしますが、特にそういう話題が多いのも猫かなあと思います。私も実際に、何度か猫の行動に不思議なものを感じたことがあったりします。自分が飼ってたわけじゃないので、それを考えると余計に不思議だな、と思ったりして。
その中のひとつの話を、今日は書いてみようかなと思います。なんとなく、今書いておかないといけない気がして。

あれはもう10年以上前のことでしょうか。時刻は確か夕刻、私は屋外のベンチだったかなんだったかに座っていました。
その付近を猫が通りかかりました。野良猫だと思います。どうも近くに生まれて間もない子猫を隠していたようで、その猫は子猫をくわえてどこかへ運ぼうとしていました。
普通に考えれば、そういう状態の母猫は相当気が立っているはずです。なので、そっと見守っているだけだったのですが。

突然、母猫が、私の近くまでやって来たのです。
口にくわえていた、たぶんまだ目も開いていない子猫を地面に下ろすと、母猫はその場に座ってじっと私を見つめました。

私は猫の生態に詳しくはありません。だから、そういうことは実はよくあることなのかもしれません。
けれどやはり、野良猫の行動としてはあまり考えられないことのような気がしました。子猫を連れている野良猫には何度か遭遇しましたが、「目があっただけで怒る」という猫が大半だったと思います。怒らない猫もいましたが、少なくともこんな生まれたばかりの子猫を連れてはいなかったです。

近くに人が来て驚いたのかな、詳しくは忘れてしまいましたが、母猫は子猫をくわえると再びどこかへ行ってしまいました。

野良猫と言ってもそんなに人を恐れている感じではなかったし、「大変だからこの子飼ってくれ」って言いに来たのかな、なんて思ったりもしてるのですけど、あの時の母猫の真っ直ぐな眼差しは、なんとなくそういう意図ではなかった気がするんですよね。もちろん全部私の勝手な想像なのですが。

その頃の私は、色々あってたぶん壊れる寸前でした。
人には4パターンあると思うのです。あくまでたとえなので、深く受け取らないで読んでください。

しっかりした土台を持って生まれて、その土台をさらに固めてもらえた人。
しっかりした土台を持って生まれたのに、その土台にひびを入れられた人。
壊れた土台を持って生まれたけど、その土台を固めてもらえた人。
壊れた土台を持って生まれて、さらにその土台にひびを入れられた人。

私は4番目のパターンに近いかな、と自分で自覚しています。人のせいにするなって言われるかもしれないけど、まずこれを自覚することから始めて人生を作り直さなければならなかったので、まあその辺はとりあえず流してもらえたら。

自分でも自分の不安定さにはずっと恐れを抱いていました。壊れた土台の上に人生を積み重ねているので、それはもうグラグラとして危なっかしいのです。私は自分が長く生きられないような気がしていました。人生のわりと早い段階で、絶望して自分で強制リセットをかけるか、どうしようもないくらい崩壊して生ける屍になるか、のどっちかだろうと予想していたのです。こんな壊れた人間が生きていけるような世界はどこにも無いし無理だと思ってた。だから将来のことなんて考えもしなかったし、生きているなら自分のためではなく自分に寄りかかってくるだろう誰かのためにお金を稼げる自分になる、それくらいしか目標もありませんでした。そしてそれは私の望みではなく、そうでないと自分は生きている価値がないと思っていただけのことでした。

あの猫に会った頃の自分は、その自分が予想していた事態にわりと近い状態だったんじゃないかな、と思います。どうしてこんなことしかないんだろう、というどうしようもない人生でしたが、あの頃もまた、その中でも最悪に近かった状況のひとつでした。
だから思うのです。あの猫はそれを見抜いてたんじゃないかなって。
おそらくは目もまだ見えず、ただ必死で生きようと手足をばたばたと動かす子猫をわざわざ見せることで、伝えようとしてたんじゃないかなって。
生きろ、って。

もちろん、全部私の勝手な想像です。私の話を聞いてそういう解釈をした人がいたこともあって、その説を取り入れてとりあえずそんな風に考えてみることにしたのですけど、深い意味なんかまったくなくて猫にはそもそもそんな本能?があるだけなのかもしれないですし。私が知らないだけで。
ただ、最近すごくあの猫のことを思い出すのです。きっとあの頃のように、今の自分が最悪の状況にいるからでしょう。あの頃はまだ助けてくれる人もいたし、自分で何とか立ち上がる余力もありましたが、今は本当に何もありません。あの頃よりもっと悪いかもしれません。
だから自分のために、この話を書いておくことにしました。

正直、自分がリセットもせず崩壊もせずにこの年齢まで生きていたことが不思議でしょうがないです。グラグラ揺れる人生はただなぞるだけでも難しくて、自分で自分の土台を固める作業もこんなに難しくてうまくいかないものなんだな、と何度も何度も絶望してきたので。すっかり疲れ果てて、今はわりと「無」です。麻痺してる、という感覚に近いかな。
自分がこれからどうなるのか、今は全然わかりません。道は決まっているのですが、きっかけが掴めず足踏みしていて、このままではもう駄目だろうということしかわかりません。
ただ、まだ生きていてもいいのなら、この壊れた土台を少しずつ固めながら生きていけるような、そんな道を選びたいと思っています。もう遅いのかもしれないけれど。

わりと知らない猫がついてきたりするタイプなので(タイプと言うのも変かもしれないが)もしかすると猫に好かれやすいのかもしれず、「この子飼ってくれ」だったんじゃないかなあってやっぱり思ったりもしてるんですけど(笑)、あの時の猫の親子の姿を時々思い出しながら現在のこの日々を過ごそうかな、なんてぼんやり考えてる今日この頃です。でもやっぱり勘違いかもしれないし、理由がなんだったのか知りたいなあ、という気持ち。何であんなに私のこと見てたのかなあ。全然知らない猫のはずなんですけどね。


そんなわけで、明日からはオリンピックの記事に再び戻ります。よろしければまたお付き合いください。そう言えば猫が羽生君の演技に釘付けになる、みたいなニュースを昔見たことがあったけど、その理由は一体何なんでしょうね?猫と一緒に羽生君を見るなら少しは落ち着いて観戦できるかしら(←試合の数日前から緊張で吐きそうになる←しかもここぞという試合は羽生君が滑る前に掃除して風呂入って禊してから正座で見る←ええガチファンですすいません)。あとフィギュアスケートのファンにとっては猫と言えばあ…か…、いや、いやいや何でも(笑)←そのプログラムも含めてその人の大ファンですけどね(笑)

平昌オリンピック雑感⑯

オリンピックが始まってからというもの1日1日がたいへん長かったのですが、男子で燃え尽きてしまって以来なんか突然時の流れが早くなってきたのを感じてます。もうアイスダンスのフリーだよ!あともう女子とエキシビションしかないのかよ!誰か嘘だと言ってくれ!

てなわけでアイスダンス。第3グループの途中からですが生中継がありましたのでドキドキしながら見ました。放送されたのは全体の半分以下ということになりますが、まったく見られないよりはずっと良かったです。何せ普段はほとんど放送のない種目ですからね…。ただ欲を言えば、こんなに熱い戦いを地上波で放送しなかったのは、たぶん日本社会において何か大きな機会を損失する結果に繋がったのではないか、ということは思っちゃいました。次に生中継されるのってやっぱり四年後なの?(泣)


★2月20日アイスダンス フリーダンス

第1グループは本日も丸々カット(泣)。第2グループは村元さんたちのみ録画で放送されました。


8:村元哉中クリス・リード
オリンピックの最後の最後にこの演技。彼らの今までの演技でもいちばん良かったのでは。日本の四季の移り変わりを物語る、情趣溢れる滑り。花吹雪が鮮やかに舞う。
技術はほかのカップルには及ばないかもしれないが、このプログラムはおそらく彼らにしか滑れない。フリー進出だけでも素晴らしいのに、きっと日本のアイスダンスの未来は開けると感じさせた。順位以上のものがあったのではないかな。


第3グループは最初の3組が放送されず。残り2組から生放送されました。男子はもう緊張し過ぎて意識が朦朧としてたので(汗)、しばらくぶりに競技のビリビリ感を存分に味わえてめっちゃ楽しい!はー、せめて国内で行われる国際大会くらいには行けるように生活が安定してくれればなー(泣)。現状まったく何も未来が見えなくて、オリンピック終わったら支えを失って廃人になりそうだよ自分(汗)。


14:マディソン・チョック&エヴァン・ベイツ
てなわけで生中継はここから。あー、ツイズルずれてたかな…。さすがリアルカップル、えもいわれぬ優しい滑りだなと見惚れていたらまさかの転倒。アイスダンスで転倒なんて珍しい気がするな…。鋭いリフトは穏やかな演技においてピリッとしたスパイスになっててかっこよかった。


15:エカテリーナ・ボブロワ&ドミトリー・ソロビエフ
これ、ボブロワの演じる誰かは目が見えないのか。中盤で少女のようにはしゃぎだすのは見えるようになったのかな。でも本当に何も見えてないのは彼女ではなく彼だったのか…、などと想像しながら見ていたら、ああ実況がこれは男性の幻想だったみたいなこと言っている。だからあのラスト…。
むちゃくちゃいい演技でした。涙出そうだった。ていうか滑りマジで綺麗。


ついに第4グループです。解説が6分間練習中のシブタニ兄妹に言及し、体型が似てるから動きが揃う、的な話をされてて、なるほどなあと思いました。兄妹だったらそりゃ自然に似るもんね。血縁だとそういう強みがあるんだなあ。
普段なかなか放送されないためアイスダンスの知識が死ぬほど薄い私でもわりとお馴染みなメンツによる最終グループ。誰が勝つんですかこれ…。緊張してきた…。


16:アンナ・カッペリーニ&ルカ・ラノッテ
衣装が白から赤に変わっちゃったのか。これはこれでかわいいけどこの会場だったらやっぱり白が映えるかな。逆さまで振り回されるアンナさんは頭に血が上らないのかドキドキしてしまう。わりと最初の方なのにすげえ。リフトが全部語りかけてくるようです。ああでもそのリフトで減点…。


17:マイア・シブタニアレックス・シブタニ
非の打ち所がなかった。ため息が出るほど美しいステップ。ツイズルでミスをしないのがどれだけ難しいのかは素人でも競技を見てると揃わない選手が多くてわかるので、あれだけぶれないのは本当にすごい。魂がこもってた。いいもの見せてもらった。素晴らしかったです。


18:ガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン
実況黙ったよねこれ。解説も最低限のことしか言わない。ホントは喋りたくなかったんじゃ…。すごすぎると言葉失うよねわかる。なんかもうこれ無料で見ていいのかってくらい絶品だった。圧巻。なんという高貴な月光。いろんな人が滑ってる曲だけどこんな月光初めて見た。有機物とは思えないくらい冷たく整っておそろしく美しい何かだった…。
心臓バクバクしてきた、メダルの行方どうなるのこれ…。ってきたあああああ記録更新!ぎゃああああ!


19:マディソン・ハベル&ザッカリー・ドノヒュー
緊張しているのかなあ、少し動きが小さいというかパワーがないような…。NHK杯でこのプログラムを見た時はもっと自信に溢れてる気がしたのに。ああ、最後のツイズルで手をついてしまった。手をつくと転倒になるのか…。これがオリンピックか…。キスクラで顔を覆うドノヒューをぽんぽんしてあげるハベル。四年後のリベンジ待ってます。


20:テッサ・ヴァーチュー&スコット・モイヤ
言語中枢崩壊。パパダキスとシゼロンが音楽そのものだとしたら、彼らはふたりの生きている人間の人生のすべて。最終滑走、彼らの演技でメダルの色が決まる。その緊張感の中でこの演技。解き放つリフト。もうこれ勝ち負け決めなきゃいけない意味がわからん。何この超決戦。団体戦滑ったら選手は疲れるみたいに文句言ってた皆さん、どうやら実力さえあれば関係ないようですよ。お見それしました…。すごかった…。納得の金メダルです。おめでとう!
なんというか、ペアからずっと、出場者の中でもっとも思いの強かった者が最終的に勝つ、という結果になってる気がする。神はリンクにいるけれど、最後に勝つのは誰よりもその競技に懸けてきた人の心、という印象です。


ああもう生放送最高です。最終グループの緊張感とワクワク感はちょっとヤバいくらいでした。男子もそうではあったんだけど、それ以上に緊張し過ぎて燃え尽きて意識なかったので(汗)、今度こそホントにしっかり堪能できた感じです。表彰台の面々は皆この結果に納得できる演技でした。金メダリストだけでなく、勝つべき人が勝ってるってずっと納得しながら見られるオリンピックでたいへん清々しい。それだけ皆が実力を発揮した僅差の熱い戦いが続いているということですね。

そんなわけで、このしょぼくれたファンのオリンピック感想文もそろそろ終盤です。これが載る頃にはたぶんオリンピック終わってますけど(汗)、余韻を味わうつもりで今しばらくお付き合いいただければ幸いです。
ついでのようで申し訳ないのですが、皆様がはてなブックマークでコメントをくださっていたのに今更気付きました、たいへん申し訳ありません…。実は私、そもそも「はてなブックマークとは何か」というレベルでよくわかってなくて、自分に向けてコメントが成されるものであるということをまったく知りませんでした(汗)。コメント返しもできないシステムなのかな、何せ滅多にブックマークなんぞされないもので完全に放置してまして…(汗)。とりあえずこの場を借りてお礼を述べさせていただきます。読んでくださる方がいらっしゃったというだけで天にも昇るほど嬉しいです。ありがとうございました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

平昌オリンピック雑感⑮

男子シングルが終了してからというもの、私は完全に呆けておりました。これ以上に面白いフィクションを作り出すことは人類にはもはや不可能でしょう。人類を超える天才的なストーリーテラーが現れることを願うばかりです。手塚治虫とかエジソンとかアインシュタインレベルの←どの程度の天才かというたとえなんで細かいことは気にしないでくれ…
燃え尽きました。完全に燃え尽きてました。テレビを見ていただけでこんなに燃え尽きるなんてもう人生にあるのかどうか。あるとしたらそれは羽生結弦が引き起こす物語しかないだろうという気がしています。

燃え尽きながらもブログは書き進めていましたが、これがもう長くて長くて全然書き終わらない(汗)。しかも書きながらまた泣き始め、泣き疲れてさらに燃え尽きる(汗)。最終的には書き尽くすことをちょっと諦めました…。また落ち着いたら思い出としてぽそっと書いたりしよう…。そうこうしているうちにアイスダンス始まっちゃったよ!競技から数日遅れる形で記事を掲載する形にしておいて良かったです…。でないと推敲が間に合わず、オリンピックにまったく関係のないとりあえず書きためていた記事が突然載るところでした(汗)。いや、それでも別に構わないんだけどな。気にする奴ぜってーいねーし(笑)。

さて、アイスダンスです。実は生中継を見ることができなかったので、夕方以降に地上波とBSで流れた録画放送を見ての感想です。しかも地上波は最初の方をたぶん見逃しているので、もし実際には放送されたのに記述がない、というカップルがあればそういうことです。すみません。どちらにしろ前半グループはほぼカットではないのかなと思います。


★2月19日・アイスダンス ショートダンス

BSは第1グループと第2グループを丸々カット、第3グループの第1滑走もカットで、それ以降は6分間練習などを除いてきちんと放送されたようです。地上波はたぶんもっとカットされて後半グループしか流れなかったんじゃなかろうかと思いますが、はっきりわからなくてすみません。地上波の方が先に録画放送がありました。


11:ルツィエ・ミズリヴェチュコヴァ&ルカーシュ・チェーレイ
お名前の記述がよくわからず、間違ってたらごめんなさい。独特なデザインの衣装ですな…。解説が結構厳しい指摘をしてるなあ。その内容はわからないことも多かったが、あまりスピードがないと言うか、ゆったりし過ぎて曲に合ってない感じは確かにあった。


12:ミン・ユラ&アレクサンダー・ガメリン
団体戦は衣装が脱げそうになり大変だったようですが、今日はしっかり対策したようで思いっきり滑れてる。良かった…。そもそも大胆な衣装であることは変わりないのね(笑)。
後半はすごく良かった。地元ということもあってか、会場の視線をまさに一点に集めてる。ちょっとした仕草が挑発的でかっこいい!いい点が出た様子、キスクラで泣いてる…。良かったね…。


13:ナタリア・カリシェク&マキシム・スポディレフ
滑り出す前の氷上に立ってるだけの時からぱっとリンクに薔薇が咲いたよう。とても華がある。細かいことはわからないしキレキレってほどでもない気はしたが、私は見ててとても楽しかったです。


14:村元哉中クリス・リード
わりと最初の方の、僕と踊りませんか?みたいな表情のクリスが胡散臭くてたいへん良い(笑)。ツイズルがちょっとずれてたっていうか崩れてたのはわかったが、それ以外は良かったんじゃ?日本人の感性でラテンを噛み砕いてる感じ。


続いて第4グループ。


15:シャルレーヌ・ギニャール&マルコ・ファッブリ
女性の手の表情というか、音の合わせ方がすごく自然で目がいく。スカートのふわっとしたデザインがリフトをたまらなく豪華にしてた。ツイズルは素人が見ててもミスがあるとわかるくらいだから、やっぱり合わせるの難しいんだな。


16:パイパー・ギレス&ポール・ポワリエ
パイパーさんの衣装がめちゃくちゃ素敵。ショートダンスで見掛けた衣装の中でいちばん好きかも。ラテンというより大物歌手のステージ衣装のようだが。って何だよそのたとえ(汗)。ポワリエも途中で袖が派手に。あれどうなってんの?(汗)一気にラテンの雰囲気になる。楽しく見られました。


17:ケイトリン・ウィーバー&アンドリュー・ポジェ
人間の動きってこんなにぴったり合うものなんだなあ。ステップがめっちゃかっこいい…。解説によるとツイズルは苦手なのかな。でもリフトかっこいいー。全体的に世界観みたいなものがぎゅっと迫ってきて、やっぱり上位グループなんだなあと。


18:マイア・シブタニアレックス・シブタニ
団体戦に続いてさすがすぎ。笑顔素敵すぎ。古き良き時代の映画のワンシーンみたいでとても上品。団体戦の時に社交ダンスみたいだなあと思ってたけど、やっぱりそうなんだ。あー、何度でも見られるわこれ。すっごく良かったです。


19:マディソン・チョック&エヴァン・ベイツ
チョックさんの衣装が極彩色で、南国の鳥みたいですごく野性的。ある意味いちばんラテンかも。さっき滑ったばかりのシブタニさんたちがいたダンスホールから、突然アマゾンに放り出された感じ。全然違う個性で面白いな。って意味不明ですみません(汗)。
リフトがすごかった。どうなってんだあれは。オフアイスでもカップルとしれっとぶちこむ実況(笑)。


そして最終、第5グループ。なかなか放送がないためあまりアイスダンスをわかっていない無知の私にも、これから頂上決戦が始まるというのは理解できます。ワクワク。


20:テッサ・ヴァーチュー&スコット・モイヤ
すげええええ何これ。何これ。何これえええええ←言語を司る脳の機能崩壊
ああ、リンクが狭く見える。これは死ぬほど豪華で気位の高い豹か、それとも死ぬほど豪華な呪術を操る魔女か。スコットの添え物じゃない主張っぷりがやっぱ好きだわ。
あ、ステファンが客席でスタオベしてるのが映った。キーガンもいる?出たああああああ世界最高点!


21:ガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン
アマゾンから王宮に献上された緑の鳥みたい。黄金比的な美しさと言いますか。うん意味不明…。
前半めっちゃ良かったけど、ツイズルで近づきすぎたとかで危なかった様子。スローを見ると確かにギリギリ?なんか最後の方カメラワーク変だった。一瞬切れてるような…。途中で衣装の肩紐ずれてたのでそのせいかな。BSはスローもなかったので何かあったんですね…。キスクラで表情がこわばっててつらい…。あの肌色の布あんまり使っちゃいけないのかな、アイスダンス。生肌出てる人多いよな…。


22:マディソン・ハベル&ザッカリー・ドノヒュー
ハベルさんの衣装が青い蛇っぽい。ヌメヌメした滑りにイメージが合ってる気がする。てかさっきからずっと動物系だな←私が勝手にそう思ってるだけ
なんか酒飲みながら見たくなるね彼ら。飲まないけど(笑)。ツイズルの回転がちょっと、みたいな話をする解説。スローで見てもそんなんわかんねー。アイスダンス面白いけど難しい。たぶん細かいこと覚えられないと思う私…。もういいや楽しく見よう←諦め


23:エカテリーナ・ボブロワ&ドミトリー・ソロビエフ
あ、なんか人間の世界に帰って来た(笑)。カーニバルの夜って感じ。細かく見ると色々あるのだろうがめっちゃ楽しかったですよ自分は。前半はなんか滑りが広いというか深いというかぐいーんとしてて、最後はめっちゃ盛り上がる。なんかスカッとする踊りだった。意外と点が出てないよーな。


24:アンナ・カッペリーニ&ルカ・ラノッテ
これ午前中から放送されたんだよね、時間帯違わない?みたいなカップルが多かったが、彼らだけは早朝から流れてもアワアワしなくて良さそう。細かい音まで拾ってて子供が見てても楽しめそうです。いっしょに歌い出したくなる。スローでの解説を聞いてからもっかい見たい。


規定なのでしょうがないとは言え、ラテンばっかで自分が飽きてしまわないか心配してましたが、そんなこともなく面白く視聴できました。おかげでちょっと燃え尽き状態から戻ってきた…。男子の前日くらいから緊張であまり眠れてなかったし、終了後はエネルギーが身体から消えて食欲もなかったのです。何で終了してからの方が食欲ないのかよくわかんねえな(汗)。

てなわけで、フリーに続く。

平昌オリンピック雑感⑭

いよいよ男子シングルの覇者が決定します。我々はこの2018年2月17日にこの世に在ったことを神に感謝すべきでしょう。こんな最高の戦いを見守ることが出来たのだから。
羽生結弦氏のおかげで久しぶりに超絶ポエマーモードに突入してしまったので書いても書いても記事が書き終わりません(汗)。ショートは羽生君だけで項目分けた方がいいくらいでしたね(汗)。でもさすがに今回で男子は完結させられるはず(希望)

 
★2月17日・男子フリー②

第4グループ。泣いても笑っても、これが最後。この日を逃がせば、次は四年後。新たな始まりへ向けた、完結の時。
6分間練習に向かう直前のリンクサイドの羽生君は今日も穏やかな表情だった。消え入りそうな程儚い横顔をしていたあの青年が、挨拶をしながら観客に向けたその顔は、引き絞るように鬼神と化していった。金の刺繍がきらきらと輝く品のいい白い衣装は、恐ろしいほどにリンクの紫に映えていた。まるで彼のためだけにこの舞台が用意されていたかのように。

 

 19:ドミトリー・アリエフ
開始直後に壁にぶつかりそうになってしまう。スピードが出過ぎた?ふたつめのジャンプの転倒がとても痛そうで、そのあとのジャンプでも転倒。コレオは歌うようで美しく、少し立て直したかと思ったがまた崩れてくる。スピードもまったくなくなってきた…。よく最後まで滑りきった。ショートと全然違う内容になってしまって残念だったが、堂々の最終グループ入りでした。

 

20:ボーヤン・ジン
壁にぶつかりそうなルッツは今回も健在です。最高の出だし。しかし後半の4回転トゥループで転倒してしまった。それ以外のジャンプは良かったのでは。後半少し重そうにも見えたけど、さすがのボーヤン。だから壊れるってばカウンター。
キスクラ。僅差でネイサンをかわした。ボーヤン泣いてる…。これがいつもの試合ならここでもらい泣きだが、もう必死で耐えました。泣くと前が見えない(泣)。

 

21:パトリック・チャン
アクセル今日は転倒せず。最後の最後に仲良くしてくれた(泣)。ステップでふらつくなどらしくないミスも見られ結果は振るわず。演技中の笑顔にぐっと涙をこらえた。それはリンクに別れを告げていく人の笑顔だった…。寂しいよ、パトリック。でも本当にありがとう。あなたが滑っていったその美しい軌跡を、きっと誰かが辿っていくだろう。

 

22:羽生結弦
神の息吹がリンクにかかる。スピードを抑えているのか、ややいつもよりゆっくりと滑り出す。サルコウトゥループ。ソチでミスをしたフリップ。非の打ち所のないジャンプが続く。最高の出だしだ。
ステップもあまりスピードがない。本来の羽生君はもっと軽やかで、この世のものではないかのように舞っている。だが今日の羽生君は、必死で氷にしがみついているように見えた。怪我を抱えていた体が限界に来ているのかもしれない。鎌首をもたげてくる不安を押さえつけながら、祈るように見守った。
サルコウのコンビネーションが決まる。安心したのも束の間、トゥループのコンビネーションが入らない。だが直後のアクセルのコンビネーションを咄嗟に3連続に切り替える。これが出来るのが羽生君なのだ。いつでも彼を救ってきたのは、このトリプルアクセルなのである。
ループは問題ない。ルッツは耐えた。トゥループといい、それらの着氷のミスは通常の羽生君のミスとは違うように思えた。足が限界なのではないか。心配過ぎて涙も出ない。
ルッツからすぐにスピン。そして、過去に見たこともないほどの、本当に鬼神が宿ったようなコレオ。あの目を忘れられるだろうか。気力を振り絞って、絶対に絶対に勝ち切るのだというあまりに強い意志をその目と足元に宿して、羽生君は滑っていた。それは人間・羽生結弦の姿だった。本当は鬼神であるはずの存在が、人間に身をやつしているように思えた。今まででいちばん、羽生君が人間に見えた。それはつまり、彼がまったく本調子ではないということ。それを最後の最後に、神が種明かししたように感じた。
トリプルアクセルは1本だけ。昨シーズン跳んでいた4回転ループも入っていない。彼の本来の力は明らかにこんなものではない。ここまでしか戻せなかったということだろう。それでも圧巻の得点が画面に映し出される。GOEがマイナスされるジャンプがふたつあり、コンビネーションのセカンドもひとつ入れられず、4回転はトゥループサルコウだけなのにこの点。後続の選手がひとつでもミスをすれば勝てないだろう。ただ、ノーミスだった場合はギリギリの勝負になる。泣いている場合ではなかった。あとふたり。息をするのも忘れるほど、私はテレビ画面を見つめた。

 

23:ハビエル・フェルナンデス
少し詰まったようなジャンプが見受けられ、緊張もあるのかなと思ったら後半の4回転がダブルに…。大きなミスはこれだけだったと思うが、結局これが勝敗を分けた。ただ、その4回転が跳べていたとしてもどちらが勝ったかはわからなかったかな、という点差だったのではないか。
数年前であればこれは勝てないミスではなかったはずだと思うけど、時代はあまりにも進んでしまった。でもこの最高の戦いにおいて彼が獲得した銅メダルは重い。ソチで届きかけていたはずのその手からすり抜けていったメダルを、今度こそ納得のいく形で手に出来たのではないだろうか。
待機部屋のボーヤンだけが顔が笑っていない。気持ち分かる…。メダルの色以前にメダリストになれるかどうかがかかる、いちばん複雑な立場が彼だっただろうから…。

 

24:宇野昌磨
最終滑走。羽生君と昌磨君の金メダル争い。こんな痺れる展開があるだろうか。日本人同士がオリンピックで頂点を競うなど、数年前まで誰が想像していただろうか。
冒頭の4回転ループで転倒。これで金メダルは消えたと思ったが、彼はとにかく読めない。最後までまだわからない。ショートに続きやはりジャンプの着氷が詰まったりこらえたりしている印象。結局ハビエルとの争いになったが、競り勝った。堂々の銀メダル。
最終滑走でも全然心配してなかったが、本当に全然心配のいらない演技だった。もう二度と戻ってこないこの激戦に幕を引き、選手たちを讃えるように流れるトゥーランドット。最終滑走にふさわしいプログラムだったと思う。
…ただ、滑ってる本人はここがオリンピックという通常は特別視される舞台であることを理解してないんじゃないかとちょっと思った(汗)。そんな選手今までいた?(汗)いたかもしれないけどメダル取るような選手だった?(汗)すごすぎる…。この境地には訓練では至れないと思われるので、まさに彼の最強の武器だと思います。化け物が二人も日本から生まれちゃったよ。もう最高に楽しいです(笑)。

 

結果が出て号泣した。何年も前から、私は羽生君が連覇することを予感していた。それはいつしか確信に変わってさえいた。ただ、どこまでいっても根拠のない私のただの勘であり、それは絶対だなどと言ってもいいのかわからなかった。何年分かの緊張が解けた瞬間。信じていたものはどうしようもなく真実だったとやっと確かめられた瞬間。
待機部屋の羽生君の涙にもう嗚咽が止まらない。あまりにも美しい涙だった。この数ヶ月、不安だったに違いない。今日の様子では相当無理をしていたのではないか。張りつめていたものが溢れだしたように見えた。羽生君の涙は過去に何度も見てきたけど、今まででいちばん胸に迫った。言葉が出なかった。

 

フラワーセレモニーが始まる。というかぬいぐるみセレモニー?(笑)それに向かうハビエルと昌磨君と羽生君の3人。肩を組み話す3人の姿にとても幸せな、何と形容していいのかわからないほどのやわらかな気持ちを抱いていたら、また羽生君が泣いている…。うおおおハビエル何を言ったんだ、その人に泣かれると涙腺がブッ壊れるんだよう(泣)。そのあまりに美しい光景のそばに立つ昌磨君がさっきから平常心過ぎてびっくりしてるんですが!君オリンピックのメダル取ったんですよ、超すごいことやったんですよ!わかってますか?!(笑)

ジャンプして上がる表彰台。ずっと見えていた、きっとみんなに見えていた未来に、今世界の時が追いついた。待ってた、この日を待ってた。音に合わせて腕を広げる茶目っ気に溢れた羽生君。ああ、羽生君だ。羽生君が戻ってきたんだ…。
同じ国の選手が同時に表彰台に上がる光景と言えば、思い出すのはソルトレイク。本当に嬉しそうなヤグディンとまったく目が笑っていないプルシェンコの凄まじい対比が今でもありありと思い出せる方は少なくないのでは(汗)。あれはあれで好きなんだけどね(笑)。あの時とは天と地ほども違う和やかな表彰台。私は個性の爆発した(笑)トリノの表彰台が大好きだったが、今回それを越えたと思う。一生忘れられない表彰台だろう。
昌磨君の頭をなでなでする羽生君の姿は「これが世界平和です」としか言いようがなかった。ライバル対決で煽り続けたマスコミやら、どちらかの選手を貶めるようなことを言ってきたどちらかのファン等々やらは、この光景を見て自分が恥ずかしくなったんじゃないのか。それでも洗い流されず悔い改めもしない者に、フィギュアスケートというひとつの芸術を解する心があると考えるのは私にはおそろしく難しい。

ところで昌磨君のインタビューがいちいち傑作すぎなんですけど!笑えてきたとか表彰式このあとなんですかとか!こんなオリンピックメダリスト初めて見ました!(笑)最高過ぎる(笑)

 

その夜に行われた(笑)メダルセレモニー。昌磨君めちゃくちゃ表情固い(汗)。悔しいとかそんなんじゃなく「何でこんなに人いるんだろう」みたいな、赤ちゃんが知らない大人を不審そうに見てる時みたいな表情というか(汗)。よくわからないたとえですみません(汗)。とにかく大物過ぎる(笑)。
今大会はこの3人でホントに納得です。神が我々に与えた奇跡が追い続けた背中と、その奇跡の背中を追い続ける、いつか誰かに追い続けられるだろう背中と。感無量を通り越して何も言葉が見つからない。中継のあとに本気で泣いていた織田君の気持ちが痛いほどわかります…。

 

そしてだんだんと事実が明るみになってくる。羽生君が韓国入りしてからというもの、余計なものがすべて削ぎ落とされたような清らかな羽生君に、「いつもと違う」という印象は抱いていた。怪我の治療中に自分をコントロールする術を相当高めたのかなと思ったし、実際それもあったのだろうとは思う。演技のあとにもいつものように反省点ばかり口にしない。闘争心を隠そうともしないあの超強気な羽生結弦が見当たらず、ただ幸せそうに笑う彼は、コントロールしているというよりも悟り切っているように映った。
その理由がわかった。
怪我はまったく治っていなかったのだ。むしろ治るかどうかもわからない程酷かったのだ。彼の本来の力ならこれで満足しているはずがない。今はこれ以上できないと、ある意味での諦めと、もしかしたらこれが最後のスケートになるかもしれない、くらいの壮絶な覚悟を抱いて彼はこのオリンピックに挑んでいたのではないのか。あれだけスケートが好きな羽生君が、あんなに気が強く勝利に貪欲な羽生君が、溢れるばかりの才能を武器にすべてを手に入れようとしてきた彼が、おそらくはそのすべてと天秤にかけてでもこのオリンピックの一瞬に人生を懸けたのだ。
勝てるわけがない。それほどの覚悟をした者にほかの人間が勝てるわけがない。

選手たちは皆どこかに故障を抱えているものだと思う。今大会にも怪我からの回復がそれほど思わしくないのだろうと感じる選手は何人かいた。だが、あれほどの手負いの虎はほかにいなかったのではないか。その手負いの虎に誰も勝てなかった、という事実はあまりに大きい。フリーは2位だったとか、大きく点差はないとか、結果だけ見れば確かにそうである。だが、血だらけで折れかけた牙や爪で戦わざるを得なかった虎に、若く力強く健康であったり、戦い慣れた知恵ものの虎たちが全員負けた、ということは認識しておかなければならないのではないか。その傷付いた虎が傷付いていなければ、おそらくはまったく勝負にならなかった。勝負が面白くなるように、わざと神が虎の力を奪ったとしか思えない。余計なことをしないでもう地球から出ていってくれ怪我の神…。私本気で怒ってるんだけど…。
昌磨君が自分はまだ実力に差があるといった発言をしていたのは謙遜でも何でもなくただ事実を言っているだけだと思う。今回も結局羽生結弦の圧勝だ。実際にともに戦い、羽生君の隣でインタビューを受け続けその言葉を誰よりも耳にした昌磨君がいちばんその事実を感じているはずだ。あれほどの素晴らしい選手にそう言わせる羽生君と、それを認識して偽ることなく発言できる昌磨君と、どちらも日本が誇る最高のスケーターである。

羽生結弦はこの閉塞した時代に神がこの世につかわせた何かだ。あまりに神に近いがゆえに、常にその力を封印しにかかる者が現れる。今回彼は限界に近い戦いを強いられた。それは技術的なことではなく、人間という形に閉じ込められたがゆえの限界である。彼が平和な時代に暖かい家庭で育ちスポーツ選手の道を選んだことを我々は感謝しなければならない。もし彼が暗黒の道を歩んでいたら世界は滅びていたのではないかと、わりと真剣に思ってます…。

とにかく怪我を治して欲しい。もちろんしっかりした治療は受けているのだろうが、今回事実が明るみになったことで、もしかしたら新しいアプローチの方法が情報として与えられ、道が見つかるんじゃないかと私は思ってる。皆、この世界の宝を失いたくないはずだ。確かな力を貸してくれる人物が必ずいるのではないかと希望を抱いている。そして身体が良くなれば、彼の気持ちもまた少し変わるのではないか。贅沢は言わない。けれど、すべてを燃やし尽くすあの羽生結弦にもう一度会いたい。もう一度会えるほど、彼に健康になって欲しい。大好きなスケートを続けて欲しい。ただもう、それだけである。

 

最後にこの話を加えておきます。胡散臭い話なので軽く流していただければと思います。
昨年の自分の誕生日の朝、私は夢を見ました。私は12月生まれなので、2ヶ月ほど前のことです。
その夢で、羽生君は金メダルを手にしていました。ショートで110点台、総合点で360点くらい出して優勝してました。目が覚めてすぐに「さすがに360点は無理でしょ」とつっこみましたが(笑)、得点はともかくこの夢は正夢だったということになります。誕生日の朝だったので、自分へのプレゼントだな、人間の脳ってずいぶん都合よくできてるんだな、と当時は思うだけだったのですが(笑)
私はこの夢の話を翌日知人にメールしています。確かショートは115点か118点じゃなかったっけ、とそのメールを掘り返したら、117点と書いてありました。
…これ、総合点と混ざったんだな(汗)。偶然とは言えちょっとゾッとしますね(汗)。
ここまでなら偶然とも願望とも言えますが、実はこの夢にはもうひとつ覚えている内容があります。いい内容ではないのでそれはここでは書きませんが、この夢は予知夢だったんだなと納得できたのはその内容があったからです。ただ、その内容はあくまで今回のオリンピックの状況を指していただけだろうな、とは感じています。夢の指す時期はいつも、未来のある時期の一時点のみに限定されているので。
羽生君に関する予知夢だと考えられる夢はたぶんこれで3回目です。数年前から時々予知夢を見るようになり、一時期は真剣に悩んであれこれ調べ、占い師に相談してみたりもしていましたが、「たぶんそれ違うんじゃないかな」という答えしか得られず、今はもう悩むのに疲れて放置しています。こうなったらもうネタとして楽しもうと(笑)。天変地異とか身内の動向とかそういったものはまったく見ず、たぶん自分が大きく心を揺さぶられることではあるけどそれを見たからって世界が変わる訳じゃない、という夢がほとんどなので、正直もう気にしてもしょうがない、と達観することに決めました。その事実に到達するまでは予知夢だということもたいていわからないし、自分が知らないことは知っている風景などに形を変えて出てくるらしく、あまりに遠回しで「こんなのわかるか」と突っ込んだことも多々あります(笑)。
なので、次に羽生君の夢を見たら気をつけてしっかり覚えていようと思っています。全然関係ないただの夢もよく見るので(そもそもよく夢を見るし覚えてる方)、単に面白い夢見たなー、で終わるかもしれないですけど(笑)。どうも私は悪い内容の予知夢は基本見ないようなので、もし羽生君が次に出てくる時はきっといいことの予知だと勝手に思ってはいます。
ただ、一度だけ、いい内容ではなかったけど自分にできることがあると教えてくれていたのだろうと考えられた夢もあります。それは結局現実では解決へ向かいました。羽生君のことじゃないですけどね。夢には逆らえないということもこの数年で学びました。なので、次に羽生君の夢を見たら、その夢はきっと希望に至る道だと思っています。私にできることって何だろう、と考えた時に思い至ったのがこれでした。意味不明ですみません(汗)。ぶっちゃけ何の役にも立たないので、せめていい夢を見ようというそういう決意です。そんな決意表明してどうするんだという声に、今回だけは見逃してくださいと返したい(泣)。
ちなみに、私は霊とかスピリチュアルとか基本的に信じてないです。たぶんこれからも信じないです。だから自分が怖くて悩んで納得いく論理的な答えを得ようとして、結局考えるの放棄しちゃったんですよね。予言者になる気もないし人の運命にも興味ないしもういいや放置で。私が信じる予言者はプルシェンコだけですよ。今回も恐ろしいくらいだったやん…。今後もきっと当たると思う…。

 

はー、長かった…。最後までよくお付き合いくださいました(汗)。もっと色々書きたかったのですがもうキリがないのでカット(泣)。得点の詳細などスポーツ的な側面から書く人はきっとたくさんいるので、自分はポエムの方向に振り切ることにしました…。いい、それが私だからもういい…。
泣きすぎて目には味覚がないはずなのに塩の味がします。なんかもう燃え尽きました。テレビ見てるだけなのにね(汗)。このオリンピックを観戦に行けなかったことを私は生涯後悔するでしょう。願わくはこんな後悔を二度としないよう、この最高の戦いをいつまでも覚えていようと思います。我々はこの日歴史の動く瞬間を目撃し、その生き証人となりました。そしてこの2018年2月17日にこの世に在れた幸せな人類として、我々もまた歴史を紡ぐ糸の1本となったのです。


良かったらこちらの記事もあわせてご覧ください。後日改めて書き直そうと思った内容なのですが、もうこのままにしておきます。もう泣きすぎて疲れた。完全燃焼。↓↓↓

usagipineapple.hatenablog.jp

 
あとこちらも。夏くらいに今シーズンが楽しみ過ぎる気持ちとSEIMEIが大好き過ぎる気持ちを垂れ流してました(汗)。私が今5歳くらいの少年だったらSEIMEIを見て「かっこいい!俺もフィギュアスケートやる!」って言ってると思います。あれはそういう、男の子が憧れるプログラムじゃないかなと勝手に思ってます。↓↓↓

usagipineapple.hatenablog.jp

平昌オリンピック雑感⑬

この日も簡単に掃除してお風呂に入ってから視聴。禊です、禊。何故か昨日のような耐えられないほどの緊張感はなく、わりと冷静でした。緊張し過ぎて疲労困憊だったのかも(汗)。
もしかすると競技前に突然流れたランビエール氏のインタビューにびっくりして緊張が解けたのかもしれない(笑)。…なーんでよりによってその人のインタビューをピンポイントで取るんですか。ライバル選手のコーチですよ?!「NHKはステファンが大好き説」に異論を唱える人間はもはやこの世にいないだろう…。えーと、かなり偉い人にファンがいるという具体的な予想をしてみましたがいかがですかね?(笑)←知らんわ


★2月17日・男子フリー①

今日も第1グループからきっちり放送。幸せ。ステファンの説明が丁寧ですね。気のせいですかね。もはや何も言うまい…(笑)。


1:デニス・ヴァシリエフス
彼はアクセルジャンプ苦手なのかな。そんなとこコーチに似なくていいからね(泣)。転倒が2回といい出来ではなかったものの、後半は自信に溢れていて良かった。お辞儀を見てるとステファンを思い出すな…。
キスクラでステファンに寄るカメラ。今頃世界中のファンが狂喜しているのだろうか。ご本人も最後はカメラ目線で手を振ってます。コーチがカメラ慣れし過ぎ部門では彼が金メダルだったと思います。てかそんな競技いらん(笑)。


2:マッテオ・リッツオ
ほぼノーミス?団体戦から4回目の演技だよこれ。マジすっげえ!4回転は入れられなかったが代わりにクリーンにまとまっていた。アクセル高い。本人も昨日と打って変わって喜ぶ喜ぶ。よほど嬉しかったのか、おどけながら帰っていった(笑)。


3:パウル・フェンツ
前半は非常に良かった。滑りも丁寧だしアクセルも高さがある。しかし後半になると疲れたのか着氷が乱れたり抜けたジャンプも。動きも重くなってきてしまった。抜けたジャンプのひとつは抜けたおかげでザヤックが回避できたのか、それとも計算だったのか、さてどっちだろ。
ところでこの衣装は鎧なんですかね?うすっぺらいけどやっぱり鎧?いや布だからそりゃ薄いんだけどそういう意味ではなしに(汗)。謎の衣装はヨーロッパ男子の伝統ですね←違うわ(笑)


4:ハン・ヤン
冒頭のトリプルアクセル素晴らしい!跳んだというよりは飛んでいったとでも言いたくなる幅。しかしそのあとは転倒や抜けなどミスが続く。コンビネーションもひとつ足りてない。4回転も跳べなかった。パワーを何かに吸い取られているような感じ…。少し残念な内容だった。復活待ってます。


5:田中刑事
ああ良かった、今日はいつもの刑事君だ…。4回転サルコウ決まったあああ!コンビネーションのサルコウは転倒したが、トリプルアクセルは決まったあああ!後半の4回転トゥループもよくこらえた。しかしアクセルのコンビネーションでまたも転倒。だが後半でコンビネーションをふたつ跳んでリカバリー。やりきった表情で演技を終えた。よく頑張った。刑事君の演技をオリンピックで見られて嬉しかった。きっと彼はこれからもっともっといい選手になる。


6:モリス・クビテラシビリ
アクセルは綺麗だった。4本の4回転に挑み続けるも3回すべて転倒し、4回目はとうとうほかのジャンプに変えてしまった。さらにフリップも転倒、4回の転倒…。転倒による減点が6になってしまう。これは痛い…。4回転が跳べるということはジャンプはそれなりに得意なのだろうに、転倒の疲労を引きずった感じで最後の方は動きも重かった。またいい演技が見られる機会を待ってます。


続いて第2グループ。ミーシャとサモヒン、遠目で見ると衣装似てる。上から下へ白から青くなるグラデーションの衣装。羽生君もこんな感じだし今シーズンの流行り?


7:アレクセイ・ビチェンコ
4回転が冒頭にふたつ。余裕がある。素晴らしい出来の前半に対して後半は少しジャンプが乱れてきてしまい、疲れたのかなと思ったがしっかり立て直し最後まで滑り切る。とてもいい演技だった。彼のフリーとしては今までで見た中でいちばん良かったと思う。本人も感極まってる。足首の赤がさりげなくアクセントで素敵だと思います、衣装。


8:ダニエル・サモヒン
イスラエルの選手が続く。4回転トゥループ美しい。サルコウはものすごいこらえ方。よく転ばなかったな。後半は4回転抜けたり少し乱れが出ていたが、全体的にダイナミックなジャンプが堪能できたいい演技だったのでは。演技後は誰に話しかけてたんだろう、天使か?見える方ですか?
彼の演技をずっとビチェンコが見ていたそうだ。スローでその姿が映る。次世代を見つめるその顔はスポーツ選手の清々しさに満ちていた。


9:ネイサン・チェン
冒頭から跳んだ6本が全部4回転。あとがトリプルアクセルとトリプルジャンプのコンビネーション。控えめに言っておかしいです。褒めてるんですがおかしいです!フリップは手をついたけどもあとは全部綺麗に決まった。技術点カウンター壊れてるんじゃないかと思ったほどの恐ろしい点。おまけにスピンもステップも全部レベル4。いきなり上位争いに食い込めそうな総合点が叩き出される。驚愕。
ショートの失速が無ければ、とどうしても考えてしまうが、それがあったからこそのこの思い切った構成と演技だったのでは。ごぼう抜きどころの騒ぎじゃないです。このあと長きにわたってネイサンの技術点がカウンターの上段に君臨し続けるのですが、あれを撃ち落とせと言われても絶対無理です、という絶望感がすごかったです。おかしい←褒めてる


10:ミーシャ・ジー
ネイサンの4回転で大気圏外に会場が飛んだので、ゆっくりゆっくり地上に降りてこようか、みたいな演技。ネイサンの4回転を見すぎて空間が歪んでたのがミーシャの演技で少しずつ修正された感じ。対称的だがどちらも素晴らしい。意味不明のたとえですみません(汗)。
ネイサンの衝撃は相当会場を動揺させただろうに、そのあとであれだけ滑れるのはさすがベテランの落ち着きです。このプログラムはコレオがいつ見ても美しい。ハッとします。


11:チャ・ジュンファン
4回転サルコウは挑んだが転倒。でもそれ以外はとても美しいジャンプを跳んでいた。男子シングルの出場者の中で最年少だそうだが、体力の不足等は見受けられず、最後まできっちり滑り切っていた。とてもこれからが楽しみな選手。顔立ちはまだ少年のそれでかわいらしいですね。ジャニーズの子みたい。


12:ブレンダン・ケリー
冒頭は4回転が抜けたのかな、前半はそれくらいで綺麗に滑ってた。後半になるとジャンプに乱れが出て着氷が流れなかったりもしていたが。
途中からチャンネル切り替えのお知らせが入り出して気が気じゃない 。ギリギリ演技中には変わらなかったからまだマシか…。久々にリンクサイドで何か唱えるモロゾフを見た気が(汗)。


ここで整氷タイム。刑事君のインタビュー等が流れ、いよいよ後半、第3グループへ。


13:ヨリク・ヘンドリクス
何でもないように滑っているが、ひとつひとつ正確で質の良さを感じる、熟練の演技だった。4回転なしの構成の選手としては今回の出場者の中では彼とアダムが特に良かったように思う。ザヤック回避に言及する本田君。ザヤックと聞くと織田君の顔をいまだに思い出すのは許してください(汗)。


14:キーガン・メッシング
冒頭のジャンプふたつ素晴らしい出来。特にルッツには目を見張った。アクセルはやっぱり苦手なのかなと思ったら後半で美しく跳んだ!最後の方のループは抜けたのかな。ステップがとても表情豊かで素晴らしかったです。スケートファン泣かせのスケーターですね。


15:ヴィンセント・ジョウ
冒頭から4回転が5回。さらにトリプルアクセルが2回。冒頭のルッツはセカンドジャンプがタノです。もうアメリカ勢によってカウンター壊されそう。回転不足があったようだがそれでも壊されそうです!これでジャンプ以外の要素にも意識が行き届くようになったら地球滅びるんじゃないだろうか。初めてのオリンピックとは思えなかったです。すげえ。


16:ミハイル・コリヤダ
いい目をしてる。このスナイパーの目付きなら今日は大丈夫かな…。4回転ルッツはやはり転んだがそのあと素晴らしいジャンプが続き、このままいけるかと安心しかけたものの、後半崩れてきてしまい転倒も。コレオは力を振り絞ってたように思う。今回は苦いオリンピックになってしまったけど、また4回転ルッツ成功させて欲しい。高さ半端ないし、スカッとするんだよね成功すれば。


17:ミハル・ブレジナ
アクセル美しかった。決してノーミスではなく乱れもあったが、致命的なミスではなかったんじゃないかな。曲調の変更を感じさせない自然に音に溶け込む滑りはさすがベテランの一言である。3回目のオリンピックということは、北京でミハルを見られるとは思わない方がいいのかな…。いや、今はそんなことは考えまい…。


18:アダム・リッポン
衣装が団体戦と違いますね。元に戻した?プログラムの構成は同じかな。
ステップには感動すら覚えたし、プログラム全体が壮大なドキュメント映画のようで、大空に飛び立つ静かな希望を感じる終盤は素晴らしいの一言だった。演技後に感極まってる様子にこちらも感極まる。素晴らしかったです。


本当は第2グループまででいったん分けたかったのですが、最終グループがどう考えても長いので、無理矢理第3グループまで詰め込みました。長くてすみません。明日はもっと長いよ(汗)。

平昌オリンピック雑感⑫

ええっと…。今日何日だっけ。そろそろオリンピック終盤ですかね。記事が長過ぎてまだ男子について語ってますが(汗)、とりあえずショートについては今回で最終回。過去最強くらいにポエムってますが気合も入ってますのでよろしければ最後までお付き合いください(汗)。


★2月16日・男子ショートプログラム

第5グループ。運命の最終グループ。ついにこの時が来た。四年間待っていたこの時が。
リンクに入る前の羽生君は穏やかな横顔だったが、6分間練習の前の挨拶でギュッと鬼神モードに入っていくのがわかった。帰って来た。羽生結弦が帰って来た。


25:羽生結弦
たぶん皆さんも同様だと思うが、私もサルコウさえ降りればノーミスでいけると思った。競技の何時間も前から、緊張するたびにサルコウサルコウお願いとお守りを握りしめながら呟いていた私は端から見れば完全に不審人物である(汗)。
そのサルコウを美しく降りる。スピンに移る際なども音をそのまま手のひらの先で連れていくようにまったくぶつ切れ感がない。アクセルは心配していない。どうして加点は3点しかないのか。トゥループのコンビネーションも公式練習の様子では心配無用である。羽生結弦以上のタノジャンプが跳べる人を私は思い出せない。
あまりにも美しい。声も出ない。ジャンプが全部成功したあたりから嗚咽しそうになったが耐えた。泣いたらこの2分40秒が見えなくなる。
スピン。ステップ。フッと息を吐くように力が抜けた瞬間の羽生君の、髪の毛の一本からすらも零れる音、激しく踏む足元の刃が奏でる音。透明な音色をまとった指先。
鍵盤を氷の粒が舞う。跳ねる。きらきらと零れる。
これほど美しい演技が今までにあっただろうか。それは溢れ出すピアノの音色そのものであり、それを操る奏者でもあり、羽生結弦というただひたすらに美しい生命体の、すべての一瞬をどこで切り取っても完成されているように極限まで計算され研ぎ澄まされた踊りでもあった。
競技はまだ続く。この先も楽しみでたまらない。だがそれでも、この演技に勝つものがあってはいけないと思った。おそらくそんなものはこの平昌オリンピックのリンクにはほかに現れない。これはもうスポーツではない。その範囲には既にない。人が芸術と名付けた、人間の感覚を美の方向へ極限まで高めたものの最高傑作が、我々の前に現れたのだ。
これは神の選んだ演技だ。神がこの日、この場所で生まれることを定めた演技だ。彼が氷を恋しがったように、氷の神は彼が恋しくてたまらなかったのだ。

羽生君にあってほかの選手には圧倒的にないもの。それは儚さだ。ごく普通の大人の人間の男性であり、その心には修羅すら棲まわせる彼の、壊れてしまいそうなくらいに圧倒的な儚さ。少女のような脆さ。触れてはいけないような清らかさ。それがますます、このバラード第1番をこの世のものではない何かのように仕立てあげる。滑り出す前、小さく上下する肩に彼の緊張を見た。けれど、動き出した彼はもうこの世のものではなかった。男でも、女でもなく、人ですらない。一切の混じりけのない、炎を閉じ込めた氷の結晶。
彼が技術的に圧倒的に優れているだけならば、これほど騒がれることはなかっただろう。素晴らしいスケーターは数多生まれてきたが、彼らは皆人間の世界の住人だった。人ではないものを演ずるのではなしに、人ではない何かだと錯覚させるようなスケーターなど存在しなかった。だから彼は唯一無二なのだ。しかもこの美しさはごくわずかな時間にしか見つけることができない。いつか彼は本当に大人の男になり、競技のリンクを去り、人間として生きていく。まばたきをする間に、この壮絶なほど美しい結晶は手のひらをすり抜けていってしまうのだ。あまりにも儚い、残酷なほど儚い、神がほんの一瞬だけ我々に与えた幻。
この幻に気が付きながらそれを見つめずにいられるなど、私には考えられない。それは人間としてこの世に生まれたことを否定する愚行だ。我々を人間たらしめるもののひとつが、芸術を解しそれを愛すること。そんな風に思うから。

この世ではない何処かで奏でられていた2分40秒が現実に収束されていく。いつものように鬼をその表情に宿らせていない、静かに揺らめく凍てついた炎。あまりにもコントロールされた蒼白い炎が、すうっと消えていった。そうだ、まだフリーがある。今はまだ燃え尽きる時ではない。フリーでこそ、あの炎は世界を焼き尽くすほど燃え上がるだろう。

記録更新するかと思ったが、最後のスピンがレベル3だったのか。なんつーか、もっと加点出してくれ。1すらないプロトコルなのにそう思ってしまう。PCSは満点でいいだろもう。いっそのこと150点くらい出して欲しい、とかなんとかトチ狂ったことを言い出してしまったほど、見たこともないような絶品を越える絶品の演技だった…。て言うかこれに明快な点をつけなきゃいけないのかと思うとジャッジの皆さんの苦労がしのばれる。完全に降伏してらっしゃるジャッジの方いらっしゃいましたね…。お気持ちわかります…。
けれども、この得点もまた運命だったのではないかという気がしてならない。1が3つ並んだそのスコア。ずっとずっと、何年も前から抱いていた予感。このオリンピックの勝者は一時も揺れることがなく定められている。神は羽生結弦依代に選び、ほかの誰も勝たせるつもりがない。

演技終了とともに声を上げて泣いた。世界選手権の時も泣いて泣いて、どうしようもないくらい泣いたのだが、それに近いレベルで号泣した。スローを見るその目が涙で曇る。拭っても拭っても溢れる涙に心底困った。でもネイサンまでにどうにか泣き止んだのはまだフリーがあるから。勝者を確信しているとは言えそれは私の勝手な感情で、ショートプログラムすらもまだ終わってない。この最高の戦いを最後まで見届けなければならない。この日を四年間、待っていたのだから。


26:ネイサン・チェン
世界選手権とこの度の団体戦を見て思った。ネイサンはメンタルが鍵だと。団体戦でそれは確信に変わり、私は彼をメダル候補から外していた。やはりその通りの結果になってしまった…。コンビネーションが跳べなかったのはあまりにも痛い。ルッツは転倒、アクセルも着氷が乱れ手をついた。得点源のジャンプがこれでは点が出ない。実況も泣きそうな声…。順位は随分下だけど得点的には最終グループ以外は団子なのでフリーでかなり巻き返せるとは思うけど…。
衣装はまた変わったんですね。なかなかモードな(汗)。コリヤダの衣装と配色は似てますね←だからどうした


27:ミハイル・コリヤダ
コリヤダも団体戦の様子ではこのオリンピックの空気に飲まれてしまうと思った。アリエフに続いて欲しかったが…。彼もコンビネーションが跳べなかった。得点が入らないためとても痛いミスである。トリプルアクセルは綺麗だったしステップも見応えがあった。ネイサンと似たような失敗だがアクセルがミスなく跳べただけ得点と順位に差がついたのかな。


28:宇野昌磨
団体戦で着氷が乱れたフリップも決まった。アクセルはよく踏ん張って降りたなと思う。中心が空洞だったプログラムに魂が入ったように感じた。演技後の笑顔が本当に楽しそう。団体戦と演技も表情も全然違う。彼のスイッチはやはり羽生君だったのか。ファイナルくらいからずっと寂しそうと言うか面白くなさそうだったように見えてたんだよね。ライバルはいくらでもいるはずなのに、彼らは昌磨君の視界に入ってないのかもしれない。彼が見ているのは羽生君だけなのかもしれない。
昌磨君のメンタルはまったく心配していなかったし、羽生君がいることでそれがもっと強くなるだろうと思ったらやはりビンゴであった。羽生君がいない間自分に集中していた注目が外れたのも良かったのかもしれない。余計なことにあまり惑わされず集中できたのではないかな。


29:ハビエル・フェルナンデス
パーフェクト!パーフェクトハビエル!彼の明るいキャラクターがリンクの空気を変える。羽生君に注目が集まる中静かに韓国入りしたハビエル、ライバル対決で煽りたいマスコミはスルー気味だったが、彼には経験もある。ノーミスさえすれば連覇を阻むいちばんの強敵になると思っていた。そしてその通りだった。世界選手権の王の座を何度も競ってきた羽生君とハビエルの最高の対決がこのオリンピックでも待っていた。それにしてもオーサーの手腕恐るべしである…。


30:ボーヤン・ジン
こんな情感的な出だしでボーヤンが滑るようになるとは…。四大陸よりもさらに素晴らしい演技!ルッツのコンビネーションの速報見て笑ってしまったくらい。ボーヤンのルッツはいい意味でどうかしてるよね。怪我があって少し低迷してたのでしょうがないかもしれないがマスコミがボーヤンなめすぎで、どうなっても知らんからなと冷めた目で見ていたが、どうですかわかりましたか皆さん!


最終グループは息を詰めて見守ったのですが、羽生君が滑ったあとはリンクの脇に集められたプーさんの山がちらちら視界に入るので私の緊張感も続かない…。いいことかもしれない(笑)。
昌磨君がインタビューされてるその後ろの方で待ってる修造氏がちらちら映るのにも吹き出した。昌磨君、団体戦の時はなんかどうでもよさそうなコメントだったのに今回は楽しそう。面白い子だよねえ。
しかし、バックステージで衣装を脱ぎ始める羽生君を天井の辺りにあるのであろうカメラが捉えてたのには焦った…。慌てて映像が切られたように見えたんですが、あのまま流れなくて良かったです(汗)。オリンピックのバックステージのカメラって平気で着替え映したりするよね…。ソルトレイクヤグディンとか(汗)

団体戦で色々言われてた時間帯はやっぱり関係あるかもしれないが、それよりもメンタルの勝負だったと私は思う。となれば日本の二人は何の心配もなく、ずっと凌ぎを削ってきたハビエルがそこに加わるのは納得。ボーヤンやパトリックもね。納得の上位陣だ。その中でアリエフはよく頑張ったと思う。90点を越えたら最終グループで、80点台がいっぱい。団子。メダル争いはさすがに最終グループだけかなと思うけど、全体的にミスひとつで簡単に順位が入れ替わるなこりゃ。

平日だったのでリアルタイムで視聴できない人も多かっただろうと思うが、私が今でも会社員の身分だったら絶対に有休を使ってたと思う。もし休ませてくれないような会社なら辞めます(キッパリ)。それくらい、絶対に見逃したくない、その瞬間に画面越しでもいいから居合わせたい1日だった。今は限りなく自称に近い自由業というほぼ無職なので、誰にも遠慮せず存分に視聴できて幸せでした。冷静に状況考えると最悪なんですけどね、いいんだよもうそんなのあとから考えれば…。あとでもいいことはあとでいい。でも、2018年2月16日は今日しかないんだ。

男子フリーに続く。

平昌オリンピック雑感⑪

昨日の続きです。では早速。


★2月16日・男子ショートプログラム

さて、競技に戻って第3グループ。


13:ミハル・ブレジナ
久しぶりの素晴らしいミハル!ノーミスだああ!4回転サルコウトリプルアクセルもきっちり決まった。アジア圏で披露するにはぴったりのプログラムだろう。衣装も腰紐があることで締まって見えてかっこいい。
ミハル本人にもプログラムにも全然関係ないのだが、この曲は羽生君のNHK杯の公式練習での転倒時にかかっていた曲だった。それは偶然でしかないのだが、あの転倒の映像は何度も何度も流された。そのために良くないイメージと曲が結び付いてしまった人もおそらくいるのではないか。その呪いはこの瞬間、ミハルの素晴らしい演技によって解かれた。なんかものすごく胸の支えが取れた気がする…。こんなこと言ってごめんねミハル、でもありがとう。忘れられない大会になる、きっと。


14:チャ・ジュンファン
団体戦に続いて素晴らしい!スピードと勢いに溢れ、少年のエネルギーみたいなものが詰まっている。大歓声に十分にこたえる見事な演技だった。キスクラでオーサーが祈ってる(笑)。自己ベスト更新おめでとう!読み方は「ジュナン」が正しいんだろうか?場内アナウンスはジュンファンに聞こえるような。


15:パウル・フェンツ
団体戦よりずっといい演技。4回転はトリプルになったが綺麗にまとめた。ルッツの着氷が微妙だったくらいかな?今日はちょっと笑ってる、良かった。ところでスピンを真上から映すの何とかなんない?ジャッジもそんな角度から見てないだろうが。見てるのか?(汗)


16:ミーシャ・ジー
とても気合が入ってるように感じた。指先に魂がこもっている。宗教画の物語をなぞるような深い演技。4回転は確かに入ってないがこのところ私が見た試合だけだけれどミーシャずっとほぼノーミスではないのか。しかもすべての要素で加点だと実況。素晴らしい…。


17:ヨリク・ヘンドリクス
トリプルアクセル高い!スピンの回転も早い。この曲『Je suis malade』だよね?時々プログラムに使われてるの耳にするけど、滑りやすい曲なのかしら。悲痛な叫びが聞こえるようなラストも印象的。キレのあるとてもいい演技だった。


18:ダニエル・サモヒン
4回転2本決まった!特に最初のコンビネーションは目の覚めるようなジャンプだった。それだけにトリプルアクセルの転倒が残念。本人も嬉しいのか悔しいのかってとこだろうか、反応見てると。
キスクラにモロゾフがいるとどうしても気になる。独特の存在感があるよね(笑)


そして第4グループ。一気に緊張感が高まってくる。パトリックが大人気と実況。自分の心臓の音がこの辺りからうるさくて参った。


19:アダム・リッポン
アクセルよく降りた。少し緊張してるように思えたが、さすがの演技である。これジェフの振り付けなんだっけ、アダムの世界にぐいぐい持っていかれる。リンクを色とりどりに激しく染める照明が見えるようです。喜びを爆発させるアダムにスカッとした。たとえ色々言われたとしてもスケーターはそれを全部いい演技でねじ伏せたらいいんだよね。カッコいいよ、アダム。


20:ドミトリー・アリエフ
演技冒頭で白い手袋が震えてるのに気付き心配したが、ジャンプはすべて成功。しかも4回転2本にトリプルアクセル。4回転ルッツのコンビネーションは見事。回転早すぎて4回転なのわからんかった…。技術点の速報すごいことになってるんですけどー!初めてこのプログラムを見た頃は車掌さんかななんて思ってしまったが、今日は宮廷の大舞踏会が彼の背景に見えた。大広間を埋める色とりどりのドレス、豪華なシャンデリア…。素晴らしかったです。


21:パトリック・チャン
前半のジャンプは非常に美しかったのに、やっぱり仲良くしてくれないトリプルアクセル。でもミスはそれだけであろうか。団体戦よりずっと良かった。全然ぶれないスピンに研ぎ澄まされたスケーティング。あっという間に演技が終わってしまう。パトリックがこのグループなのは不思議な感じがしていたのだが、やはりフリーは最終グループに残ってきた。そうだ、これが彼だ。フリーで最高の演技ができますように。


22:田中刑事
ここまででこの日いちばんの声援が送られる。日本から来た観客は相当多そうだ。
4回転サルコウは転倒、壁に少し当たるように起き上がり大丈夫かと思ったが、そのあとは素晴らしかった。団体戦のようにガチガチではなかったので団体戦の経験が生きたのかな。思った程点が出なかったが、サルコウがやはり回転足りなかったのかなあ…。あ、やっぱりそうみたいだ。無念…。


23:アレクセイ・ビチェンコ
コンビネーションジャンプの着氷が微妙だったし最後もちょっとふらついてた。疲れたかな。ちょっと色々と粗さはいつもよりあったように思ったが、特に前半はさすがだったなと思う。演技後の笑顔がホッとする。男子シングルは彼が最年長だろうか。それ考えると驚異的。4回転入れてこれだけ毎回安定してるわけだし。


24:デニス・ヴァシリエフス
ああ、トリプルアクセル転倒…。得点源なので痛い。ほかのジャンプは綺麗だったが…。プログラムに非常に品があり、本当にオペラでも鑑賞しているような気持ちでうっとり見ていると終わってしまう。ラストに持ってくるスピンの説得力は大事である。勝手な持論です(笑)。
ステファンがコーチとしてオリンピックのキスクラに座ってるなんてなあ。選手としての彼のキスクラを最後に見たのはバンクーバー。あれから8年か…。


ここで二度目の整氷。刑事君のインタビューが流れる。団体戦よりずっとずっと良かったよ、フリーも頑張れ。

…本当はショートは全2回の予定だったんですが、最終グループが笑いしか出ないくらい長くなったので全3回に変更しました。それでも超長いです。よくこれだけ書いたよな自分←自画自賛←ていうかもう魂抜けてて疲れてる←ちなみにフリーはもっと長い(予告)

てなわけで、またまた明日に続く。