うさぎパイナップル

主にフィギュアスケートの旅日記とテレビ観戦記とお題記事・ただ書き散らして生きていたい

グランプリファイナル2019雑感④

グランプリファイナルの地上波放送も女子のフリーとエキシビションを残すのみ。今年のオープニングともお別れか…。ファイナルはラストの羽生君のポーズが異なっていましたね。ファイナル用のスペシャル仕様か。今年は羽生君が無事出場出来て、我々も死ぬほど嬉しかったけどテレ朝も本気で嬉しかったことだろう…。

ではでは、本日は女子のフリーの感想をどうぞ。

女子フリー

1:ブレイディ・テネル
素晴らしい演技でした!テネル姐さん安定感が凄いです。回転不足はあったけど、見た目上はとてもいい演技だと思いました。
このプログラム編曲がとてもいいですね、映画の内容はわからなくても、物語をちゃんと感じられるような非常にドラマチックな構成になっていて、そこにテネルの強い想いが重なると、とても見応えのある演技になるのだなと感じます。もちろん技術的にもしっかりしているけど、そこ以外でも魅せてくれるのはありがたい。
衣装は純白のものに変更したのですね。ニューシネマパラダイスの胸をかきむしるような切ないメロディを寒い日の夜に聞くなら、この白い衣装がちょうどいいのかも。


2:紀平梨花
4回転サルコウ、挑んできた!転倒こそしてしまいましたが、回転不足もないしちゃんと4回転の判定になってる。ここで挑戦しないと逆転はないし、いい判断だったと思います。そして4回転を入れてもトリプルアクセル2本をしっかり降りたところが素晴らしい。このトリプルアクセルの安定なくしては4回転を入れてくることもなかったのでしょうね。
サルコウの転倒以外はほぼミスのない素晴らしい演技でした。最後のループは痺れた…。ループからビールマンスピンへの流れがなんか映画のラスト見てるみたいですごく好き。大団円、という感じで。


3:アレクサンドラ・トゥルソワ
構成がほぼ男子、と言うかほぼネイサン状態。アクセルがトリプルになればもう男子トップ2の戦いに割って入れるでしょ…。4回転は驚異の5本ですが、フリップにルッツ、サルコウトゥループ2本と、なんと4種類。サルコウは抜けましたしトゥループの2本目は転倒でしたが、それくらいでは並の選手には勝てないだろう得点が出ることは簡単に想像できる。ジャンプに注力しているので、演じるという面では仕方ない部分もあるだろうか。年齢的なものもあるしな。
煽りで羽生君のインタビューや、羽生君と4回転を一緒に跳ぶ様子も流れた。女子選手からそんな選手が出てくるとは…。本当に女子の歴史を塗り替えるような選手ですよね。


4:アンナ・シェルバコワ
ああああ女子の戦いすげえ…。彼女も4回転が3本。フリップは転倒してしまいましたが、ルッツ2本はしっかり降りる。1本は回転不足だけども。なぜトゥループサルコウもかっ飛ばしてルッツにフリップ。そんな常識通用してたら女子の4回転時代なんて到来してないか…。
後半のトリプルジャンプがめちゃめちゃ余裕に見えた。演技にはまだジュニアっぽい雰囲気もありますけど、視覚的にも楽しめる、観客を何故だか惹き付ける演技だな、とこのプログラムにはいつも思います。ラストのスピンが、スカートが2色の炎みたいですごく綺麗。


5:アリョーナ・コストルナヤ
強い、強すぎる…。トリプルアクセルはもちろんだが、羽根のように軽くてピクリともぶれないジャンプ。ノーミスの更に上を行くノーミスという印象である。
煽りでプログラムのストーリーを紹介してくれたおかげで分かりやすくて良かった。そうか、吸血鬼か。スケートもクリアだけど、物語の表現も明確。今くらいの時期にしか似合わない題材だろうし、それを卓越した表現力で味わえるのも楽しい。
あああ、またまた出たよ世界最高点…。どこまで強いんだよロシアの3人…。


6:アリーナ・ザギトワ
うーん、ショートプログラムに続く演技とは行かなかったか。ダブルアクセルで転倒してしまうとは…。一見大きな問題はないように見えるのだが、荒川さんによると回転不足がいくつか見られる様子。普段なら加点がたくさんつくはずのジャンプのGOEにマイナスが…。うっ、こんなにたくさん回転不足判定?採点表見てびっくり…。
過去に見たことがないような低い得点。それなりの選手ならそれなりの点と言えるだろうが、ザギトワのアベレージはこんなものではないので一体どうしたことかと心配になってしまう。まさか最下位まで順位を落としてしまうとは…。体型が変わり始めているとか、そんな理由だろうか…。


グランプリシリーズを総なめした3人で仲良く表彰台も分け合う結果に。ヨーロッパ選手権や世界選手権も同様の状況になるのだろうか。もしここに割って入れる選手がいたら、ものすっごく褒め称えられそう。だって強すぎですもんあの3人…。

地上波はこのあとエキシビションだったのですけど、紀平さんと羽生君のフリーの振り返りが流れて、さらに男子の表彰式の様子が少しと羽生君の表彰式後のインタビューが放送されました。
この羽生君のインタビュー初見だわ。メダルのデザインがすごくカッコいい。今シーズンのフリーの衣装のデザインなら銀も似合うのだけど、誕生日ケーキに銀が入ってるだけでキーッてなってるくらいだから(笑)、本人は納得いかないだろうなあ。

ではでは、次回の記事でまたお会いしましょう。




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グランプリファイナル2019雑感③

女子のショートプログラムの後に同じ放送枠内で流れた男子フリー。時間帯的に来るかなと思いましたが、やっぱり来たー!生放送ー!テレ朝の生放送はいつも何かしら起きるのでドキドキしちゃいますけど、やっぱり生放送が誰がどう考えてもいちばん楽しい。ものすっごく緊張しますけどね。
掃除してお風呂入って禊して、1個だけ残ってた柚子酒キットカットも用意して、テレビの前で待機。さあいよいよ今年のシニア男子のグランプリシリーズが終結します!

男子フリー

1:ボーヤン・ジン
4回転が冒頭から3本続くプログラム。しかしルッツと単独のトゥループは転倒。ボーヤンのルッツはいつも壁にぶつかりそうでドキドキしてしまう。
その2本のミス以外はそれなりに良かったんじゃないかと思う。ただ、全体的にあまりスピードがなく、ステップは少し疲れているように見えた。朝の公式練習に出てこなかったそうだけど、体調は大丈夫だったのかな。


2:ドミトリー・アリエフ
アリエフが普通に滑れば表彰台も狙えると思ったのだが…。4回転ルッツが綺麗に決まって行けるかと期待したが、4回転の転倒や抜けが続く。しかし様子がおかしくなったのはおそらくトリプルフリップからだろうか。痛そうな転び方だった。直後のスピンがほどけてしまい、何かあったのかと心配してしまう。
コレオはやはりクラシカルで美しい彼の滑りが伝わるものだったが、もう力を振り絞って滑り終えたように見えた。最後のスピンでも転倒してしまう。演技途中で急に身体の軸がずれたような印象だった…。うう、泣かないで…。


3:アレクサンドル・サマリン
彼も4回転が3本続く構成。ルッツのコンビネーション降りた!前の大会ほどの加点はついてないが。フリップはかなりこらえた形になったが降りる。トゥループは抜けてしまった。しかしそれ以降はしっかりジャンプを決めてくる。スピンやステップもレベル4。でもザヤックがあったっぽい。ホントだ、ダブルトゥループ3回跳んでる。
安定したね今シーズンホントに。滑り終えた笑顔が嬉しそうで、なんかホッとしてしまった…。


4:ケヴィン・エイモズ
今日はトゥループがなかなか言うことを聞いてくれない氷らしい。2本目の単独は転倒したが、しかし最初に跳んだコンビネーションは素晴らしい出来。むしろ転倒したジャンプ以外は自在に水槽を泳ぎ回る魚のような、実に絶好調で多彩で自由な演技だった。本人がどんどん乗っていくのが伝わってくるようだ。素晴らしかった、表彰台確定!泣いてる…。
フランスの男子は13年ぶりの表彰台とのこと。ということはジュベール以来だろうか。もうそんなに時が流れてしまったのだな…。


5:羽生結弦
公式練習でルッツを何度も跳んでいたし、構成もルッツありのものに変更してきた。しかも公式練習では4回転アクセルまで跳び始める。
ショートの直後のインタビューからは、彼がこの点差をひっくり返せないことを察して少々虚ろになっている様子が伺えて、どうするのだろうと少しハラハラしていた。しかし、あの練習の様子を見て、やっぱりどうしても、彼は負ける気がないんだな、とある意味で安心する。アクセルはさすがに入れてこないだろうと思ったけれど、もし1本でも綺麗に跳べていたらもしかすると…。

パスポートの盗難に遭ったとかで、ブリアンコーチがフリーの行われる日くらいまで到着できず、羽生君はずっとひとりで試合に臨み、練習もしていた。普段の言動からして、コーチがいなくても自分で考えてメニュー等を組み立てられるのだろうとは思ったが、それでもコーチがいれば、プログラムに入れるつもりのない4回転アクセルの練習など、公式練習の場では決してさせなかったはずだ。何やってるんだいきなり、と少しハラハラもしたけど、これが羽生結弦なんだよな、とやっぱり私は安心してしまったのである。


さて、フリーの演技である。冒頭、アップになった横顔の伏せた睫毛が、魔王に生まれ変わる前の一瞬のように静謐な美しさを湛える。立ち上がったその目には、鋭い修羅の炎が静かに燃える。

まずは4回転ループ。久しぶりに非常に美しく降りた。加点も4点を超える。これが決まれば波に乗れる。祈るように見つめながら、次のジャンプに思考を切り替える。サルコウか、ルッツか。もしルッツならば。ルッツならばどうか降りて欲しいと、無心で祈る。

彼が跳んだのは、4回転ルッツだった。2017年のロステレコムカップ以来だろうか。その時はこらえた着氷だったが、今回は思わずハッとしたほど美しい。羽生君の4回転ルッツは非常に高さがあり、正直世の中のあらゆるルッツが霞むほどシャープで華やかで美しいと個人的には感じている。
あのNHK杯での負傷から2年。本人にもずっと恐怖心が残っていたとしてもおかしくない。そのジャンプをこれほどの質で…。涙が出てきそうだ…。
彼がここで跳んだ4回転ルッツの意味を、成功させたことの大きさを理解できるのは、ある意味でそれなりの期間彼を見てきた人間だけかもしれない。平昌オリンピックについて語る際に必ず引き合いに出されるエピソードなので経緯を知っている人はもちろん多いだろうけど、当時リアルタイムで、状況はどうなのか、NHK杯には出られるのかと生きた心地がしない時間を経験しているかいないかの差は出てしまうかもしれない。もしここから綴ることも含め、我々の熱狂にピンと来ない方がいれば、もしかしたら理由はこれかもしれません。

ステップ。昨シーズンより振付が少し変わり、華麗さを増したステップ。レベル3だったのでどこかに綻びがあった様子。それからトリプルルッツ。少し斜めに見えたが、降りる。

さあ、ここからだ。大幅に構成が変わっている、この後半からが勝負である。
これまではルッツの位置に入っていた4回転サルコウ。一瞬ヒヤッとしたがこれも加点のつく形で降りる。この時点で既に羽生君の体力の消耗をスピードや足元などから感じられていたので、とにかく祈るような気持ちで見つめ続ける。

コンビネーションを最後に3本跳ぶという構成そのものはそのまま。まずは4回転トゥループオイラートリプルフリップのコンビネーション。予定通り跳んだが、フリップの着氷が乱れてGOEはマイナス。それでも降りた。この明らかに体力の消耗が見てとれる状況でも。
さらに4回転トゥループのコンビネーション。トリプルトゥループはダブルとなったが、これも降りた。NHK杯ではリカバリーで跳んだが、本来ならこのジャンプはトリプルアクセルのコンビネーション。こんな終盤に入れるような易しいジャンプではない。

では、トリプルアクセルはどうするのか。「アクセル×アクセル?何それ詳細教えてよ」とインタビューを聞いて半分冗談で呟いていたのに、早速試合に投入してくるとは思わなかった…。さすがに体力がもたなかったようで抜けてしまったが。今回最も大きな減点の要因となったのがこのジャンプである。
そもそも、トリプルアクセルをシークエンスで、しかも得点アップを狙ってプログラムの最後に跳んでくるなんて、正気の沙汰じゃないだろう。おそらく羽生結弦以外に実行してみようとする人間はいない。少なくとも現時点では…。羽生君への最大の褒め言葉が「意味がわからない」だと思うが(笑)、今回も心からそれを送ります…。

あとはもう、最後まで滑り切れるか。コレオもどうにかこうにかこなしている印象。ここまでヘロッヘロになっている羽生君も久しぶりな気がする。
フィニッシュポーズで崩れ、そのまま氷に顔を埋めるように身を屈める。体力の限界だったことが非常によく伝わってくる光景だった。今シーズンの羽生君は、あの体力のない細い少年はどこへ行ってしまったのだろう、というくらい、4回転が4本も組み込まれたフリーを滑り終わっても、どこか余裕が感じられたのに。その余裕が、一切なかった。ルッツを入れた構成に変更するということが、どれだけ難易度が跳ね上がるものだったのかということを、滑り終えた羽生君の姿は如実に物語っていた。


羽生君が滑り終えてからほどなくして、画像が乱れ始めた。一瞬停止したっけ?映像はすぐ戻ってきたものの、音声が出ない。スロー再生の間もまったく出ない。織田君の解説聞きたいのに…。画面にはお詫びのテロップが流れている。まさかの羽生結弦でこのトラブルはテレビ局的には痛いだろうが、一体何事なんだ。
キスクラに画面が切り替わっても音声が出ないままだったが、突然回復。テレビでは流れていないとは知らないだろうから、実況の二人はずっと喋っていたのだろう。
あとで聞くところによると、どうやら電源が落ちたらしい?羽生君の得点がなかなか出なかったのはそのせいか。会場の熱狂と興奮がブレーカーまで落としてしまったのだろうか。ああでも羽生君ならそういうこと起きてもおかしくないよな、と思ってしまえるのが我ながら笑ってしまう。たぶんあの日のトリノには、スケートの神もいたのだ。神がその存在を示す唯一の方法が、超常現象を起こすことだとすれば合点も行く。運命はまた、動き始めたのだ。神はそれを告げに来たのだ。羽生結弦の新たな道に「Yes」を与えて。

確かに、久しぶりに羽生君らしい、最高にエキサイティングな演技だったと思う。挑戦なんかしなくたって、羽生君は現状維持で十分に強い。それは本人もわかっているはずだ。リスクを負ってまでこんな常人の理解が追い付かないようなプログラムを急遽滑ったりしなくたっていいはずだ。
それでも彼は、自分がトップでいたいのだ。いちばん強いのは自分じゃなくちゃいけないのだ。ガソリンを用意されたら見ないふりして片付けてしまうのではなく、自ら拾い集めて注いで燃やしてしまうのだ。ある意味、エゴの塊である。しかしその塊は、実に単純明快で、素直で、清々しい。
もうすべてを手に入れたはずの羽生結弦の、こんななりふり構わない姿を、世界選手権に続いて見せつけられるとは…。これだから、羽生結弦のファンは止められない。その負けん気の強さを、燃える炎を、スケートへの飽くなき探求心を、私は何よりも愛している。

トリプルアクセルのミスやフリップの着氷乱れなどが響き、200点を越えることはなかった。あの構成でもミスをすれば点は出ないという、単純明快な結果である。さすがの羽生君も急な決断だったのかジャンプに集中していて、指先まで魔王の孤独が詰まったような美しさも少々影を潜めていたように思うので、仕方がないであろう。高難度の構成と芸術的表現を同居させるのがいかに困難か、ということがよくわかる。ほかの選手も基本的にそうだと思うし。

ところで、最初のジャンプは何故ルッツではなくループなのだろう。最初に跳ぶジャンプは、その選手にとってプログラム中最も難易度が高く、集中しなければならないジャンプを選ぶ印象がある。羽生君にとっては、あとから習得した上に、負傷の要因となったルッツを最初に持ってきたとしてもおかしくないのだが、何故かループ。
入れるか入れないかわからないルッツではなく、確実に入れて成功させたいループにいちばんに集中したい、ということでいいのかな。4回転界隈ではループの人気があまりにも低く、皆すっ飛ばしてルッツに行くので、実はループ4回転になるとめちゃくちゃ難しいのでは、疑惑がうっすらあったりするんですよね。ルッツがいちばん得点的に美味しいので皆ルッツを練習してるだけだろうとも思いますが、でもトゥループサルコウは大抵の選手が跳ぶし。あのネイサンですら4回転ループはなかなか組み込んでこないし。果たして真相は。


6:ネイサン・チェン
凄まじい演技だった…。4回転が4種類入っていて、どれも成功どころか出来もいい。本当にひとつひとつ余裕が感じられて、こんなに簡単にジャンプって跳べるの?と思うくらい。少々曲がっても体幹の良さで修正してしまえるのかな、という印象。積み重なっていく技術点が恐ろしいことになっていて、言葉を失った…。
ステップで少しミスがあったようでレベル3だった以外は、高難度のプログラムをほぼ完璧に滑りこなした。羽生君の得点は知っていただろうから、安全策を取って難易度を下げても良かったはずだけど、そうしなかったところがカッコいいな。そのおかげで記録も更新できたのでしょうし。リスクを取らなければ壁は突破できないのですよね。
完璧超人のネイサンの唯一の欠点が「衣装は何故それなのか」という一点に尽きると思うが、フリーの衣装はショートのそれよりはいいんじゃないかと思った。まだ衣装らしくて…。バスのシートみたいな柄から黄色いシャツに変わったのね。卵焼きみたいで美味しそうです(笑)。


やはりテレ朝の生放送は何事か起きる運命なのか…。停電も困るけど、怪我とかそういうのよりはマシだってことで…。放送時間が少しだけ延長されたけど、この停電?の影響かな。

はあ、ひっさしぶりにめちゃくちゃ緊張した。続いて放送された報道ステーションを見終わってから、一気に脱力して肩の痛みが襲ってきて、どれだけ緊張してたんだ、と我ながら驚いてしまった。肩が痛すぎて吐き気がするほどでした…。

インタビューの羽生君、いつもの怒り方とは少し違うけど、やっぱり悔しそう。ファイナルの頃がいつもいちばん調子が良くて、連覇してきた自負もあっただろうし。特に自分の持っていた最高得点を、よりによってファイナルで抜かれたのは悔しかっただろうな。あんなとんでもない点、もう抜かれることはそうそうないだろうと思っていたのに。神はどれだけ羽生君が好きなんだろう。羽生君にどれだけガソリン与えりゃ気が済むのよ(笑)。
「今に見とけ」が死ぬほど羽生君らしくて笑ってしまいましたが、「怪我しなかったー!」という叫び声が最後に入ってたのが個人的にはいちばん引っ掛かったかな。うんうんそうだよね、そこだよね。度重なる怪我がなければ、もっと簡単に勝利も記録も得られてたかもしれないのに、足枷をはめられてしまったのだから。そしてその足枷が外れてきたと思ったら、なんかスタイリッシュな卵焼き…じゃなかったネイサン(笑)が台頭してくるし。楽々王者の座には座らせてもらえないみたいよ、羽生君。でも君はきっと、道を見つけ出すんだろうと私たちは何の疑いもなく信じているよ。実際、ミスさえなければ互角でしょうからね。今回はショートのミスがやっぱ響いちゃったよね。まあショートでミスしたからこそ羽生結弦らしい羽生結弦が久しぶりに現れたのでこれはこれできっとみんなめちゃくちゃ面白かっただろうなと思いますが。


すっかり長くなりました。まあ、いつものことなので(笑)。
ではでは、次回は女子フリーの感想でお会いしましょう。




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グランプリファイナル2019雑感②

男子に続いてシニアの女子のショートプログラム。競技自体は早朝に行われたので、放送時には結果をとっくに知っている状態。なのでドキドキ感はありませんけど、それでも今回の女子の戦いはあからさまに新次元は突入してるので、目が離せないですね。

ではでは、早速感想をどうぞ。

女子ショートプログラム

1:アリョーナ・コストルナヤ
トリプルアクセルはもっと近いアングルで見たかったが、とりあえず美しい成功ジャンプなのはわかったわ。今回足元に特に注目して見たんだけど、何だか空を駆けるようだ、彼女。ジャンプもだし、ステップとか繋ぎとかに入ってるちょっとした動きも。何もかもが美しい。本当に精霊のようだ…。
NHK杯に続いてぐうの音も出ないほどのノーミス演技だった…。シニア1年目って何…?世界最高点も更新…!←白目


2:アレクサンドラ・トゥルソワ
トリプルアクセルにチャレンジしてきた。回転不足の上転倒もしたが、4回転をショートに入れられないルールになっている以上トリプルアクセルが最も点は稼げる。彼女はフリーの技術点が凄まじいので、いくらでも取り戻せるという計算もあるかもしれない。
コンビネーションのセカンドジャンプはトゥループにしたのか。でもそれが普通なんだよな…。転倒があっても70点オーバー。強いんですけど!


3:アンナ・シェルバコワ
おおお素晴らしい、ノーミスだ…。トリプルアクセルに挑んだ二人に対して、出来ることを丁寧に、完璧に取り組んだ美しい演技。スピンが非常に美しいし、ジャンプも本当に細くて真っ直ぐ。そして回転がどれも速い。コストルナヤともトゥルソワともまた違う個性で、今後どんな方向に成長するのか楽しみである。
おお、彼女も素晴らしい点。トリプルアクセル無しでも完璧に滑ればこれだけ出るんだな…。


4:紀平梨花
今シーズンすごく調子良かったアクセルなのに。でも転倒したわけじゃないから最低限のミスだろう。しかし問題は次だった。コンビネーションジャンプのセカンドで転倒。トリプルアクセル以外では滅多に失敗する印象がなかっただけに…。要素抜けになるよりはいいのだが、この面々との戦いにおいてはちょっと厳しい得点になってしまうかもしれない。
転倒があっても70点を超えてくるのはさすがにトリプルアクセルの強み。それだけでなく総合的な力も高いですからな。


5:ブレイディ・テネル
まだ21歳くらいのテネルが、外見も演技もめちゃくちゃ成熟した大人に見えてしまうとは。どんだけ若いの今回の女子の面々…。
このプログラム好きなんですよねえ。冒頭のコンビネーションはちょっとこらえた形になっていましたが、それ以外はまったく隙のない演技。畳み掛けるようなラストのスピンめっちゃ盛り上がる。なんつー凄まじい戦いだよファイナル!


6:アリーナ・ザギトワ
煽りで子犬と戯れてたのかわいい。まだ17歳なのよね。それなのにもう追われる立場とは…。
NHK杯のフリーのような、女王の気概を感じる演技でした。しかも曲のイメージ通りの哀愁が漂っていて、表現という意味では今回の女子のショートは彼女のこの演技がいちばん良かったと思います。
コンビネーションジャンプは非常に高さがあり、軽やかでした。ファイナルに向けて練習を積み、完璧に調整してきたのだろうと思わせました。あっという間に終わってしまった。素晴らしかったです。やはり高得点。全員70点超えてるとか何なのこのファイナルー!


なんかねえ、ホントに女子の競技どうなっちゃうんですかねこの先。ちょっと前までスーパーノーミスバトルだったのに、4回転ノーミスバトルにガラッと切り替わるとか、展開が急過ぎるんですけどー!

次回の記事は男子フリーについてです。6人の感想しか書いてないとは思えないほど長いので(笑)、冬休みの時間をもて余してる時にでものんびり読んでいただければ(笑)。



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グランプリファイナル2019雑感①

ついにと言うべきか。あっという間に、と言うべきか。ファイナルが始まりました。10月中旬から、いやジュニアのグランプリシリーズから数えるともっと長丁場。数ヶ月にわたる熱い戦いは、今年も決着の時。

まずは男子のショートプログラム。BSでの放送もありましたが、実はそちらは見られなかったので、地上波だけ視聴しての感想です。

羽生君のアップの様子をファイナルの放送で見るのは3年ぶり。やっとこのルーティンが戻ってきてくれて私は嬉しいよ…。アップ中にバナナ食べてるエイモズさんも映る。なんとなくツボりました…(笑)。

男子ショートプログラム

1:ケヴィン・エイモズ
いきなり曲が間違ってかかったのか。集中が切れてもおかしくないのに、それをものともしない素晴らしい演技!ジャンプがすべてクリーンに決まり、トリプルアクセルを降りたあとは表情も演技も非常にイキイキとして、もうリンクすべてを彼の世界にしてしまったみたいだった。ステップもキレッキレ。いやあ、良かったですね。バナナのパワーか?って違うわい(笑)。
素晴らしい演技からスタートの男子ショートプログラム。さあ、ワクワクしてきたぞ!


2:ボーヤン・ジン
煽りで映った18歳のボーヤンめっちゃ細い…。懐かしい…。
最初のルッツはダブル?ダブルなら要素抜けだけどトリプルルッツなら何とか傷は最小限に…。あ、トリプル扱いみたいね一応。リカバリーも4回転トゥループでしっかりと。トリプルアクセルも決まったし、大きなミスは最初だけだったかなと思うけど、全体的にあまりパッとしてなかったかもしれない。どこかピントが合ってない感じ。フリーできっちり調子が合ってきますように。


3:ドミトリー・アリエフ
4回転ルッツのコンビネーション何とか頑張ったな。4回転トゥループも決まりました。ステップでは少しバランスを崩したように見える、やはり減点されてる。採点表は加点も減点もないことになってたけど。暫定ですからな速報は。
いつもより少し動きが遅いように見えたけど、さすがに緊張感があったか。あの二人が飛び抜けているということは疑い無いが、3位のチャンスは誰にでもあるよな今回。
エイモズの時に間違ってかかったのアリエフの曲かな?


4:ネイサン・チェン
4回転ルッツってこんなにサラッと跳べちゃうもんなの…?本当に自然だった…。シーズン序盤は単なる様子見でした、としか思えない演技。構成も本気の構成。羽生君に確実に勝つためにギアを上げてきているのか。まったく隙のない、素晴らしい演技でした。ルッツの加点がすごい数字に。4.44。
なのに!なのに!衣装!何であのベスト衣装から変更?!もし衣装も採点項目に入ってたら、私はマイナスつけるぞ!曲と全然合ってねえええええ!何でだああああネイサンんんん!何でいつも衣装だけはそうなんだああああ(悲)。


5:アレクサンドル・サマリン
煽りで髙橋君の演技ちょっと流れましたな。この曲と言えば彼のイメージが強かったしねえ、ブルース・フォー・クルック。
4回転ルッツ、スピードあったけどなあ。何とか転倒はせずに手をつく。フリップも着氷が良くなかったがコンビネーションに。ステップはレベル2か。ちょっと今日は曲に追い付けてない印象があった。みんなファイナルは緊張するんだろうか。


6:羽生結弦
6分間練習前から漂う、NHK杯とは違う空気。それは演技にも現れていた。NHK杯では「羽生結弦」だった氷の国の青年は、我々の心を掻き乱す、あの壮絶なほど美しい横顔の持ち主に戻っていた。

ピンと張り詰める、氷の色を帯びた空気。かすかに薫る、雪のにおい。それは秋の終わりを告げる合図。
秋の空気に少しだけ混ざる氷の粒が、街角を足早に歩く青年の黒髪に、首筋に、背中にまとわりつく。風に舞って、きらきらと零れる氷の粒は、青年に永遠に心を奪われた誰かにしか、見えない幻。

高く、美しく舞い上がる4回転サルコウ。ただ、青年が振り返っただけのように。ツイズルからツイズルに流れていくトリプルアクセルは、あたかも落ち葉がふわりと風に舞っただけのようだった。それは音楽と物語と世界の一部でしかなく、時間や空気をせき止めるような野暮なことはしない。要するに、完全にプログラムと一体化したジャンプなのである。

あまりにも素晴らしい出だしに息を飲んだが、コンビネーションジャンプにミスが出てしまった。セカンドジャンプが跳べず、大幅な減点。いつもどうにか跳べてしまうのに、今日は上手く合わなかったのかもしれない。

その失敗があったからなのか、それともここがジョニーも滑ったトリノオリンピックの舞台だからだろうか。ステップは過去最高の出来だったと思う。上半身の動きがいつもより大きく、しなやかに、力強く、時に艶かしく、非常に気持ちを込めて滑っているのが伝わってきた。まるでそれは、名も知らぬ美少年が強烈に心に焼き付いてしまった誰かの激しく揺れる心のようで、そして意識に上らないところで誰かの心を掻き乱す、指の隙間をすり抜けていく少年の幻のような美しい姿そのものようでもあった。

コンビネーションジャンプのミス以外は、実に美しい演技だった。スポーツとしての素晴らしい技の数々を盛り込みながら、ほんの一瞬の間に残酷なほど美しい物語が、神の筆で濃密に描き出されただけのようにも感じる。勝負なのでもちろん順位はつくし得点も付与されるけど、彼が我々を熱狂させるのはもっと別の部分にあるのだと、何度も感じていることだけど改めて思い起こさせた。

これが、24歳の羽生結弦が我々に見せてくれる、最後の演技。フリーを演じる羽生結弦は、25歳の羽生結弦。我々の知らない、羽生結弦がもう明後日には待っている。

トラブルでジスランコーチが到着していないとのことで、キスクラではひとり。この様子が、ちょっとゾッとするほど美しかった。
キスクラのバックが、薄いブルーのグラデーションだったせいか、羽生君の白い肌と黒髪が非常によく映えていたのだ。当然ながら失敗に納得がいっていないだろう羽生君の、おそらくは得点に目をやっている伏せた眼光は鋭く、氷上にしか現れないはずの秋の街角ですれ違ったあの少年が、そのまままだそこにいた。
昔話や伝奇に登場する、日本の妖魔や神々や美女とは、こんな姿をしているのかもしれない。ただ座っているだけで、何の演技もせずポーズも取っていない青年が、これほどまでに美しいとは…。我々はきっと、生涯でそう何度も出会えない、本当に美しい何かを目にしているのじゃないだろうか。それを単なる情報として消費するのは、あまりにももったいない気がする。いやそれは、人間に生まれたことを放棄する行為ではないのか、とさえ思う。

松岡修造氏のインタビューに答える羽生君の口からは、状況を冷静に分析する様子が伺えた。ネイサンは強い。相手がネイサンでなければ、逆転は可能かもしれない。しかし、ネイサンとこの点差は正直とても厳しい。彼はちゃんと分かっている。自分がパーフェクトな演技をしても、追い付かないかもしれないことを。
それでも、彼は滑るだろう、勝つために。すべての力をかけて、挑んでくるだろう。君の思うままに、やりたいようにやればいい。何があっても、どんな結果になっても、私は君を信じて、応援するだけだ。


以上。たぶん掲載する頃にはとっくに今更なのですけど、本日から数回に分けてファイナルの記事を載せて行きますので、年末年始のお暇潰しにでもお付き合いいただければ幸いでございます。
ではでは、次回は女子ショートプログラムの記事でお会いしましょう。




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全日本ジュニアフィギュアスケート選手権2019雑感

いつの間にかもうこんな季節、全日本ジュニアです。今年も一部ですが生放送してくれるそうでドキドキでございます。ジュニアの大会を生放送までしてくれるようになるとは、本当に時代は変わりましたね…。
アイスコープがコンビネーションジャンプも計測できるようになったという情報も番組冒頭で盛り込まれる。それは楽しみですな…!

今年生放送してくれるのは男子の方なのね。男子は将来のトップ選手になりそうな人材が揃ってるから、フジもかなり力入れて追ってるみたいだし。
で、男子の競技の中継が始まる前に、女子の優勝者の演技が流れたので、感想置いときます。


★河辺愛菜
すっっっばらしい演技でしたな…!審議ついてるジャンプもありましたが、見た目上は完全にノーミス。しかも冒頭のトリプルアクセル…!まさに黒鳥が舞い降りるように鋭く大きなジャンプ。実況から察するに試合で初めて決めたようですが、それがこの大一番でだとは…。会場で見てたらスタオベするような、今シーズンの名演技に数えられるような出来だったのではないですかね。


てなところで、いよいよ男子の後半グループの放送です。いつものように素人が楽しく見て楽しく書いてるだけの感想ですけど、最後までお付き合いいただければ嬉しいです。

男子フリー

第3グループ

13:門脇慧丞
実はお名前の読み方ずっと知らなかったんだけど、けいすけ君って読むのね。はい、しっかり覚えましたよ。
コンビネーションジャンプのセカンドで転倒してしまい、そのままスピードもなくなったように見えて大丈夫かと思いましたが、そのあとはしっかり立て直して、綺麗なジャンプを跳んでましたね。頑張ったのでは。フライングシットスピンは何故速報でレベル1だったのか。採点表は2だったけども。


14:長谷川一輝
この選手初めてお見かけするな。なかなか滑りがいいですね、ステップすごく素敵でした。あれレベル2なのかあ…。あと表情さえついてくれば最高なのに、って思うくらい素敵でしたけどね。あ、採点表は3になってるね。あと、スピンも良かったです。
それだけに、ジャンプがクリーンに決まらなかったものが多かったのがもったいない。転倒などはなかったのですけどね。でもいいプログラムでした。


15:菊地竜生
面白い衣装ですな、片方だけ半袖。曲もドラマチックで、まだ表情などはジュニア選手らしく固いのですが、曲についていこうとする意思も感じられました。
前半はとても良かったですね。トリプルアクセルが2本とも決まったのは大きいだろうな。それだけに後半崩れてきて、転倒もあったのが残念。でもしっかりリカバリーできたのかな、ラストのジャンプは?いや、これトリプルサルコウ3回目?あ、それは点が入らないはずですよね…?あちゃー…。


16:吉岡希
4回転トゥループ降りた!素晴らしくクリーンで高さのある、ハッとするような素晴らしいジャンプでした。そのほかのジャンプも、強いて言えば着氷後にもう少し流れたら、って思うものが1本あったかな、程度のことで素晴らしい。3連続のコンビネーションもよくこらえた、転倒しちゃうかと思ったけど。
スピンやステップはいくつかレベル取れてなかったから、課題はそこかな?おお、暫定1位きたー!


17:佐々木晴也
冒頭のトリプルアクセルはバッチリ決まってすっごくカッコ良かったんですけど、次のアクセルは転倒。後半にも転倒やパンクなどあったので、得点的には厳しいか。最初に回ったスピン素敵だなあ、と思わず見つめてたら、速報ではレベル4。でも採点表はレベル3。やっぱりあれは暫定的なものなのね。
コーチは田村コーチか。相変わらずイケメン…。


18:西山真瑚
スタート位置につくまでの滑りで、ああスケーティング上手いな、ってもうわかっちゃいますね。序盤からイーグルや振付で魅せてきて、グッと引き込まれる。ジャンプに難度の高いものが少なく、出来もあまり良くなかったので得点はさほど伸びないかもしれませんが、魅せる演技、という点では完全にジュニアレベルを超えてたと思います。スピンも素晴らしい、とても表情豊かで情感がこもっていました。
前半は映画版のエデンの東、後半は町田君がティムシェルだった方のエデンの東(←もっといい説明できんのか…)という盛り盛りエデンの東でしたが、後半のあのメロディは、スケートが伸びる選手の滑りをものすごく引き立てるな、と改めて思った。好んで使われるのもわかる気がする。

第4グループ

19:本田ルーカス剛史
トリプルアクセルを2本とも(だよねたぶん)ミスしたのは得点的に痛かったですね。パンクはともかく、転倒した方は高さもあっていいジャンプに見えたのですが。しかしそれ以外のジャンプは良かったですね、高さもあって着氷が柔らかく、思わず唸ってしまう。うわあ、転倒したアクセル以外プロトコルにマイナスが無いよ、凄いわ。


20:三宅星南
衣装も黒と赤でカッコいいし、イケメンで長身、スラリとしているのでそれだけでも氷上で映えるな…。
4回転サルコウ挑んだが転倒。高さあったと思うんだけども。ジャンプはなかなかクリーンに降りられなかった。ラストをジャンプで締めるプログラムなのでそこだけでもきっちり決まって欲しかったけど。でもものすごく気迫が伝わってくる、いいプログラムだったと思います。ジャンプもシニアを視野に入れた構成ですよね、きっと。


21:壷井達也
ステファンも使ってたラフマニノフのプレリュード。滑りに美しさや迫力がないと難しい曲だと思うが、よく滑りこなしてたのではなかろうか。スピンやステップでも見事に曲に絡まっていくように表現できてたと思います。トリプルアクセルも2本とも綺麗に決まったし。パンクや着氷乱れもあったので決してすごくいい演技ではなかったと思いますが、頑張ったのではないかな。


22:鍵山優真
冒頭から観客を惹き付けてくる楽しい振付なのですが、とにかくジャンプが上手い、上手すぎる。真っ直ぐでまったくぶれず、着氷も柔らかく、とにかくずっと見ていられるジャンプ。その質の高さを保ったまま最後まで滑り切る。オールグリーン!選曲もジュニア選手特有の若々しさを引き立てる。
暫定の技術点がシニアのそれのような得点。当然合計も高得点、シニアの大会でも上位に入れそうなほど。関係者の方かな、涙を拭いていらっしゃいましたね…。


23:木科雄登
あれだけ会場が沸いた後では滑りにくかったかもしれませんが、頑張ったのでは。冒頭は何かに引っ掛かったのかアクセルが跳べず、カウンターを見るに要素にカウントされてなかったっぽいですが、速報が忘れていたようだ。あいつ結構混乱するのね。
コンビネーションジャンプの数が足りなかったりと得点は伸びませんでしたが、ステップがすごくドラマチックでした。ちょっとほかのジュニア選手とは違う雰囲気があってそこが個性ですね。


24:佐藤駿
冒頭の4回転ルッツは速報ではトリプル判定のようだった。うーん、そうかダウングレードか。転倒こそしなかったが…。それで少しリズムが崩れたか、前半のジャンプはクリーンに降りられていなかった。しかしジュニアとは思えない構成が続く。後半はこれが本来の実力なのだろう、という素晴らしいジャンプ。どこか切なさがあるんですよねこのプログラム。ロミオとジュリエットはありとあらゆる選手が滑ってるのに、少年の切なさが何故か見えるのが不思議で。
ルッツが決まらなかった悔しさか、逆転できなかった悔しさか、キスクラでは人目も憚らず泣いていた…。大丈夫、君の選手人生はまだまだこれから。


いやあ、白熱した戦いでしたね。北京か、その次か、はたまたその次かはわかりませんが、この中から未来の日本代表が現れるのでしょう。その一歩を見つめた記録として、拙い感想ですが思い出を置いていきますね。
と言っても、試合が続いて記事が溜まってしまっている状態なので、いつ掲載してるやらわからないんですけどねこれ(泣)。ジュニアの記事を載せるとアクセスがガクンと下がって切ないので、どうしても後回しになっちゃってごめんなさい。あとになって検索されることはそこそこあるんですけども…。
検索される記事ってだいたい決まってるんですよね、あまり記事にしてる人がいない分野。よく検索されてる占いの記事があるんだけど、あれは私の記事以降に新しく書いてる人もいないし、そこまで詳しくレポート書いてる人もいないからだと思います。現時点で。
まあ、何とかシニアの全日本までには隙間を見つけて載せる方向で行ってみたい…。

ではでは、また次回の記事でお会いしましょう。




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高知旅日記2019EXTRA

いつもフィギュアスケートの話題を楽しんでいただいてる皆様、ありがとうございます。本日は少々休憩でございます。記事は余裕で1ヶ月分くらい未掲載のままたまっているのですが、もう全部今さらですし(泣)。また次回よりスケートの話題に戻るので、引き続き読んでいただけたら幸いです。

そんなわけで、本日は年の瀬の多忙さに紛れて、私が情けなさのあまりカットしてしまった、高知旅日記の話の一部をこそっと掲載しようと思います。今年の9月に、全8回の高知旅行の記事を載せておりました。読んで下さった方がいらしたら、本当にありがとうございます。
誰に迷惑がかかる話ではなく、ただただひたすら私がバカなだけ、という内容ですので、読んで失笑していただければ…。失笑する以外にリアクションを取りようもないと思いますけども(泣)。


まずは、こちらのリンク先をどうぞ。話のわからない方、既にお忘れの方はざっと目を通してみてください。↓
usagipineapple.hatenablog.jp


こうち旅広場の入口で、どうやら何事かあったらしい、ということだけ理解できるような、曖昧な書き方をしております。本日はこの件の真相をひっそりと書いてみます。ようやくネタにできる心境になってきたので…。泣。


駐車場で車を降りた我々は、もちろん旅広場の建物に入ろうと入口へ向かっておりました。そのいちばん手前に「龍馬パスポート」の受付を見つけた私は、とにもかくにもここで話を聞こうと、真っ直ぐに窓口に向かったのです。

自分の目の前に、アクティブK介さんが立っていらしたということに、一切まったくこれっぽっちも気付かずに…。

アクティブK介さんこと柴田恵介さんとは、私がひっそりファンだった、高知の観光PR隊のメンバーだった方でした。現在は自然&体験レポーターとして、引き続き高知の観光に携わっておられます。素敵な方なので、皆さん早速検索してみてください(笑)。
もちろんご尊顔は存じ上げているし、観光PR隊が活動終了してからもインターネット上で情報に触れる機会が様々にあり、日々楽しみに拝見させていただいています。なので、お見かけしたらいくら何でも気付くはずです。
気付くはずですよね…。気付かなかったんですよこの人…←吐血

私を高知まで連れてきてくれた私の友人・ちょんまげ大王さんによると、アクティブK介さんは我々の行く手に仁王立ちされていたそうである。おそらくは駐車場から歩いてくる我々が観光客だと気付いて、案内をしようと待ち構えていてくれたのではないかというちょんまげ大王さんの予想でした。当然、ちょんまげ大王さんは彼の存在に気付いています。
じゃあすぐ近くにいた私は、何故気付かなかったのか。本当にねえ、なんで気がつかなかったんでしょうねえ…←白目

行く手にね、人が立ってるな、とは思ったんですよ。でも私に見えたのは、もっと年配の男性だったんです。私にはその男性しかそこにいないように見えていたのですね。
これについてちょんまげ大王さんに確かめると、確かに年配の男性もいたんだそうです。複数いたのかな?でも、K介さんもすぐその隣くらいにいらしたんだそうですよ。
要するに、私の視界からは、アクティブK介さんのいらしたあたりがすっぽり外れていたようなんです。

…そんなこと…。そんなことある…?だってちょんまげ大王さんはちゃんと気付いてたんですよ…?同じもの見てたはずですからねそもそも…←絶望


大ファンの方がすぐそこにいらっしゃるなんて文字通り夢にも思っていない私は、パスポートの窓口でパンフレットを頂いたりして楽しく説明を聞いておりました。やたらちょんまげ大王さんが名前呼んでるな?と思ったけど、今話聞いてるのに何でそんな話しかけてくるの?くらいにしか思ってなかったと思う。

ちょんまげ大王さんが呼ぶのも道理である。アクティブK介さんはその時、私の後ろに立っていたのだそうだから…。
おそらく我々に声をかけようと、タイミングを見計らっていらしたのではないかということだった。いつも動画などで見せておられる笑顔で、黙って立っておられたそうである。

…私さ、窓口で頂いたパンフレットの表紙にK介さんの姿を見つけて、わあ、このパンフレット嬉しいな、なんてすっごく喜んでたんですよね、心の中で。
…お前パンフレットに喜んでる場合じゃないよ…。本人がお前の後ろにいるよ…←絶句

しばらく窓口の人の話を聞くのに集中していたが、どうにもちょんまげ大王さんが強く私を呼ぶのである。さすがに何だろうと彼女の方に向き直り、言われるがまま振り返ると、そこにはどこかへ走り去っていくアクティブK介さんの姿があった。
もちろん私の思考は一瞬停止する。まさかいらっしゃるなんて思ってなかったので。でもそれは、建物の中からさっき出て来てどこかへ向かって行く途中の姿をたまたまお見かけしたのだとばかり思っていました。
私が目にしたのは、私が長々と話を聞いているから諦めたのか、次の予定の時間にでもなってしまったのか、まさに我々のそばを離れていくその瞬間だったと思われます。

ホントにいらっしゃるんだ、と内心の動揺を圧し殺してまた説明を聞き始めたのですけど、当然、たまたま通りかかったのをちょんまげ大王さんが教えてくれただけかと思ってました…。私は本気で全然気付いてなかったけど、アクティブK介さんがずっと我々を見てるから、ちょんまげ大王さんはとりあえず「こんにちは」って挨拶してたりしたらしい…。それ本気ですぐ後ろにいたって…こと…←呆然

結局、私は最後まで一切気が付くことなく説明を聞き終わり、ちょんまげ大王さんもこの時点では真相を話さなかったので、何も知らないまま奥へ進んだのですけど、気が付いていたらいたで「駄目だ恥ずかしくて中に入れない」とかわめいてちょんまげ大王さんに殴られていたかもしれないのでこれで良かったのかもしれません…←虚脱

何年も待って、やっとやっと高知を再訪できる機会に恵まれたのに、高知を再訪したかったいちばんの理由だった方が目の前にいたのに気がつかないとか自分どんだけ…。どんだけ…アホ…。


ああああああああああああああああああああああ←絶叫しながら頭を抱える


しかし、何故私はまったく気が付かなかったのか。これ以上恥のかきようもないので(自虐)、いくつか推測される理由を挙げて分析してみよう。

①単に私がボーッとしている:確率70%
詳細は差っ引くけど大昔にもこんなことがありましてな…。普通は気付く距離だったので、何かに意識が向いてるとほかのことが抜け落ちることが多々あるんじゃないかと←血涙

②睡眠不足:確率20%
緊張のあまり出発数日前からよく眠れず、前日はほぼ一睡もできなくて、判断能力は相当落ちていたと思います。まあ、普段からそうかなとも思いますけど←自虐
あんなに眠れなかったのはたぶん人生初です…。そこまで緊張するとは思わなかった…。死ぬほど緊張してたとかもう恥ずかしくて9月の時点ではよう言いませんでした(泣)。

③視力が悪い:確率9.9%
視力があんまり良くないです。確か入口のあたりは少し暗かったので、はっきり見えなかったかもしれません。これはまあ、不可抗力かな。

④身長差:確率0.1%
推測ですが、小学生がランドセルにぶっ差している定規くらいの身長差が私とアクティブK介さんにはあると思われます。背の高い方でした。お近くに立っておられると、私にいちばんよく見えるのはシャツのロゴだった気が…。お顔は意識して見ようとしないと難しいはず。
…でもそれなりに距離があった場合は顔まで視界に入るでしょ?と突っ込んだ皆さん、その通りです…。とりあえず理由をこじつけたかっただけです(泣)。
…背の高い男性と話してるといちばんよく見えるのワイシャツのポケットだったりするから、ポケットの中はペンとか煙草とかじゃなくて、うまい棒とかひよことか入ってないかな、面白いから、って時々思ってた←どうでもいいよこの話


いずれにしろ、「いや普通は気付くでしょ」としか言い様のない状況ですね。あまりの情けなさに、とてもネタにする元気がありませんでした…。自分の存在に気付いてもいなかった女に、最後の最後にファンだとか言われるなんてそりゃあんな怪訝な顔もなさるでしょうよ…。すみませんでした(泣)。天地神明に誓ってまったく気が付いていませんでした(泣)。
ファンだと告げるつもりはなかったので(これが最初で最後かもしれないと覚悟してたので…。もしこれが最後だったら、心の欠片を残していくのは悲し過ぎるから)、正確にはちょんまげ大王さんがばらしちゃったんですけどね。
頑張ってください、と一言だけ言おうとして思わず呼び止めてしまったのに(何でそんなことしちゃったんだろう、私のバカ…)、言葉が詰まって出てこなくなってしまった私に助け船を出してくれてそうなった、ってだけなので彼女が悪いわけではないですよ。もうネタの神様に弄ばれました、今回は本当に(泣)。

あー、書いちゃったよ、恥ずかしい。でもこの話、他人の話だったら私は遠慮なく大爆笑してます…。自分の話だとこんっっっなに恥ずかしいんですけどね(泣)。
ほかにも色々色々あったんですけど、そっちはもう情けないを通り越して門外不出レベルに恥ずかしいので、私が完全に開き直れる日が来るまで秘密です…。たぶんその日は来ません(泣)。一部の人にはお話ししましたが、どう考えてもネタとして面白い話はそっちですよね(笑)。でもねえ、書かねえよ!無理だよ!いくらなんでもバカ過ぎる(泣)。

以上、ちょんまげ大王さんに直接確認した上で書いてみました。旅広場を離れたあとに車の中で真相を聞いて卒倒しそうになったんですけど、その時は私が混乱し過ぎてちゃんと聞けてなかったので(汗)、一応改めて確認を…。当日聞いてた以上に「バカじゃん自分」って思っただけでしたけどー!←傷を抉る
あーあーあー、完全に素の自分だったってことでしょ…。私なんかやらかしてないかしら、は、話聞いてただけだから大丈夫だよね…←血の涙

これが、わざとぼかして書いたエピソードの真相でございました。年末の慌ただしさにお疲れの皆様に、コイツよりはましだ、と笑い飛ばして、元気に明るく日々を過ごしていただければ幸いでございます…。

アクティブK介さん、たいへん失礼しました…。これからも頑張ってくださいね、応援しています。もしまたそんな機会があれば、今度はちゃんと気が付くように十分に注意を払います…。泣。

高知で買ったほうじ茶がすごーく美味しかったので、また買いに行きたかったりはする。この辺で売ってないもんな。ネタの神様、クリスマスプレゼントと誕生日プレゼントとお年玉は諭吉がいいんだけどー。聞いてる?←絶対聞いてない


本日の教訓:睡眠はしっかり取りましょう←泣




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NHK杯2019雑感⑪

長々と綴って参りましたNHK杯の記事も、いよいよ本日で最終回です。最初から読んでくださっている方がおられたら、心から感謝を申し上げます。今更の記事にお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
残すはエキシビション第3部の感想のみ。どうぞ最後まで、目を通していただければ幸いです。

エキシビション

19:シャルレーヌ・ギニャール&マルコ・ファッブリ
整氷したばかりのリンクに二人の軌跡が描かれていくのがとても素敵だ…。じっと見つめてしまった、とても良かったです。


20:セルゲイ・ヴォロノフ
ヴォロノフこの位置で出てくるとか、わかってらっしゃる方が選んだのか、最年長に敬意を表してか。滑り終えた笑顔がすっげえかわいくて、ベテランの味わいある滑りとのギャップがすごくいい…。今年は黒一色のシンプルなヴォロノフですな。


21:紀平梨花
おお、いい演技でしたな。中盤に、上半身の動きがすごく印象的なパートがあって、何気なくやってるようだけどあれ難しいんだろうな、とじっくり見てしまった。衣装もとても凝ってて素敵ですよね。


22:ウェンジン・スイ&ツォン・ハン
スタオベを!スタオベをさせろおおおおお!ハン君の誠実さみたいなものが好きだが、上手にサポートして女性を自由に滑らせてるって川口さんも。スピード感、ダイナミックさ、しなやかさ、美しさ、雄大さ…。絶品。

もっと見たい、とじたばたしてたらアンコール!フリー。リフトおおお!リフトその体勢からそんなスッと上げちゃうのか、とエキシビションプログラムでも思ったけど、彼らはリフト上げるスピード早いって解説も言ってますな


23:アリョーナ・コストルナヤ
解説の皆さん!解説をお忘れです…。でもじっくり見ちゃうのわかりますね。エキシビションでもこのジャンプか、高さがすごいよね、重力ないみたい。

アンコールはフリーのノリノリパートから。あああ、そこからのパート好きいいいい。照明の中で見ると本当に美しい顔立ちですな。でも当然それだけじゃないのが彼女の魅力。ジュニアっぽさが全然なかったもんな、ジュニアの頃から。昨シーズン初めて演技見たと思うけど、衝撃だった…。


24:ガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン
自分を好きでたまらない男性を女性がうまくコントロールする物語、とか言ってたっけ。確かに、ほらほらつかまえてごらん、みたいな印象の振付もあって、物語を想像しながら見る楽しさもありますね。
それ以上に、こんなに人間の動きって揃うものなのか、ととにかくただ驚くばかり。彼らが動いたあとの風の中には黄金の粒が舞っているような気がする…。

アンコールももちろんあり。薄いブルーの照明がまた異世界感を醸し出すわけですよ…。重力って何…。彼らホントに人間なのかな、って滑ってる間は思ってしまう。演技中以外はめっちゃ人間で、そのギャップも面白いよな(笑)。


25:羽生結弦
何のプログラムを滑るのか秘密にするために、オープニングではオリジンの衣装だったのだろうか。今シーズンはエキシビションプログラムを用意せず、毎大会サプライズエキシビションで来るのかしら。それはそれで面白いですね。

そんなわけで、プログラムは『春よ、来い』である。再びこれを目にする日が来ようとは。24時間テレビで最後なのかな、と思っていたので。24時間テレビの舞台が北海道だったし、同じ北海道でもう一度、という意図だったのかもしれないな、と思いながら見始めました。

薄紅が柔らかく滲む、白い衣装。透ける布がひらひらと両腕に絡み付き、動く度に揺れる。天女の羽衣を纏った、薄紅の頬と唇に春を浮かべる、桜の精霊。

序盤は本当に静かに、まだつぼみをつけることもない雪と闇の世界で、桜の青年は祈るように舞う。
ピアノの音に光が満ちる。雪崩の音。白い大地に口づけた桜色の唇からこぼれる、春の芽吹き。一気に勢いを増すその舞は、満開の桜吹雪の中で、薄墨の世界に色を拡げていく。空は青く、山は緑に染まり、薄紅が華やかに風に遊ぶ。

試合の翌日の演技ということもあり、その滑りには非常にキレがあった。この世のものではない何かというよりは、神が依り代に選んだ現実世界の青年の舞だったと思う。特に、畳み掛けるように勢いを増す後半は圧巻だった。本当に見る度に印象の違うプログラムである。フィニッシュも足元に非常に余韻があり、桜の残り香がそっと薄闇に舞う。

アンコールはフリー。この繊細な、少女のような衣装で魔王を演じるとは。でもちゃんと、フリーのそれなんですよ、腕のしなる感じとか。さっきまで花の精霊みたいだったのに、ちゃんと魔王なの。まあ精霊もちょっとだけ魔王よりの精霊だったにしろ、瞬時に切り替わるんだな、と感心です。

個人的に、ショートが落ち葉の舞う秋の美少年、フリーが吹雪が舞う中降臨する氷の魔王、そしてこのエキシビションが舞い散る桜を纏って微笑む春の精霊と、3つでフィギュアスケートの季節を体現しているような印象があるので、また競技のエキシビションとして滑ってくれて、嬉しい気持ちです。ものすごく勝手な解釈なんですけどね。

『春よ、来い』については、過去にこれまでに書いた感想を時系列で並べた記事と、24時間テレビの感想記事(実は今年の24時間テレビは高知で見ました。翌日の予定を思うと緊張でほとんど眠れず、眠れないまま真夜中に下書きしたものがこの記事の元です…)のリンクを最後に貼っておきますので、良かったら読んでみてください。


★フィナーレ
どこ見たらいいのかわからないフィナーレでございます。豪華な顔触れですよな今回…。行きたかったですわ…。
周回の辺りまでと、エキシビションの最後まで中継されずに終わりましたが、きっと羽生君はどーもくんと戯れてるし、ありがとうございましたー!も叫んでる。あの光景が戻ってきたんだな…。歪んでいた時空が、元の世界に修正し直された感触でした、今大会。


以上で大会はすべて終了。自宅観戦なので、昨年や一昨年ほどの情熱をもって書くことは難しかったですけど、羽生君以外は(笑)ほぼ放送中に感想を書いてしまっていたこともあり、記事の完成は思った以上に早かった…。掲載は随分先になってるかな、と思いますけども。本当に、競技の感想だけは早くなりました。翌日に予約投稿まで済ませられるとは思わなかったわ。急に暇になっちゃったせいでもあるんですけどね(泣)。あー、忙しくなりたい…。諭吉が欲しい…。

来年は大阪だそうで、距離的にも近いので何とか行きたいのですが、来年の私がどこで何をしているのか本当にわからない…。2年前の大阪を思い出すと、個人的にはリベンジの機会なので是非行きたいのですけどね。私は羽生君の試合をこの目で見るまでは絶対に諦めんぞ…。ジンクスに打ち勝ってやる(泣)!
ところで、あんな隅っこにテロップで発表でいいの、次回の開催地(笑)。んで大阪は慣れてるからツイッターで発表したりしないのね(笑)←広島県は即ツイッターで発表していた…

今回も長文記事にお付き合いいただきありがとうございました。私比でポエム度が低いのは、わらわらしててあまり集中できなかったからです(泣)。ファイナルはもうちょっと集中して楽しみたいです。

ではでは、また次回の記事でお会いしましょう。そして、来年のNHK杯で…!



★最後に、『春よ、来い』に関する記事をふたつほど置いておきますね。よろしかったら目を通してみてくださいませ。↓

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NHK杯2019雑感⑩

3部構成のエキシビション、続いては第2部の感想をつらつらと綴って参ります。今回もお付き合いいただければ嬉しい。

始まる前に川口さんと本田君の即興ペアの話がチラリと。見ましたよそれ、昨年会場で。いちばん盛り上がってましたし(笑)。1年ぶりに再び聞く、本田君の「お断りします!」に爆笑しました…。

エキシビション

9:畑崎李果
女子のノービスチャンピオン。えっ、すっごいこの子。スピードがものすごくて、その勢いから跳ぶジャンプは加点つきまくりそう。ってか、ルッツとループのコンビネーション?!すっごい!すごい…!ええええ…?!ノービスとはとても思えん…。


10:吉田唄菜&西山真瑚
アイスダンスのジュニアが出場するなんて珍しいな。よっぽど人気もあるし期待もされてると見た。カップル結成してまだ1年経ってないのか、それなのにこの息の合い方と華やかさはすごい…!ドンキホーテという選曲も良かったかも。


11:ケヴィン・エイモズ
お布団はフランスから持ってこられなかったのね(笑)。
彼の上半身の動きがすごく満喫できる、素敵なプログラムでした…!もうちょっと見てたかったくらいよ。


12:ニコル・デラモニカ&マッテオ・グアリーゼ
セコンド役の人も演技上手いし(笑)。よっぽど各国で人気あったんだなこれ。くそう、これ披露してくれるって知ってたら真駒内行きたかったよ、爆笑したかったんですけどおお!
しかし、川口さんの「私のパートナーは脱ぎません!」に爆笑して演技が入ってきませんでした(笑)。一気に今年の流行語大賞候補に躍り出た、ってロステレコムの記事でもそんなこと書いたけど(笑)。
スケーター男子すぐ脱ぐからもう慣れっこだし、と驚くこともなくなってる私は麻痺しているのか。ヨーロッパ男子は脱ぐのがお家芸だろ、とか言ってる私がものすごく薄汚れた存在に思えてきた…。す、すみません(汗)。


13:ジェイソン・ブラウン
ノリノリジェイソン、バレエジャンプ4連発!遊び心ある跳び方もしてて、これは超!盛り上がるはず!終わるの早すぎ、もっと見たいいいいい!


14:カーステン・ムーア=タワーズ&マイケル・マリナロ
ペアのエキシビションの解説をペアスケーターの川口さんで聞けるの面白いっすね。カーステンさんが倒立してぐるんぐるん回すやつ、いつ見てもすごいけど、男性が上手だったら女性は怖くないって、そうなんだねえ。


15:横井ゆは菜
上位3人が軽く化け物なので、4位ってめっちゃすごかったと思うわよ今回…。このエキシビションも彼女の迫力みたいなものが感じられていいですね。曲の迫力とマッチしてて。衣装もかわいい。


16:アレクサンドラ・ステパノワ&イワン・ブキン
ステパノワの背中の美しさに釘付けですじゃ…。演技もすっごい粋で見てて楽しい。滑る人を見てるってこんな楽しいのね。ブキンのお父さんよりも息子さんの方が上手い、って言い切っちゃってるぞ川口さん(汗)。


17:山本草
ジェームス・ブラントの『You're Beautiful』。使ってるスケーター久しぶりかも。ステファンのせいですっかり歌えるよ、なんとなくだけど(笑)。
草太君のスウーッと伸びていくスケートに合いそうな選曲ですね。完璧に失恋してる曲なので、諦めの気持ちが美しい足元で歌われているようです。


18:アリーナ・ザギトワ
このプログラム、印象に残ってたんですよ。川口さんがストーリーを説明してくれたので、演技に入り込める。胎内から始まるのか。ここは人生のどの辺りのステージなのだろうか、と考えながらじっくり見ていたのだけど、解説の二人も黙り込んでる。じっと見入ってしまってたらしい。
ラストは死を迎える。手にした花は、世界のどこかにまた生まれる、という意味だったらしいけど、何も知らずに見てた時に書いた感想はあながち外してなかったな、と今思ったわ。


★選手トークショー
ここで再び静香の部屋。まずは日本の女子3選手、紀平さんと横井さんと山下さん。横井さんは9年前にNHK杯でフラワースケーターをやった時の思い出を。NHK杯じゃないけどほかの二人もやったことあるそうな。荒川さんは経験がなくて、今でもやりたいらしい(笑)。フレンズとかで実施してみる?(笑)
荒川さんに憧れてる山下さんの質問かわいい、どんな料理が得意かって。好きか、だったかな?山下さんは料理が好きなのね、作って学校に持ってくってかわいい…。
紀平さん、局的にレッドブルはあかん(笑)。野球部と仲がいい、ってすごい斜めからきたな山下さん…←「私、実は◯◯」という質問


続いては満を持して羽生結弦の登場。時間もたっぷり取られていたし、今回のメインだったのであろう。需要はよく知っているでしょうしな。
うわあ、15歳のNHK杯、懐かしい…。十分本番にも強いし自信の塊だとも思うけども、子供の頃の万能感みたいなものを大人になって失う感覚はよくわかるな。子供の頃の羽生君の映像見ると、めっちゃくちゃ気が強そうですもん。彼のいいところのひとつに「中二病」気質があると思うのですが、あの中二丸出しだった彼も大人になっていくのね…。

オフの1日のタイムスケジュールを図解する羽生君。睡眠時間なげえ(笑)。勉強の話は面白かった。そうそう、知識って無駄なようで無駄じゃないのよ。いろんな知識に触れることでいろんな考え方や人間や物事の多様性を知って、自分の考え方にも柔軟性や多様性が生まれてくるのよね。それが結局人間を豊かにするし、そして豊かになることで演技も深化していくのだろうな、と私は思います。
そんな感じで、理詰めの羽生君の話は聞いててとても面白いのだけど、突然「アクセルと友達になりたい」とか言い出すから気が抜けない(笑)。しかもトリプルアクセルは喋るらしい。いいよ、跳ばせてあげるよって言ってくれるって…。なんかリアルキャプテン翼がいますけど?読んだことありそうだよな羽生君?ボールは友達…!

夕食と夜食についても聞きたかったぞ。夜食食ってもあの細さなんかい…。あと夕食の時間が長いな、と気になったので(笑)。ゲームのタイトルを言わない気遣いがさすがです…。局的にね、うん(笑)。ポケットのモンスターのゲームやっぱり欲しかったのか(笑)。あと、いっそ曲聞いて泣いてしまおう、というのもよくわかるな。泣いたらスッキリするよね。

羽生君は期待に応えたいという気持ちが強いんだよね。でもそれがプレッシャーになるだけじゃなくて、その期待をいい意味で裏切って期待以上のものを見せたいってなこと言ってしまえるあたりが羽生君がほかの誰とも違うところ。これからもずっと応援するからね。応援させてください。この世のすべてが自分を裏切ったとしても、君だけは信じてもいいんだと、信じるに値する人だと、私は確信しているから。


さてさて、残すは第3部のみ。NHK杯の記事は次回で終了です。是非最後までお付き合いいただければ嬉しいです。




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NHK杯2019雑感⑨

大会最終日はエキシビションエキシビションだけになったのね、今年は。競技は2日間で終わらせることにしちゃったんだな。
エキシビションも3部構成。放送の都合かしら?テレビ局が主催だから、その辺はまあ意向に合わせるのもアリなんでしょうな。

そんなわけで、エキシビションの記事も3回に分けてお送りしようと思います。ただでさえ今更なのにますます今更になってしまいますが、最後までお付き合いいただければホントのホントに嬉しいです。

エキシビション

★オープニング
次々に登場するスケーターたち。どーもくんたちに構ってから定位置についてください、という指示でも出てるのですかね。全員ちゃんとテレビに映るわけじゃないから、中にはスルーしてる人いるかもだけど(笑)。

え、最後に登場なさったのは…。な、ナチュラルヘアのオリジン様…←死亡
昨シーズンのロステレコムの表彰式の、サラサラヘアのオリジン様に死んだ皆さん、生きる屍ですか?わかります屍ですよね。俺たちは勝った…。何に勝ったとか聞くな混乱してるんだ…。てかそこの阿修羅、俺たちが死んだのどうせエゴサして知ってたんだろ…←震える声


1:森本涼雅
ノービスチャンピオン。モーツァルトだからかな、タクト持って演技。リズムが激しくなるとキャップをかぶる。かっわいい。まだ表情が作りきれてないとこも子供らしくてかわいくて。でも堂々としてましたな。


2:山下真瑚
首もとのスカーフがかわいい。まだ若い選手なんだけど、いつもよりさらに若く見える、かわいい。今大会頑張りましたね、調子が戻ってきてホント良かった…。


3:アナスタシア・ミーシナ&アレクサンドル・ガリャモフ
Tシャツお揃い?ってかシャツに使用曲のタイトルが書いてある。ちゃんと衣装なのね。ちょっとプログラムが短かった気がする、もっと見たいいい。


4:島田高志郎
椅子とか机とか持ち込みましたね、大掛かりですね(笑)。オープニングでお髭姿なのが映ってたが、カツラに口紅も。クイーンのビデオの再現?らしいが、髪を撫でるしぐさがめちゃくちゃ堂に入ってて笑った…。ヅラと髭はすぐ外したけど、口紅は取れないから、スポーツ選手らしい引き締まった首から下とのギャップがすごい(笑)。
そう言えば彼も結構エキシビション個性的だったな。君ならあの伝説の赤い猫の後継者になれると思った私を許してください…。

って、ステファン映ったし(笑)。見てたんかい(笑)。てかカメラ追ってたんかい(笑)。


5:ライラ・フィアー&ルイス・ギブソン
去年のNHK杯行きましたよおおお!最高でしたよおおおお!そうか、去年の会場の盛り上がり覚えてくれてて、今年もNHK杯出るならってことで選んでくれたのか…!照明も入ってるしまさにディスコ!最高!あーあ、真駒内行きたかった(泣)。


6:ローマン・サドフスキー
曲名見てこれはいいもの見られそうだと思ったけど、その通りだったわ。この選手、滑りや身のこなしがとても美しく、音楽にすうっと寄り添える。4回転も転倒はしたけどエキシビションなのに入れてきてて、美しいだけじゃないし。スッと薄荷の残り香がするよう。これからも注目しよう。


7:三浦璃来&木原龍一
結成3ヶ月でエキシビションまで振り付けて覚えるのは大変だったろうに…。それでもうこれだけ滑れるのか。木原君がものすごくイキイキしてるし、三浦さんも。二人で滑るのが楽しくて仕方がないように見える。どうか、巡り会えたその奇跡が、彼らに祝福をもたらすように。


8:イム・ウンス
今大会は悔しそうな涙も見えましたけど、エキシビションでもらったたくさんの拍手とともにまた頑張ってほしい。とても美しく、物語を想像させる演技でした。風になびく衣装も綺麗ですね。


第1部はここで終了。整氷に入るのですが、NHK杯はここでお楽しみが入るのが通例なのですね。


★選手トークショー
てなわけで、NHK杯恒例のコーナーです。まだ「豊の部屋」って言っちゃう人手を挙げて(笑)。あ、やっぱり「部屋」なのね。「静香の部屋」(笑)。

まずは高志郎君、草太君、ジェイソン。高志郎君のエキシビション、ステファンのアイディアなのか…。お前何やらせとるんだ…。そうか、昨日は泣いちゃったのか。きっとまた強くなるよ…。
高志郎君も草太君も羽生君が好きなのね。ってか草太君はガチ勢だったな…(笑)。二人は仲がいいのね、二人が出てたユースオリンピックの写真見て「カワイイ~」ってんのジェイソンかよ、吹いてもうた(笑)。もう高志郎君の方が草太君より背が高いのね。
ジェイソン、頑張って日本語喋ってる。喋り方も声もかわいい。さすがに込み入った話はまだまだ英語だけども。髪切って楽だって言ってる、わかる(笑)。髪の毛を指して日本語で「クリクリ」って(笑)。しかも知子ちゃんにそれ教わったって(笑)。
そしてジェイソンに「タピる」を教える草太君と高志郎君。使う機会ないだろそれ(笑)。


続いてコストルナヤ。やっべえ、ラインの入ったパーカーにおろした髪、めちゃくちゃかわいいでやんの…。
どの技がというか、滑ることそのものが好きなのか。彼女の滑りはとてもジュニア上がりとは思えないレベルなのだけど、好きだという気持ちは何より大切なのかも。


トークコーナーも終了し、第1部は本当に終了。放送も地上波に移って第2部です。続きはまた次回の記事で。




「うさぎパイナップルnote分室」を開設しました。フィギュアスケート以外の話題は2018年9月よりこちらに集約させております。心の叫びや日々の呟き、小説から趣味の話、フィギュアスケートの話も時々、要するに何でもあり。週1、2回のペースで更新中なので、お気軽に遊びに来てくださいね。
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NHK杯2019雑感⑧

NHK杯の覇者が、これで全員決まります。勝負の行方も気になりますが、羽生君がシーズン2戦目を乗り切れるかどうか、祈るような気持ちで見つめた人も多いのではないでしょうか。もちろん、私もその一人です。

さあ、待っていたその時が訪れます!たいへん長い感想記事となりますが、最後までお付き合いいただければとても嬉しいです。

男子フリー

第1グループ

1:コンラッド・オーゼル
序盤頑張ってたんですが、ルッツがどうも上手くいかなかったか。2本とも大きくミス、1本は転倒してしまった。ちょっとぼんやりしてたので細かいところまでチェックできてなくてすみません。身長あるから演技が大きく見えるしジャンプもカッコ良く見えていいですな。


2:アレクセイ・ビチェンコ
ショートよりは良かったと思うけど、ジャンプのパンクなどミスもちらほらと。でもミスが出ると、本人が「やっちゃった☆」って顔するんですよね。それがもうかわいくって面白くって。きっとこういうところが人気の秘訣ですな。衣装は相変わらず最高です。みんなこういうの着てー!


3:樋渡知樹
アクセルがパンクしてしまったが、それ以外は頑張ったんじゃないだろうか。4回転も2本とも降りたし、3連続コンビネーションのサードジャンプはフリップ…!なんというか、トリッキーな選手ですよね。逆回転のジャンプ、バレエジャンプをはじめとした特徴的な動きといい。ちょっとほかにはいないというか、そのキャラクターも含めて非常に個性的。


4:ジェイソン・ブラウン
今日もちょっと調子が良くなさそう。アクセルは得点源になるわけだし、1本決まらなかったのは痛いなあ。ループも転倒…。4回転が入らなかったのはしょうがないにしても、トリプルトゥループになっちゃったからザヤックにドキドキでしたが、さすがに冷静に変更してましたね。ジェイソンらしい美しさももうちょっと出せるとはずなんだけど。素晴らしいプログラムだけに、またいい演技が見られる機会がありますように。


5:山本草
1回蹴るだけでどこまで滑っていけるんだろう、と思ってしまう。相変わらずの滑らかさ…。
パンクしたり乱れたジャンプもあったのですけど、綺麗な4回転ジャンプも2本決まったし、リカバリーもしっかり。ポテンシャルの高さを感じる、それなりにいい演技だったかなと思います。まだまだ伸び代を感じられるのも嬉しいものだ。本当に、すっかり立派な青年になったなあ…。


6:アントン・シュレポフ
本日二人目のシンドラーのリストですが、ジェイソンのそれとはまたイメージ違いますね。もっと強い感じ。
前半は特に良かったと思うな、ジャンプ次々決まって。全体的にもそんなにミスもなく、頑張ったのでは。フリーになるとやっぱりイケメンになるわ(笑)。

第2グループ

7:島田高志郎
転倒などミスもあったんですけど、そこまで悪い演技には見えなかった。それは本人が滑ることが楽しそうなのと、魅せようという気持ちが伝わってくるからだろうなあ。
それでも得点はちょっと厳しい…。回転不足があるしスピンやステップもレベル取れてない。本田君がラストのスピンのレベルに言及してたけど、指摘の通りだ…。ステファンも笑ってるけどちょっと渋い顔?でもしっかりカメラに手を振ることは忘れないという…。いや、変わらないでいて…。


8:ローマン・サドフスキー
シンドラーのリストまさかの3人目。今シーズンシンドラー多くない?とかなんかの大会の感想で書いたと思うが、まさかここで集結するとは…。ブルース・フォー・クルック祭りに続き…。
演技は良かったと思います。特に前半はミスなし。ちょっと終盤乱れてきて、コンビネーションもひとつ足りないだろうと思いますが、ジャンプも決まると美しく、柔らかな腕や動きは曲の儚さに寄り添う。そしてスピンが非常にしなやか。ステップもレベル4。跳ねるようなピアノの音とともに残る余韻。この選手素敵だなあ。


9:マカール・イグナトフ
彼のジャンプ、とても軸が真っ直ぐで、はっきりしてていいですな。4回転トゥループすごく余裕があって良かった。後半ちょっとお疲れに見えましたが、リカバリーもしっかりと。しかしまさかのスピンの途中で転倒。なんか今大会、そこで?ってポイントでミスする選手が多いなあ。
ファイナル進出の可能性もあった選手だけど、ちょっと厳しいか…。うーん、厳しかったようね…。


10:羽生結弦
スタートポーズを取る羽生君の、しゃがんだその足が震えているように見えた…。彼が無事にグランプリシリーズの2戦目でフリーを迎えるのは3年ぶり。どうしてもトラウマになるだろう。それに打ち克つチャンスがやって来た。けれどそれは、決して「大丈夫」を保証してはくれないチャンスだから。

ループはこらえた降り方に見えたが、降りた!こらえたと言ってもうまく修正して降りてるし、ジャンプそのものも質がいいので加点がついてる。
サルコウはもう、今跳んだっけ?と思うくらいスッと。本人に力みがなく、プログラムの流れの中で跳んでいるから自然なのだろう。ステップも、今からステップに入りますよ、という途切れ感がないので気がついたら終わるし、ルッツもいつの間にか跳んでる。羽生君のルッツ、キリキリしてて私は好きだよ。これまた息でもするかのように自然。

4回転トゥループもあまりにも自然で、本当に息するのと変わらないな、と思った。最大級の褒め言葉って、美しいとかパワフルとかじゃなくて「息してるだけかと思った」じゃないかと感じます最近…。
ここから怒濤のコンビネーションジャンプ3連発なのだが、最初の1本がダブルに抜けてしまい、コンビネーションにならない。スケートカナダで成功させた、4回転トゥループオイラートリプルフリップという大技で、カナダではこれ1本で20点くらい稼いだジャンプなので大きな失点。

しかし、羽生結弦はここからである。残りのジャンプは2本しかないので、単独ジャンプをコンビネーションにするというリカバリーは使えない。ではどうするか。残りのコンビネーションジャンプの構成を変えるのだ。羽生結弦の強さのひとつが、このリカバリーの能力である。さあリカバリーどうする?と思わず画面に向かって呟いてしまった(笑)。
まさか、最後から2本目のジャンプに、しかもリカバリーで咄嗟に4回転トゥループとトリプルトゥループのコンビネーションをぶちこんでくるとは…。トリプルトゥループが回転不足なので加点はついていないが、見た目上は綺麗に跳んでいる。衝撃。
こうなると、最後のコンビネーションはどうするか。トリプルアクセルで来ることは間違いないが…。ここでオイラートリプルサルコウをつけた。かつて跳んでいた組み合わせである、咄嗟でも体が動くのだろう。でも最後に咄嗟に入れるようなジャンプじゃないのではこれ…。

すみません、もう意味がわかんなさ過ぎて笑ってしまいました…。強いわ、お前ほんま強いわ…。
『ボクらの時代』だったかな、ちょっと詳しいことは忘れてしまったのだけど、「昔はすごい面白いことやってくる選手いたよね?最後に4回転入れたり」ってな感じのことを確か井上怜奈さんが話してた記憶があるんですよ。面白いことやってくる選手日本から現れましたよ…!昌磨君もロステレコムで4回転最後に入れたりしてたしな。あいつら最高じゃな…。

前半は緊張もあるのか、あまり彼の炎みたいなものは見えず、ショート同様「羽生結弦」だと感じたのですが、トゥループのパンク以降、一気に阿修羅モードにシフトしたのがわかりましたね。ミスは本当は起きない方がいいのですけど、この魔王化しちゃう羽生君も最高に魅力的なんですよねえ。こんなに気が強い子、ちょっと近年見ないからな…。

滑り終えてからは頷きながら失敗ポイントを指差す。パーフェクトに滑れず悔しさもあるだろうけど、今大会はまず、無事に滑り切ることが何より大切だったのだろう。怪我の恐怖は彼がいちばん感じているはず。我々の何千倍も。その恐怖や重圧から、彼もこれで先に進んでいけるのかもしれない。良かった…。

パンクがあるのでカナダほどではないが、それでも300点オーバー。グランプリシリーズをかつてないレベルで2勝している。これまでに見てきた羽生君であり、これまでに見たことのない羽生君でもある今シーズン。
彼の目にはネイサンしか見えていないだろう。NHK杯は、彼にとっては勝てて当たり前の試合だったはず。本当に彼が見据えているのはファイナルだ、ひとまずは。ファイナルで羽生君がどう戦ってくるのか、とても楽しみである。どうか無事に、彼がトリノのリンクに立てるように。願うことはそれだけ。君が元気でいてくれれば、元気に大好きなスケートを滑っていてくれれば、まずは何よりもそれだけが、私たちファンの願いです。

さて、実は今大会までに、柚子酒キットカットなるものをゲットしておりました。高知旅日記やオータムクラシックの記事を読んでくださった方の中には覚えていらっしゃる方もおられるかもしれませんが、高知県の柚子酒を使ったキットカットが9月に発売されたのですね。
キットカットに、柚子酒ですよ。しかもお酒の名前「美丈夫」っていうらしい。どこの羽生結弦だそれは。これは応援アイテムにピッタリでしょ、とひっそり探しておりました。
しかしちょっと特殊なキットカットのようで、普通のスーパーでは見つからず。デパート内のキットカットの専門店でようやくゲットしました。NHK杯までに見つかって良かった。ネタにしたからには、自分でもゲットしなきゃダメかな、と思ってたので、予算確保してました(※この人ホームレスになる心配するくらい貧乏)。柚子の薫りがすっごく爽やかで美味しかったです。箱もビビッドな黄色でかわいいぞ。
…しまった、ファイナルこそ緊張するのにほとんど食べてしまったぞキットカット。残ってるやつ大事に置いとこ…。
私、高知県にとってもファンの方がいましてね。その方が柚子酒キットカットをPRしてる画像が流れてきた時は「天国かな?」と思いましたね…。北と南の美青年が繋がる瞬間(←超こじつけ)。その画像眺めて緊張をほぐしてます今シーズンは(笑)。さあ、「アクティブK介」でツイッターを検索するのです…。イケメンが流れてくるでしょう…←洗脳


11:ケヴィン・エイモズ
ちょっといつものキレがなかったような。表彰台やファイナルがかかってるからなあ。わりと繊細な選手なのかしら。って、誰でも緊張するよね、ファイナル初めてなんだっけ。
ジャンプもあまり綺麗に決まらず、パンクも見られた。コンビネーションジャンプも、オイラーのあと何か考え込んだみたいになってて、サードジャンプ跳んだけど、跳び直し判定になっちゃうのか、本田君によると。んでもって本田君の解説によるとそこまで悪い点にはならないかもだけど…。スピンもステップも全部レベル4だしな。良かった、ファイナル行けそうだよ!


12:セルゲイ・ヴォロノフ
4回転のコンビネーションすごく良かったので、今日も凄い演技を期待したのだが、うーん、ちょっとミスが多かったか。シングルやダブルに抜けてしまうと得点が厳しいからなあ。
けど、なんかもう歴史を感じる演技だった。ひとりだけ20世紀から来てるみたいな。今年もその存在感を見せつけてくれてありがとう。でも、あああ、表彰台は逃してしまった…。


優勝者インタビュー。お前納得してないな…。納得してるようなこと言ってるけど納得してないな…。でもホント、本人の言うとおり、怪我なくNHK杯を終えてくれて、ファイナルにも元気に出られそうというだけでもう十分だよ…。ここまで来たから、ここからまた頂に登ればいいのさ。

表彰式もばっちり流してもらえましたよ。メダル授与は荒川さん。荒川さんから羽生君に金メダル授与って、なんかもうものすごい絵…。
オリーブ冠は頭にフィットしなかったのか(汗)?そしてトロフィーにお花差したりはもちろんしない(笑)。もう4個目だしよく知ってるよなきっと(笑)。

そう言えば、オリーブ冠が授与される前に、アナウンスに羽生君一瞬きょとんとしたような顔してた気がする。そして、オリーブ冠のことだと気付いて納得して頷いてたような…。
江田島のオリーブでできた冠。ちょこっとだけど、広島とフィギュアスケートが関連性を持ってくれるのは、地元の民としては嬉しい。
羽生君と言えばカープ。今回もインタビューで野球にたとえた話をしていたので、まだファンだろうと信じて話を進めますが、カープファンは君がファンだってこと意外に知らないので、もっとアピールしてもいいと思いますよ?
ホントに知らないんすよ、これが。話振ってみても。でも羽生君がファンだって知ったら、みんな羽生君のこと応援するようになるんだよ(笑)。だから、たぶん300万人くらいファン増えるからもっとアピールしていいと思うよ(笑)。

次に女子の表彰式があるので、男子はキスクラで待機してからウイニングランにまた戻ってくるっぽい。羽生君、トロフィーとか椅子に置けばいいのに手に持ったままエッジカバーつけてたけど、ある意味器用かもしれんですな…。


女子も荒川さんからメダル授与なのね。てか、ロシア形式までとは行かないが、カテゴリーごとじゃなく2カテゴリーでまとめて表彰式になったんだな今年。放送の都合でしょうか。
今大会優勝者の国が全部違う。いろんな国歌が聞けますな。コストルナヤは普通にオリーブ冠被ってるけど、羽生君は髪盛ってるから駄目だったのか?あとやっぱり花瓶にはしない(笑)。あれはスイ&ハンだけだった(笑)。あ、待機中の羽生君、ちゃんと被れたみたいねオリーブ冠(笑)。


はー、わらわらしてなかったらもっと集中して見られたんだけど(泣)、んでもやっぱり面白かったしいいか。
さて、残す大会日程はエキシビション。とっくに大会は終了してますけど、今しばらくお付き合いいただければ嬉しいです。




「うさぎパイナップルnote分室」を開設しました。フィギュアスケート以外の話題は2018年9月よりこちらに集約させております。心の叫びや日々の呟き、小説から趣味の話、フィギュアスケートの話も時々、要するに何でもあり。週1、2回のペースで更新中なので、お気軽に遊びに来てくださいね。
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